カテゴリ:恋のぼり
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05/06/2010(Thu)
恋のぼり7話(最終話)
その日は野犬に襲われていた俊平を雨音が身代わりとなって助けたという誤魔化しで過ごした。
俊平が自分の責任だから暫くは自分が看病すると言って、呼んだ医者にも金一封を持たせ、個人的に口止めと患部の治療をお願いをした。
その辺はさすがに裕福な家柄の息子の成せる技だと雨音は感心してしまった。
離れまで様子を見に来る龍ノ助が心配そうに雨音の手を取ると、俊平がそれを制する程大袈裟な付き添いが続いた。
そのお陰で龍ノ助とはしばらく二人きりで会う事はなく、少し寂しかったが反面、あまり問い質されなくて済むので少し助かった気もした。
それと、その間ずっと俊平が側に付いていてくれたのでとても嬉しかった。
その事があってから俊平は変わった。
もう足蹴にする事は無くなり、ずっと望んでいた笑顔での会話が実現したのだ。雨音はこんなにも嬉しい事は無かった。
しばらくしてすっかり体調も身体も良くなり、普段通りの生活が再び送れるようになった頃だ。
龍ノ助と逢引をしているとどこからともなく現れては二人の間を割って入るようなそぶりがよくあるのが気に掛かった。
(俊平さま・・私に良くして下さるようにはなったけど、やはり私が龍ノ助さまと仲良くするのはお気に召さないのだろうな・・。)
以前、俊平の龍ノ助への気持ちに気付いてしまった雨音は、自分とのいい関係が築けた替りに逆に気持ちが素直に出せなくなってしまったのではないかと心配だった。
「俊平の奴、最近はすっかり雨音に懐いてるな」
龍ノ助がふと尋ねてきた。
「そうですね。とても嬉しい事です。」
嬉しそうに笑う雨音の顔を見て、龍ノ助はそっと口付けをしてきた。
「少し・・妬けるな。お前を取られてしまいそうで。」
「そ、そんな!滅相もございませんっ、あっ・・」
龍之介は慌てる雨音の腰を掴んで自分に引き寄せる。
「誰にも渡さないよ」
少し上の位置から雨音の耳元で囁かれてボーッと夢見心地になる。龍ノ助は頬を桃色に染めた雨音の顎を引き上げてその艶やかな唇を吸う。
(はい、雨音は最初から龍ノ助さまのものでございます・・)
サワサワと羽毛のように柔らかな風が二人を庭先で包み込んでは去っていく。春風も大分暖かく吹くようになった。
暦は5月に入っていた。
「龍ノ助!そっちを持て!よし、そのまま・・」
「うわっ父上もう少し引っ張って下さい!」
何やら庭先が騒がしい。
裏庭で掃除をしていた所を俊平がやってきて手伝うというので一緒に掃除・・というよりはお話しをしていた。
ガラガラと大きな音と、龍ノ助さまと旦那様の騒ぐ声。そして可笑しそうにクスクスと笑う楽しげな奥様の笑い声が聞こえてくる。
「何だろう・・?」
「あ!きっとアレだ!!行こう、雨音!!」
手を引かれて庭の方へ駆けつけると、大きな真鯉が空高く上っていくところだった。
「あっ・・鯉のぼり!そうか、今日は・・」
「お。来たか二人とも。今丁度揚げている所だ。」
(うわぁ。やっぱりいつ見ても凄いなぁ。)
雨音はその鯉の鱗を見てふと、以前蔵の中で初めて龍ノ助と想いが通じ合った出来事を想い出して顔がボッと赤くなった。
「よぅし。それと・・これな。俊平お前、前からずっと自分の鯉が欲しい欲しいと言っていただろう?だから今年は奮発してやったんだからな!」
真鯉から続いて青い緋鯉が揚がっていく。
「うそ・・父上買ってくれたのですか!?うわあ、嬉しいッ」
僕は鯉のぼりが大好きだ。幸せな家庭そのものに見えるそれを見るのが。
真っ青な空に今年も元気な鯉が3匹・・。
(え?3匹?・・一匹多い・・)
「今年は子供の人数分、揃えたんだよ。あの三匹目はお前だ、雨音。」
「え・・・・」
「お前を養子にしたんだよ。今日からお前は私たちの家族だ。」
(う・・そ・・)
雨音は口元に両手を当てた。
僕はこの日を、この感情を、この気持ちを何と表現すればいいのだろう。
大好きな人たちが『家族』となった喜び。
初めてできた繋がり。
何かの一員になれたこの嬉しさと幸福感と安心感。
あの鯉が僕の事だと言われた。いつも見るだけで幸せを分けて貰うことの出来たあの鯉。
涙が止まらない。
―ありがとう・・ありがとう・・ありがとう・・・
言葉が詰まって気持ちが瞳から溢れ出て、渇いた地面にポタポタと染みを作っていく。
―きっと僕は世界一幸せ者に違いない。
ゆっくりと龍ノ助が近づいてくる。初めて出逢ったあの時のように。そしてその時に見せてくれたあのふわりとした優しい笑顔で隣に立った。
斜め横から俊平も近づき3人並んで大空を泳ぐ3匹の鯉を見上げる。
右手にそっと龍ノ助の指が絡んできて、手が繋がれた。
それを見た俊平が少しムッとしたような顔つきで雨音の左手に自分の手を繋いできた。
3匹の鯉はこれまで以上に加速して、手を繋ぎながら空を泳いでいた。
END
<<前へ この3人の続き、媚薬の雨水へ>>
終わりました~
皆さまGW如何でしたでしょうか??
これからの3人の恋の行方において、
不完全燃焼を感じた方、ごめんなさい(何かそういうの多いな私)
SSとかでまた書くかもです!
この素敵なお題で書かせて頂いてとても楽しかったです^^
そしてここまでお付き合い下さった方々、本当にありがとうございました!!
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俊平が自分の責任だから暫くは自分が看病すると言って、呼んだ医者にも金一封を持たせ、個人的に口止めと患部の治療をお願いをした。
その辺はさすがに裕福な家柄の息子の成せる技だと雨音は感心してしまった。
離れまで様子を見に来る龍ノ助が心配そうに雨音の手を取ると、俊平がそれを制する程大袈裟な付き添いが続いた。
そのお陰で龍ノ助とはしばらく二人きりで会う事はなく、少し寂しかったが反面、あまり問い質されなくて済むので少し助かった気もした。
それと、その間ずっと俊平が側に付いていてくれたのでとても嬉しかった。
その事があってから俊平は変わった。
もう足蹴にする事は無くなり、ずっと望んでいた笑顔での会話が実現したのだ。雨音はこんなにも嬉しい事は無かった。
しばらくしてすっかり体調も身体も良くなり、普段通りの生活が再び送れるようになった頃だ。
龍ノ助と逢引をしているとどこからともなく現れては二人の間を割って入るようなそぶりがよくあるのが気に掛かった。
(俊平さま・・私に良くして下さるようにはなったけど、やはり私が龍ノ助さまと仲良くするのはお気に召さないのだろうな・・。)
以前、俊平の龍ノ助への気持ちに気付いてしまった雨音は、自分とのいい関係が築けた替りに逆に気持ちが素直に出せなくなってしまったのではないかと心配だった。
「俊平の奴、最近はすっかり雨音に懐いてるな」
龍ノ助がふと尋ねてきた。
「そうですね。とても嬉しい事です。」
嬉しそうに笑う雨音の顔を見て、龍ノ助はそっと口付けをしてきた。
「少し・・妬けるな。お前を取られてしまいそうで。」
「そ、そんな!滅相もございませんっ、あっ・・」
龍之介は慌てる雨音の腰を掴んで自分に引き寄せる。
「誰にも渡さないよ」
少し上の位置から雨音の耳元で囁かれてボーッと夢見心地になる。龍ノ助は頬を桃色に染めた雨音の顎を引き上げてその艶やかな唇を吸う。
(はい、雨音は最初から龍ノ助さまのものでございます・・)
サワサワと羽毛のように柔らかな風が二人を庭先で包み込んでは去っていく。春風も大分暖かく吹くようになった。
暦は5月に入っていた。
「龍ノ助!そっちを持て!よし、そのまま・・」
「うわっ父上もう少し引っ張って下さい!」
何やら庭先が騒がしい。
裏庭で掃除をしていた所を俊平がやってきて手伝うというので一緒に掃除・・というよりはお話しをしていた。
ガラガラと大きな音と、龍ノ助さまと旦那様の騒ぐ声。そして可笑しそうにクスクスと笑う楽しげな奥様の笑い声が聞こえてくる。
「何だろう・・?」
「あ!きっとアレだ!!行こう、雨音!!」
手を引かれて庭の方へ駆けつけると、大きな真鯉が空高く上っていくところだった。
「あっ・・鯉のぼり!そうか、今日は・・」
「お。来たか二人とも。今丁度揚げている所だ。」
(うわぁ。やっぱりいつ見ても凄いなぁ。)
雨音はその鯉の鱗を見てふと、以前蔵の中で初めて龍ノ助と想いが通じ合った出来事を想い出して顔がボッと赤くなった。
「よぅし。それと・・これな。俊平お前、前からずっと自分の鯉が欲しい欲しいと言っていただろう?だから今年は奮発してやったんだからな!」
真鯉から続いて青い緋鯉が揚がっていく。
「うそ・・父上買ってくれたのですか!?うわあ、嬉しいッ」
僕は鯉のぼりが大好きだ。幸せな家庭そのものに見えるそれを見るのが。
真っ青な空に今年も元気な鯉が3匹・・。
(え?3匹?・・一匹多い・・)
「今年は子供の人数分、揃えたんだよ。あの三匹目はお前だ、雨音。」
「え・・・・」
「お前を養子にしたんだよ。今日からお前は私たちの家族だ。」
(う・・そ・・)
雨音は口元に両手を当てた。
僕はこの日を、この感情を、この気持ちを何と表現すればいいのだろう。
大好きな人たちが『家族』となった喜び。
初めてできた繋がり。
何かの一員になれたこの嬉しさと幸福感と安心感。
あの鯉が僕の事だと言われた。いつも見るだけで幸せを分けて貰うことの出来たあの鯉。
涙が止まらない。
―ありがとう・・ありがとう・・ありがとう・・・
言葉が詰まって気持ちが瞳から溢れ出て、渇いた地面にポタポタと染みを作っていく。
―きっと僕は世界一幸せ者に違いない。
ゆっくりと龍ノ助が近づいてくる。初めて出逢ったあの時のように。そしてその時に見せてくれたあのふわりとした優しい笑顔で隣に立った。
斜め横から俊平も近づき3人並んで大空を泳ぐ3匹の鯉を見上げる。
右手にそっと龍ノ助の指が絡んできて、手が繋がれた。
それを見た俊平が少しムッとしたような顔つきで雨音の左手に自分の手を繋いできた。
3匹の鯉はこれまで以上に加速して、手を繋ぎながら空を泳いでいた。
END
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終わりました~
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これからの3人の恋の行方において、
不完全燃焼を感じた方、ごめんなさい(何かそういうの多いな私)
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05/05/2010(Wed)
恋のぼり6話
★18禁です。暴力的な描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。
(龍ノ助さま・・・)
雨音は見ず知らずの臭気を放つ男のものを口に咥えた。吐き気がする。同時に無理やり別の男に後孔に指を突っ込まれるとヌメリのないそこに激痛が走って眩暈がした。
横では俊平が男に抑えられ抗っている様子がちらりと視界に入るが、苦しさと激痛に耐えるので精一杯だった。
(大丈夫。耐えられる。・・僕に出来ることなど・・これくらいしか。)
―でも最初は、やっぱり龍ノ助さまが良かったな・・
諦めが心の感情に蓋をすると、唾液をベットリとつけた男の性器がズルッと後孔の入り口を抉じ開けにきた。
「んぐッ・・・!!!」
大の男の性器はまだ成長しきっていない雨音の身体にはやはり大き過ぎた。だが、そんなものはお構いなしに男は力いっぱい押し入ろうとしてくる。声を出しようにも口にはめられた別の性器がそれをさせない。
グリッと入り口のつっかかりを突破するように先端が進むと、ビリッとした何か破れるようなあまりの激痛が能天まで突き抜けた。
それはあまりにも無理な質量だった。
心の伴わない、一方的な蹂躙は幼い雨音の耐える気力を恐怖が奪っていく。
「ひッ・・・!!」
何度も突き刺し亀裂する痛みに気を失い、腰が引いて倒れてしまった。
「チッ・・んだよコイツ、気ィ失ってんじゃねぇよ!!立てオラァ」
無理やり腰を掴まれると、再度一番太い先端を捻じ込まれ、再び地獄の現実に意識が引き戻された。
「ギャアアアアッ!!!」
既に最初の衝撃で裂傷してしまったその場所からは薄暗さで色が識別しにくいが、タラタラと血液が足に伝って流れ出ていた。
ヌルヌルと鮮血で滑りの良くなった後孔に容赦なく突き入れてくる男の凶暴な肉棒でメリメリと息も止まる程の激痛が背骨を軋ませる。
「うぁぁあアアアアッ!!」
男はもう一息思い切り入れ込めば全て入ると、雨音の腰を再び力強く掴み直した。
その事を悟った雨音は全身から脂汗を出し悪寒で震え上がった。
(殺されてしまう・・!助けて!龍ノ助さま!!)
「やめろォーーーッ!!!」
一際激しい俊平の声がした。
「ぐわぁッ」
横で男が悲痛の叫び声を上げると同時に刺さっていた肉棒が後孔から抜けた。
「うッ・・ぐ」
雨音はそのまま崩れるように地面に落ちた。
朦朧とする意識の中、土に顔を付けたままの視界に次々と男が倒れて顔面を押さえてのた打ち回る姿が入った。
「があぁぁぁ」
「お奉行さま!お奉行さまーッ!」
近くに見回りの奉行でも居たのだろうか、俊平の助けを呼ぶ声が聞こえる。
「くッ!?行くぞお前ら!立てッ」
俊平の言葉に反応した男たちは殴られた頭や顔を抱えて慌てて逃げていった。
倒れたまま虚ろな目でそれを見ていると、視界にザクザクと俊平の足が近づいてくるのが見えた。
「大丈夫か?」
俊平は血のベットリとついた太いこん棒を地面にドサリと投げ捨てると、血だらけで剥き出しになっている雨音の下半身に服を被せ、倒れていた雨音の上半身を抱き上げた。
「・・俊平さま・・今・・のは」
「ああ。俺だよ。嘘ついたんだ。でもって足元にあったこん棒を蹴り上げて拾ってあいつらを殴りつけてやったんだ。・・・ごめん。雨音・・俺の代わりに酷い目に遭って・・こんな・・」
俊平は悲痛な顔で歪んだ。
「大丈夫です。大切な人を守れたのですから・・それに全部入れられなくて済んだので、平気です。」
雨音は細く微笑んだ。それでも内股に伝う鮮血が痛々しいく俊平の心臓は潰されそうになる。
本当は自分がこうなる筈だった姿が、今は目の前で雨音が身代わりになっている。
「それでもこんなになって・・なんでだ?俺、あんなにいつも・・いっつも酷い事してきたのに。この間だって・・あいつらと同じ事」
俊平は以前雨音に強制的に口でしろと命令した。自分も先程体験した屈辱的で吐き気のする思いを思い返すと、雨音に対しての罪悪感と、自分のしてしまった事の重大さに震えがくる。
「違います。私にとって俊平さまはとても大切な人です。ずっと、あの雨の日からずっと、俊平さまも、龍ノ助さまも、旦那様も奥様も皆僕の世界に入ってきた・・大切な人たちだから。」
俊平は溢れそうな涙を瞳に溜めながら謝った。
「ごめん・・ごめん・・よ。俺・・どうしたら・・」
「泣かないで下さい、俊平さま。・・では一つお願いがあります。聞いて下さいますか?」
「ああ。何だ?言ってみろ」
「龍ノ助さまには・・この事、秘密にしておいて下さいませんか。」
自分を責めないようにという雨音の優しさを、自分の恋心で知られたくないからという理由で頼む雨音の心情が伝わってきた。きっと今自分を庇っているんじゃないかと言っても、好きな人に知られたくないと言われるだけだ。雨音は昔からそういう奴だった。
俊平は瞳に溜まっていた潤みが、後から来る洪水のような涙に押し流されボロボロと大きな露を零しながら雨音をギュッと抱きしめた。
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(龍ノ助さま・・・)
雨音は見ず知らずの臭気を放つ男のものを口に咥えた。吐き気がする。同時に無理やり別の男に後孔に指を突っ込まれるとヌメリのないそこに激痛が走って眩暈がした。
横では俊平が男に抑えられ抗っている様子がちらりと視界に入るが、苦しさと激痛に耐えるので精一杯だった。
(大丈夫。耐えられる。・・僕に出来ることなど・・これくらいしか。)
―でも最初は、やっぱり龍ノ助さまが良かったな・・
諦めが心の感情に蓋をすると、唾液をベットリとつけた男の性器がズルッと後孔の入り口を抉じ開けにきた。
「んぐッ・・・!!!」
大の男の性器はまだ成長しきっていない雨音の身体にはやはり大き過ぎた。だが、そんなものはお構いなしに男は力いっぱい押し入ろうとしてくる。声を出しようにも口にはめられた別の性器がそれをさせない。
グリッと入り口のつっかかりを突破するように先端が進むと、ビリッとした何か破れるようなあまりの激痛が能天まで突き抜けた。
それはあまりにも無理な質量だった。
心の伴わない、一方的な蹂躙は幼い雨音の耐える気力を恐怖が奪っていく。
「ひッ・・・!!」
何度も突き刺し亀裂する痛みに気を失い、腰が引いて倒れてしまった。
「チッ・・んだよコイツ、気ィ失ってんじゃねぇよ!!立てオラァ」
無理やり腰を掴まれると、再度一番太い先端を捻じ込まれ、再び地獄の現実に意識が引き戻された。
「ギャアアアアッ!!!」
既に最初の衝撃で裂傷してしまったその場所からは薄暗さで色が識別しにくいが、タラタラと血液が足に伝って流れ出ていた。
ヌルヌルと鮮血で滑りの良くなった後孔に容赦なく突き入れてくる男の凶暴な肉棒でメリメリと息も止まる程の激痛が背骨を軋ませる。
「うぁぁあアアアアッ!!」
男はもう一息思い切り入れ込めば全て入ると、雨音の腰を再び力強く掴み直した。
その事を悟った雨音は全身から脂汗を出し悪寒で震え上がった。
(殺されてしまう・・!助けて!龍ノ助さま!!)
「やめろォーーーッ!!!」
一際激しい俊平の声がした。
「ぐわぁッ」
横で男が悲痛の叫び声を上げると同時に刺さっていた肉棒が後孔から抜けた。
「うッ・・ぐ」
雨音はそのまま崩れるように地面に落ちた。
朦朧とする意識の中、土に顔を付けたままの視界に次々と男が倒れて顔面を押さえてのた打ち回る姿が入った。
「があぁぁぁ」
「お奉行さま!お奉行さまーッ!」
近くに見回りの奉行でも居たのだろうか、俊平の助けを呼ぶ声が聞こえる。
「くッ!?行くぞお前ら!立てッ」
俊平の言葉に反応した男たちは殴られた頭や顔を抱えて慌てて逃げていった。
倒れたまま虚ろな目でそれを見ていると、視界にザクザクと俊平の足が近づいてくるのが見えた。
「大丈夫か?」
俊平は血のベットリとついた太いこん棒を地面にドサリと投げ捨てると、血だらけで剥き出しになっている雨音の下半身に服を被せ、倒れていた雨音の上半身を抱き上げた。
「・・俊平さま・・今・・のは」
「ああ。俺だよ。嘘ついたんだ。でもって足元にあったこん棒を蹴り上げて拾ってあいつらを殴りつけてやったんだ。・・・ごめん。雨音・・俺の代わりに酷い目に遭って・・こんな・・」
俊平は悲痛な顔で歪んだ。
「大丈夫です。大切な人を守れたのですから・・それに全部入れられなくて済んだので、平気です。」
雨音は細く微笑んだ。それでも内股に伝う鮮血が痛々しいく俊平の心臓は潰されそうになる。
本当は自分がこうなる筈だった姿が、今は目の前で雨音が身代わりになっている。
「それでもこんなになって・・なんでだ?俺、あんなにいつも・・いっつも酷い事してきたのに。この間だって・・あいつらと同じ事」
俊平は以前雨音に強制的に口でしろと命令した。自分も先程体験した屈辱的で吐き気のする思いを思い返すと、雨音に対しての罪悪感と、自分のしてしまった事の重大さに震えがくる。
「違います。私にとって俊平さまはとても大切な人です。ずっと、あの雨の日からずっと、俊平さまも、龍ノ助さまも、旦那様も奥様も皆僕の世界に入ってきた・・大切な人たちだから。」
俊平は溢れそうな涙を瞳に溜めながら謝った。
「ごめん・・ごめん・・よ。俺・・どうしたら・・」
「泣かないで下さい、俊平さま。・・では一つお願いがあります。聞いて下さいますか?」
「ああ。何だ?言ってみろ」
「龍ノ助さまには・・この事、秘密にしておいて下さいませんか。」
自分を責めないようにという雨音の優しさを、自分の恋心で知られたくないからという理由で頼む雨音の心情が伝わってきた。きっと今自分を庇っているんじゃないかと言っても、好きな人に知られたくないと言われるだけだ。雨音は昔からそういう奴だった。
俊平は瞳に溜まっていた潤みが、後から来る洪水のような涙に押し流されボロボロと大きな露を零しながら雨音をギュッと抱きしめた。
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05/04/2010(Tue)
恋のぼり5話
☆15禁です。
ソロソロと四つん這いになり、俊平を膝立ちにさせると着物の間からまだ小さな性器を取り出し、口内へ含んだ。
「うッ・・」
俊平はくぐもった声を出すと、瞬時に小さかった性器が雨音の口内で膨張した。龍ノ助のモノ程ではないが、その年にしては雨音のよりもずっと大きい。
「くっ・・あっ・・あっ・・ふっ・・んんッ」
いつものやんちゃな俊平のものとは思えない少し高い艶のある声が頭上でする。少し驚いて上を見ると、そこには頬を紅潮させて蕩けた瞳で悔しそうな顔の俊平がこちらを見下ろしていた。
「見・・るな・・んあっ・・あっ・・」
それを舐められたのが初めてだったのか、俊平はその愉悦に上手く自身のコントロールが効かないようだ。不覚にも自分の立場も省みずそんな俊平を少し可愛らしいと思ってしまった。
ググッと根本まで深く咥え込み、舌をネットリと絡みつかせながら俊平の表情を伺う。
(こんな・・こんな気持ちいいなんて・・!くそッ・・兄さま・・)
堪えられない声を出し、憎むべき相手に痴態を晒すような事をしてしまったと俊平は後悔した。
だが身体はその快感を貪るように腰が自然とリズムを刻むように動く。下を見ると潤んだ瞳で少し挑戦的な視線を投げながら艶かしく舌を動かす雨音がいる。雨音の女っぽいといつもバカにしている筈の顔が妙に色っぽく見えてしまう。というより、今まで認めたくなかった雨音の綺麗な顔をこんな時に限って認めざるを得なくなった。
「ぐ・・あああっ・・出るっ・・出るっ」
「龍ノ助さまは私の顔に掛けられました・・」
「!・・なら・・俺はお前の口に出すッ」
そう言ってビクンビクンと雨音の口内で俊平の性器が飛び跳ねると、ドロっとした液体が大量に流れ込んできた。雨音はそれをゴクリと嚥下する。
「はぁ・・はぁ・・お前、飲んだのか?」
口元を袖で拭きながら雨音は恥ずかしそうにコクリと頷いた。
「くそッ」
俊平は雨音を押し倒すと、唇を塞いだ。突然の激しい口付けに抗う力が半減される。一旦唇を離され、お互い息の荒いまま見つめあった。すると俊平は顔を真っ赤にして脱兎の如く部屋から飛び出して行った。
(俊平さま・・・)
それからしばらくは普段通りだった。俊平があの晩雨音にした行為を龍ノ助に告げられた形跡も無く、穏便に日常が送られていた。ただ、心なしか俊平が以前のようにガンガンと足蹴にするような事はなく、むしろ少し避け気味にも感じられた。
(嫌われてしまったのかな・・)
龍ノ助とはたまに周りの目を盗んでは逢引きのような事をしていた。だが俊平の気持ちを考えると少し切ないような、申し訳ないような気持ちになった。
その日も夕刻までは普段通りだった。
「雨音、俊平は帰ったか?」
「あ、龍ノ助さま。いえ、まだお帰りになっていないようですが・・遅いですね・・」
「ああ。・・最近物騒だから少し気がかりで。少しこの辺を見て来る。」
「あ、はい。では私も・・」
「いや、お前は家にいろ。お前にもし何かあったら・・」
龍ノ助がギュッと抱きしめてくる。胸がキュッとした。
(ああ・・。大好きです・・龍ノ助さま・・)
俊平を探しに出て行った龍ノ助だが、辺りが薄暗くなっても二人は戻らなかった。さすがに心配で耐え切れず、二人で探した方が早いと思い雨音も家を出た。
近所を歩き回っても見当たらず、少し足を伸ばして林のある方面に出た。
そこは昔俊平に連れられて遊びという名の軽いイジメを受けたことのある境内のある場所だった。俊平はそこは秘密の場所なのだと言っていた。もしやと思い、近づいてみると幾人かの人の声と少し高めのくぐもった声が境内から漏れてきた。
雨音が駆けつくと、そこには3人の男に嬲られる俊平の姿があった。
「俊平さま!!」
「何だ、お前。こいつの知り合いかぁ?今イイ事してんだ邪魔すんなよ・・」
後を見ると男のそそり立った性器を無理やり口内に突っ込まれ苦しそうに涙を流す俊平の姿があった。もう一人は俊平の後孔に指を入れて中を掻き回している。
「んぐぅッ・・」
「もう、お止め下さい!お願いします!お願いしますから!」
雨音はその場に土下座した。男は近づいてしゃがむと雨音の顎を取った。
「ほ~。可愛い顔しちゃって。どうしようかなぁ・・俺たち溜まっててねぇ。」
雨音は意を決したように相手を見据えた。
「でしたら、私が代わりにお相手致しますから。ですから俊平さまをお離し下さい!」
「だってよ?」
それを聞いた男たちが俊平を投げ捨てるとニヤニヤと雨音に近づいてくる。
「や・・めろ・・ゴホッ・・」
倒れた俊平が声を絞り出す。
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ソロソロと四つん這いになり、俊平を膝立ちにさせると着物の間からまだ小さな性器を取り出し、口内へ含んだ。
「うッ・・」
俊平はくぐもった声を出すと、瞬時に小さかった性器が雨音の口内で膨張した。龍ノ助のモノ程ではないが、その年にしては雨音のよりもずっと大きい。
「くっ・・あっ・・あっ・・ふっ・・んんッ」
いつものやんちゃな俊平のものとは思えない少し高い艶のある声が頭上でする。少し驚いて上を見ると、そこには頬を紅潮させて蕩けた瞳で悔しそうな顔の俊平がこちらを見下ろしていた。
「見・・るな・・んあっ・・あっ・・」
それを舐められたのが初めてだったのか、俊平はその愉悦に上手く自身のコントロールが効かないようだ。不覚にも自分の立場も省みずそんな俊平を少し可愛らしいと思ってしまった。
ググッと根本まで深く咥え込み、舌をネットリと絡みつかせながら俊平の表情を伺う。
(こんな・・こんな気持ちいいなんて・・!くそッ・・兄さま・・)
堪えられない声を出し、憎むべき相手に痴態を晒すような事をしてしまったと俊平は後悔した。
だが身体はその快感を貪るように腰が自然とリズムを刻むように動く。下を見ると潤んだ瞳で少し挑戦的な視線を投げながら艶かしく舌を動かす雨音がいる。雨音の女っぽいといつもバカにしている筈の顔が妙に色っぽく見えてしまう。というより、今まで認めたくなかった雨音の綺麗な顔をこんな時に限って認めざるを得なくなった。
「ぐ・・あああっ・・出るっ・・出るっ」
「龍ノ助さまは私の顔に掛けられました・・」
「!・・なら・・俺はお前の口に出すッ」
そう言ってビクンビクンと雨音の口内で俊平の性器が飛び跳ねると、ドロっとした液体が大量に流れ込んできた。雨音はそれをゴクリと嚥下する。
「はぁ・・はぁ・・お前、飲んだのか?」
口元を袖で拭きながら雨音は恥ずかしそうにコクリと頷いた。
「くそッ」
俊平は雨音を押し倒すと、唇を塞いだ。突然の激しい口付けに抗う力が半減される。一旦唇を離され、お互い息の荒いまま見つめあった。すると俊平は顔を真っ赤にして脱兎の如く部屋から飛び出して行った。
(俊平さま・・・)
それからしばらくは普段通りだった。俊平があの晩雨音にした行為を龍ノ助に告げられた形跡も無く、穏便に日常が送られていた。ただ、心なしか俊平が以前のようにガンガンと足蹴にするような事はなく、むしろ少し避け気味にも感じられた。
(嫌われてしまったのかな・・)
龍ノ助とはたまに周りの目を盗んでは逢引きのような事をしていた。だが俊平の気持ちを考えると少し切ないような、申し訳ないような気持ちになった。
その日も夕刻までは普段通りだった。
「雨音、俊平は帰ったか?」
「あ、龍ノ助さま。いえ、まだお帰りになっていないようですが・・遅いですね・・」
「ああ。・・最近物騒だから少し気がかりで。少しこの辺を見て来る。」
「あ、はい。では私も・・」
「いや、お前は家にいろ。お前にもし何かあったら・・」
龍ノ助がギュッと抱きしめてくる。胸がキュッとした。
(ああ・・。大好きです・・龍ノ助さま・・)
俊平を探しに出て行った龍ノ助だが、辺りが薄暗くなっても二人は戻らなかった。さすがに心配で耐え切れず、二人で探した方が早いと思い雨音も家を出た。
近所を歩き回っても見当たらず、少し足を伸ばして林のある方面に出た。
そこは昔俊平に連れられて遊びという名の軽いイジメを受けたことのある境内のある場所だった。俊平はそこは秘密の場所なのだと言っていた。もしやと思い、近づいてみると幾人かの人の声と少し高めのくぐもった声が境内から漏れてきた。
雨音が駆けつくと、そこには3人の男に嬲られる俊平の姿があった。
「俊平さま!!」
「何だ、お前。こいつの知り合いかぁ?今イイ事してんだ邪魔すんなよ・・」
後を見ると男のそそり立った性器を無理やり口内に突っ込まれ苦しそうに涙を流す俊平の姿があった。もう一人は俊平の後孔に指を入れて中を掻き回している。
「んぐぅッ・・」
「もう、お止め下さい!お願いします!お願いしますから!」
雨音はその場に土下座した。男は近づいてしゃがむと雨音の顎を取った。
「ほ~。可愛い顔しちゃって。どうしようかなぁ・・俺たち溜まっててねぇ。」
雨音は意を決したように相手を見据えた。
「でしたら、私が代わりにお相手致しますから。ですから俊平さまをお離し下さい!」
「だってよ?」
それを聞いた男たちが俊平を投げ捨てるとニヤニヤと雨音に近づいてくる。
「や・・めろ・・ゴホッ・・」
倒れた俊平が声を絞り出す。
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05/03/2010(Mon)
恋のぼり4話
龍ノ助は自分の手拭を出すと、丁寧に雨音の顔を拭いた。
「あ・・申し訳ございません、龍ノ助さまの手拭を汚してしまって・・」
「何言ってんだ。俺が雨音にした事だ。本当はもう少し見ていたいんだけど、刺激が強すぎて・・その、もう一度したくなりそうだから。悪かったな。顔にかけて。」
「いえ。」
(嬉しかった・・って言ったら変かな・・)
「お前があんまり可愛かったからつい・・。ずっとしたかったんだ。ずっと想像してた。」
(うそ・・・龍ノ助さまが・・?僕の事を・・?)
「あ・・あの!僕・・僕ッずっと・・初めて龍ノ助さまを見た時から、ずっとお慕い申し上げておりました!」
(言ってしまった・・!ついに・・)
ギュッと目を瞑り身体を小刻みに震わせた。
ふわりと優しく抱きしめられる感触に大きく目を見開くと、優しく口付けをされた。
「俺もだよ、雨音。お前をあの雨の日に見た瞬間から、好きになっていた。」
「・・・龍ノ助さま!!」
溢れる涙が止まらず、そのまま龍ノ助の胸に抱きとめられた。そのまま幾度も幾度も唇が腫れるまで口付けを交わした。
好きになった人に好きだと思われる事がこんなにも嬉しいものなのだろうか。こんな幸福な瞬間はもう二度と訪れないのではないか。こんな気持ちがこの世の中にあったなんて・・・
その日、僕は生まれて初めて嬉し泣きというものを体験した。
夜、布団に入ると昼間起こった情事が鮮明に脳裏に蘇って身体が火照ってくる。下半身は既に大きく立ち上がり、直に触ると上下に扱く動きは止められないものになる。
どうせ、離れで一人寝ているのだからと大胆に声を出してみる。
「あっ・・ああっ・・龍ノ助さまっ・・龍ノ・・すけさまぁ・・ああん」
その声に拍車が掛かったように先走りの液体がどんどんと流れ出て、手の滑りを良くする。
「雨音、兄さまを浅ましい想像の相手にしてそんなに良いか?」
ハッと全てが止まった。びっくりして後を振り返ると、俊平が怒りと蔑みを含んだ表情で見下ろしていた。雨音は血の気が引いた。
(どうしてこんな夜更けに俊平さまが?!)
「あ・・あの・・どうして・・」
「この淫乱が・・」
髪の毛を掴みあげられた。
「いッ・・!」
「お前、今日兄さまと蔵で何をしていた?」
「!!」
「蔵の方へ行く兄さまの姿が見えたから追って行ったんだ。したら中からお前のいやらしい声が聞こえてきたんだよ。お前俺の兄さまと何してたんだよ!!」
髪の毛を引き千切られるかと思う程に強く引かれる。
「あああッ!!ごめっ・・ごめんなさいッ!でも・・私はずっと龍ノ助さまをお慕い申し上げていました!ですから決して不埒な気持ちではありませんッ。どうか、どうかお許しを・・!」
ドサリと布団の上に押し倒された。
「くそッ・・兄さまは決して僕には許して下さらなかったというのに!」
(やはり・・やはり俊平さまは龍ノ助さまの事を―!)
「あッ!・・何をッ・・お止め下さい俊平さまッ・・あっ」
俊平の手が雨音の下肢にスルリと入ってきた。先程まで自慰によって痛い程腫上がっていた雨音の性器は俊平の、龍ノ助のよりも一回り小さな手で上下に扱かれた。
「俺に犯されたと知ったら兄さまはお前を許さないだろうな。お前は兄さまを裏切ったのだから!俺は淫乱のお前に誘われたと言えばもう、この家には居られないだろう・・」
嫉妬で激情した俊平の不敵な笑みは、それが本気だという事を十分に語っていた。
(い・・やだ・・それだけは!イヤだ!!)
「お願い・・します・・それだけはお許しを・・何でも言う事を聞きますから・・うっ・・く」
俊平の弄る手が止まった。
「なら・・兄さまにした事を・・同じ事を俺にもしろッ」
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「あ・・申し訳ございません、龍ノ助さまの手拭を汚してしまって・・」
「何言ってんだ。俺が雨音にした事だ。本当はもう少し見ていたいんだけど、刺激が強すぎて・・その、もう一度したくなりそうだから。悪かったな。顔にかけて。」
「いえ。」
(嬉しかった・・って言ったら変かな・・)
「お前があんまり可愛かったからつい・・。ずっとしたかったんだ。ずっと想像してた。」
(うそ・・・龍ノ助さまが・・?僕の事を・・?)
「あ・・あの!僕・・僕ッずっと・・初めて龍ノ助さまを見た時から、ずっとお慕い申し上げておりました!」
(言ってしまった・・!ついに・・)
ギュッと目を瞑り身体を小刻みに震わせた。
ふわりと優しく抱きしめられる感触に大きく目を見開くと、優しく口付けをされた。
「俺もだよ、雨音。お前をあの雨の日に見た瞬間から、好きになっていた。」
「・・・龍ノ助さま!!」
溢れる涙が止まらず、そのまま龍ノ助の胸に抱きとめられた。そのまま幾度も幾度も唇が腫れるまで口付けを交わした。
好きになった人に好きだと思われる事がこんなにも嬉しいものなのだろうか。こんな幸福な瞬間はもう二度と訪れないのではないか。こんな気持ちがこの世の中にあったなんて・・・
その日、僕は生まれて初めて嬉し泣きというものを体験した。
夜、布団に入ると昼間起こった情事が鮮明に脳裏に蘇って身体が火照ってくる。下半身は既に大きく立ち上がり、直に触ると上下に扱く動きは止められないものになる。
どうせ、離れで一人寝ているのだからと大胆に声を出してみる。
「あっ・・ああっ・・龍ノ助さまっ・・龍ノ・・すけさまぁ・・ああん」
その声に拍車が掛かったように先走りの液体がどんどんと流れ出て、手の滑りを良くする。
「雨音、兄さまを浅ましい想像の相手にしてそんなに良いか?」
ハッと全てが止まった。びっくりして後を振り返ると、俊平が怒りと蔑みを含んだ表情で見下ろしていた。雨音は血の気が引いた。
(どうしてこんな夜更けに俊平さまが?!)
「あ・・あの・・どうして・・」
「この淫乱が・・」
髪の毛を掴みあげられた。
「いッ・・!」
「お前、今日兄さまと蔵で何をしていた?」
「!!」
「蔵の方へ行く兄さまの姿が見えたから追って行ったんだ。したら中からお前のいやらしい声が聞こえてきたんだよ。お前俺の兄さまと何してたんだよ!!」
髪の毛を引き千切られるかと思う程に強く引かれる。
「あああッ!!ごめっ・・ごめんなさいッ!でも・・私はずっと龍ノ助さまをお慕い申し上げていました!ですから決して不埒な気持ちではありませんッ。どうか、どうかお許しを・・!」
ドサリと布団の上に押し倒された。
「くそッ・・兄さまは決して僕には許して下さらなかったというのに!」
(やはり・・やはり俊平さまは龍ノ助さまの事を―!)
「あッ!・・何をッ・・お止め下さい俊平さまッ・・あっ」
俊平の手が雨音の下肢にスルリと入ってきた。先程まで自慰によって痛い程腫上がっていた雨音の性器は俊平の、龍ノ助のよりも一回り小さな手で上下に扱かれた。
「俺に犯されたと知ったら兄さまはお前を許さないだろうな。お前は兄さまを裏切ったのだから!俺は淫乱のお前に誘われたと言えばもう、この家には居られないだろう・・」
嫉妬で激情した俊平の不敵な笑みは、それが本気だという事を十分に語っていた。
(い・・やだ・・それだけは!イヤだ!!)
「お願い・・します・・それだけはお許しを・・何でも言う事を聞きますから・・うっ・・く」
俊平の弄る手が止まった。
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05/02/2010(Sun)
恋のぼり3話
☆15禁です。
「んっ・・んんっ・・んはっ・・は・・・んんっ」
雨音はその初めての甘美な蜜を時折口端に零しながら飲んでいった。お互い糸が切れたように唇を貪りあう。龍ノ助の下半身は硬く熱を持って雨音の内股を刺激した。雨音の袴も性器の盛り上がりで膨らんでしまっている。恥ずかしくて手で隠そうとすると、龍ノ助が雨音の袴を緩め、着物の間から手を差し入れてきた。
「ひぁっ・・あっ・・だ、だめです!龍ノ助さまがそんな・・僕のとこ・・あっ・・」
雨音の性器を布から外側へ出すと、龍ノ助の淫らな舌が亀頭に巻きつけられた。
(あ・・僕がいつも龍ノ助さまを想って自慰しているソレ・・ソレを今、龍ノ助さまが・・舌で・・)
雨音はいつも想像でしか見たことの無かったその状態を、いざ目の前で実際に見ると既に射精してしまいそうな衝動を抑えるのが精一杯だった。
雨音のまだ幼い性器がヌルリと暖かい龍ノ助の口内へ飲み込まれていくと、初めて味わう未知の快楽に腰が浮いた。
「あぁああん・・り・・りゅうのすけ・・さまぁ・・んん」
ジュプジュプと卑猥な音が蔵に鈍く響いた。
「も、もうっ・・ダメですッ・・で・・出ちゃうぅぅん」
このままでは龍ノ助の口内へ射精してしまうと焦って腰を引こうとするが、がっしりと腰を掴まれて動けない。
「あっあっ・・ダメっ・・離して下さい!龍ノ助さまっ・・や・・龍ノ助さまぁああんッ」
ビュルッビュルッとこの上ない快感の液体を愛しい人の口の中へ出す。背徳感から来る快感が雨音の身を震わせる。
コクンコクンと上手そうにそれを飲み干した龍ノ助は、昔と同じ優しい笑顔で、でも少し艶かしい笑顔で雨音に手を差し伸べた。
「おいで。」
龍ノ助の性器からはタラタラと透明の液体が溢れて艶々していた。
「りゅ・・龍ノ助さまぁ!!」
雨音は龍ノ助の性器にしゃぶりついた。初めて口に含む好きな人の性器はとても熱く、少ししょっぱい味も脳を甘く痺れさせた。
二人の卑猥な動きは、蔵の中で静に鯉を泳がせていた。
「雨音・・歯を立てないように、そう。舌を動かして・・あ・・いい・・んっ」
(龍ノ助さまが気持ち良さそうにしてる・・こんな声を出すなんて・・)
雨音は龍ノ助の言う通りに舌を使い、ピチャピチャと音を大きく立てながら喉深くまで入れ込んだ。龍ノ助は「あぐっ」とくぐもった艶のある声を出すと膝で立ち、腰を前後に振ってきた。雨音はそれ合わせるように四つん這いで懸命に前後に抜き差しされる肉棒を受け入れる。
龍ノ助はあまりの気持ちよさでつい雨音の頭を持つと、強めに口内へ打ち付けてしまった。雨音は急に強く奥へ入ってきた肉棒に苦しくなり目尻から涙が零れ落ちた。それでも拒否はしたくなく、喉を大きく開いて受け入れようとした。
「はぁ・・はぁ・・可愛いよ、雨音・・」
龍ノ助は雨音の口からズルリと性器を引き抜くと、雨音の顔の前で上下に激しく扱いた。
「雨音・・あ・・あっ・・」
龍ノ助は蕩けた表情の雨音の顔を上に向かせ、頭を支えて固定する。雨音は目の前で激しく扱かれている龍之介の性器と気持ちよさに歪む表情を交互に見る。雨音は再び自身の性器が硬さを増したのが分かった。自然と自分の性器を扱きながら、龍ノ助のトロトロに濡れた鈴口に舌を這わせ、チロチロと舐める。
「ああッ・・あま・・ねッ・・くッ・・」
頭を強く固定されると、雨音の顔面にビュルリと熱い液体が飛ばされた。それと同時に雨音も手の中で射精した。
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「んっ・・んんっ・・んはっ・・は・・・んんっ」
雨音はその初めての甘美な蜜を時折口端に零しながら飲んでいった。お互い糸が切れたように唇を貪りあう。龍ノ助の下半身は硬く熱を持って雨音の内股を刺激した。雨音の袴も性器の盛り上がりで膨らんでしまっている。恥ずかしくて手で隠そうとすると、龍ノ助が雨音の袴を緩め、着物の間から手を差し入れてきた。
「ひぁっ・・あっ・・だ、だめです!龍ノ助さまがそんな・・僕のとこ・・あっ・・」
雨音の性器を布から外側へ出すと、龍ノ助の淫らな舌が亀頭に巻きつけられた。
(あ・・僕がいつも龍ノ助さまを想って自慰しているソレ・・ソレを今、龍ノ助さまが・・舌で・・)
雨音はいつも想像でしか見たことの無かったその状態を、いざ目の前で実際に見ると既に射精してしまいそうな衝動を抑えるのが精一杯だった。
雨音のまだ幼い性器がヌルリと暖かい龍ノ助の口内へ飲み込まれていくと、初めて味わう未知の快楽に腰が浮いた。
「あぁああん・・り・・りゅうのすけ・・さまぁ・・んん」
ジュプジュプと卑猥な音が蔵に鈍く響いた。
「も、もうっ・・ダメですッ・・で・・出ちゃうぅぅん」
このままでは龍ノ助の口内へ射精してしまうと焦って腰を引こうとするが、がっしりと腰を掴まれて動けない。
「あっあっ・・ダメっ・・離して下さい!龍ノ助さまっ・・や・・龍ノ助さまぁああんッ」
ビュルッビュルッとこの上ない快感の液体を愛しい人の口の中へ出す。背徳感から来る快感が雨音の身を震わせる。
コクンコクンと上手そうにそれを飲み干した龍ノ助は、昔と同じ優しい笑顔で、でも少し艶かしい笑顔で雨音に手を差し伸べた。
「おいで。」
龍ノ助の性器からはタラタラと透明の液体が溢れて艶々していた。
「りゅ・・龍ノ助さまぁ!!」
雨音は龍ノ助の性器にしゃぶりついた。初めて口に含む好きな人の性器はとても熱く、少ししょっぱい味も脳を甘く痺れさせた。
二人の卑猥な動きは、蔵の中で静に鯉を泳がせていた。
「雨音・・歯を立てないように、そう。舌を動かして・・あ・・いい・・んっ」
(龍ノ助さまが気持ち良さそうにしてる・・こんな声を出すなんて・・)
雨音は龍ノ助の言う通りに舌を使い、ピチャピチャと音を大きく立てながら喉深くまで入れ込んだ。龍ノ助は「あぐっ」とくぐもった艶のある声を出すと膝で立ち、腰を前後に振ってきた。雨音はそれ合わせるように四つん這いで懸命に前後に抜き差しされる肉棒を受け入れる。
龍ノ助はあまりの気持ちよさでつい雨音の頭を持つと、強めに口内へ打ち付けてしまった。雨音は急に強く奥へ入ってきた肉棒に苦しくなり目尻から涙が零れ落ちた。それでも拒否はしたくなく、喉を大きく開いて受け入れようとした。
「はぁ・・はぁ・・可愛いよ、雨音・・」
龍ノ助は雨音の口からズルリと性器を引き抜くと、雨音の顔の前で上下に激しく扱いた。
「雨音・・あ・・あっ・・」
龍ノ助は蕩けた表情の雨音の顔を上に向かせ、頭を支えて固定する。雨音は目の前で激しく扱かれている龍之介の性器と気持ちよさに歪む表情を交互に見る。雨音は再び自身の性器が硬さを増したのが分かった。自然と自分の性器を扱きながら、龍ノ助のトロトロに濡れた鈴口に舌を這わせ、チロチロと舐める。
「ああッ・・あま・・ねッ・・くッ・・」
頭を強く固定されると、雨音の顔面にビュルリと熱い液体が飛ばされた。それと同時に雨音も手の中で射精した。
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05/01/2010(Sat)
恋のぼり2話
(ここも・・掃除しなきゃ・・)
大きな蔵の中は埃っぽく暗かった。唯一小窓から入る光が中を薄明るくさせてはいるが、入ってしばらくしないと目が慣れない。大量の物が乱雑に保管されている蔵は一人で整頓するのに一苦労だった。棚に沿って見慣れない物たちに目を奪われていると、足元の物に引っ掛かって床に転んでしまった。
「うわッ!!」
さっき俊平に突き飛ばされて擦り剥いた顎に再度石の床がぶつかり、泣き面に蜂状態だ。
「イッツ!・・?」
床を見ると大きな鱗模様の布が敷いてあるのが見えた。不思議に思い、立ち上がって布を広げると、それは毎年5月に揚げられる鯉のぼりだった。
(あっ・・これ・・)
それは僕にとって憧れだった。裕福な家庭でしかこのような立派な鯉のぼりが揚げられないこの時代で、僕が唯一初めて間近で見た本物の鯉のぼりだった。色鮮やかな矢車の下には黒く大きく立派な真鯉。風に揺られて大きく空を泳ぐその姿は大変立派で、両親の子を思う気持ちが鯉を元気よく泳がせているように見えた。
(うわぁ・・鯉だぁ。)
雨音はキラキラと目を輝かせてちらりと周りに人の気配がいないのを確認すると、その滑々した布を手に取りパタパタと鯉を泳がせてみた。
その時一瞬にして雨音の身体に布が被さり、大きな鯉の口に飲み込まれてしまった。
「うわあ!!」
「あっはは、驚いたか?雨音」
急いで鯉の口から顔を出すと、目の前には大好きな龍ノ助が悪戯な顔で笑っていた。
「もっ・・もうっ!驚かせないで下さい、龍ノ助さまぁ。」
「だって全然気付かないからさ。つい悪戯したくなっちゃって。」
そう言うと鯉の口を雨音と自分に被せてきた。急に間近に迫った龍ノ助の顔にドキンと心臓が大きく跳ねると、その瞬間から鼓動の時速が上がった。
「ほら、二人とも食べられちゃった」
「あ・・・」
僕はそれどころではない。蔵という密室だけでも心臓が張り裂けそうなのに、こんな布を二人で被って更に空間を狭められたら気を失いそうになる。
それどころか、龍ノ助に何故か近くでジッと口元を見つめられる。
龍ノ助の顔をこんなに間近で長時間見たのは初めてだった。長く密集したまつ毛が切れ長の瞳を更に艶っぽく見せ、スッとした顎のラインに肉付きのいい唇が更に雨音の欲を掻き立てる。
まだ十五歳である龍ノ助は、整った顔立ちに加え、元々落ち着いているので大人っぽくは見えるがやはり、ほんの少し幼さが見え隠れする。大人になったらきっとすれ違う人が振り向くような容姿になるに違いない。
龍ノ助の手が雨音の顎に触れた。途端に頭が真っ白になる。日の光を浴びればきっと顔が売れたトマトのように真っ赤になっているに違いない。
ゆっくりと近づく龍ノ助に耐え切れずギュッと目を瞑る。
「お前、ここどうしたんだ?擦り剥いてるじゃないか」
「え・・え・・?」
龍ノ助はさっき負った傷を見ていたのだ。一瞬で心臓が湖の底に沈殿していく。
「あ・・ああ。それですか。さっき転んだ所をまたぶつけてしまって。」
「可哀想に。血が出ている。」
「いえ、大した事はないので。」
グイと顎を上に向けられると、傷口をぺロリと龍ノ助に舐められた。
一瞬何をされたのか理解できなかった。見開いた目でジッと龍ノ助を見ていると、再びゆっくりと傷口に舌を這わされた。
「ッ!龍・・ノ助さまッ!何を・・!」
龍ノ助は黙ったまま舌をゆっくりと耳元へ、そして首筋から鎖骨の方へと移動させた。
「あっ・・おやめくださ・・い・・龍ノ・・助さまっ・・あっ」
いけないと分かっているのに身体は素直に反応してしまう。ゾクゾクと気持ちのいい昂ぶりが身体の表面を駆け抜ける。思わず龍ノ助の肩をギュっと掴んでしまった。
すると龍ノ助の舌先はゆっくりと顎へ移動し、雨音に視線を合わせるとそのまま唇を舐めた。舌はそのままヌルリと雨音の口内へ侵入し怯える雨音の舌に絡ませると巧みに唾液を流し込んでくる。
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大きな蔵の中は埃っぽく暗かった。唯一小窓から入る光が中を薄明るくさせてはいるが、入ってしばらくしないと目が慣れない。大量の物が乱雑に保管されている蔵は一人で整頓するのに一苦労だった。棚に沿って見慣れない物たちに目を奪われていると、足元の物に引っ掛かって床に転んでしまった。
「うわッ!!」
さっき俊平に突き飛ばされて擦り剥いた顎に再度石の床がぶつかり、泣き面に蜂状態だ。
「イッツ!・・?」
床を見ると大きな鱗模様の布が敷いてあるのが見えた。不思議に思い、立ち上がって布を広げると、それは毎年5月に揚げられる鯉のぼりだった。
(あっ・・これ・・)
それは僕にとって憧れだった。裕福な家庭でしかこのような立派な鯉のぼりが揚げられないこの時代で、僕が唯一初めて間近で見た本物の鯉のぼりだった。色鮮やかな矢車の下には黒く大きく立派な真鯉。風に揺られて大きく空を泳ぐその姿は大変立派で、両親の子を思う気持ちが鯉を元気よく泳がせているように見えた。
(うわぁ・・鯉だぁ。)
雨音はキラキラと目を輝かせてちらりと周りに人の気配がいないのを確認すると、その滑々した布を手に取りパタパタと鯉を泳がせてみた。
その時一瞬にして雨音の身体に布が被さり、大きな鯉の口に飲み込まれてしまった。
「うわあ!!」
「あっはは、驚いたか?雨音」
急いで鯉の口から顔を出すと、目の前には大好きな龍ノ助が悪戯な顔で笑っていた。
「もっ・・もうっ!驚かせないで下さい、龍ノ助さまぁ。」
「だって全然気付かないからさ。つい悪戯したくなっちゃって。」
そう言うと鯉の口を雨音と自分に被せてきた。急に間近に迫った龍ノ助の顔にドキンと心臓が大きく跳ねると、その瞬間から鼓動の時速が上がった。
「ほら、二人とも食べられちゃった」
「あ・・・」
僕はそれどころではない。蔵という密室だけでも心臓が張り裂けそうなのに、こんな布を二人で被って更に空間を狭められたら気を失いそうになる。
それどころか、龍ノ助に何故か近くでジッと口元を見つめられる。
龍ノ助の顔をこんなに間近で長時間見たのは初めてだった。長く密集したまつ毛が切れ長の瞳を更に艶っぽく見せ、スッとした顎のラインに肉付きのいい唇が更に雨音の欲を掻き立てる。
まだ十五歳である龍ノ助は、整った顔立ちに加え、元々落ち着いているので大人っぽくは見えるがやはり、ほんの少し幼さが見え隠れする。大人になったらきっとすれ違う人が振り向くような容姿になるに違いない。
龍ノ助の手が雨音の顎に触れた。途端に頭が真っ白になる。日の光を浴びればきっと顔が売れたトマトのように真っ赤になっているに違いない。
ゆっくりと近づく龍ノ助に耐え切れずギュッと目を瞑る。
「お前、ここどうしたんだ?擦り剥いてるじゃないか」
「え・・え・・?」
龍ノ助はさっき負った傷を見ていたのだ。一瞬で心臓が湖の底に沈殿していく。
「あ・・ああ。それですか。さっき転んだ所をまたぶつけてしまって。」
「可哀想に。血が出ている。」
「いえ、大した事はないので。」
グイと顎を上に向けられると、傷口をぺロリと龍ノ助に舐められた。
一瞬何をされたのか理解できなかった。見開いた目でジッと龍ノ助を見ていると、再びゆっくりと傷口に舌を這わされた。
「ッ!龍・・ノ助さまッ!何を・・!」
龍ノ助は黙ったまま舌をゆっくりと耳元へ、そして首筋から鎖骨の方へと移動させた。
「あっ・・おやめくださ・・い・・龍ノ・・助さまっ・・あっ」
いけないと分かっているのに身体は素直に反応してしまう。ゾクゾクと気持ちのいい昂ぶりが身体の表面を駆け抜ける。思わず龍ノ助の肩をギュっと掴んでしまった。
すると龍ノ助の舌先はゆっくりと顎へ移動し、雨音に視線を合わせるとそのまま唇を舐めた。舌はそのままヌルリと雨音の口内へ侵入し怯える雨音の舌に絡ませると巧みに唾液を流し込んでくる。
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04/30/2010(Fri)
GW企画「恋のぼり」1話
僕には、何もなかった。
いつの間にか寺で他の孤児と一緒に生活をして、仲の良かった友達もいつも間にか消えていった。僧侶の人に、あの子はどこに行ったのかと尋ねると、決まって新しい人に引き取られたのだと言われた。今となっては本当のところ、どうなのかは分からない。僕のように偶々本当に引き取られたかもしれないし、人身売買に遭ってしまったかもしれない。
僕には繋がりがなかった。
十の時分から引き取られた先の家で下働きをさせてもらってはいるが、所詮は他人でしかない。旦那様の家族には、奥様と二人の子供たちがいて、ちゃんと家族が既に成り立っている。商売が忙しい裕福な旦那様と奥様は、手のかかる次男の遊び相手兼家の手伝いという名目で僕を引き取った。
何故僕だったのか、それは長男の龍ノ助さまが決めて下さったからだ。
あの時、あの雨の日に屋根から落ちる雨水の落ちる音を音楽の代わりに聞いて一人で遊んでいると、当時十才だった僕よりも3つ上だった龍ノ助さまが近づいて来られた。
「何してるの?」
「え・・雨水の音を聞いてるの。色んな音がするから・・」
「ふーん・・」
僕達は一緒に音を聞いた。不規則な音がリズムになってそれを僕は真似て口ずさんだ。
「君、この音が歌えるんだ。凄いね。」
僕は驚いた。いつもいつも一人で雨の日はこうして遊ぶのが常だった事が凄いと言われた。僕は初めて言われた言葉に耳まで火照り、顔を赤くしてしまった。何故あんなに顔が熱くなったのか。今ならその感情がどんな時に沸き起こるのかが理解できる。
「健康で丈夫そうな、素直な子がいいわねぇ、アナタ。」
「うーん、そうだなぁ。あの子なんかいいんじゃないか?がっちりしてるし。」
近くで会話が聞こえてきた。偶にしか話さない次郎と呼ばれていた子を指差しているのが見えた。
「えー、ヤダぁー」
はっきりと本人を目の前にして否定を言葉にした僕と同い年位の気の強そうな子がダダを捏ねている。僕は自分が言われた訳でもないのにズクンと胸が痛んだ。
「来て。」
横にいた龍ノ助さまがスクッと立ち上がって僕を誘導した。龍ノ助さまがご両親の所まで僕を案内すると、何やら交渉しているようだった。僕は、僕の事を睨む弟の鋭い目線から居心地の悪さで小さく縮こまっていた。
「女の子みたいで可愛いんだけど・・大丈夫かしら?」
「仕方ないなぁ。お前がそう言うなら・・まぁいいだろう。」
そう聞こえた時だった。振り返った龍ノ助さまがふわりと優しい笑顔を向けて僕にこう言って下さったんだ。
「おいで。」
そう言って手を差し伸べられた。僕はどうしていいか分からずモジモジしているとそっと手を取って「今日から家で一緒に暮らすんだ」と、言ってくれた。
「えー・・ヤダァ・・」
今度は自分に向けて言われた言葉にやっぱり胸が痛んだけれど、向けられたあまりに優しい龍ノ助さまの笑顔に惹き込まれていたので、あまり気にならなかった。
僕はもう、あの時からずっと龍ノ助さまに恋をしてるんだと思う。
「雨音!雨音ッ!これ、片付けとけよ!」
「あっ・・はい。ただいま・・。」
雨音はあの日、龍ノ助さまが僕に付けて下さった名前だ。それまで適当に太郎だの一郎だのと呼ばれていた僕は元々の名など知らないと言った。
「じゃあ、雨の音を聞いていたから雨音というのはどうだ?」
(アマネ・・・素敵な名・・)
初めて貰った名。僕の、僕だけの名は大好きな龍ノ助さまから頂いた。
「おいッ何ボサッとしてんだよ雨音!早くしろよッ!」
突然背中に衝撃が走り、前へドサリと胸を打ち付けて呼吸が苦しくなる。
「ゴホッ・・」
引き取られてから既に約二年余り経つが、あの日から龍ノ助さまの弟の俊平さまは僕を目の敵にするかの如く、絶えず辛く当たってくる。この仕打ちもいつもの事だ。それでも龍ノ助さまの側にいられるなら何だって我慢ができる。
それにこんな僕を引き取って下さったこの家の方はやっぱり僕にとってはとても身近で、やっぱり愛おしく感じるんだ。例え一方通行だったとしても。
いつか俊平さまにも普通にお話が出来たらいいなと思う。
俊平さまは僕と同い年だ。やんちゃで気が強く、我侭放題の甘えん坊だ。それに、龍ノ助さまにベッタリだったので、僕に優しくする兄を見る度に陰で僕を足蹴にした。
僕からすれば、家族が居て、あんな素敵な兄がいて血が繋がっているという何物にも変えがたい事実があるのに、それでも更に独り占めしようとする俊平さまの気持ちが、ただの兄弟に向けられるものだけではない気がした。
<<目次へ 次へ>>
5月の企画、┣>・)BBB≪ こいのぼり
始動です♪
でもこんな爽やかなタイトルなのに
シリアスになっちゃった(ノДT)アゥゥ
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いつの間にか寺で他の孤児と一緒に生活をして、仲の良かった友達もいつも間にか消えていった。僧侶の人に、あの子はどこに行ったのかと尋ねると、決まって新しい人に引き取られたのだと言われた。今となっては本当のところ、どうなのかは分からない。僕のように偶々本当に引き取られたかもしれないし、人身売買に遭ってしまったかもしれない。
僕には繋がりがなかった。
十の時分から引き取られた先の家で下働きをさせてもらってはいるが、所詮は他人でしかない。旦那様の家族には、奥様と二人の子供たちがいて、ちゃんと家族が既に成り立っている。商売が忙しい裕福な旦那様と奥様は、手のかかる次男の遊び相手兼家の手伝いという名目で僕を引き取った。
何故僕だったのか、それは長男の龍ノ助さまが決めて下さったからだ。
あの時、あの雨の日に屋根から落ちる雨水の落ちる音を音楽の代わりに聞いて一人で遊んでいると、当時十才だった僕よりも3つ上だった龍ノ助さまが近づいて来られた。
「何してるの?」
「え・・雨水の音を聞いてるの。色んな音がするから・・」
「ふーん・・」
僕達は一緒に音を聞いた。不規則な音がリズムになってそれを僕は真似て口ずさんだ。
「君、この音が歌えるんだ。凄いね。」
僕は驚いた。いつもいつも一人で雨の日はこうして遊ぶのが常だった事が凄いと言われた。僕は初めて言われた言葉に耳まで火照り、顔を赤くしてしまった。何故あんなに顔が熱くなったのか。今ならその感情がどんな時に沸き起こるのかが理解できる。
「健康で丈夫そうな、素直な子がいいわねぇ、アナタ。」
「うーん、そうだなぁ。あの子なんかいいんじゃないか?がっちりしてるし。」
近くで会話が聞こえてきた。偶にしか話さない次郎と呼ばれていた子を指差しているのが見えた。
「えー、ヤダぁー」
はっきりと本人を目の前にして否定を言葉にした僕と同い年位の気の強そうな子がダダを捏ねている。僕は自分が言われた訳でもないのにズクンと胸が痛んだ。
「来て。」
横にいた龍ノ助さまがスクッと立ち上がって僕を誘導した。龍ノ助さまがご両親の所まで僕を案内すると、何やら交渉しているようだった。僕は、僕の事を睨む弟の鋭い目線から居心地の悪さで小さく縮こまっていた。
「女の子みたいで可愛いんだけど・・大丈夫かしら?」
「仕方ないなぁ。お前がそう言うなら・・まぁいいだろう。」
そう聞こえた時だった。振り返った龍ノ助さまがふわりと優しい笑顔を向けて僕にこう言って下さったんだ。
「おいで。」
そう言って手を差し伸べられた。僕はどうしていいか分からずモジモジしているとそっと手を取って「今日から家で一緒に暮らすんだ」と、言ってくれた。
「えー・・ヤダァ・・」
今度は自分に向けて言われた言葉にやっぱり胸が痛んだけれど、向けられたあまりに優しい龍ノ助さまの笑顔に惹き込まれていたので、あまり気にならなかった。
僕はもう、あの時からずっと龍ノ助さまに恋をしてるんだと思う。
「雨音!雨音ッ!これ、片付けとけよ!」
「あっ・・はい。ただいま・・。」
雨音はあの日、龍ノ助さまが僕に付けて下さった名前だ。それまで適当に太郎だの一郎だのと呼ばれていた僕は元々の名など知らないと言った。
「じゃあ、雨の音を聞いていたから雨音というのはどうだ?」
(アマネ・・・素敵な名・・)
初めて貰った名。僕の、僕だけの名は大好きな龍ノ助さまから頂いた。
「おいッ何ボサッとしてんだよ雨音!早くしろよッ!」
突然背中に衝撃が走り、前へドサリと胸を打ち付けて呼吸が苦しくなる。
「ゴホッ・・」
引き取られてから既に約二年余り経つが、あの日から龍ノ助さまの弟の俊平さまは僕を目の敵にするかの如く、絶えず辛く当たってくる。この仕打ちもいつもの事だ。それでも龍ノ助さまの側にいられるなら何だって我慢ができる。
それにこんな僕を引き取って下さったこの家の方はやっぱり僕にとってはとても身近で、やっぱり愛おしく感じるんだ。例え一方通行だったとしても。
いつか俊平さまにも普通にお話が出来たらいいなと思う。
俊平さまは僕と同い年だ。やんちゃで気が強く、我侭放題の甘えん坊だ。それに、龍ノ助さまにベッタリだったので、僕に優しくする兄を見る度に陰で僕を足蹴にした。
僕からすれば、家族が居て、あんな素敵な兄がいて血が繋がっているという何物にも変えがたい事実があるのに、それでも更に独り占めしようとする俊平さまの気持ちが、ただの兄弟に向けられるものだけではない気がした。
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5月の企画、┣>・)BBB≪ こいのぼり
始動です♪
でもこんな爽やかなタイトルなのに
シリアスになっちゃった(ノДT)アゥゥ
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