01/19/2012(Thu)
貴方の狂気が、欲しい 16話
大きなベッドの上に無数の道具が散らばる中で、時枝の艶やかな白い身体が無造作に横たわっていた。
由朗に道具と指で散々弄られた為、後ろの入り口は赤みが強くなっていた。それが白く丸い臀部の間から見えて卑猥だ。
「また寂しかったら私の所へ来なさい。いいね?」
「……はい」
時枝はうつ伏せたまま顔を横向きにして小さな声で答えた。
由朗はそのまま時枝を残して部屋を出て行った。
時枝はこの感情をどう説明していいか分からなかった。ただ無償に虚しく、寂しさだけがずっと冷たく身体の中にある。
それはいくら快楽で外に放ってしまおうとしてもずっと居座り続ける厄介なものだった。
時枝は冷たい両手を胸の前で温めながら身体を丸めた。
由朗が再び仕事をしに別のビルへと移動しようとロビーへ降りた時だった。
見た事のある自分よりも少し大きな身体の男が険しい顔で向かってくるのが見えた。
「何だ慶介じゃないか! 久し振りだね、どうしたんだ」
木戸が来た理由など分かっている由朗だが素知らぬ顔をして挨拶をした。
「お久しぶりです……時枝と一緒ですか?」
挨拶もそこそこにストレートに突っ込んでくる木戸は、小さい頃から変わらない性分だと由朗は目を細めた。
「気になるのか?」
由朗が含んだ様な言い方をした。
木戸はそれが気に食わない様で眉間を寄せる。
いつも全てを分かっていて、それでも試す様な由朗の余裕に満ちた顔がいつも気に食わなかった。
「あいつ、どこにいますか」
「三○○二号室にいるから行ってあげなさい」
由朗はにっこりと父親らしい笑顔を向けて去って行った。
木戸は直ぐにでも部屋に行きたかったが、由朗の笑顔に違和感を感じて取り敢えず時枝に電話を掛けた。
一度目の着信は出なかったが、もう一度掛けると今度は出た。
「時枝です。直ぐにお電話出れずに申し訳ありません」
「お前、今何してるんだ」
「……ちょっとシャワーに……申し訳ありません」
電話をスピーカーにして急いで着替えでもしているのだろうか、少し慌てたような雰囲気が伝わって来た。
「ロビーで待ってるから直ぐ降りて来い」
「え……」
木戸は命令だけして電話を切った。そしてポケットからタバコを取り出すと乱暴に火を点けて思い切り煙を吸い込んだ。
突然の木戸の出迎えに慌てた時枝は急いで洋服を着ると部屋を出た。
部屋に突然入って来られなくて本当に良かったと背中に冷や汗をかいた。
(木戸様は由朗様と下で会われたのだろうか……由朗様は何て言ったのかな……)
不安でまた一層手先が冷たくなった気がした。
五月蠅い心臓を抱えたまま煌びやかなロビーへ急ぐと、立ったまま不機嫌そうにタバコを吹かしている木戸が目に飛び込んできた。
同時に木戸も時枝を見つけてタバコを美しい細工のされた公共の灰皿に乱暴に押しつけてこちらへ向かって来た。
「お前、仕事放ったらかして何してたんだ」
「申し訳ありません……仕事の方は……その、由朗様が電話して下さって……大丈夫です」
何だか目が合わせられない。
元々あまり人と目を合わせない方だが、妙に意識して合わせられない。
「髪が濡れているな」
木戸の大きな手が時枝のストレートの髪を摘まんだ。
時枝はカッと頬に熱が灯ったのを自覚して俯いた。
「来い」
木戸は命令すると同時に身を翻してホテルを出た。
時枝はそれに続く様に急いで大きな背中を後を追う。外に出た途端冷たい風が顔周りに当たって濡れた髪を更に冷やした。
時枝と木戸は外に待たせてあった木戸のハイヤーに乗り込み、後ろの座席に二人で乗り込む形になった。
運転手との間に隙間はなく、やり取りは中に備え付けられている電話で話せるようになっている。
また運転席と後部座席の仕切りは防音ガラスに加えてボタン一つでそのガラスにスモークが掛る様になっている為完全なる個室になる。
<<前へ 次へ>>
個室……。で??(☆∀☆)キラキラ.+゚ ←
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お礼画像あり☆6種ランダム
由朗に道具と指で散々弄られた為、後ろの入り口は赤みが強くなっていた。それが白く丸い臀部の間から見えて卑猥だ。
「また寂しかったら私の所へ来なさい。いいね?」
「……はい」
時枝はうつ伏せたまま顔を横向きにして小さな声で答えた。
由朗はそのまま時枝を残して部屋を出て行った。
時枝はこの感情をどう説明していいか分からなかった。ただ無償に虚しく、寂しさだけがずっと冷たく身体の中にある。
それはいくら快楽で外に放ってしまおうとしてもずっと居座り続ける厄介なものだった。
時枝は冷たい両手を胸の前で温めながら身体を丸めた。
由朗が再び仕事をしに別のビルへと移動しようとロビーへ降りた時だった。
見た事のある自分よりも少し大きな身体の男が険しい顔で向かってくるのが見えた。
「何だ慶介じゃないか! 久し振りだね、どうしたんだ」
木戸が来た理由など分かっている由朗だが素知らぬ顔をして挨拶をした。
「お久しぶりです……時枝と一緒ですか?」
挨拶もそこそこにストレートに突っ込んでくる木戸は、小さい頃から変わらない性分だと由朗は目を細めた。
「気になるのか?」
由朗が含んだ様な言い方をした。
木戸はそれが気に食わない様で眉間を寄せる。
いつも全てを分かっていて、それでも試す様な由朗の余裕に満ちた顔がいつも気に食わなかった。
「あいつ、どこにいますか」
「三○○二号室にいるから行ってあげなさい」
由朗はにっこりと父親らしい笑顔を向けて去って行った。
木戸は直ぐにでも部屋に行きたかったが、由朗の笑顔に違和感を感じて取り敢えず時枝に電話を掛けた。
一度目の着信は出なかったが、もう一度掛けると今度は出た。
「時枝です。直ぐにお電話出れずに申し訳ありません」
「お前、今何してるんだ」
「……ちょっとシャワーに……申し訳ありません」
電話をスピーカーにして急いで着替えでもしているのだろうか、少し慌てたような雰囲気が伝わって来た。
「ロビーで待ってるから直ぐ降りて来い」
「え……」
木戸は命令だけして電話を切った。そしてポケットからタバコを取り出すと乱暴に火を点けて思い切り煙を吸い込んだ。
突然の木戸の出迎えに慌てた時枝は急いで洋服を着ると部屋を出た。
部屋に突然入って来られなくて本当に良かったと背中に冷や汗をかいた。
(木戸様は由朗様と下で会われたのだろうか……由朗様は何て言ったのかな……)
不安でまた一層手先が冷たくなった気がした。
五月蠅い心臓を抱えたまま煌びやかなロビーへ急ぐと、立ったまま不機嫌そうにタバコを吹かしている木戸が目に飛び込んできた。
同時に木戸も時枝を見つけてタバコを美しい細工のされた公共の灰皿に乱暴に押しつけてこちらへ向かって来た。
「お前、仕事放ったらかして何してたんだ」
「申し訳ありません……仕事の方は……その、由朗様が電話して下さって……大丈夫です」
何だか目が合わせられない。
元々あまり人と目を合わせない方だが、妙に意識して合わせられない。
「髪が濡れているな」
木戸の大きな手が時枝のストレートの髪を摘まんだ。
時枝はカッと頬に熱が灯ったのを自覚して俯いた。
「来い」
木戸は命令すると同時に身を翻してホテルを出た。
時枝はそれに続く様に急いで大きな背中を後を追う。外に出た途端冷たい風が顔周りに当たって濡れた髪を更に冷やした。
時枝と木戸は外に待たせてあった木戸のハイヤーに乗り込み、後ろの座席に二人で乗り込む形になった。
運転手との間に隙間はなく、やり取りは中に備え付けられている電話で話せるようになっている。
また運転席と後部座席の仕切りは防音ガラスに加えてボタン一つでそのガラスにスモークが掛る様になっている為完全なる個室になる。
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拍手秘コメの場合は普通コメント欄にてお返事致します。
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コメント
好きですね~(・∀・)ニヤニヤ
も~ちこさんてば!!(興奮)
> ハイッ、ハイッ、ハイッ意地悪されたいで~す(^o^)
って!やはり!バンバンヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
きっと喜んで木戸くんたちが苛めに来ますよ!
> 木戸さんも、たっぷりと引いてしまったパパの血(^3^)うちゅ~~~っと吸い付くしてしまいたい、ちこどすえ~(〃▽〃)
何と!吸血ちこさんに変身!ヽ( ゚ 3゚)ノ ←
一筋縄ではいきませんね~!
きっとパパも大喜びですよ(笑)
♪ルンルン((o(*・ω・*)o))ルンルン♪ ←注:パパw
> あぁまたこやつ、おかしなことをいいよるのうと、思って下さいませ(笑)
> ひひひっ(゜゜;)\(--;)
ィヤァーン♪ ヾ(*´Д`*)ノ ~~~~~\o(▼皿▼〃) オラオラ!!!
Σはっ!
すみません、つい小突くつもりがいつの間にかムチを持っていました!
> 個室、個室!!!
そうですよ~!
個室です!!異空間!!(違
.+゚ゎくゎく.+゚(o(。・д・。)o).+゚ぅきぅき.+゚
コメントどうもありがとうございました
ハイッ、ハイッ、ハイッ意地悪されたいで~す(^o^)
木戸さんも、たっぷりと引いてしまったパパの血(^3^)うちゅ~~~っと吸い付くしてしまいたい、ちこどすえ~(〃▽〃)
あぁまたこやつ、おかしなことをいいよるのうと、思って下さいませ(笑)
ひひひっ(゜゜;)\(--;)
個室、個室!!!
に乗って下さった~♪♪(笑)
木戸パパは木戸パパでしたね(;・∀・)
色々遺伝子は移っているようですが元を見たり!
って感じです(笑)
無自覚さんの木戸くん、
ちょっぴり恋に目覚めたようで!?o((*・ω・*))o゙ ワクワク♪
ちょっと優しくてかなりのドSとの判定が☆
おぉ♪(〃▽〃人)
> いいですねぇ、いいですよー!
いいですか!?イイんですね!?
ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ
木戸にはこの後期待したいと思います!
(また変な事して泣かせなければいいのですが…)(-ω-;)
> きゅん♪
。.:*・゚キャ(*ノω〃)ノキャ゚・*:.。 ←喜
コメントどうもありがとうございました
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