03/26/2012(Mon)
貴方の狂気が、欲しい 54話
時枝たちはおぼつかない足取りで何度もキスをしながら歩いて帰った。
二人は何度も立ち止まり、少し歩いてはまた木戸が時枝の頭を強引に引き寄せた。
縺れ込むようにして家へ入ると、中の空気が外より少しひんやりと感じた。もしかしたら二人の体温が異常に熱を持っていたからそう感じたのかもしれない。
木戸は細い糸が切れてしまったように我慢が限界を超え、乱暴に時枝を廊下の壁に押し付けて服の中へ熱い手を滑り込ませた。
「あっ」
時枝から焦る様な声が漏れる。
木戸の指先は直ぐさま小さな硬い尖りを見つけて摘まみ上げた。
「や……ぁ」
時枝は涙が薄く滲む程気持ち良かった。
「俺達はもう何度もこうしてここでヤってたんだよ」
木戸が時枝の白い首を軽く噛みながら言った。
「え……うそ……」
木戸の歯が食い込む度に胸の尖りは更に硬さを増す。
「覚えてないか?」
「じゃ……あれは夢じゃないのですか……?!」
「現実だ。よく思い出せ。俺のモノがどういう風にお前の中で動き回っていたか」
木戸は時枝の身体を反転させ、壁に胸を押しつけるような体制にさせた。
木戸はカチカチになった自分の下半身を服の上から時枝のふっくらとした尻の間へ押し付けた。
時枝の全身が総毛立つ。
「ここでこうして後ろから突いてやったのも忘れたか?」
後ろから耳に舌先を忍ばせながら木戸が言う。腰をしっかり持たれ、ゆっくりと突くように卑猥な動きに時枝の身体が上下に揺れる。
そして時枝の脳内にフラッシュバックのように夢だと思っていた情事が蘇る。
「ああぁぁ……」
(そうだ……私は……以前ここで……こんな風に……他にもたくさん……!)
今触られている感触で、更にその時の快感や感度までが蘇って立っていられなくなった。
「こら。座るんじゃない。こっち来い……もう一度最初から抱いてやる」
時枝の脳内では既に何度も射精しているかのような快感が押し寄せていた。
トロトロと寝むそうな瞳は木戸でなくても簡単に人をその気にさせる目になっていた。
木戸は性急に寝室へ気だるそうな時枝を引っ張っていく。
その時、ポタリと木戸の髪から汗の雫が顔に落ちた。木戸の足が止まる。
「時枝、部屋で待ってろ。シャワー浴びて風呂の用意してくる」
木戸はつい焦らしたくなった。気紛れという方が近い。
「え……」
盛り上がっていただけに、時枝はつい寂しそうな声を出してしまった。
「一人で触っていてもいいが、性器以外だ。出来るな? 俺が呼んだら風呂場へ来い」
時枝はそう言われて既に身体中が疼いた。
木戸が意地の悪い笑みを零しながらシャワー室へ消えると、時枝は自分の肩を抱いた。
色々と身体を触りたいが妙に恥ずかしくて出来ないでいた。
すると、突然聞き慣れない高音が部屋に響いた。
時枝は反射的に身体が強張る。
それは妙に久し振りに聞いた電話の音だった。それが電話だと気付くのに少し時間がかかった。
音は何かで覆われているのか、直接的なけたたましさはなかった。
時枝は部屋に掛っている木戸の服のポケットを探ると、薄く四角い携帯電話がある一部分だけを点滅させて音を発していた。
画面を開くと、そこには『弘夢』と名前が出ていた。
(弘夢……弘夢……)
頭の中で繰り返してみると、胸に圧迫感を感じた。
時枝は無意識に通話ボタンを押し、携帯を耳に当てた。
「はい」
「あ! 木戸さんですか? あの、弘夢ですけどお金の事で」
大人しそうだが意思の強そうな可愛い声だ。
「弘夢……」
実際に声に出して呟くと更に胸が苦しくなる。
「あれ? 木戸さんの携帯じゃないですか?!」
「あ……いや、木戸の携帯ですが……申し訳ありません、今木戸は手が離せないので私が代わりに……」
「あれ? 時枝さん?」
突然名前を当てられて息苦しい布に包まれたような気持ちの悪さになった。
<<前へ 次へ>>
ヾ(:´Д`●)ノアワワワヾ(●´Д`;)ノ
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二人は何度も立ち止まり、少し歩いてはまた木戸が時枝の頭を強引に引き寄せた。
縺れ込むようにして家へ入ると、中の空気が外より少しひんやりと感じた。もしかしたら二人の体温が異常に熱を持っていたからそう感じたのかもしれない。
木戸は細い糸が切れてしまったように我慢が限界を超え、乱暴に時枝を廊下の壁に押し付けて服の中へ熱い手を滑り込ませた。
「あっ」
時枝から焦る様な声が漏れる。
木戸の指先は直ぐさま小さな硬い尖りを見つけて摘まみ上げた。
「や……ぁ」
時枝は涙が薄く滲む程気持ち良かった。
「俺達はもう何度もこうしてここでヤってたんだよ」
木戸が時枝の白い首を軽く噛みながら言った。
「え……うそ……」
木戸の歯が食い込む度に胸の尖りは更に硬さを増す。
「覚えてないか?」
「じゃ……あれは夢じゃないのですか……?!」
「現実だ。よく思い出せ。俺のモノがどういう風にお前の中で動き回っていたか」
木戸は時枝の身体を反転させ、壁に胸を押しつけるような体制にさせた。
木戸はカチカチになった自分の下半身を服の上から時枝のふっくらとした尻の間へ押し付けた。
時枝の全身が総毛立つ。
「ここでこうして後ろから突いてやったのも忘れたか?」
後ろから耳に舌先を忍ばせながら木戸が言う。腰をしっかり持たれ、ゆっくりと突くように卑猥な動きに時枝の身体が上下に揺れる。
そして時枝の脳内にフラッシュバックのように夢だと思っていた情事が蘇る。
「ああぁぁ……」
(そうだ……私は……以前ここで……こんな風に……他にもたくさん……!)
今触られている感触で、更にその時の快感や感度までが蘇って立っていられなくなった。
「こら。座るんじゃない。こっち来い……もう一度最初から抱いてやる」
時枝の脳内では既に何度も射精しているかのような快感が押し寄せていた。
トロトロと寝むそうな瞳は木戸でなくても簡単に人をその気にさせる目になっていた。
木戸は性急に寝室へ気だるそうな時枝を引っ張っていく。
その時、ポタリと木戸の髪から汗の雫が顔に落ちた。木戸の足が止まる。
「時枝、部屋で待ってろ。シャワー浴びて風呂の用意してくる」
木戸はつい焦らしたくなった。気紛れという方が近い。
「え……」
盛り上がっていただけに、時枝はつい寂しそうな声を出してしまった。
「一人で触っていてもいいが、性器以外だ。出来るな? 俺が呼んだら風呂場へ来い」
時枝はそう言われて既に身体中が疼いた。
木戸が意地の悪い笑みを零しながらシャワー室へ消えると、時枝は自分の肩を抱いた。
色々と身体を触りたいが妙に恥ずかしくて出来ないでいた。
すると、突然聞き慣れない高音が部屋に響いた。
時枝は反射的に身体が強張る。
それは妙に久し振りに聞いた電話の音だった。それが電話だと気付くのに少し時間がかかった。
音は何かで覆われているのか、直接的なけたたましさはなかった。
時枝は部屋に掛っている木戸の服のポケットを探ると、薄く四角い携帯電話がある一部分だけを点滅させて音を発していた。
画面を開くと、そこには『弘夢』と名前が出ていた。
(弘夢……弘夢……)
頭の中で繰り返してみると、胸に圧迫感を感じた。
時枝は無意識に通話ボタンを押し、携帯を耳に当てた。
「はい」
「あ! 木戸さんですか? あの、弘夢ですけどお金の事で」
大人しそうだが意思の強そうな可愛い声だ。
「弘夢……」
実際に声に出して呟くと更に胸が苦しくなる。
「あれ? 木戸さんの携帯じゃないですか?!」
「あ……いや、木戸の携帯ですが……申し訳ありません、今木戸は手が離せないので私が代わりに……」
「あれ? 時枝さん?」
突然名前を当てられて息苦しい布に包まれたような気持ちの悪さになった。
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コメント
あぅっ、あうぅっ
すみません~~っ
って私だからこのままで終わらないとお思いに?(笑)
(-"-;A ...アセアセ
はい、このままほのぼのと終わる事は出来ませんでした!←
続き、気になって下さってありがとうございます!
修羅場が来るのか、どうなるのか…(`・д´・ ;)ゴクリ
見守って下さいませっっ(>ω<)!
コメントどうもありがとうございました
コメント