06/18/2013(Tue)
悪魔と野犬ノ仔 29話
尚哉の身体をよく見ると、同じような蚯蚓腫れは手首にもあった。
「おい、見せてみろ」
無理矢理服を剥がそうとする要に、尚哉は酷く抵抗した。
「嫌だよッ! 止めろって! 何で要に見せないといけないんだッ」
「いいから見せろッ」
要の身体は嫌がる尚哉の手首を捉え、強引にベッドに仰向けに押し倒された。
「止めてッ……見ない……で……」
尚哉の服を取り去ると、全身縛られた縄の跡が生々しく浮かび上がっていた。その他にも太股の付け根には火傷の跡や内出血して腫れた臀部も痛々しく白い肌に鮮明に残っていた。
尚哉は顔を赤くしてギュッと自分の身体を隠す様に抱き締めて横を向いた。
「お前、これ誰にやられたんだ……彼氏か?」
「は?! 彼氏なんていないよッ」
「じゃあ誰だよ」
「誰って……知らないよ」
「は? 知らない奴に犯されたのか?」
「まあね」
「レイプか?」
尚哉は要を睨みつけると服を投げつけた。
「レイプみたいだけどレイプじゃないよッ。それでお金貰ってんだからいいの!」
尚哉は布団を引っ張ると自分の身体を隠すように覆った。
「バイトって……お前AVやってんのか」
尚哉は要の目を見れなかった。まさか気にするなんて思ってなかったからだ。気にされた途端、とっくに消滅していたと思っていた恥ずかしさと気まずさが襲っていた。
「何だよ……今更……。別にそんなの、気にしないのが要だろ……」
要は少し溜息をついて髪をかき上げた。
「そうだな……。別に気にしなかった……けど、お前、きつそうな顔してたから」
「別に……疲れただけだもん」
「お前さ、そういうの本当はあんまり好きじゃないだろ。本当に好きな奴は傷を見て更に喜ぶもんだ」
尚哉は顔を布団に押し付けて「うるさい」とくぐもった声を出した。
「傷、薬塗ってやるから見せろ」
要は洗面所に行くと薬を取って来た。
布団に潜り込もうとする尚哉を捕まえると、無理矢理薬を塗ろうとするが尚哉は異常にそれを嫌がった。
「止めてよッ……離せッ……その気も無いくせにッ……優しくすんなッ」
「あ? その気ってなんだ……いいから黙って大人しくしてろッ」
「じゃあッ……大人しくさせてみろよ! 言っておくがな……さっきまで知らない男三人に突っ込まれまくって、精液で全身ベタベタだったんだからなッ」
要は殺気だった目を鋭く尚哉に向けると、尚哉はその一瞬で殺されるのではないかと思える恐怖で身体が固まった。
そして要の顔が近づくと、ゆっくりと唇が塞がれた。
「んっ」
嫌がって首を左右に振ろうとしても、驚く程優しく絡まってくる舌先は甘くて涙が出そうになった。
「いい子だ」
唇を離した要は大人しくなった尚哉の傷に手早く薬を塗ると、服を着せた。
「おい。ここだけ大人しくなってないな」
要は硬く反り立った尚哉の下半身を意地悪な笑みを浮かべながら指で弾いた。
「うるさいっ……要がっ……あんなキス、するから……」
「ただの同情だ。勘違いすんなよ」
「知ってるよ……だって要は……」
尚哉の話しを遮るように、要の携帯電話が机の上で鳴った。
「はい……あ? ちょ……待てって! それは無理だ! は? 何言ってんだそんなのもっと駄目に決まってんだろ!」
激しい言い合いをする要の会話を尚哉は少し不安気に見つめていた。感情的になる要は初めてだった。そんな物珍しそうな尚哉の視線が気になったのか、要は自室に入って電話を続けた。
暫くして要は電話が終わると、再び尚哉の所へ戻り頭を抱える様にして深い溜息をついて椅子に座った。
「どうしたの」
「悪い……もう一人、この部屋に住まわせてやってもいいか?」
「え……? 誰?」
「俺の、弟なんだ」
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「おい、見せてみろ」
無理矢理服を剥がそうとする要に、尚哉は酷く抵抗した。
「嫌だよッ! 止めろって! 何で要に見せないといけないんだッ」
「いいから見せろッ」
要の身体は嫌がる尚哉の手首を捉え、強引にベッドに仰向けに押し倒された。
「止めてッ……見ない……で……」
尚哉の服を取り去ると、全身縛られた縄の跡が生々しく浮かび上がっていた。その他にも太股の付け根には火傷の跡や内出血して腫れた臀部も痛々しく白い肌に鮮明に残っていた。
尚哉は顔を赤くしてギュッと自分の身体を隠す様に抱き締めて横を向いた。
「お前、これ誰にやられたんだ……彼氏か?」
「は?! 彼氏なんていないよッ」
「じゃあ誰だよ」
「誰って……知らないよ」
「は? 知らない奴に犯されたのか?」
「まあね」
「レイプか?」
尚哉は要を睨みつけると服を投げつけた。
「レイプみたいだけどレイプじゃないよッ。それでお金貰ってんだからいいの!」
尚哉は布団を引っ張ると自分の身体を隠すように覆った。
「バイトって……お前AVやってんのか」
尚哉は要の目を見れなかった。まさか気にするなんて思ってなかったからだ。気にされた途端、とっくに消滅していたと思っていた恥ずかしさと気まずさが襲っていた。
「何だよ……今更……。別にそんなの、気にしないのが要だろ……」
要は少し溜息をついて髪をかき上げた。
「そうだな……。別に気にしなかった……けど、お前、きつそうな顔してたから」
「別に……疲れただけだもん」
「お前さ、そういうの本当はあんまり好きじゃないだろ。本当に好きな奴は傷を見て更に喜ぶもんだ」
尚哉は顔を布団に押し付けて「うるさい」とくぐもった声を出した。
「傷、薬塗ってやるから見せろ」
要は洗面所に行くと薬を取って来た。
布団に潜り込もうとする尚哉を捕まえると、無理矢理薬を塗ろうとするが尚哉は異常にそれを嫌がった。
「止めてよッ……離せッ……その気も無いくせにッ……優しくすんなッ」
「あ? その気ってなんだ……いいから黙って大人しくしてろッ」
「じゃあッ……大人しくさせてみろよ! 言っておくがな……さっきまで知らない男三人に突っ込まれまくって、精液で全身ベタベタだったんだからなッ」
要は殺気だった目を鋭く尚哉に向けると、尚哉はその一瞬で殺されるのではないかと思える恐怖で身体が固まった。
そして要の顔が近づくと、ゆっくりと唇が塞がれた。
「んっ」
嫌がって首を左右に振ろうとしても、驚く程優しく絡まってくる舌先は甘くて涙が出そうになった。
「いい子だ」
唇を離した要は大人しくなった尚哉の傷に手早く薬を塗ると、服を着せた。
「おい。ここだけ大人しくなってないな」
要は硬く反り立った尚哉の下半身を意地悪な笑みを浮かべながら指で弾いた。
「うるさいっ……要がっ……あんなキス、するから……」
「ただの同情だ。勘違いすんなよ」
「知ってるよ……だって要は……」
尚哉の話しを遮るように、要の携帯電話が机の上で鳴った。
「はい……あ? ちょ……待てって! それは無理だ! は? 何言ってんだそんなのもっと駄目に決まってんだろ!」
激しい言い合いをする要の会話を尚哉は少し不安気に見つめていた。感情的になる要は初めてだった。そんな物珍しそうな尚哉の視線が気になったのか、要は自室に入って電話を続けた。
暫くして要は電話が終わると、再び尚哉の所へ戻り頭を抱える様にして深い溜息をついて椅子に座った。
「どうしたの」
「悪い……もう一人、この部屋に住まわせてやってもいいか?」
「え……? 誰?」
「俺の、弟なんだ」
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コメント
(ノ*´Д`)ノオォオォ ←共鳴
> 尚哉のバイトは、ソウイウ方面だったんだ!
> こんなバイトを選んだのも 要と一緒に住みたかったからでしょうね。。。
> でも 幾ら稼ぎは良くても これじゃぁ…(T▽T)
そうだったようです…。
おばかちゃん…。
探したらきっと尚哉出演のビデオがあるはず…ヾ(ーー )ォィ
でも嫌な事されるのは辛いですよね><
> …と、物思いに耽てる場合じゃないわ!
> とうとう ミナが、来ちゃうのね~~
> 何だか ヤヤコシイ同居生活になりそう。
> それが また楽しさを倍増させてくれるってぇもんだぁ~~♪
> ウヒョヒョ♪(*`▽´*)。o ○...byebye☆
とうとうミナが来てしまいます…。
どうか平穏に……って難しいですよね^^;
確かに、ややこしい同居は楽しいものですね!!(奮
*傍から見てる分には特に(笑)
コメントどうもありがとうございました
コメント