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万華鏡-江戸に咲く-14

 初めて美月を道端で見かけた時は、まるでこの世とは別の、天の世界から来た者のように感じた。
 周りの景色は色あせて見え、美月にのみ色と光が灯っているようにさえ見えた。
 抱月は美月を見た瞬間に目を奪われてしまっていたのだ。

 キョロキョロと辺りを楽しそうにまるで子供のように目を輝かせながら、一風変わった格好をしていた美月を少し後ろから観察するように歩いた。
 だが、程なく知り合いの患者に話しかけられている間に美月を見失ってしまった。もう2度と会えないのかと思うと、もの哀しさが込み上げた。
 そんな話した事も無い相手にそんな感情を持ったのは産まれて初めてだった。

 だが、帰路の途中で先程よりも少し緊張気味の面持ちで茶屋に寄る美月を再び見かけた時には、胸が高鳴った。
 話しかけるタイミングを見計らっていると、丁度美月が金が無いと困り出したので話しかけるならこの時しかないと、ガラにも無く軟派なことをしてしまった。
 だが、抱月は初めて交わした他愛ない会話で今度は心を奪われてしまった。

 横で美味そうに団子を食べる美月の瞳が西日の光でキラキラとまるで細かなガラス細工が転がっているように光を放っていたのに魅入ってしまう。普通ならそんな不思議な目玉に騒ぎ立てるのだろうか、そんな気分どころか、この輝きを独り占めしたいとさえ思った。

 見た事もない栗色のサラサラとした髪、白粉を塗っているような白い肌、大きくはっきりとした薄茶色の魅力的な瞳、細く高い筋の通った綺麗な鼻に赤みの差した肉付きの良い唇。
幼く見えるのに気が強そうで、人を虜にするには十分過ぎる不思議な色香を放っていた。

 何だかんだと家の中まで連れて来てしまってからは心臓が胸の中で騒ぎ立てていた。
 取り敢えずお茶を用意しようとしていると、知り合いからもらった惚れ線香が目に入った。効くとは聞いていても使った事の無い抱月はリラックス効果にでもなれば・・ぐらいの気持ちで炊いてみた。

 効果は思った以上発揮された。美月の頬は桜色に染まり、浅い息を繰り返す度に可愛らしい胸のピンクの蕾が上下に揺れて抱月を誘う。
 潤んだ瞳が一層宝石を輝かせ、少し意地悪な心が抱月を煽いだ。抱月自身も惚れ線香を吸引したお陰で欲に拍車が掛かっていたようだった。
 気付かないフリをしてほんの少し乳首に触れてただけで、すぐに硬くなる感度の良すぎる身体を目の前にして、抱月の下半身は大きく形を変貌させていた。

 相当薬の効いてきた美月は抱月の欲求に素直に答えてくれた。透明な液の溢れている抱月のペニスに美月がしゃぶりつくと、亀頭が蕩けてしまうようだった。

(何だ・・この子の口は・・)

 亀頭を攻められているのに下肢全体が溶けてしまいそうだった。相当な人数を相手にしてきた抱月もこんな感覚を味わったのは初めてだった。
 敏感な鈴口にヌルッと細く尖らせたとろとろの舌先を差し込まれると、脳天まで突き抜けるような快感が走って理性が飛んだ。

 何が何でもこの子の中に入りたい、その欲求は止まらず、ついに狭く食いちぎるように締め付けるその小さな入り口を突破すると、一瞬で精液を一滴も残らず搾り出されてしまうような感覚に陥った。

(気持ち良過ぎる・・)

 変声期のような声を張り上げて、先生のが大きい、としきりに叫びながら汗ばむ姿は抱月を獣に変えていった。
 中で出したいという願いは聞き入れられず、精神力を振り絞って美月の入り口に射精するが、再びその艶かしい姿に触発されると自慰で2度目の射精までしてしまった。
 
 若い頃は言わずとも知れた遊び人だったが、医者を目指してからはすっかり改心もして、30代前半には冷静沈着になっていた。
 やっと医者として一人前になりかけて、昔からの許嫁と所帯を持ち、腰を落ち着ける時期だという矢先にその日出遭ったばかりの美しい青年に理性を飛ばし、惚れ薬を使って半ば強制的に身体を繋げるような事をしてしまった。
 あげく、10代の頃ならまだしも、30も半ばのこの年になって一度では済まず二度目は勝手に自慰で射精をするなど初めての事だった。

 出遭うべく人に会うために未来から来たという話は信じ難いものがあったが、何故か美月を疑ったり不振に思う気持ちは微塵も無かった。それよりも、もう少し一緒にいたいという気持ちの方が心を逸らせていた。
 取り敢えず細かい事は気にせず「未来から来た美しい青年」と認識する事にし、ある提案を思いつく。

「美月くん、目的が果たせるまで私の所で働く気はないか?少しは金を稼がないと色々と困るだろう。金なら私が面倒を見ると言っても聞かなそうだし。」
「え!いいんですか?!」
「もちろん。しばらくここに寝泊りすればいい。私も未来の薬に興味があるしね」
「やったぁ!有難うございます!お世話になります!それと、俺のことは、美月でいいです。」

(少し君と一緒に居たいから、何て言ったら困らせてしまうだろうから・・)

 抱月の心中を他所に素直にその好意を喜ぶ美月だった。




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先生視点です。
実は美月の事は早くも見かけていたんですね。
そして早くも診察という名のセクハラを行いました


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