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万華鏡-現代祭りに咲く-3

火照った身体を引きずる様にして美月は町中にあるホテル街へ夜という江戸人を連れて行った。 
煌びやかでどこか暗さのある怪しい場所に、欲望のはけ口の宿は軒を連ねて存在した。
 お城のような大きなホテルもあれば、それこそ江戸でよく見かけるような和風の場所、温泉宿風のモノから一流ホテルのような佇まいのものが沢山あった。

 中でも夜が興味を引いたのは、竜宮城のような大きなホテルだった。ホテルの真ん中は箱庭の空間になっている有名なホテルだ。 
外観をほんのりライトアップさせているので、それがまた別の国に来たような幻想的に浮かび上がっている。別の国というより、別の世界と言った方がしっくりとくるかもしれない。
 また、そのライトの中に水の泡が上に登るような演出もされている為、自分たちがまるで海の中にでもいるように思えた。

 2人は、その別次元への扉の前へ立つと、その扉が迎え入れるかのように静に両サイドへ開いた。外観のイメージを裏切らない広いエントランスを入ると、ふわふわとしたクリムゾンカラーの絨毯が敷き詰められていて高級感が漂っている。
 すると目の部分に仮面を着けた執事が部屋の案内を持って挨拶に来た。
「ようこそいらっしゃいました。今宵は客様方でお一部屋で宜しかったでしょうか。」
「あぁ、はい」
美月は恥ずかしさに一人で赤くなった。男同士でホテルへ入るのは初めての経験だった。
「お待たせいたしました」
メニューのような物を渡されて中身を開くと、各部屋毎の写真とサービス、値段などが詳しく書かれていた。
縄の部屋や、ロリータ調の部屋、お姫さま系の部屋などあらゆる趣向にあった部屋が選べるらしい。
「一応各種道具は揃ってるらしいな。何だこれは?」
 夜は見た事のない道具に反応した。
「あー、それは大したものじゃないから気にする事ないよ!」
 美月が夜の気を逸らそうとする。
ドキドキしながら吟味する美月を無視して夜はさっさとお目当ての部屋を見つけて執事に勝手に「じゃあここで頼まァ」と言いつけてしまった。
 仮面の執事はご丁寧にもこの風来坊にお辞儀をしてはお会計をする為に裏へと消えて行った。
「ちょっと!!夜、俺に相談しないで何勝手に決めてんだよ!?」
 本当に自由奔放な男だ。
「いいじゃねぇか・・固い事、言うなよ・・」
 しっとりとした声と共に長い指が美月の横髪に挿しこまれてゾワッと身体が粟立った。
「もうっ・・」

 「チェックアウトは昼の12時でございます。ごゆっくりお楽しみ下さいませ。」
各種の部屋の代金を払ってキーを貰うと、仮面の執事はそう言って口角を上げた。普通は朝10時とかのチェックアウトだが、ここはサービスがいいのか、昼までゆっくり出来るようだ。
 10階へ上がると、長い廊下を歩いて目当ての部屋の前へ辿り着いた。
 美月は緊張してドアに手をかけると、夜に後ろから強引に押し込まれてしまった。

 美月は部屋に入ると更に緊張が身体中を走る。カチャリと重い扉が閉まる音を聞くと、同時に全神経が後ろに立つ夜の気配に向く。
 夜の目の前には先程から触れたくて堪らない美月の細い項が真下にあった。ドアが閉まるや否や、夜は美月の身体を後ろからひったくるように抱き締めて項に吸いついた。
「あっ・・こんな所でっ・・痛・・いっ・・あっ」
突然後ろから激しく抱き締められ項を痛いほど吸われると、ビリリとした電流にも似た興奮が走り、膝に力が入らなくなった。
「我慢できねぇ」
 美月の浴衣の合わせを左右に引くと、男特有の平らの胸に小さな乳首の粒が剥き出しになる。夜にはそれが逆に淫靡に感じた。そして男らしからぬ立ち上がった乳首を後ろから両指先でクニクニと潰してやると、いつもより少し甘ったるい声が部屋に響いた。
「こんなに立ち上がらせて・・色も赤いし・・それにこんなに硬い。厭らしいな、美月は」
 夜と美月は一緒にその夜の指の動きを見つめる。夜が美月の乳首を指の間に挟み引っ張りながら乳腺の殆ど発達していないその胸を揉む。
 感度の良い美月は膨らみのない胸でさえも異常に感じる。
「ああぁああっん」
カクンッと膝の折れる美月を抱きかかえてベッドへ運ぶ。中国式の豪華なキングサイズのベッドは硬くも柔らか過ぎもせずとても寝心地が良かった。改めて見る部屋の内装はどこか中国の皇帝の部屋のように思わせるようなデザインだ。そして、広い部屋の壁に備え付けられた大きなクローゼットが目に入った。クローゼットというよりは鏡でできた別の部屋への扉のようだった。



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