01/13/2012(Fri)
貴方の狂気が、欲しい 11話
「やめて下さい、木戸様っ……ぃ……やだっ」
言われた言葉が想像以上にキツい。
「何が嫌なんだ。俺が好きなら嬉しい筈だろう」
木戸が唇を塞ぎ、露わになった時枝の乳首をキュッと摘まんだ。
「っ……!」
気持ちに反して、身体はとても喜んでいた。だが、やはり声が出なかった。
「おやめ下さ……ぃっ……私は……んっ」
時枝が口を開けば黙らせる様に塞ぎにかかる。
木戸の大きな手が時枝の滑らかに膨らんだ尻を揉み、そして指先で蕾を撫でまわした。
「ぃ……や」
嫌がる時枝に興奮したのか、木戸は乱暴に唾液をそこに付けると自分の肉棒を取り出した。
(嫌だ……こんな形で……)
口を手で塞がれ、抵抗しようにも身体に力が入らない。
自分の望む行為なのに、やはり自分を見ていない木戸に抱かれるのは悲しかった。
肉棒の先が力任せに押しつけられた時だった。木戸がピタリと止まった。
「お……おい、時枝……」
「嫌です……っ……」
時枝の瞳に沢山の涙が浮かんでは溢れて流れ出していた。
「わ……私はっ……まだ誰にも後ろを許した事がない……っ……初めてはっ……貴方に愛して貰ってっ……それからって思って……っ」
こんな事を本人に言って困らせたり、ましてや嫌われるような事をするつもりなど毛頭なかった。
だが溢れる想いは止められなかった。
「え……だってお前今まで何人もと交渉の度に寝てるじゃないか」
「あれは挿入以外ですッ」
時枝はもうどうしていいか分からずに横を向いて顔を伏せて涙を流した。
* * *
予想外の事に木戸は固まった。
今目の前にいる見慣れた男が、急に生まれたてのか弱い穢れを知らぬ小動物に見えた。
「おい……本当なのか?」
「本当です。……だって、そうしないようにと決めたのは由朗様ですから」
由朗の名前が出て、木戸は確信した。
「わ……悪かった」
急に出てきた謝罪の言葉に、木戸自身も時枝も驚いて顔を見合わせた。
「あ……私こそ、申し訳ありません! 木戸様にそんな事を言われる筋合いもないのに」
「いや……。いや、お前がその……泣くなんて余程だし……その……悪い」
泣いた、という事に急に恥ずかしくなったのか時枝の頬がまた少し赤くなり、そっと乱れたガウンを直した。その仕草が何だか愛おしくて、つい考えなしに抱き締めてしまいたい衝動に駆られた。
だが時枝の今しがた言った「愛されたい」という言葉が木戸に歯止めをかけた。
今まで何でも言う事を聞く綺麗なロボットのように見ていたが、時枝も一人の感情を持った人間なんだと認識した。
「お前は二、三日休んでいろ」
「そ、そういう訳にはっ」
「いいから。寝ていないと襲うからな」
木戸はそう言い残して部屋を出て行った。
リビングで酒を用意した木戸は時枝の泣き顔を思い出した。その度に、悪い事をしたような罪悪感と、胸の奥を小さな手がキュッと掴むような感覚に襲われる。
(あいつはいつから俺を好きだったんだ?)
今思えば時枝の事など何も知らないに等しかった。
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言われた言葉が想像以上にキツい。
「何が嫌なんだ。俺が好きなら嬉しい筈だろう」
木戸が唇を塞ぎ、露わになった時枝の乳首をキュッと摘まんだ。
「っ……!」
気持ちに反して、身体はとても喜んでいた。だが、やはり声が出なかった。
「おやめ下さ……ぃっ……私は……んっ」
時枝が口を開けば黙らせる様に塞ぎにかかる。
木戸の大きな手が時枝の滑らかに膨らんだ尻を揉み、そして指先で蕾を撫でまわした。
「ぃ……や」
嫌がる時枝に興奮したのか、木戸は乱暴に唾液をそこに付けると自分の肉棒を取り出した。
(嫌だ……こんな形で……)
口を手で塞がれ、抵抗しようにも身体に力が入らない。
自分の望む行為なのに、やはり自分を見ていない木戸に抱かれるのは悲しかった。
肉棒の先が力任せに押しつけられた時だった。木戸がピタリと止まった。
「お……おい、時枝……」
「嫌です……っ……」
時枝の瞳に沢山の涙が浮かんでは溢れて流れ出していた。
「わ……私はっ……まだ誰にも後ろを許した事がない……っ……初めてはっ……貴方に愛して貰ってっ……それからって思って……っ」
こんな事を本人に言って困らせたり、ましてや嫌われるような事をするつもりなど毛頭なかった。
だが溢れる想いは止められなかった。
「え……だってお前今まで何人もと交渉の度に寝てるじゃないか」
「あれは挿入以外ですッ」
時枝はもうどうしていいか分からずに横を向いて顔を伏せて涙を流した。
* * *
予想外の事に木戸は固まった。
今目の前にいる見慣れた男が、急に生まれたてのか弱い穢れを知らぬ小動物に見えた。
「おい……本当なのか?」
「本当です。……だって、そうしないようにと決めたのは由朗様ですから」
由朗の名前が出て、木戸は確信した。
「わ……悪かった」
急に出てきた謝罪の言葉に、木戸自身も時枝も驚いて顔を見合わせた。
「あ……私こそ、申し訳ありません! 木戸様にそんな事を言われる筋合いもないのに」
「いや……。いや、お前がその……泣くなんて余程だし……その……悪い」
泣いた、という事に急に恥ずかしくなったのか時枝の頬がまた少し赤くなり、そっと乱れたガウンを直した。その仕草が何だか愛おしくて、つい考えなしに抱き締めてしまいたい衝動に駆られた。
だが時枝の今しがた言った「愛されたい」という言葉が木戸に歯止めをかけた。
今まで何でも言う事を聞く綺麗なロボットのように見ていたが、時枝も一人の感情を持った人間なんだと認識した。
「お前は二、三日休んでいろ」
「そ、そういう訳にはっ」
「いいから。寝ていないと襲うからな」
木戸はそう言い残して部屋を出て行った。
リビングで酒を用意した木戸は時枝の泣き顔を思い出した。その度に、悪い事をしたような罪悪感と、胸の奥を小さな手がキュッと掴むような感覚に襲われる。
(あいつはいつから俺を好きだったんだ?)
今思えば時枝の事など何も知らないに等しかった。
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コメント
アーン (。>д<)ノ 待てッ(ロ゚ ノ)ノ♂” ←
純情に歯止め攻撃(笑)
はい。
初めての時枝くんの涙に揺れる木戸のチ……
間違えた、心(*´∇`*) (-д-;)
もっと揺さぶって気を向けたらいいと思いつつ
ジレジレしております。
え!そうなんですか!?
私も知りませんでした(-ω-;)
でもネット使えないと不便ですよね(>_<)
早期復活を願っています!
コメントどうもありがとうございました
ウヒャ━━━━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━━━ !!!!
なんとサイト内のお話全部読んで下さったのですかッ!?
オロオロ(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ
嬉し過ぎてオロオロしてしまいました!
ありがとうございます!!
あぁ、どうしましょう!!
興奮して血圧上がりました…(;゚∀゚)=3ハァハァ ←
しかも初日から読んで下さって(ノД`)・゜・
あまり前触れもなく始めたのですが本当、
ありがとうございます(涙
時枝の意外な可愛さや学にドキドキワクワクして頂けて嬉しいです!
なかなかすんなりといかない恋心の行方ですが、
一緒に応援して頂けると幸いです(*´∇`*)
続きも楽しみにして頂けて気合いも入りました!
頑張ります☆
コメントどうもありがとうございました
Σ(ロ゚ ノ)ノビクッ! ←再w
そんなに彼に対して可愛いと思って下さって
良かったです(ノ△・。)(笑)
愛想のない奴ですので彼なりの可愛さがそっと
伝わればいいなと思っておりました。
( ̄∇ ̄(_ _( ̄∇ ̄(_ _ ) ウンウン♪
木戸たん、もっと時枝の事を考えろ~(呪
うぁーん、今日も可愛かったと仰って頂けて嬉しいです!
時枝めっ!羨ましいぜっっ
コノコノォ( >ω<)っ))д-*) ←
コメントどうもありがとうございました
コメント