2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--:-- | スポンサー広告 | edit | page top↑

貴方の狂気が、欲しい 63話

「じんじんします」
 目を覚ました時枝は目の前で目を瞑っている木戸に呟いた。その声に木戸の睫毛がそっと上がった。
 木戸の唇がそっと時枝のおでこに触れる。
「少し経ったら楽になる」
 そう言って首の下に腕を入れ込まれると木戸の胸に引き寄せられた。身体中に木戸の体温を感じるとこの上ない安心感で溢れた。
「慶介さん」
「……ん?」
「愛してる」
「ん」
「……言ってくれないんですか」
 木戸は少し照れて黙っていたが、きちんと言わないとと腹を括った。
「俺も愛してるよ」
 少し声を押さえて言った事が返って甘く聞こえて時枝はドキドキした。
 恥ずかしさも手伝って、時枝は何だか可笑しくて木戸の胸の中でクスクス笑った。
「笑うな」
「だって……ふふふ……ふっ…あっ…んっん」
 笑う時枝の顔をグイと上げるとその可愛い唇を塞いだ。
 そんなふわふわと暖かく甘い日々を過ごした。

 時枝の髪が伸び、頭の根元の黒い部分が目立ってきたので漸く髪を切り黒く染めた。昔の時枝と同じにしたつもりだったが、昔よりずっと美しく見えた。
 銀色の時も綺麗だったが、黒髪は一層神秘的に見える。時枝の涼しげな目元を引き立てているようにも見えた。
 相変わらず時枝が台所に立つと、木戸が時枝を持ち上げてリビングへと戻した。まるで悪戯をする猫を無理矢理部屋へ戻すようだ。今となっては木戸の方が料理の腕が上がってしまったのだから仕方がない。
 掃除も頑張ってみようとするが、時枝にかかると一番効率よくしようと最新の機械に拘りだすので大変だった。
 取り敢えず木戸の床にはいつも小さな自動掃除機が走っている。
 それに、掃除をする時枝の姿がどうも木戸には色っぽく映るようで、すぐに掃除どころではなくなってしまう。
 そんな他愛ない生活をして暫く経つと、段々と刺青の入った部分も落ち着いてきた。

「そのまま見ていても綺麗だな」
「はい……ですが……あの、は、恥ずかしいです……」
 時枝はベッドの上で裸体になっていた。
 まだ大きく立ち上がっていない中心には美しいトライバルの刺青が刻まれている。
 棘の鎖のようなリングに、見た事のない幻想的な蝶や華が目立たないようにひっそりとそこに生息している。
「見ているだけで感じるのか? もう大きくなってきた」
 時枝は立ち上がってきたそこを手で隠す。
「香。自分で足を持って広げて見せてくれ」
 恥ずかしさで顔を桜色に染めながら、時枝は従順にベッドの上で足を広げ、膝裏を持って開いた。すると中心部分は目一杯大きく硬く膨らんだ。
「なるほど……そこに血液が溜まって熱くなると熱によって色が一層濃く浮かび上がるようになっている」
 薄く色づいていたリングはその色を鮮やかに発色させていた。どういう素材を使ったか分からないが、単調な赤や青だけでなく、時枝の肌色にあった様々な色を駆使されていた。
 それも、幾重も混ぜ合わせて作りだされたような黄色や桜色、緑や青などが見事に織り混ざっている。
「確かに……綺麗です……ありがとうございます。慶介さん」
 時枝はお礼を言うと、少し考え込むように俯いた。
「あの……やはり私も貴方に何か差し上げたい」
「俺にか? 別にいい」
 時枝は少しムキになった顔をして木戸に近づいた。
「いいえ。差しあげます。私だって、貴方を縛りたいし私のものだという証が欲しい」
 木戸は少し嬉しそうに口角を上げて時枝の頭に手を置いた。
「分かったよ。好きにすればいい」
 木戸は優しく微笑みながら時枝をベッドに押し倒した。
 木戸の吐息が耳に掛り、そのまま首に熱い舌が這うと、途端に時枝の胸の粒が硬く尖った。
 そこに木戸の舌先が絡みつき甘噛みをしてくる。
「はんっ……」
 吐息の混じる高い声が漏れて木戸を興奮させる。
「最近ダメだな……すぐに我慢が出来なくなる……」
 そう言って木戸はカチャカチャとベルトを外した。
 時枝が頭を持ち上げて見ると、既に赤く腫れあがった肉棒を掴んだ木戸が見えた。これからされる事を想像してゾクゾクと鳥肌が立つ。
 ローションを垂らされたそこに太く熱い肉棒が挿し込まれると、時枝はそこから溶けてしまいそうになった。
「あんっ…あんっ……熱……ぃっ」
 上から時枝の手首をベッドに押しつけ、木戸は大きく腰をうねらせる様にして動く。
 互いにギュッと指を絡め合う。
「今度……っ……指輪も買うか……」
「あっ…あんっ……はっ……ぃ」
「お前は俺のものだと沢山印を付けておきたい。誰にも取られないように。誰が見ても直ぐに諦められるように……俺の印だらけにしておかないと……!」
 木戸の腰が更に速さを増してベッドが激しく上下した。
「してっ……貴方の……印で一杯にしてぇっ」
 時枝の中心は木戸のピストンで激しく動き、刻まれたリングは一層色濃く浮かび上がっていた。
「ひっ……でちゃぅぅ……もっとゆっくりっ」
「ダメ……だ……もう出したい……っ」
「やっ……やあっ……!」
 時枝の唇を塞ぐと、木戸は波打つような動きで腰を打ち付け時枝の中に精液を飛ばした。時枝も木戸と自身の腹の間に白い液体を激しく撒き散らす。時枝は中の気持ち良さに浸るように射精した後も暫く下から腰を動かしていた。
 息を整えて終わると、時枝がそっと話かけた。
「ピアス」
「ん?」
「私が自分で貴方のそこにピアスしてもいいですか?」
「……それがしたいのか?」
「はい……貴方が弘夢くんにしているのを……ずっと羨ましく思っていたんです」
 時枝がちょっと眉をひそめて言うと、木戸が長い指を時枝の髪の間に入れ込んだ。
「そんな事思ってたのか。可愛いな……いいぞ、何しても……それに多分ピアスしてヤったらお前すぐイっちゃうんじゃないか? 気持ち良くて」
 本当はそれがしたくて言ったんじゃないか、と木戸がからかうと、時枝は不機嫌そうな顔して「違いますっ」と焦っていた。





<<前へ      次へ>>




ラブいなぁ(*ノノ)キャ

★拍手コメントのお返事はボタンを押して頂いた拍手ページ内に致します。
  拍手秘コメの場合は普通コメント欄にてお返事致します。

web拍手 by FC2
お礼画像あり☆6種ランダム
00:00 | 貴方の狂気が、欲しい | comments (6) | trackbacks (0) | edit | page top↑
貴方の狂気が、欲しい 64最終話 | top | 貴方の狂気が、欲しい 62話

コメント

秘コメKさま Re: うきゅw
おおお!時枝に可愛いをありがとうございます!
あはは(≧∀≦)
木戸には目がいかないんですね(笑)

,、'`,、((ヾ(≧∇≦)ノ)),、'`,、
Kさまのムッハー頂きましたっ!
ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ
そして何故か小動物的になる時枝(笑)
真面目にしているのにも関わらず(笑)

あ、木戸を束縛したい発言、Kさまのドツボにハマって頂けたようで
嬉しいです(≧∀≦)ノ

確かにこれからはお仕事モード「時枝&木戸様」
そしてプラベの「慶介さん&香」
のギャップらぶですね( ´艸`)ムププ

あ、更新と引っ越しがんばります(^_^;)
ありがとうございます!
とうとう今夜が最終話ですがお付き合い下さると幸いです(*´∇`*)

(〃д〃)キャ~♪
愛して下さって嬉しいです!
そこは言い通して下さっていいのですよっっ(鼻息
あ……鼻から赤いものが……( ̄i ̄)□ヾ(・ω・`*)フキフキ ←
応援もありがとうございます(*´∇`*)
がんばります♪♪

コメントどうもありがとうございましたe-415
桔梗.Dさん | 2012/04/09 23:54 | URL [編集] | page top↑
WLさま
> 激甘注意報だね~♪
> ニヤニヤ読ませていただきましたん♪

あはは(≧∀≦)

「本日は主に激甘日よりとなる事でしょう。
ただ、夕方より少しずつ所により激エロになる事あるのでご注意下さい。」\_(・ω・`)

ニヤニヤありがとうございます(*ノノ)キャ

コメントどうもありがとうございましたe-415
桔梗.Dさん | 2012/04/09 23:46 | URL [編集] | page top↑
けいったんさま
> ほんと ラブいぃ~~o(*>▽<*)o
> てか、ゲロエロだぁ~ねぇ~♪ヾ(*≧∀≦*)ノ

ラブラブ注意報ですよね!!(笑)
はっ!∑(°ロ°*)
何かのタイトルみたい!!(笑)
ゲロエロですか!?
おおおありがとうございます!ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ ←


> ナンダカンダあった二人が今は 幸せなら 言う事無しだよーー!
> Very! (* ̄▽ ̄)db( ̄▽ ̄*) Good!!...byebye☆

本当ですね!
ウン(*-ω-)(-ω-*)ウン
思い切りアホみたいに甘ったるくてエロったるい日々を送りやがれ!
と思います。 (-ω-)/
カチャリ(眼鏡を上げる

コメントどうもありがとうございましたe-415
桔梗.Dさん | 2012/04/09 23:42 | URL [編集] | page top↑
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
さん | 2012/04/09 22:20 | URL [編集] | page top↑
激甘注意報だね~♪
ニヤニヤ読ませていただきましたん♪
WLさん | 2012/04/09 12:45 | URL [編集] | page top↑
ほんと ラブいぃ~~o(*>▽<*)o
てか、ゲロエロだぁ~ねぇ~♪ヾ(*≧∀≦*)ノ

ナンダカンダあった二人が今は 幸せなら 言う事無しだよーー!
Very! (* ̄▽ ̄)db( ̄▽ ̄*) Good!!...byebye☆
けいったんさん | 2012/04/09 00:43 | URL [編集] | page top↑

コメント

管理者にだけ表示を許可する

trackbacks

この記事のトラックバックURL:
http://kikyo318d.blog.2nt.com/tb.php/615-905e31da
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)