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悪魔と野犬ノ仔 12話

  拓水との一件があってから暫く経った。拓水はあれ以来部屋から出て来なくなった。
  要は学校で相変わらずだった。
「ねぇ、要くんの家に行ってもいい?」
「何で」
「ん……だって、行ってみたいんだもん……アっ」
 要は男子生徒の小さな乳首を後ろからギュッと摘まみ上げた。幸太というこの男子生徒は、要の今一番お気に入りのペットだった。少し水無月に似ている。寧ろ水無月への欲求を幸太へ放っている部分もあった。
 同じ学年だがクラスの違う幸太は最近転入してきたばかりだった。
「ダメだよ。うちには弟に欲情した引きこもりの兄貴がいるから」
 閉め切った体育倉庫の中で下に無造作に広げられたマットの上で、まだ幼さの残る発展途上の男子生徒二人は本能に溺れていた。汗と埃の混ざったような匂いのたち籠る密室は幸太の性欲を溢れさせた。
 幸太は別に男に興味の持てる様な体質ではなかったが、要という吸血鬼に噛まれてから快楽に溺れるようになった。
 要は放課後一人残った幸太に近づき、両手を後ろから掴むとそのまま細い首筋に噛みついたのだ。驚いた幸太は勿論最初抵抗を見せていたが、噛みついた歯を離してはそこを舐め、囁き、また血が滲む程赤く噛む事を繰り返した。最初は恐ろしさから従っていた幸太もまるで麻薬に溺れる様に要に溺れていった。
「お兄さん……要くんが好きなの?……あんっ」
「そうだよ。変態なんだ」
「じゃ、じゃあっ……僕と同じ……だねっ……ん」
「そうだよ」
 要は幸太をマットの上で四つん這いにさせ尻を突き上げさせた。
 ポケットに入れておいたジェル状のクリームを無造作に掬うと、幸太の後ろの窪みに塗り付け、コンドームを自分の大きく反り立った肉棒に付けた。そして予め解されていた窪みへ肉棒を捩じり込んだ。
「ああぁっん……すごいぃ」
 パンッパンッと響く卑猥な音に混じってグラウンドで騒ぐ同級生の声が混じる。道具を終いに来る生徒がいつ来るかは分からない。その興奮が幸太の腰を激しくグラインドさせた。
 後ろを振り返ると、要はいつもどこか違うものを見ている様な目をしていた。
 気持ち良さそうな訳でも、楽しんでいるようでもない。まるで当たり前に食事でもしているように、行為の時はいつもそうだった。寧ろ前戯の時の方が楽しそうに感じる。
 要の名前を呼んでも大袈裟に喘いでみても変わらない。行為の途中で突然「もういいや」と飽きて帰ってしまう事も多い。
 時折言葉を話す事を禁じられる遊びを強要される事があった。「ワン」としか言えず、それは丸一日の時もあった。授業中当てられてしまった時は仕方なく具合の悪いふりをして保健室へと逃げ込む。
 グランドにバトンを投げられれば口で咥えて拾ってくる。「もっと嬉しそうにしろよ」と言われても笑顔を作れば怒られ言葉を話せば怒られる。とても難しい遊びだ。
 要の求めているものが分からなかったが、この美しい吸血鬼のような男に犯される背徳間と快楽にただ夢中になった。
 
 要は家に帰ると、リビングでまだ家庭教師に勉強を教えて貰っている水無月を横目で見ながら部屋に入った。
 要の帰宅姿を目にした水無月がそわそわと落ち着かない様子だったのか、家庭教師に注意されている声が下から聞こえた。
 勉強量を増やしたのは水無月の意思だった。どうしても要と同じ高校へ通いたいと言いだしてから、水無月は一途に一日中知識を増やし、社会に適応する為に努力をしていた。
 要が暗い部屋の電気を点けると、自分のベッドが少し乱れているのに気付いた。
 要は表情を変えずに拓水の部屋へ行くと、鍵の掛ったドアの前で話しかけた。
「拓水。また俺のベッドで抜いたの? 一日中俺の事考えてたんだろ? ……変態」
 拓水の部屋からは沈黙だけが返ってくる。
 だが要は今の拓水の方がずっと好きだった。
 そっと掌をドアに当て、擦るように離して風呂場へと向かった。
 そのドアの反対側で、拓水は要の触れた辺りの場所に同じように掌をそっと置いた。
 風呂でその日の匂いを全て洗い落とし、浴室のドアを開けると犬のように座りながら要が出てくるのを待ち侘びていた水無月と対面した。
 水無月は嬉しそうにフンフンと鼻息だけを荒くして要の太股に頭を擦りつけてきた。水無月は嬉しい時程言葉が出なくなる。
 要は足下で尻尾を振っているような態度の水無月の前にしゃがむと、ふわふわの髪に指を入れ込みグシャグシャと撫で回した。水無月は子犬のようにその手に甘噛みをしようと口を開けて要の掌にじゃれる。
 要は水無月の柔らかな頬や首筋や唇に口付けをしていくと水無月は嬉しそうに目を瞑ってその感触を感じた。口付けが終わると余程嬉しいかったのか、水無月が仰向けに転がった。そんな水無月を見て要は口元を緩ませ、立ち上がり際にもう一度転がる水無月の頭を無造作に撫で、台所へ向かった。そしてその足で再び玄関から外へ出た。


(学校のペット……飽きたな)




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コメント

拍手秘コメSさま
Sさま!ご無沙汰しております!ヾ(*´∀`*)ノ゛

毎日楽しみにして下さってありがとうございますっ!
おうふっっ
Sさまの胸が昂って頂けているなんて光栄です…ハァハァ ←違

はい、毎日更新はなかなかハードです(笑)
ですが読んで下さっている方がいるというこの上ない喜びになるべく日を空けずに頑張りたいです(>_<)
仕事しつつなのでちょっと難しい日もありますが疾走しているようで少し気持ちがいいです(笑)

なんとSさま、犬のように待って下さるので!!
可愛いことをぉぉッ! 
ありがとうございます☆

そうですね、蒸し暑くなってきた上にこれから梅雨に入るので億劫ですがマイナスイオンが沢山発生する時期だ!と前向きにいきましょうね^^
Sさまもお身体ご自愛下さいませ(*´∀`*)

拍手秘コメントどうもありがとうございましたe-415e-420
桔梗.Dさん | 2013/05/23 00:01 | URL [編集] | page top↑

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真夜中のユートピア 悪魔と野犬ノ仔 12話
2013/10/19 (Sat) 18:41 | グッチ アウトレット