09/08/2010(Wed)
それから70話
防波堤で息を整えていた二人だが、身の凍りつきそうな寒さにガタガタと震えが襲って来た。
「弘夢ッ・・弱ったな・・どうする・・」
淳平は辺りを見渡すが乗って来た車も木戸たちの車も既に無いものと考え、とにかく暖を取れる場所まで移動する事にした。
「歩けるか?」
弘夢の唇は真っ青になり、白い肌は透き通って青い血管まで見えている。
とにかくこの冷たい水を含んだ服を脱がなければどんどん体温を取られる。
その時、上の方に見知らぬ真面目そうな男が降りて来た。
「お手伝い致します。」
その男を見た弘夢がカチカチと寒さで歯を鳴らしながら「福田さん」と言った事からどうやらあの木戸の部下か何かだと予想出来た。
この上また何かを企んでいるのかと淳平は身構えるが、漸く道に出た時に福田という男は「失礼致します」と一言言って弘夢の首輪をカチリと外した。
「木戸さまからの伝言でございます。“悪かった”、だそうです。そして明日お帰りの車を手配致しますので、今晩はこちらで一先ずお休み下さい。」
そう言って簡単な地図の書かれた紙と鍵を渡された。お辞儀をして帰ろうとする福田に弘夢が言った。
「あのっ・・時枝さんに・・“ありがとうございました”って・・お伝え下さいっ」
福田は振り返り、軽く会釈をすると足早にその場を立ち去った。
そして急いで地図の書いてある場所へ移動した。
暫くするとそう遠くない場所に木戸の持つコッテージなのだろうか、木造で出来た古びた建物があった。急いで鍵でドアを開け、中へと入ると海風が凌げるだけで相当寒さが違って感じた。
もう大分使われていないのか、ギシギシと凄い音がするが意外にも小奇麗にされて色々と道具も揃っているのを見るとメンテナンスには誰かしら定期的に来ているようだ。
淳平は急いで暖炉に火を付ける準備をする。
「弘夢、早く服を脱げ」
そう言うと、弘夢は困った顔をしてなかなか服を脱ごうとしない。
「何してるんだ!?早く脱がないと風邪引くどころじゃないぞ!?」
「あ・・あのっ・・じゃあ・・こっち・・見ないで・・」
何を恥ずかしがっているのかと不思議に思いながらも了承して懸命に火を焚いた。
暫くすると小さな声で「もう、いいよ」と聞こえて振り返ると、傍にあった毛布で裸体を包んだ弘夢が座っていた。
艶やかな肩が毛布から出ているのが妙に色っぽい。不謹慎にもドキドキと中学生のように胸が高鳴り淳平は目を逸らした。
「もっとこっちに来い。寒いだろ」
そう言いながら自分も急いで服を脱いで乾かす様に広げた。
弘夢の目の前で、淳平は恥ずかしさを微塵も出さずにボクサーパンツまでスルリと脱ぎ捨てると、引き締まった裸体が現れて思わず目が釘付けになる。
全体的に日焼けの浸みこんだ健康的な肌色は湿り気を含んで艶めかしく筋肉の一つ一つを浮かび上がらせていた。
(や・・やだっ・・)
駄目だと思うのに弘夢の下半身はどんどんと膨らんで大きくなる。それを隠す様に暖炉の前で毛布で身体を包む。
淳平は簡易ベッドまで歩き、シーツで簡単に身を包むとそのまま弘夢の後ろに座り、弘夢を後ろから抱きかかえた。
弘夢はドクンッと心臓が大きく跳ね、そのまま異常な速度で鼓動は走り続ける。緊張で身体も固まる。
「弘夢・・・」
そう耳に唇を付けて囁かれると心臓は緊張ではち切れそうになる。
「・・んっ・・や・・」
淳平は弘夢を毛布毎抱きしめながら後ろから細く白い項にキスをし、そして後ろから頬にもキスをした。
淳平の冷たい唇が触れた箇所は点火されるように次々と熱を持った。
「はっ・・んっ」
そしてゆっくりと顔に手を添えられ見つめ合った。暖炉では木々がパチパチと燃える音がする。
「愛してるよ、弘夢・・もう離さない。絶対に。・・絶対にだ・・。」
弘夢は胸の高ぶりを押さえられない程身体中が高揚した。
「俺もっ・・お前を愛してる・・ずっとお前だけを愛してたっ・・もう、離れたくない・・離さないでっ」
そう言って弘夢も涙が零れると同時に、淳平に顔を強く引き寄せられ唇を塞がれた。
「んっ・・んんっ・・ハァ・・んっ・・んぁっ」
激しく舌を互いに絡みつかせ唾液も足りないと感じる程に貪り合った。蕩けるような舌は互いに異常なまでの快楽を口内に与えた。
淳平の下半身は痛い程に勃ち上がり熱を持って弘夢の腰辺りに突き刺さる。
ピチャリピチャリと激しく舌を絡めていると、淳平がゆっくりと弘夢の身体を押し倒した。
そしてゆっくり毛布を剥ごうとしてきたので、慌てて抵抗した。
「ダ・・ダメっ・・ハァハァ」
その抵抗に淳平の顔が強張る。
「どうして・・嫌か?」
「あ・・違っ・・」
身体の恥ずかしい場所に付けられたピアスを淳平に見られる事はあまりに恥ずかしく、そしてそれを見た淳平を想像すると怖かった。
蔑まれるだろうか。こんな身体に触れたくないと思われるに違いない。嫌われるだろうか。汚いと思われるだろうか。厭らしいと思われるだろうか。
次々と襲う不安を余所に怒りを含んだ淳平は無理矢理激しく床に組み敷んだまま口内を犯してきた。
「んんっ・・やっ・・あ・・んんーっ」
そして首筋に噛みつかれると、弘夢はゾクリと激しく身体が歓喜に粟立った。
「はっ・・ぁああんっ」
あまりに厭らしい声が鼻から抜けると、次の瞬間に緩んだ手元から毛布が引き剥がされた。
「あッ・・・!」
そしてその美しく純粋な裸体に卑猥なピアスが余りにも生々しく妖しい光を放っていた。
<<前へ 次へ>>
どうする淳平!弘夢の身体は確実に以前とは違うゾー!
★「それから」は「すれ違った後に(全10話)」の続編です。
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「弘夢ッ・・弱ったな・・どうする・・」
淳平は辺りを見渡すが乗って来た車も木戸たちの車も既に無いものと考え、とにかく暖を取れる場所まで移動する事にした。
「歩けるか?」
弘夢の唇は真っ青になり、白い肌は透き通って青い血管まで見えている。
とにかくこの冷たい水を含んだ服を脱がなければどんどん体温を取られる。
その時、上の方に見知らぬ真面目そうな男が降りて来た。
「お手伝い致します。」
その男を見た弘夢がカチカチと寒さで歯を鳴らしながら「福田さん」と言った事からどうやらあの木戸の部下か何かだと予想出来た。
この上また何かを企んでいるのかと淳平は身構えるが、漸く道に出た時に福田という男は「失礼致します」と一言言って弘夢の首輪をカチリと外した。
「木戸さまからの伝言でございます。“悪かった”、だそうです。そして明日お帰りの車を手配致しますので、今晩はこちらで一先ずお休み下さい。」
そう言って簡単な地図の書かれた紙と鍵を渡された。お辞儀をして帰ろうとする福田に弘夢が言った。
「あのっ・・時枝さんに・・“ありがとうございました”って・・お伝え下さいっ」
福田は振り返り、軽く会釈をすると足早にその場を立ち去った。
そして急いで地図の書いてある場所へ移動した。
暫くするとそう遠くない場所に木戸の持つコッテージなのだろうか、木造で出来た古びた建物があった。急いで鍵でドアを開け、中へと入ると海風が凌げるだけで相当寒さが違って感じた。
もう大分使われていないのか、ギシギシと凄い音がするが意外にも小奇麗にされて色々と道具も揃っているのを見るとメンテナンスには誰かしら定期的に来ているようだ。
淳平は急いで暖炉に火を付ける準備をする。
「弘夢、早く服を脱げ」
そう言うと、弘夢は困った顔をしてなかなか服を脱ごうとしない。
「何してるんだ!?早く脱がないと風邪引くどころじゃないぞ!?」
「あ・・あのっ・・じゃあ・・こっち・・見ないで・・」
何を恥ずかしがっているのかと不思議に思いながらも了承して懸命に火を焚いた。
暫くすると小さな声で「もう、いいよ」と聞こえて振り返ると、傍にあった毛布で裸体を包んだ弘夢が座っていた。
艶やかな肩が毛布から出ているのが妙に色っぽい。不謹慎にもドキドキと中学生のように胸が高鳴り淳平は目を逸らした。
「もっとこっちに来い。寒いだろ」
そう言いながら自分も急いで服を脱いで乾かす様に広げた。
弘夢の目の前で、淳平は恥ずかしさを微塵も出さずにボクサーパンツまでスルリと脱ぎ捨てると、引き締まった裸体が現れて思わず目が釘付けになる。
全体的に日焼けの浸みこんだ健康的な肌色は湿り気を含んで艶めかしく筋肉の一つ一つを浮かび上がらせていた。
(や・・やだっ・・)
駄目だと思うのに弘夢の下半身はどんどんと膨らんで大きくなる。それを隠す様に暖炉の前で毛布で身体を包む。
淳平は簡易ベッドまで歩き、シーツで簡単に身を包むとそのまま弘夢の後ろに座り、弘夢を後ろから抱きかかえた。
弘夢はドクンッと心臓が大きく跳ね、そのまま異常な速度で鼓動は走り続ける。緊張で身体も固まる。
「弘夢・・・」
そう耳に唇を付けて囁かれると心臓は緊張ではち切れそうになる。
「・・んっ・・や・・」
淳平は弘夢を毛布毎抱きしめながら後ろから細く白い項にキスをし、そして後ろから頬にもキスをした。
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そう言って弘夢も涙が零れると同時に、淳平に顔を強く引き寄せられ唇を塞がれた。
「んっ・・んんっ・・ハァ・・んっ・・んぁっ」
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「ダ・・ダメっ・・ハァハァ」
その抵抗に淳平の顔が強張る。
「どうして・・嫌か?」
「あ・・違っ・・」
身体の恥ずかしい場所に付けられたピアスを淳平に見られる事はあまりに恥ずかしく、そしてそれを見た淳平を想像すると怖かった。
蔑まれるだろうか。こんな身体に触れたくないと思われるに違いない。嫌われるだろうか。汚いと思われるだろうか。厭らしいと思われるだろうか。
次々と襲う不安を余所に怒りを含んだ淳平は無理矢理激しく床に組み敷んだまま口内を犯してきた。
「んんっ・・やっ・・あ・・んんーっ」
そして首筋に噛みつかれると、弘夢はゾクリと激しく身体が歓喜に粟立った。
「はっ・・ぁああんっ」
あまりに厭らしい声が鼻から抜けると、次の瞬間に緩んだ手元から毛布が引き剥がされた。
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コメント
こちらにまで来て下さってありがとうございます!
丁度70話までコメント欄が閉じていたみたいですが秘コメを頂けたので開けさせて頂きました!
引き込まれたと仰って頂けて本当嬉しいです(ノД`)・゜・
ありがとうございます(涙
あ!水温が低いと入水時の衝撃って増えるんですかッ!?
知りませんでした!
冬海15m素人飛び込みだとあの世行き(笑)
あ、弘夢たち死んでますね(笑)
なるほど色々と深く調べてからの方がリアリティが増しますね!
本当勉強になります!
Kさまよく色んな事ご存じですね~(*´∇`*)
何か特別なご職業とか実は作家さまとか…とか考えてしまいます(笑)
そうですね。そしたら、飛び込む時は
「どうなっちゃうの?!」というスリルを煽る為にその辺の描写は敢えて控えたいかと思うので、後の二人の会話で
「あの時咄嗟に淳平が丸く抱き抱えてくれたから…」
とかサラリと入れ込めたらいいですね(*´д`*)
いやいやいや!!
本当ありがたいです!!
趣味でBLでファンタジーなのでどう書いてもいいのでしょうけど、
自分はやはりなるべく読んで下さった方の心に残るものが書けたらいいな、
もっと上手くなりたいなと思っているので色々教えて頂けるのは有難いと思っております^^
おっとKさま木戸さんが好きとは!ー ̄) ニヤッ
歪んだ二人のアフターストーリー、先月完成致しました~(*´∇`*)
恐らく気になる事満載だと思います(笑)
お気づきの点がございましたら遠慮なく仰って下さいませ!
そして少しでも楽しんで頂けるいいなと思います。
応援ありがとうございます。゚(。ノωヽ。)゚。
これからも頑張ります!
拍手秘コメントどうもありがとうございました
コメント