07/22/2010(Thu)
万華鏡-江戸に咲く-78
馴染みの陰間茶屋に入ると、色っぽい女性がキセルを気だるそうに吹かしていた。
「あら夜、いらっしゃい。久々じゃない?皆首を長くして待ってたのよ?あら、そちらの子は?」
鼻にかかった声の人だった。女性は美月の方にトロンとした視線を流しくる。
「よぉ、おキネさん。ご無沙汰だな。コイツは俺の連れだ。美月、このお方はおキネさんと言ってこの店の女主人だ。おキネさん、コイツは美月ってんだ。」
「ど、どうも初めまして。美月と申します。いつも夜がお世話になってます」
(お世話になってたらダメだよな?お世話しに来てるんだし・・)
「まぁ。新しい子の紹介かと思ったわ。こんなに綺麗な子見た事ないわ。・・ふふ。夜が本気になる訳ね。」
「おキネさん、コイツ見かけによらず凶暴だから気を付けな」
美月はすかさず夜のざんばら髪を引っ張る。
「いででで」
今夜限りで店に来るのは控えるとおキネに伝えると、おキネは非常に残念そうにしていた。色子たちは本当に感謝しているのだと、そう言っていた。傷付く子も大分減ったとおキネは感謝していた。
美月は夜の優しさを痛感したのと同時に、自分のわがままで振り回していいものかと、気持ちが揺らいだ。
「美月、大丈夫だ。俺の代わりを必ず見つけるから」
狭い階段を上がっている時に、突然夜が言った。
「夜って、本当に感が鋭いというか、人の気持ちに敏感だね」
美月は嬉しくて胸が熱くなった。そして夜の優しさに一段と心打たれた。
襖を開けるとまだ幼さの陰を残す美しい色子たちが一斉に夜に集中した。
「夜さま!」
「夜さま、来てくれはったんですか!嬉しいっ」
「夜さまっ」
「よぉ、皆元気そうだな。身体は大丈夫かい?」
夜は小学校の先生のような優しい雰囲気で笑い掛けた。
一頻り挨拶を終えた色子たちは、チラチラと美月を気にするように視線を投げつけてきた。
「あの・・そちらは・・」
「ああ、コイツは俺のだ。美月って言うんだ、宜しくな」
その言葉に色子たちの表情が驚きと落胆色に染まった。だが次の瞬間には興味の色が濃く出てきた。
「美月さまはどうやって夜さまのお心を射止めはったんですか?」
「美月さまはどこで夜さまとお知り合いになったのですか?」
「美月さまはどちらにお住まいなのですか?」
まるで記者会見のようだった。
一通り未来の事には触れずに質問に答えているうちに、美月も色子たちと打ち解けてきた。
そんな美月たちのほのぼのとした様子を微笑ましく見ていた夜がそっと美月を後ろから引き寄せ、自分の胡座の中に座らせて腕を回して抱いた。
「きゃあっ」
そのロマンチックな様子に色子たちは叫んだ。
「なっ・・皆の前で何を!?」
美月が慌てて夜の胡座から抜け出そうともがくと、顔を捕まれてチュッとキスをされた。
「きゃあっ」
色子たちも互いの手を取り合いその様子を興奮して見る。
恥ずかしさで固まって真っ赤になった美月はもう大人しくしている他なかった。
「可愛いだろう?これからはコイツだけを可愛がりたいから、皆へ色々と教えるのは今日が最後だ。すまねぇな」
その言葉に最初は困惑していた色子たちも、夜の幸せを願ってその想いを受け入れると言ってくれた。そしてきちんと夜の代わりを努める人を寄越すと伝えると、安心したようだった。
結局、その後色子たちは、美月に男のモノを受け入れる極意を熱心に聞いていた。
夜の巨大なモノを受け入れるという凄腕を持っている美月に、皆羨望の眼差しを向けていた。
だが、美月の場合は好きな相手だからこそ、どんなモノでも受け入れられるという基本的なものがあったが、色子たちはいつでも好きでもない相手を受けいれなくてはならなかった。
その差は大きい。だからと言ってこんな事はもう止めなさいだなんて偽善は言えなかった。
この時代で、色子たちにとっての必要な事でもあったし、何よりこれが歴史だったからだ。
今見ればおかしいと思える昔の事も、昔そうした事があったからこそ、今反省出来る事もある。
だから、美月は身体で如何に楽に快楽を得られるかを丁寧に教えた。自分に出来る事はそれくらいしかないと思った。
そろそろ帰るという頃、皆の熱い感謝の念を受けて玄関先へ向かった。
その時、美月はどこかで見たような顔の男子が廊下を横切るのを見た気がした。
化粧を施して艶やかな赤い着物を纏っていたので誰だかがはっきりと分からなかったが、美月の心にトゲのように引っかかったのだ。
<<前へ 次へ>>
ケジメを付ける夜。そして誰を見かけた気がしたのか・・。
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「あら夜、いらっしゃい。久々じゃない?皆首を長くして待ってたのよ?あら、そちらの子は?」
鼻にかかった声の人だった。女性は美月の方にトロンとした視線を流しくる。
「よぉ、おキネさん。ご無沙汰だな。コイツは俺の連れだ。美月、このお方はおキネさんと言ってこの店の女主人だ。おキネさん、コイツは美月ってんだ。」
「ど、どうも初めまして。美月と申します。いつも夜がお世話になってます」
(お世話になってたらダメだよな?お世話しに来てるんだし・・)
「まぁ。新しい子の紹介かと思ったわ。こんなに綺麗な子見た事ないわ。・・ふふ。夜が本気になる訳ね。」
「おキネさん、コイツ見かけによらず凶暴だから気を付けな」
美月はすかさず夜のざんばら髪を引っ張る。
「いででで」
今夜限りで店に来るのは控えるとおキネに伝えると、おキネは非常に残念そうにしていた。色子たちは本当に感謝しているのだと、そう言っていた。傷付く子も大分減ったとおキネは感謝していた。
美月は夜の優しさを痛感したのと同時に、自分のわがままで振り回していいものかと、気持ちが揺らいだ。
「美月、大丈夫だ。俺の代わりを必ず見つけるから」
狭い階段を上がっている時に、突然夜が言った。
「夜って、本当に感が鋭いというか、人の気持ちに敏感だね」
美月は嬉しくて胸が熱くなった。そして夜の優しさに一段と心打たれた。
襖を開けるとまだ幼さの陰を残す美しい色子たちが一斉に夜に集中した。
「夜さま!」
「夜さま、来てくれはったんですか!嬉しいっ」
「夜さまっ」
「よぉ、皆元気そうだな。身体は大丈夫かい?」
夜は小学校の先生のような優しい雰囲気で笑い掛けた。
一頻り挨拶を終えた色子たちは、チラチラと美月を気にするように視線を投げつけてきた。
「あの・・そちらは・・」
「ああ、コイツは俺のだ。美月って言うんだ、宜しくな」
その言葉に色子たちの表情が驚きと落胆色に染まった。だが次の瞬間には興味の色が濃く出てきた。
「美月さまはどうやって夜さまのお心を射止めはったんですか?」
「美月さまはどこで夜さまとお知り合いになったのですか?」
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まるで記者会見のようだった。
一通り未来の事には触れずに質問に答えているうちに、美月も色子たちと打ち解けてきた。
そんな美月たちのほのぼのとした様子を微笑ましく見ていた夜がそっと美月を後ろから引き寄せ、自分の胡座の中に座らせて腕を回して抱いた。
「きゃあっ」
そのロマンチックな様子に色子たちは叫んだ。
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美月が慌てて夜の胡座から抜け出そうともがくと、顔を捕まれてチュッとキスをされた。
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恥ずかしさで固まって真っ赤になった美月はもう大人しくしている他なかった。
「可愛いだろう?これからはコイツだけを可愛がりたいから、皆へ色々と教えるのは今日が最後だ。すまねぇな」
その言葉に最初は困惑していた色子たちも、夜の幸せを願ってその想いを受け入れると言ってくれた。そしてきちんと夜の代わりを努める人を寄越すと伝えると、安心したようだった。
結局、その後色子たちは、美月に男のモノを受け入れる極意を熱心に聞いていた。
夜の巨大なモノを受け入れるという凄腕を持っている美月に、皆羨望の眼差しを向けていた。
だが、美月の場合は好きな相手だからこそ、どんなモノでも受け入れられるという基本的なものがあったが、色子たちはいつでも好きでもない相手を受けいれなくてはならなかった。
その差は大きい。だからと言ってこんな事はもう止めなさいだなんて偽善は言えなかった。
この時代で、色子たちにとっての必要な事でもあったし、何よりこれが歴史だったからだ。
今見ればおかしいと思える昔の事も、昔そうした事があったからこそ、今反省出来る事もある。
だから、美月は身体で如何に楽に快楽を得られるかを丁寧に教えた。自分に出来る事はそれくらいしかないと思った。
そろそろ帰るという頃、皆の熱い感謝の念を受けて玄関先へ向かった。
その時、美月はどこかで見たような顔の男子が廊下を横切るのを見た気がした。
化粧を施して艶やかな赤い着物を纏っていたので誰だかがはっきりと分からなかったが、美月の心にトゲのように引っかかったのだ。
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コメント
おおっKさまでも分かりませんか!!
うふふ。今回イイ具合にシールド貼れたようです~ww
あはは!確かに外であれだけの事してるのにチュってされて何を赤くなってるんでしょうね!!ww
可愛いだなんて嬉しいですO(≧▽≦)O ワーイ♪
もちっと萌え場面入れたいんですが、どうも難しくて四苦八苦してます^^;
拍手コメントどうもありがとうございました
> ちょうど100話で、終わりに!!
> なんてどうかな~~?
> (*´・ω・)(・ω・`*)ネー
ひょえ~っ(/゚□゚)/
アドさんもアドジロちゃんも(笑)難しい事を仰るww
でも・・イイかも??
> 色子たちのてんてーをする、夜と美月、時代を超えて最善を尽くす美月の心がオトコマエだと思います。
o(*・ω・)ノ ァィ
夜は実験テンテー、美月は講義テンテー♪
最初二人は色子ちゃんたちの目の前でヤって見せる、という予定にてしましたww
が、また長くなる上にもう青☆したのでいいかな、と^^;
おお!頑張る美月を男前と!嬉しいです^^
偽善ぶって「こんなの良くないよ!」とか言って「現代ではね・・」とか説明し出すのは
ないなーと思いまして(>_<)
> 色子ちゃん達が生き生きと可愛いのは、さすが桔梗さん!!
え!!本当ですか!ありがとうございます(〃ω〃)
可愛い描写って苦手でR書くよりちょっと恥ずかしかったりしますww
だからアドさんの書かれる可愛い萌えとか本当凄いと思います!
> じとーっと見てるのはだれー??
んふふっ♪誰でしょうか^^
今回皆さま分からないようで、澪たま曰く私はシールド魔法を使ったみたいですww
コメントどうもありがとうございました
なんてどうかな~~?
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
色子たちのてんてーをする、夜と美月、時代を超えて最善を尽くす美月の心がオトコマエだと思います。
色子ちゃん達が生き生きと可愛いのは、さすが桔梗さん!!
じとーっと見てるのはだれー??
あひゃひゃひゃひゃ(≧∀≦*)
いや、笑わせて頂きました!!!
あっでもご自分を殴らないでっ!
私の大切なMたまですもの・・(。-_-。)ポッ ・・ヾ(-д-;)
コメントどうもありがとうございました
> あぁ、夜の断り方良いなぁ。上手いなぁ。
おおっ良いかい!?良かった^^
本人連れて行ったのが効いたのかも♪
> 色子ちゃん達もさすが茶屋にいるだかって順応力が高いwww
> キャアー!!,,,((*≧∇)乂(∇≦*)),,,キャァー!!言いながらもしっかり見てる様子が可愛い(笑)
常にお勉強ww夜は色子ちゃんたちのテンテー♪
可愛いポイントを共感してくれて嬉しいよ(≧∀≦)ノ
> 美月ちゃんも辛いけどちゃんと分かってるんだよね。
> 勝手に時代を歪めてはいけないこと。
うむ。これが時代を超えたモノの辛いところだよね(>_<)
手出ししたいけど、出来ない。考えを押しつけてしまいそうになるというか。
それが出来ないならその文化の中で出来る事をするという・・ソレ位しか出来ないのかな。
ムズカチー(>△<)
> え?赤い着物の男の子…誰?
> ジーッ (@ ̄_ ̄) ・・・・・(・_・?)アレ?ヨメナイ・・・(;゚ロ゚)ハッ
> さては桔梗ちん能力をシールドする魔法を使ったな!?www
> 大人しく待ってます(´・ω・`)ションボリ (笑)
バンバンヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
シールド魔法が効いた!!あははは!!(爆笑)
実はずっと前に文中の誰かさんがボソッと言った言葉がヒント☆
ションボリして待ってる澪ちん、可愛い♪(*≧з≦)か(*≧д≦)わ(*≧皿≦)いぃ♪
コメントどうもありがとうございました
> もうすぐ終わっちゃうのかな?
> すっごく寂しいです!!!
寂しいと思って下さって本当に嬉しいです!!
もうすぐと言いましてもあと一波乱あっての終了、そして決着・・です!
怒涛でいきたいです!!頑張ります!
> 終わっちゃうーって思うと、
> 夜さまの優しいとことか見ちゃうと余計寂しくなっちゃう‥‥
うあーん。゚(。ノωヽ。)゚。
そこまで思い入れして下さってマジで嬉しいですっっ!
> 蛍や花火のシーンが懐かしいです!!
わぁ!!ホタル!部屋で粋な事してましたね、そういえば!!
色々覚えていて下さって凄い嬉しいです!!
あぁ・・あの時はまだキスくらいだったのに・・今はホタル見ながら青姦ショー・・
どんだけズレたんだって話です;;ストーリー戻さねば(汗)
> 最初から読みなおそう‥‥
工工工工エエエエエエエエェェェェェェェェ Σ(゚Д゚ノ)ノェェ,,
粗が目立ちますから!!じゃなくて、このクソ長いのをですかー!
何という・・オーマイガーッ←壊れた
あああ、あありがとうございますっm(_ _;)m
こんなエロばっかの変なものを読んで下さって、本当に感謝です(>_<)!!
> そして一体誰だろー(>_<)
んふっ♪お楽しみに!!(≧∀≦)ノ
コメントどうもありがとうございました
> こちらのお話はきっとハピエ・・・ですよね?
> でもまだ問題が残ってるよなぁ・・・
んふっ← Σ(・ω・ノ)ノ!
> 抱月先生の濡れ場も見てないし、
Σ(゚□゚
> 抱月先生が悶えるのも見てないし、
∑(; ̄□ ̄A アセアセ
> 抱月先生が夜に押し倒されるのも見て・・・
> って!全部ソレじゃん!!
Σヽ(゚∀゚;)←便乗してツッコミw
夕華さんの抱月攻めの願望がびっしりと書き込まれました~ww
嬉しいです~!
SSとかで書こうかと思います♪その時は是非色々意見聞かせて下さいねん♪
> てか問題は違うトコだし(笑)
あはは!確かにwwウケますww
でも、ナイスでした!!びゃははは (≧ω≦)b
コメントどうもありがとうございました
色子ちゃん達もさすが茶屋にいるだかって順応力が高いwww
キャアー!!,,,((*≧∇)乂(∇≦*)),,,キャァー!!言いながらもしっかり見てる様子が可愛い(笑)
美月ちゃんも辛いけどちゃんと分かってるんだよね。
勝手に時代を歪めてはいけないこと。
え?赤い着物の男の子…誰?
ジーッ (@ ̄_ ̄) ・・・・・(・_・?)アレ?ヨメナイ・・・(;゚ロ゚)ハッ
さては桔梗ちん能力をシールドする魔法を使ったな!?www
大人しく待ってます(´・ω・`)ションボリ (笑)
すっごく寂しいです!!!
終わっちゃうーって思うと、
夜さまの優しいとことか見ちゃうと余計寂しくなっちゃう‥‥
蛍や花火のシーンが懐かしいです!!
最初から読みなおそう‥‥
そして一体誰だろー(>_<)
でもまだ問題が残ってるよなぁ・・・
抱月先生の濡れ場も見てないし、
抱月先生が悶えるのも見てないし、
抱月先生が夜に押し倒されるのも見て・・・
って!全部ソレじゃん!!
てか問題は違うトコだし(笑)
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