08/21/2010(Sat)
それから52話
「呼んでるよ?行かないの?」
本当は行って欲しくなかった。淳平の気持ちを確かめるようにわざと煽る様にそんな言葉を投げかけてしまう。
「ああ・・行くよ」
弘夢はゆっくりと瞼を閉じた。これ以上瞳を開けていたらきっと言う事をきかない涙が溢れそうだったからだ。
「先に出て。・・そして、もう・・ここに来ても、俺に話しかけないで」
目を瞑っているにも関わらず、目じりからツーっと涙が零れおちた。そして淳平の足音はドアの方へ移動し、ガチャリと鍵の開く音がした。
これでもう、赤の他人になるのだ、そう思うとさっきのキスが嘘みたいだった。
ギィ―ッとドアの開く音がして、バタンと閉まる音がしてもまだ、弘夢は瞳を開けられずにいた。
ふるふると口元が痙攣のように震えた。涙腺はとうに切れて瞑っていた瞼を押しあけるようにして流れ出ていた。
瞳を開けようとした瞬間に、温かく柔らかいものが唇を塞いだ。驚いて目を開けると、帰ったと思った淳平がいた。
「んっ・・んんーっ・・あっ・・ど・・してっ」
激しく舌を吸いたてられて上手く息が出来ない。
「ごめん・・弘夢・・俺、ダメだ・・」
(お前の事が好きだ)
自分を拒んで別れを言った筈の弘夢がこうして自分を受け入れ、何より悲しそうな顔をしている理由が聞きたかった。
話がしたい、そう言って淳平は一方的に日にちを指定し、弘夢ともう一度会う約束を取り付けた。
先ずは分からない事だらけの事情を知る必要があると思った。そして、渡の事も、考える必要があった。
「あ!先輩!探したんですよ!?」
「あぁ・・悪い。ちょっと散歩してたんだ」
「迷子になっちゃいますよ!ほら、帰りましょう!」
「あ、あぁ・・」
ふわふわの綿毛みたいな髪の毛の小柄な可愛い青年が淳平の手を引いて嬉しそうに帰って行く姿を壁にそっと寄りかかりながら弘夢は見つめた。
(仲の良い恋人同士みたいだ・・みたい、じゃなくてそうか・・)
弘夢は何の障害もなく淳平に触れられ、そして一時も離れずにいられる渡を心の底から羨んだ。
(あれが、淳平の恋人・・)
先程までの淳平の感触を思い出すと、鈴口からタラタラと勢いよくカウパー液が流れ出てビキニに染み込んでいくのが分かった。
弘夢は今すぐに淳平を思って射精をしたくて堪らなくなった。
発作のように自分の首輪に手をかけ、カチャカチャと引っ掻く。一向に取れない首輪はただ弘夢の首に引っ掻き傷を負わせるだけだった。
仕事を終え、ふらつく足取りでマンションに変えると、シャワーから出て下半身をタオルで巻いただけの木戸が窓辺に立っていた。
乾ききっていない髪はいつもピシッと整えられたものと違って緩やかに下りていた。それが妙に艶っぽく整った顔の木戸を魅力的にさせている。
「どうした、弘夢。そんな顔していたら襲われるぞ?」
もう限界の弘夢は木戸に縋りついた。
「木戸さんっ・・お願い・・イかせて下さいっ・・ハァ・・イきたいっ」
ズルズルと木戸の前にしゃがみこみ、木戸に教え込まれた通りにおねだりをし始めた。弘夢は木戸の大きなペニスを夢中で口に含みしゃぶりながらおねだりをする。
「ん・・可愛いよ。弘夢。上手におねだりが出来るようになったね・・」
木戸はゆっくりと弘夢の頭を押さえて腰を動かし、弘夢の口内にペニスを前後に抜き挿しした。
そうしながら、首輪に設置された暗証番号を入れて輪から鍵を抜き出す。
弘夢の目に映るのは今日見た淳平と、感じた淳平の温もりだった。
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*ご一読頂きまして有難うございます。
唯今、16~20日まで留守にしております。
お話は予約投稿してありますので通常通り0時にUPされると思います。
もしコメント頂けたら、お返事は帰宅後に書かせて頂きます!
★「それから」は「すれ違った後に(全10話)」の続編です。
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本当は行って欲しくなかった。淳平の気持ちを確かめるようにわざと煽る様にそんな言葉を投げかけてしまう。
「ああ・・行くよ」
弘夢はゆっくりと瞼を閉じた。これ以上瞳を開けていたらきっと言う事をきかない涙が溢れそうだったからだ。
「先に出て。・・そして、もう・・ここに来ても、俺に話しかけないで」
目を瞑っているにも関わらず、目じりからツーっと涙が零れおちた。そして淳平の足音はドアの方へ移動し、ガチャリと鍵の開く音がした。
これでもう、赤の他人になるのだ、そう思うとさっきのキスが嘘みたいだった。
ギィ―ッとドアの開く音がして、バタンと閉まる音がしてもまだ、弘夢は瞳を開けられずにいた。
ふるふると口元が痙攣のように震えた。涙腺はとうに切れて瞑っていた瞼を押しあけるようにして流れ出ていた。
瞳を開けようとした瞬間に、温かく柔らかいものが唇を塞いだ。驚いて目を開けると、帰ったと思った淳平がいた。
「んっ・・んんーっ・・あっ・・ど・・してっ」
激しく舌を吸いたてられて上手く息が出来ない。
「ごめん・・弘夢・・俺、ダメだ・・」
(お前の事が好きだ)
自分を拒んで別れを言った筈の弘夢がこうして自分を受け入れ、何より悲しそうな顔をしている理由が聞きたかった。
話がしたい、そう言って淳平は一方的に日にちを指定し、弘夢ともう一度会う約束を取り付けた。
先ずは分からない事だらけの事情を知る必要があると思った。そして、渡の事も、考える必要があった。
「あ!先輩!探したんですよ!?」
「あぁ・・悪い。ちょっと散歩してたんだ」
「迷子になっちゃいますよ!ほら、帰りましょう!」
「あ、あぁ・・」
ふわふわの綿毛みたいな髪の毛の小柄な可愛い青年が淳平の手を引いて嬉しそうに帰って行く姿を壁にそっと寄りかかりながら弘夢は見つめた。
(仲の良い恋人同士みたいだ・・みたい、じゃなくてそうか・・)
弘夢は何の障害もなく淳平に触れられ、そして一時も離れずにいられる渡を心の底から羨んだ。
(あれが、淳平の恋人・・)
先程までの淳平の感触を思い出すと、鈴口からタラタラと勢いよくカウパー液が流れ出てビキニに染み込んでいくのが分かった。
弘夢は今すぐに淳平を思って射精をしたくて堪らなくなった。
発作のように自分の首輪に手をかけ、カチャカチャと引っ掻く。一向に取れない首輪はただ弘夢の首に引っ掻き傷を負わせるだけだった。
仕事を終え、ふらつく足取りでマンションに変えると、シャワーから出て下半身をタオルで巻いただけの木戸が窓辺に立っていた。
乾ききっていない髪はいつもピシッと整えられたものと違って緩やかに下りていた。それが妙に艶っぽく整った顔の木戸を魅力的にさせている。
「どうした、弘夢。そんな顔していたら襲われるぞ?」
もう限界の弘夢は木戸に縋りついた。
「木戸さんっ・・お願い・・イかせて下さいっ・・ハァ・・イきたいっ」
ズルズルと木戸の前にしゃがみこみ、木戸に教え込まれた通りにおねだりをし始めた。弘夢は木戸の大きなペニスを夢中で口に含みしゃぶりながらおねだりをする。
「ん・・可愛いよ。弘夢。上手におねだりが出来るようになったね・・」
木戸はゆっくりと弘夢の頭を押さえて腰を動かし、弘夢の口内にペニスを前後に抜き挿しした。
そうしながら、首輪に設置された暗証番号を入れて輪から鍵を抜き出す。
弘夢の目に映るのは今日見た淳平と、感じた淳平の温もりだった。
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*ご一読頂きまして有難うございます。
唯今、16~20日まで留守にしております。
お話は予約投稿してありますので通常通り0時にUPされると思います。
もしコメント頂けたら、お返事は帰宅後に書かせて頂きます!
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コメント
> 半魚人はどうでしたか?(違っ)
バンバンヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
半魚人!見て来ましたよー!(違w
類人魚、写真撮ってはいけないって言われて撮れませんでしたが、ハガキやら
本やら買って来ました!
本当に目が無かったです!ヽ(゚Д゚;)ノ!!
そして・・らぶりー!.....ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♪
> 桔梗ちんがいなくて寂しかったよ・・・ぽろり
ドッキーン☆
夕華さんの涙・・レアだ!!(〃∇〃)ドキドキ
私も会えなくて寂しかったです(>_<)!!
> でも貞操帯想像して我慢したっ!
> 渡くんにも着けたいし、美月ちゃんにも着けたいし~
> うちで着けるとしたら絶対に斗和だけど~
そんな想像して我慢を!!?( ̄ー ̄)ニヤ...あ、すみません。つい想像を・・;
(注:想像をして我慢する夕華さんを想像しました)
あ、やっぱり斗和くんですか(笑)
> 私的には穂積に着けるのもいいと思いますが、
> 謙吾は絶対にそんなことしません。
> もし私が着ける話を書き始めても、すぐに取っ払ってしまうでしょう(笑)
> 残念ながら、謙吾は全くSの気がありません。
> むしろM・・・では・・・?
謙吾くんM疑惑(笑)
あはは!直ぐに取ってしまいますか!(笑)
ずっと我慢してる姿を見るのに耐える方も辛いですよね!?
美味しそうなものを目の前にして・・(笑)
コメントどうもありがとうございました
> 裏のからくりに気付けるかな~?
異変に気が付きました~(>_<)
きっと色々と聞きたい事を聞かないと前に進めない状態になっていると思います(>_<)
果たしてからくりまで気付く事が出来るかどうか・・(・ω-;)
> 渡ちゃんが連れて来た店に飼われてる弘夢くんがいた不審とか!どこまで疑えるかな~。基本、いい人ですもんね~。
単純ですしね(笑)
こういう場合女性の方がきっとすぐに色々と感が鋭く働くような気がしますね!
渡と弘夢を関連付けられるでしょうか(>_<)
淳平、いい人ですか!?おおっありがとうございます♪
ちょっと手が早い気もしますが、そう言って頂けると嬉しいです(笑)
> 木戸さんもだけど、「ないものねだり」で落ちる恋って切ないです~(ノ_・。)
ないものねだりの恋・・何だかストーリーのタイトルみたいですね!!
確かにそうですね。切ないですね(>_<)
欲しくて仕方がなくて、手に入らないのにそれじゃないと満足できないという。
的を得た言葉ですねぇ・・。φ(゚Д゚ )フムフム…
コメントどうもありがとうございました
桔梗ちんがいなくて寂しかったよ・・・ぽろり
でも貞操帯想像して我慢したっ!
渡くんにも着けたいし、美月ちゃんにも着けたいし~
うちで着けるとしたら絶対に斗和だけど~
私的には穂積に着けるのもいいと思いますが、
謙吾は絶対にそんなことしません。
もし私が着ける話を書き始めても、すぐに取っ払ってしまうでしょう(笑)
残念ながら、謙吾は全くSの気がありません。
むしろM・・・では・・・?
裏のからくりに気付けるかな~?
渡ちゃんが連れて来た店に飼われてる弘夢くんがいた不審とか!どこまで疑えるかな~。基本、いい人ですもんね~。
木戸さんもだけど、「ないものねだり」で落ちる恋って切ないです~(ノ_・。)
> これで、もう一度、淳平と弘夢が会ったら、お話が大進展する予感!!
確かにかなり大幅に変わる感じですね(>_<)!!
> 澪さんの言うように今はこんがらがったこの人タチ!!
> 何をきっかけに、ラストへ向かうのか?
> 予想がつかないー!
こんがらがり過ぎてないでしょうか・・
コレガ…コウデ…σ(._. )(゜_゜;a)( σ。_。)エート?
またまたラストまでの展開は怒涛でいきそうな予感です(-"-;A ...アセアセ
コメントどうもありがとうございました
うん・・^^;
そのままってのはちと無理だったみたいだけど^^;
> 約束…再び会えることは出来るのか…。
約束したけどちゃんと会えるといいな(>_<)
> 弘夢くんの可愛いおねだり、木戸さんはいつもと違う様子に気付くのかな。
木戸は・・弘夢にメロリンだから気付くかなぁ・・(苦笑)
時枝にも鈍感なお人って思われてたし(^▽^;)
> ホント5者5様の想いが入り乱れている((((((ノ゚⊿゚)ノヌオォォォ
> こんがらがりまくっている(爆)糸は誰と誰を繋げているのだろうゥ──σ(・´ω・`;)──ン
入り乱れ、大丈夫??∑(; ̄□ ̄A アセアセ
絡まってるけど、糸は少しずつ解けてくるといいな(>_<)
コメントどうもありがとうございました
> 確かにお手入れ方法が気になるけど
> 可愛い子にはつけちゃいたいですね←変態
あはは!やっぱり夕華さんもお手入れが気になるんですね(笑)
そして可愛い子には貞操帯を付けよってやつですね?(旅をさせよなのに・・)
でもその感覚を分かって頂けて嬉しいです~♪
> 我慢しながら悶え続けてほしいもん。うちで着けるとしたら・・・
> って、色々想像できて、楽しいわ♪
ですよね!?悶えて耐えて我慢する・・最高ですね☆
夕華さん宅で付けるなら・・穂積ちゃん・・もしくは斗和さん?w
> さぁ、またも出会ってしまった二人・・・これからどうするの?
> こんな身体になっちゃった弘夢君を満足されられるのか淳平!←そこ?(笑)
あぁ・・夕華さん、イイ所に目を付けますね(笑)
二人がくっつく想像をすると辿りつく疑問の壁ですよね!?(笑)
ですが、実際には分かりませんが、想像をすると楽しいです^^
こういう時に必要な分岐ですかね!?(笑)←私には無理ですがw
コメントどうもありがとうございました
澪さんの言うように今はこんがらがったこの人タチ!!
何をきっかけに、ラストへ向かうのか?
予想がつかないー!
約束…再び会えることは出来るのか…。
弘夢くんの可愛いおねだり、木戸さんはいつもと違う様子に気付くのかな。
ホント5者5様の想いが入り乱れている((((((ノ゚⊿゚)ノヌオォォォ
こんがらがりまくっている(爆)糸は誰と誰を繋げているのだろうゥ──σ(・´ω・`;)──ン
確かにお手入れ方法が気になるけど
可愛い子にはつけちゃいたいですね←変態
我慢しながら悶え続けてほしいもん。うちで着けるとしたら・・・
って、色々想像できて、楽しいわ♪
さぁ、またも出会ってしまった二人・・・これからどうするの?
こんな身体になっちゃった弘夢君を満足されられるのか淳平!←そこ?(笑)
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