10/02/2010(Sat)
3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」8話
(くっそ…分からない…くやしいけど、聞くか…)
美海は勉強の分からない所を聞く為に、ベッドに寝転がりながら少年コミックを熱心に読む悠馬の方を向いた。
「なぁ、悠馬。ちょっと聞きたいんだけど、いいか」
「あ? いいよ」
コミックを置いてフットワークの軽い悠馬は嫌な顔一つせずに机に座る美海の後ろまで来てくれた。
「ここなんだけどさ……」
「あぁ、これはなぁ……」
悠馬はなかなかの成績優秀な男で悠馬がコミックを読む時間と美海が勉強する時間が比例していても、成績は悠馬の方がいつも上だった。
「んで、これってこの間教授が言ってたやつで……」
「え? 言ってたっけ、そんな事」
「美海、授業はちゃんと聞いた方がいいぞ~」
意地の悪い顔が美海の少し上で笑った。
(この間悠馬はその授業中、隣の男とイチャついていた筈…あれで授業聞こえてるのか!?)
「お前、化け物か!」
「おいおい、この淫乱の貴公子を捕まえて何を言ってくれるんだよ」
「あははは! 確かに! お前自分で分かってるんじゃん!」
いつになく悠馬とほのぼのとした友人らしい会話をして心が弾む。
「じゃあ、続きなんだけど、ここが……」
悠馬がまた少し真面目な表情を作って斜め後ろから腰を屈んで説明をしてきた。
悠馬の顔が間近に来て、ふと目を逸らす。シャーペンを握る手の甲の骨や筋肉の動きに注目する。そして、低く甘い声を耳の傍で感じて美海は不整脈を起こしそうになった。
だが、そんな状態でも悠馬の説明は分かりやすく、美海にも容易に理解できた。
「そうか! サンキューな、分かったよ!」
そう言ってふと顔を横に向けると、悠馬はじっと美海を間近で見ていた。
一瞬、周りの雑音は消え、時も自分たちも止まってしまったような錯覚に陥った。
金縛りにあったように動けなくなる。見つめ合う視線がしっとりと絡みあうのが互いに分かっているのにどちらも動けないでいた。
悠馬の視線が美海の唇まで下がると、美海はそれだけで唇が熱くなっていくのを感じた。
「悠馬くんっ」
後ろからするその声に悠馬と美海の心臓は跳ね上がった。声の方を見ると、申し訳なさそうに立たずむ宮古がいた。
「あ、アキ」
(アキ?)
下の名前を呼んだ悠馬の言葉に怪訝な顔をした美海の表情を見逃さなかった宮古は口を開いた。
「あ、僕の下の名前、アキヒトって言うんだっ。だから、アキって……」
恥ずかしそうに笑って悠馬を見る宮古はやっぱり可愛かった。
すっかり恋人気分な二人を見て先程までの胸の高鳴りは鎮まりきって、内側から黒くてドロリとしたものが迫って来るようだった。
「悠馬くん、今美海くんと勉強中だった?」
「いや、今終わったところだよ。どうしたの?」
優しそうな声と顔を向ける悠馬に腹が立った。さっきまでの雰囲気は一体どういうつもりだったのか、もう少し宮古が遅く入って来たらどうなっていたのか。
そこまで考えて美海はドキリとした。
あの晩無かった事にしたキスの感触を思い出してみると胸が熱くなる。
(嘘だ……俺がこんな…)
今更認めてもどうしようもない事態になっている。悠馬と宮古を付き合うように促したのは美海だ。
チラリと視線を二人に向けると、宮古が部屋を出て行くところだった。
そして、背伸びをした宮古はチュッと音を立てない様にして悠馬にキスをしたのが見えた。
ガチャリとドアの閉まる音がして悠馬が部屋へ戻って来る。
「上手くやってるようだな」
「ん……あぁ」
「男とヤってそんなにいいのか?」
もう自分の口を縫いとめてしまいたかった。だがそういう時に限って言う事の効かない感情は暴走する。
「お前もヤってみれば分かる」
悠馬は落ち着いた素振りで返答する。その態度がまた美海の神経を逆撫でする。
「ならお前、ヤらせろよ」
もう半分喧嘩を仕掛けているようなものだった。ここで悠馬が怒ってふざけるな、と言うのを待ったが、悠馬の答えは美海の意に反した。
「いいよ」
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美海は勉強の分からない所を聞く為に、ベッドに寝転がりながら少年コミックを熱心に読む悠馬の方を向いた。
「なぁ、悠馬。ちょっと聞きたいんだけど、いいか」
「あ? いいよ」
コミックを置いてフットワークの軽い悠馬は嫌な顔一つせずに机に座る美海の後ろまで来てくれた。
「ここなんだけどさ……」
「あぁ、これはなぁ……」
悠馬はなかなかの成績優秀な男で悠馬がコミックを読む時間と美海が勉強する時間が比例していても、成績は悠馬の方がいつも上だった。
「んで、これってこの間教授が言ってたやつで……」
「え? 言ってたっけ、そんな事」
「美海、授業はちゃんと聞いた方がいいぞ~」
意地の悪い顔が美海の少し上で笑った。
(この間悠馬はその授業中、隣の男とイチャついていた筈…あれで授業聞こえてるのか!?)
「お前、化け物か!」
「おいおい、この淫乱の貴公子を捕まえて何を言ってくれるんだよ」
「あははは! 確かに! お前自分で分かってるんじゃん!」
いつになく悠馬とほのぼのとした友人らしい会話をして心が弾む。
「じゃあ、続きなんだけど、ここが……」
悠馬がまた少し真面目な表情を作って斜め後ろから腰を屈んで説明をしてきた。
悠馬の顔が間近に来て、ふと目を逸らす。シャーペンを握る手の甲の骨や筋肉の動きに注目する。そして、低く甘い声を耳の傍で感じて美海は不整脈を起こしそうになった。
だが、そんな状態でも悠馬の説明は分かりやすく、美海にも容易に理解できた。
「そうか! サンキューな、分かったよ!」
そう言ってふと顔を横に向けると、悠馬はじっと美海を間近で見ていた。
一瞬、周りの雑音は消え、時も自分たちも止まってしまったような錯覚に陥った。
金縛りにあったように動けなくなる。見つめ合う視線がしっとりと絡みあうのが互いに分かっているのにどちらも動けないでいた。
悠馬の視線が美海の唇まで下がると、美海はそれだけで唇が熱くなっていくのを感じた。
「悠馬くんっ」
後ろからするその声に悠馬と美海の心臓は跳ね上がった。声の方を見ると、申し訳なさそうに立たずむ宮古がいた。
「あ、アキ」
(アキ?)
下の名前を呼んだ悠馬の言葉に怪訝な顔をした美海の表情を見逃さなかった宮古は口を開いた。
「あ、僕の下の名前、アキヒトって言うんだっ。だから、アキって……」
恥ずかしそうに笑って悠馬を見る宮古はやっぱり可愛かった。
すっかり恋人気分な二人を見て先程までの胸の高鳴りは鎮まりきって、内側から黒くてドロリとしたものが迫って来るようだった。
「悠馬くん、今美海くんと勉強中だった?」
「いや、今終わったところだよ。どうしたの?」
優しそうな声と顔を向ける悠馬に腹が立った。さっきまでの雰囲気は一体どういうつもりだったのか、もう少し宮古が遅く入って来たらどうなっていたのか。
そこまで考えて美海はドキリとした。
あの晩無かった事にしたキスの感触を思い出してみると胸が熱くなる。
(嘘だ……俺がこんな…)
今更認めてもどうしようもない事態になっている。悠馬と宮古を付き合うように促したのは美海だ。
チラリと視線を二人に向けると、宮古が部屋を出て行くところだった。
そして、背伸びをした宮古はチュッと音を立てない様にして悠馬にキスをしたのが見えた。
ガチャリとドアの閉まる音がして悠馬が部屋へ戻って来る。
「上手くやってるようだな」
「ん……あぁ」
「男とヤってそんなにいいのか?」
もう自分の口を縫いとめてしまいたかった。だがそういう時に限って言う事の効かない感情は暴走する。
「お前もヤってみれば分かる」
悠馬は落ち着いた素振りで返答する。その態度がまた美海の神経を逆撫でする。
「ならお前、ヤらせろよ」
もう半分喧嘩を仕掛けているようなものだった。ここで悠馬が怒ってふざけるな、と言うのを待ったが、悠馬の答えは美海の意に反した。
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コメント
色々とお気を使わせてしまったようでスミマセン m(_ _;)m
詳しいお返事はYさま宅へ伺ってさせて頂きます!
という事で他のお返事だけこちらにて失礼しますね^^
ランキングは本当、どうした事か、嬉しいやら驚愕やらで!
もう、身に余る数値に恐縮して震えてます!
ああ…応援ありがとうございます。゚(。ノωヽ。)゚。
Yさまのところでも順調にお話しが進んでもう中編ぐらいになってますね!?
いつも読みポチ逃げすみません;
美海はどうでしょうか~(笑)
あ、Yさま、そっちに萌えて下さる!?
さすがです(笑)
ですがどう転ぶかがカギですねー!
拍手秘コメントどうもありがとうございました
> また事態がややこしいところへ転がって行こうとしてますね!
> 美海×悠馬に発展?
> もういっそ、悠馬くんを前と後ろで分け合っちゃえば解決するのに(するか!)
はい^^;
色々と事態が急変しそうです(汗)
あはは!訳合いの精神!いいですね~(〃∇〃)
どう発展するか私もドアの隙間から寮の奴らに混ざって覗き見して、
レポート提出します!!昼の12時に!!(笑)
> どうするの?するの?
> 邪魔が入るの??
うがーっ
邪魔入ったら地団太踏んじゃいそうです!!
どうなるんでしょう…;
コメントどうもありがとうございました
ゴニョゴニョ…(ノ゚д゚(; ̄Д ̄)
( ̄  ̄)………( ̄ー ̄)ニヤ
> w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!!そう来たか!!
> これは美海くん、自分から言った手前ナシには出来ないゾ!
そうだぞー!美海!自分で仕掛けたんだからな!?
男には引っ込みのつかない時ってのが必ず来るんだッ
女もだが!!
> せっかく自覚したのに、更にこんがらがるのか、それともキッカケになるのか…。
> うぉーーー!!どうなるんだ!?┣¨キ(*゚Д゚*)┣¨キ
可愛い顔でドキドキしてくれてありがとう♪
さて、絡まるのか暴走するのか、ヤるのか阻まれるのか…!
コメントどうもありがとうございました
自然の成り行きと見せかけて!?
どうでしょうか!!
次がどう転ぶかですね(〃∇〃)
あぅあぅ…
ってそんな可愛らしいお声を出されては私は…(*´Д`)ハァハァ
喘ぎ喘ぎドギマギまでして下さって嬉しいです!
うおっ…
私の世界観に引きずり込まれるだなんて身に余るお言葉、
嬉し過ぎますっ(//・_・//)カァ~ッ…
ありがとうございますっ(*ノωノ)ポッ
拍手秘コメントどうもありがとうございました
また事態がややこしいところへ転がって行こうとしてますね!
美海×悠馬に発展?
もういっそ、悠馬くんを前と後ろで分け合っちゃえば解決するのに(するか!)
どうするの?するの?
邪魔が入るの??
w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!!そう来たか!!
これは美海くん、自分から言った手前ナシには出来ないゾ!
せっかく自覚したのに、更にこんがらがるのか、それともキッカケになるのか…。
うぉーーー!!どうなるんだ!?┣¨キ(*゚Д゚*)┣¨キ
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