04/24/2010(Sat)
「すれ違った後で」第8話-淳平
こちらの画像はぱぱいあ日記(仮)】のさとうかずみさんからお借りしました♪
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―真夜中の星―
俺はいつでもお前を想って、お前を想像してイっている。自分の女房にですら、目を瞑り、時には明美の口を押さえて声を抑えるようにしてお前を想像しながら果てることもあった。
お前の声を思い出したかったから。お前の喘ぐ声を想像したかったから。
一人でする時には必ずあの写真を見て、あの時感じたお前の唇の感触を思い出して、お前の名を口に出して射精する。一瞬の幸福感。そしてその後の虚無感。
―今でもこんなに好きなのに・・どうして逢えないんだ。
我慢が限界に達した。食事も取る気になれず随分と痩せた。
―息が出来ないんだ、弘夢。助けてくれ。逢いたいんだよ、お前に。頼む・・
想いを込めてメールを打った。どうか、返事が来ますように。
その日はとうとう返信は来なかった。もう、このまま一生逢えないのかと思った時、ふと頭の中の回路が狂った気がした。
だが、次の日弘夢から返信が届いた。家に来てくれると分かった時は逢える喜びと安堵で布団に顔を押し付けて咽び泣いた。
そしてとうとう約束の日に、玄関のチャイムが鳴った。
急いでドアを開けると、そこには夢にまで見た愛おしい人の顔が覗いていた。思わず泣きそうになるのを堪えて笑顔で招き入れた。
明美が食事の支度をしている間、俺は離れていた間を埋めるように弘夢を見つめた。
相変わらず気を利かして土産を持って来たり、明美の手伝いをしようと席を立つ。俺の好きな拡は変わっていなかった。そして何だか益々色香が増したように見える。
少しやつれた感じもする。その感じがまた影のある艶にもなっていてドキリとさせられる。
これを機会に、また家へ来いと誘ってみる。どうしても逢いたかったから。更に、痩せた心配をしてみてもあまり反応を示さないので、週末にでも家に来いと誘うが明美に嗜まれてしまった。
どうにか二人きりになりたかった俺は、あの写真を思い出し、今日渡してみようと思いついた。
強引に部屋に連れて行き、写真を渡す。
「これ、ずっと渡しそびれてて・・。」
するとお前は何故か震える手で写真を掴んだ。
呼吸も震えている。
その写真・・まずかったのか。何か怒っているのだろうか。でも顔色が真っ青だ。
「おい・・弘夢、大丈夫か?どうした?」
弘夢が突然震える呼吸で深呼吸をすると、一気にまくし立てるように話し始めた。
「俺さっ・・お前に謝んなきゃなんねー事があってさ・・」
俺を見た弘夢の目は真っ赤で、今にも泣きそうな顔で笑いながら話していた。
「おい、お前目が赤・・」
「あの修学旅行の時、俺、お前が寝た後にさ・・お前にキス・・したんだ。」
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―真夜中の星―
俺はいつでもお前を想って、お前を想像してイっている。自分の女房にですら、目を瞑り、時には明美の口を押さえて声を抑えるようにしてお前を想像しながら果てることもあった。
お前の声を思い出したかったから。お前の喘ぐ声を想像したかったから。
一人でする時には必ずあの写真を見て、あの時感じたお前の唇の感触を思い出して、お前の名を口に出して射精する。一瞬の幸福感。そしてその後の虚無感。
―今でもこんなに好きなのに・・どうして逢えないんだ。
我慢が限界に達した。食事も取る気になれず随分と痩せた。
―息が出来ないんだ、弘夢。助けてくれ。逢いたいんだよ、お前に。頼む・・
想いを込めてメールを打った。どうか、返事が来ますように。
その日はとうとう返信は来なかった。もう、このまま一生逢えないのかと思った時、ふと頭の中の回路が狂った気がした。
だが、次の日弘夢から返信が届いた。家に来てくれると分かった時は逢える喜びと安堵で布団に顔を押し付けて咽び泣いた。
そしてとうとう約束の日に、玄関のチャイムが鳴った。
急いでドアを開けると、そこには夢にまで見た愛おしい人の顔が覗いていた。思わず泣きそうになるのを堪えて笑顔で招き入れた。
明美が食事の支度をしている間、俺は離れていた間を埋めるように弘夢を見つめた。
相変わらず気を利かして土産を持って来たり、明美の手伝いをしようと席を立つ。俺の好きな拡は変わっていなかった。そして何だか益々色香が増したように見える。
少しやつれた感じもする。その感じがまた影のある艶にもなっていてドキリとさせられる。
これを機会に、また家へ来いと誘ってみる。どうしても逢いたかったから。更に、痩せた心配をしてみてもあまり反応を示さないので、週末にでも家に来いと誘うが明美に嗜まれてしまった。
どうにか二人きりになりたかった俺は、あの写真を思い出し、今日渡してみようと思いついた。
強引に部屋に連れて行き、写真を渡す。
「これ、ずっと渡しそびれてて・・。」
するとお前は何故か震える手で写真を掴んだ。
呼吸も震えている。
その写真・・まずかったのか。何か怒っているのだろうか。でも顔色が真っ青だ。
「おい・・弘夢、大丈夫か?どうした?」
弘夢が突然震える呼吸で深呼吸をすると、一気にまくし立てるように話し始めた。
「俺さっ・・お前に謝んなきゃなんねー事があってさ・・」
俺を見た弘夢の目は真っ赤で、今にも泣きそうな顔で笑いながら話していた。
「おい、お前目が赤・・」
「あの修学旅行の時、俺、お前が寝た後にさ・・お前にキス・・したんだ。」
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