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「すれ違った後で」第9話-二人

こちらの画像はぱぱいあ日記(仮)】さとうかずみさんからお借りしました♪  
現在更新中です☆⇒【続山月記】 & 【恋の呪文にご注意


―真夜中の星

真夜中の星

「おい、お前目が赤・・」
「あの修学旅行の時、俺、お前が寝た後にさ・・お前にキス・・したんだ。」

俺は・・いや、お前は俺の事を言っているのか?
いや、今お前は、お前が俺にキスをしたと、そう言ったんだ・・。
何でお前が俺にキスをしたんだ・・?
俺はお前が好きだったからキスをしたんだ。

もしかして・・お前もあの時から俺の事・・

俺は身体中が沸騰するような感覚に襲われたのと同時に、背筋に大きな氷柱が刺さるような感覚に襲われた。

もし・・もしそうだったとしたら・・俺は・・何てことを・・俺たちは・・

「あ・・あ・・悪い。あの、だから悪かったなあん時は・・ってお前は知らなかったんだろうが。とにかくそれだけ言いたかったんだ。」
「お・・おい。お前それ・・」
「急に変な事言って悪かった。じゃ、俺もう帰るから。」
 凄い速さでまくし立てて、俺の顔も見ず振り切るようにして家を出て行った。
 俺は慌ててそれを追いかける。
「弘夢!!待ってくれ!!」

―聞いてくれ弘夢!俺もあの時・・!

「おい!!弘夢!!俺の話を聞け!!」
 後から叫ぶが、弘夢は振り返らない。そのまま待たせてあったのか、知らない男の車に乗り込もうとする弘夢がいる。

―このまま行っちまう!せめて、せめてもう一度逢いたい!!

「またっ・・また会おう!!弘夢!!」
 
それしか言えなかった。
 弘夢は車のドアを開けるとゆっくりと振り返り、笑顔を向けてゆっくりと首を左右に振った。
そしてそのまま走り去って行ってしまった。

 涙がアスファルトに濃い染みを作っていく。俺は地面に膝を付き、涙を零して見送った。
 



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