05/05/2010(Wed)
万華鏡-江戸に咲く-39
大分時間を空けて家の方を歩いて行くと、玄関から少し離れた場所を歩いて帰るかよの後姿を捕らえた。
「かよさん!」
美月の声に振り返ったかよは瞳が真っ赤だった。
「秋本さん・・ごめんなさい、さっきは。」
「いや、そんな事より・・どうしたんです?」
「抱月さんの様子が・・最近おかしいから問いただしてみようと思って行ったんです。そしたら、結婚出来ないと言われて・・。私、もうどうしたらいいか・・うぅ」
かよの真っ赤な目から涙が溢れてきた。
「そう・・ですか。あの、俺が先生に話してみます。家も先生の所にずっと居てはかよさんにも悪いし。また落ち着いたら先生と話してみて下さい。」
「あ、はい・・ありがとうございます」
藁にも縋る思いのように一頻りお礼を言うとかよさ心許無い足取りで帰って行った。
「ただいま帰りました」
玄関を開けると美月の持って来た医学書をペラペラと見ていた抱月が顔を上げた。
「美月・・」
美月は抱月の言葉を遮るように話す。
「今そこでかよさんに会った。先生、結婚辞めるって言ったって、かよさん泣いてたよ?!俺、やっぱり夜が好きで、夜と雪之丞さんの事も聞かされて、夜は雪之丞さんの事が好きだって分かったけど、それでも好きな気持ちに変わりはなくて・・だから先生、先生もかよさんとやり直して幸せになってよ!」
抱月が優しい真綿のような表情で近づいてくる。それを見た瞬間、何でか泣きそうになった。
何が辛いのか自分でもわからなかった。ふわりと抱かれると抱月の匂いがした。
「美月・・夜の事、辛かっただろう。辛い時はいつでもここに帰っておいで。」
(ああ・・そうか。それが辛かったのか・・。)
美月の顔を見た瞬間からかよの事よりも美月の心を癒す事しか考えてなかった抱月の優しさに甘えそうになる。
(先生は優し過ぎるよ。俺になんか勿体ないぐらいだ・・)
「かよの事は大丈夫だ。私の気持ちがこういう結論を生んだだけだから。かよにも申し訳ない事をしたとは思っているが、良い女だ。直ぐに他のいい相手が見つかるだろう。」
頭上で優しい抱月の声がする。大きな手で優しく頭を撫でられると涙が沸いてきた。
「でも先生、俺いつまでもここで世話になれないから・・その、ケジメも付けたいし家から通うよ。寝る時は現代に帰って寝る。仕事の時はまた迎えに来るからさ・・」
顔を上げて見た抱月の表情はとても寂しそうだったが、笑ってくれていた。美月も胸が締め付けられそうになる。
「そうか・・。お前がそうしたいならそれでもいい。私はやっぱりお前が横に寝ていたら抱きたくなるだろうしな。」
「先生っ・・」
ふいに今までされた行為が蘇り恥ずかしくなって顔を抱月の胸に埋める。
「でも本当にいつでも辛い時はここに戻って来なさい。私は、お前だけを想っている。お前が望めばどこへでも行く。」
それは、美月が望めば現代へでも行く覚悟は出来ていると言う告白だった。ここまで本気で愛してくれている抱月には、絶対に抱月しか愛せないと確信できない限り気持ちに答えては失礼だと思った。
(・・先生!!)
「ありがとう先生。本当に。」
それから美月は現代との往復生活に追われる事になった。
夕べは最後だからと言って抱月に抱きしめられて眠りについた。
「私は鳥かごになってお前を一生閉じ込めてしまいたい」
意識が落ちる前にそう言われた気がした。
起きてからはいつも通り仕事をし、暗くなったのでその足で現代へ帰ると丁度貴之と別れて家に戻った頃だった。その時携帯にメールが入ってきた。貴之からレポート提出の期限の再確認のメールだった。
「しまった!!」
美月はすっかりレポート提出が夏休み前にある事を忘れていた。丁度、夏休み前まで現代で少し過ごそうと思っていたので、久しぶりに大学にも顔を出したいと思った。
ただ、夜と逢えないのが寂しい。
月曜まで久々に何もせずゆっくりと休めると思ったのも束の間で、他の教科の提出物にすっかり手を付けなかった週末は寝る間も無く自分の身体に鞭を振るって行った。
目にクマを作り久々の登校すると、異様な懐かしさが込み上げてきた。案の定友達からは心配されたが授業中はやはり眠ってしまった。
学食で貴之が隣に座ってきた。
「よっ。美月、お前凄いクマだけどどうした?例の奴と上手くいったのか?」
何でもないような風に聞いてくる。
「ん・・いや、レポートをやってて寝不足なだけ。」
貴之に余計な心配させないように夜との詳しい事情は端折った。
それから数日ほど何となく現代の流れに乗って平日を以前のように過ごした。美月は何だか夢の中で生活しているようだった。
江戸での生活が現実で現代が夢。おかしな身体になってしまったものだと笑いが込み上げてくる。
布団に入ると夜に会いたくなる。今直ぐにでも会いに行きたい。だが向こうで過ごした時間の過去へは戻れないし、夜は夜中は出掛けていない事が多い。会えないとなると益々会いたくなってくる。
ホタルの日の情事を思い出すと下半身が疼いてきた。
(そう言えば最近忙しくてしてなかったな・・)
寝巻きの上からソコを撫でていると直ぐに硬さが増した。
寝巻きの上から胸を弄っているとコリコリと硬く尖ってくる。両手で胸を弄っていると下が留守になってじれったい。
(そうだ・・)
美月は久々にベッドの下の引き出しの奥から男性器を模ったバイブとローションを取り出した。
<<前へ 次へ>>
さて・・。
くふふ。明日から始まります。
息子・美月の「自己紹介」!!バンバンヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
ディディ☆ガガのアオヒツジさまの名言、『自慰は自己紹介』に大きな感銘を受け、
ツボにハマり、これから自慰場面を自己紹介として扱っていきたいと思います(爆ッ)
アオさま、貴重なお言葉をどうもありがとうございました
美月の初オナ、
覗きてぇ~って方は是非。ー ̄) ニヤッ
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「かよさん!」
美月の声に振り返ったかよは瞳が真っ赤だった。
「秋本さん・・ごめんなさい、さっきは。」
「いや、そんな事より・・どうしたんです?」
「抱月さんの様子が・・最近おかしいから問いただしてみようと思って行ったんです。そしたら、結婚出来ないと言われて・・。私、もうどうしたらいいか・・うぅ」
かよの真っ赤な目から涙が溢れてきた。
「そう・・ですか。あの、俺が先生に話してみます。家も先生の所にずっと居てはかよさんにも悪いし。また落ち着いたら先生と話してみて下さい。」
「あ、はい・・ありがとうございます」
藁にも縋る思いのように一頻りお礼を言うとかよさ心許無い足取りで帰って行った。
「ただいま帰りました」
玄関を開けると美月の持って来た医学書をペラペラと見ていた抱月が顔を上げた。
「美月・・」
美月は抱月の言葉を遮るように話す。
「今そこでかよさんに会った。先生、結婚辞めるって言ったって、かよさん泣いてたよ?!俺、やっぱり夜が好きで、夜と雪之丞さんの事も聞かされて、夜は雪之丞さんの事が好きだって分かったけど、それでも好きな気持ちに変わりはなくて・・だから先生、先生もかよさんとやり直して幸せになってよ!」
抱月が優しい真綿のような表情で近づいてくる。それを見た瞬間、何でか泣きそうになった。
何が辛いのか自分でもわからなかった。ふわりと抱かれると抱月の匂いがした。
「美月・・夜の事、辛かっただろう。辛い時はいつでもここに帰っておいで。」
(ああ・・そうか。それが辛かったのか・・。)
美月の顔を見た瞬間からかよの事よりも美月の心を癒す事しか考えてなかった抱月の優しさに甘えそうになる。
(先生は優し過ぎるよ。俺になんか勿体ないぐらいだ・・)
「かよの事は大丈夫だ。私の気持ちがこういう結論を生んだだけだから。かよにも申し訳ない事をしたとは思っているが、良い女だ。直ぐに他のいい相手が見つかるだろう。」
頭上で優しい抱月の声がする。大きな手で優しく頭を撫でられると涙が沸いてきた。
「でも先生、俺いつまでもここで世話になれないから・・その、ケジメも付けたいし家から通うよ。寝る時は現代に帰って寝る。仕事の時はまた迎えに来るからさ・・」
顔を上げて見た抱月の表情はとても寂しそうだったが、笑ってくれていた。美月も胸が締め付けられそうになる。
「そうか・・。お前がそうしたいならそれでもいい。私はやっぱりお前が横に寝ていたら抱きたくなるだろうしな。」
「先生っ・・」
ふいに今までされた行為が蘇り恥ずかしくなって顔を抱月の胸に埋める。
「でも本当にいつでも辛い時はここに戻って来なさい。私は、お前だけを想っている。お前が望めばどこへでも行く。」
それは、美月が望めば現代へでも行く覚悟は出来ていると言う告白だった。ここまで本気で愛してくれている抱月には、絶対に抱月しか愛せないと確信できない限り気持ちに答えては失礼だと思った。
(・・先生!!)
「ありがとう先生。本当に。」
それから美月は現代との往復生活に追われる事になった。
夕べは最後だからと言って抱月に抱きしめられて眠りについた。
「私は鳥かごになってお前を一生閉じ込めてしまいたい」
意識が落ちる前にそう言われた気がした。
起きてからはいつも通り仕事をし、暗くなったのでその足で現代へ帰ると丁度貴之と別れて家に戻った頃だった。その時携帯にメールが入ってきた。貴之からレポート提出の期限の再確認のメールだった。
「しまった!!」
美月はすっかりレポート提出が夏休み前にある事を忘れていた。丁度、夏休み前まで現代で少し過ごそうと思っていたので、久しぶりに大学にも顔を出したいと思った。
ただ、夜と逢えないのが寂しい。
月曜まで久々に何もせずゆっくりと休めると思ったのも束の間で、他の教科の提出物にすっかり手を付けなかった週末は寝る間も無く自分の身体に鞭を振るって行った。
目にクマを作り久々の登校すると、異様な懐かしさが込み上げてきた。案の定友達からは心配されたが授業中はやはり眠ってしまった。
学食で貴之が隣に座ってきた。
「よっ。美月、お前凄いクマだけどどうした?例の奴と上手くいったのか?」
何でもないような風に聞いてくる。
「ん・・いや、レポートをやってて寝不足なだけ。」
貴之に余計な心配させないように夜との詳しい事情は端折った。
それから数日ほど何となく現代の流れに乗って平日を以前のように過ごした。美月は何だか夢の中で生活しているようだった。
江戸での生活が現実で現代が夢。おかしな身体になってしまったものだと笑いが込み上げてくる。
布団に入ると夜に会いたくなる。今直ぐにでも会いに行きたい。だが向こうで過ごした時間の過去へは戻れないし、夜は夜中は出掛けていない事が多い。会えないとなると益々会いたくなってくる。
ホタルの日の情事を思い出すと下半身が疼いてきた。
(そう言えば最近忙しくてしてなかったな・・)
寝巻きの上からソコを撫でていると直ぐに硬さが増した。
寝巻きの上から胸を弄っているとコリコリと硬く尖ってくる。両手で胸を弄っていると下が留守になってじれったい。
(そうだ・・)
美月は久々にベッドの下の引き出しの奥から男性器を模ったバイブとローションを取り出した。
<<前へ 次へ>>
さて・・。
くふふ。明日から始まります。
息子・美月の「自己紹介」!!バンバンヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
ディディ☆ガガのアオヒツジさまの名言、『自慰は自己紹介』に大きな感銘を受け、
ツボにハマり、これから自慰場面を自己紹介として扱っていきたいと思います(爆ッ)
アオさま、貴重なお言葉をどうもありがとうございました
美月の初オナ、
覗きてぇ~って方は是非。ー ̄) ニヤッ
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コメント
> 桔梗さん~♪
usamomoさ~ん♪チュチュチュゥー!! .....((((((ノ  ̄〓)ノ ∑( ̄□ ̄ノ)ノ ヒエェ!!
(暴走、失礼致しました;)
> 最後まで読んでしまいましたよ~♪続きが気になります~・・
(; ゚ ロ゚)ナン!( ; ロ゚)゚ デス!!( ; ロ)゚ ゚トー!!!
全て読んで下さったのですか!!!嬉し過ぎですッ!ありがとうございます!!
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!
> なんか色々糸がこんがらかってる・・・関係ですね~♪
はい!書いているうちにこんがらがってしまい・・ややこしくて申し訳ないです;
> 三角関係、四角関係・・・いろいろ、モロモロツボです。
ツボに当てはまって頂けたら幸いです!
気持ちの交差をどう整理付けていくか、怒涛で行けたらいいのですが。
> どんな展開になるのか楽しみです♪
楽しみと言って下さって本当、嬉しいです!!
> あの「実は、手は小さいんです~」の黄金の手で是非、続きを・・・待ってます。
黄金の手!!!うお~凄い異名を頂きました!!
ゴールドフィンガーならぬ、ゴールドフィスト!!(←ゴールドハンドでいいじゃんかッ!)
待ってて下さると言われて燃えて参りました
実はアマゾンでポメラを購入したので来週には届くかと♪
ですのでこれからストックしやすくなります\(*T▽T*)/ワーイ♪
こんなところにまでコメントをありがとうございました
最後まで読んでしまいましたよ~♪続きが気になります~・・
なんか色々糸がこんがらかってる・・・関係ですね~♪
三角関係、四角関係・・・いろいろ、モロモロツボです。
どんな展開になるのか楽しみです♪
あの「実は、手は小さいんです~」の黄金の手で是非、続きを・・・待ってます。
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