05/15/2010(Sat)
万華鏡-江戸に咲く-48
安心する香り。包み込まれるような声。深く見据える切れ長の瞳。サラリと肩に流れ落ちる漆黒の髪。
どれを見ても泣きそうになった。自分がどれだけ弱い男だったかを思い知る。
「ほら、今火をくべたからこっちへ来て浴衣を脱ぎなさい。」
言われるがままに七輪に近づく。
「こんなにびしょ濡れになって。何故傘を買うかしなかった?というか、夜はどうした?雨宿りくらいさせてやらなかったのか?」
手拭で美月の頭をガシガシと拭いてやりながら質問をする。
「夜は・・雪之丞さんたちを送っていったから。それに、俺は用事があるからって熊さんにも先に帰って貰ったので。」
抱月は黙ったまま美月を拭く。
「先生、折角買って貰ったこの浴衣、びしょびしょにしてごめんね」
涙が出てきて語尾が涙声になってしまった。
「美月・・気にするな。」
「雪之丞さんの浴衣も、凄く綺麗だったんだよ」
―夜が選んで買ってあげたんだ・・。
「凄く似合っててね・・ぃっく・・う・・」
抱月は髪を拭いていると、美月の首元に赤い歯型を見つけた。
それを見た抱月は何となくいきさつが予想つき、美月の心情を思って胸が締め付けられた。
キラキラと宝石のような涙を目尻を赤くした瞳からポロポロと零す美月を見て堪らず後から力いっぱい抱きしめた。
「美月・・いいよ。甘えて。俺は、その為にいる。」
美月の表情が崩れた。抱月は子供のように泣く美月をギュッと抱きしめて、髪や頬、目元にまで優しい口付けをそっと降らせた。
少し落ち着いた美月は抱月にすっぽりと包まれて、小鳥のように静に蹲っていた。
「先生、ごめん、濡れちゃったね。あ、それとこれ、お土産・・」
少し湿ってしまった花茶を見ると、抱月は美月を畳に押し倒した。
「せっ・・先生?!」
「美月・・美月ッ」
「ふっ・・んんっ」
抱月の唇が容赦なく美月の唇を塞ぎ、舌を絡め吸い取った。久しぶりの抱月のキスはやはり美月の脳を痺れさせるものだった。だが、ケジメを付けた後のこの行為にどうしても抵抗感が募った。
「んっ・・んぁ・・ダメッ、先生!ダメっ・・あっ」
水分を吸って重くなった浴衣はズリズリと剥がされ、抱月の手によって全裸にされてしまった。
「美月の身体を見るのは・・久方振りだ。綺麗だ・・なのに・・」
くるりとうつ伏せにされて項の髪を退かされると、噛み痕を指でなぞった。なぞられたその場所に甘い痛みを感じると、抱月が夜のつけた痕を触っている事に気付き、慌てて手で隠す。
「み、見ないでッ」
その手はあっけなく退かされ、背後から抱月が覆いかぶさった。
「あッ!」
その傷口をペロペロと舐める抱月の舌の感触と、夜の付けた痛みが混ざり合って異様な快楽が襲ってきた。
「や・・ああんっ、だ・・めぇ、せんせ・・!」
抱月は傷口の周りから項、胸元、太ももの内側、臀部、腕の内側、そして下唇の端にもキスマークを付けていった。それはあまりに巧みに速く、だがしっかりと直ぐには消えない濃さを作っていった。
「美月、俺にしろよ」
抱月が真上から真剣な眼差しを向けて言う。
美月は顔が熱くなる。改めて告白され、そんな眼差しで見られては何かが揺らぎそうで目を逸らす。
「目を逸らすな」
「んむっ・・んんっ」
顔を両手で包まれ、固定されて舌を入れ込まれると、身体が蕩けてしまいそうなくらい甘ったるいキスをしてくる。
(ダメ・・だよ。ダメだよ、先生!ダメ!!)
美月は両手を抱月の首に巻きつけて自分からも抱月の舌を吸い取りに行った。
それに火が付いたように抱月の両手は美月の胸元のツンと尖った乳首をキュッと摘む。
「あぁんっ・・い・・やあ」
「美月、これで最後だと思えばいい。そう思って俺に抱かれてろ」
少しでも罪悪感を減らそうと言ってくれているのが分かる。だが美月の頭の中は既にぐちゃぐちゃで、兎に角抱いて欲しかった。
それは後に味わう最悪の状態を予想できても止められない薬のような甘美なものに近かった。
どこまでも弱く恥知らずで淫らなものに成り下がっていく。
―先生。俺を壊して・・・
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どれを見ても泣きそうになった。自分がどれだけ弱い男だったかを思い知る。
「ほら、今火をくべたからこっちへ来て浴衣を脱ぎなさい。」
言われるがままに七輪に近づく。
「こんなにびしょ濡れになって。何故傘を買うかしなかった?というか、夜はどうした?雨宿りくらいさせてやらなかったのか?」
手拭で美月の頭をガシガシと拭いてやりながら質問をする。
「夜は・・雪之丞さんたちを送っていったから。それに、俺は用事があるからって熊さんにも先に帰って貰ったので。」
抱月は黙ったまま美月を拭く。
「先生、折角買って貰ったこの浴衣、びしょびしょにしてごめんね」
涙が出てきて語尾が涙声になってしまった。
「美月・・気にするな。」
「雪之丞さんの浴衣も、凄く綺麗だったんだよ」
―夜が選んで買ってあげたんだ・・。
「凄く似合っててね・・ぃっく・・う・・」
抱月は髪を拭いていると、美月の首元に赤い歯型を見つけた。
それを見た抱月は何となくいきさつが予想つき、美月の心情を思って胸が締め付けられた。
キラキラと宝石のような涙を目尻を赤くした瞳からポロポロと零す美月を見て堪らず後から力いっぱい抱きしめた。
「美月・・いいよ。甘えて。俺は、その為にいる。」
美月の表情が崩れた。抱月は子供のように泣く美月をギュッと抱きしめて、髪や頬、目元にまで優しい口付けをそっと降らせた。
少し落ち着いた美月は抱月にすっぽりと包まれて、小鳥のように静に蹲っていた。
「先生、ごめん、濡れちゃったね。あ、それとこれ、お土産・・」
少し湿ってしまった花茶を見ると、抱月は美月を畳に押し倒した。
「せっ・・先生?!」
「美月・・美月ッ」
「ふっ・・んんっ」
抱月の唇が容赦なく美月の唇を塞ぎ、舌を絡め吸い取った。久しぶりの抱月のキスはやはり美月の脳を痺れさせるものだった。だが、ケジメを付けた後のこの行為にどうしても抵抗感が募った。
「んっ・・んぁ・・ダメッ、先生!ダメっ・・あっ」
水分を吸って重くなった浴衣はズリズリと剥がされ、抱月の手によって全裸にされてしまった。
「美月の身体を見るのは・・久方振りだ。綺麗だ・・なのに・・」
くるりとうつ伏せにされて項の髪を退かされると、噛み痕を指でなぞった。なぞられたその場所に甘い痛みを感じると、抱月が夜のつけた痕を触っている事に気付き、慌てて手で隠す。
「み、見ないでッ」
その手はあっけなく退かされ、背後から抱月が覆いかぶさった。
「あッ!」
その傷口をペロペロと舐める抱月の舌の感触と、夜の付けた痛みが混ざり合って異様な快楽が襲ってきた。
「や・・ああんっ、だ・・めぇ、せんせ・・!」
抱月は傷口の周りから項、胸元、太ももの内側、臀部、腕の内側、そして下唇の端にもキスマークを付けていった。それはあまりに巧みに速く、だがしっかりと直ぐには消えない濃さを作っていった。
「美月、俺にしろよ」
抱月が真上から真剣な眼差しを向けて言う。
美月は顔が熱くなる。改めて告白され、そんな眼差しで見られては何かが揺らぎそうで目を逸らす。
「目を逸らすな」
「んむっ・・んんっ」
顔を両手で包まれ、固定されて舌を入れ込まれると、身体が蕩けてしまいそうなくらい甘ったるいキスをしてくる。
(ダメ・・だよ。ダメだよ、先生!ダメ!!)
美月は両手を抱月の首に巻きつけて自分からも抱月の舌を吸い取りに行った。
それに火が付いたように抱月の両手は美月の胸元のツンと尖った乳首をキュッと摘む。
「あぁんっ・・い・・やあ」
「美月、これで最後だと思えばいい。そう思って俺に抱かれてろ」
少しでも罪悪感を減らそうと言ってくれているのが分かる。だが美月の頭の中は既にぐちゃぐちゃで、兎に角抱いて欲しかった。
それは後に味わう最悪の状態を予想できても止められない薬のような甘美なものに近かった。
どこまでも弱く恥知らずで淫らなものに成り下がっていく。
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コメント
わ~い♪いらっしゃ~い♪
> キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ///////////
> やばい・・・奇声がww
奇声ありがと~!!
>47・・・って言う事は連載??
はい!連載です!47って結構長くなっちまいました・・;
本来そんな長くなるつもりじゃなかったのに・・(-ω-;)
> いいねっ♪いいねぇっ♪ 最初から見るよ><
うぉーッ!!ありがとーーー!!!
愛してるよ
> 続き楽しみっ///つか美月って純情乙女だねっ((嬉
確かにいつも間にか純情乙女になってるw
続き楽しみって言ってもらえて嬉しいよ
コメントどうもありがとうございました
やばい・・・奇声がww47・・・って言う事は連載??
いいねっ♪いいねぇっ♪ 最初から見るよ><
続き楽しみっ///つか美月って純情乙女だねっ((嬉
コメント