07/11/2010(Sun)
万華鏡-江戸に咲く-73
―雪之丞の為になんか止めてくれよ
喉から出かかったその言葉を空気混じりの唾液と共に飲み込んで胃の方まで送った。
何かいい方法は無いものか。こんな事を続けていてもお互いに嫌な思いをするだけだ。
美月はふと気づいて夜に話しかけた。
「夜さ、他に仕事すればいいじゃん」
夜はガサガサと暗い中で行燈を点けると、枕元に置いてあった煙管盆を縁側まで持って行き、以前美月が見兼ねて渡したライターを使い炭火を手際よく用意する。
ライターの無いこの時代の火の用意は面倒だ。それを見て現代からライターやチャッカマンを持って来てやると、夜は大変喜んだ。
こんな時でも美月は夜を相変わらず煙管の似合う男だと思った。
障子を開け、縁側に片足を上げてそこに腕を乗せ、長い指で煙管を持ち口へ運ぶ。
ゆっくりと口内でその香りを楽しんでから、紫煙を吐き出すその姿が月夜の明かりで照らされて美しかった。
「他に仕事?俺ぁ、何もできねぇよ。」
カンッ
夜が灰落としの淵に煙管を叩きつけて灰を落とした。
「出来るよ!やろうとしないだけじゃん!」
「報酬が低いんだよ」
フゥー、と再び煙を川辺に向かって吐き出す。
夏の虫たちの声と、川の流れの音が心地いい夜の筈なのに、そんなものは微塵も感じられず美月は悔しさで涙を堪えるのに必死だった。
「夜・・」
「あ?」
―そんなに大切なのかよ・・雪之丞が
「ゆ、雪之丞さんが・・」
「アイツが、なんだ」
「それだけ、大事って・・こと・・だよな」
美月は薄い涙の膜が瞳を覆っていくのが分かって、部屋の暗がりの方へ顔を向けた。
万華鏡の宝石たちが溺れていく。
カンッ
夜の灰を落とす音が部屋に響く。
「おい」
美月は夜が怒っているような気がして振り向けずにいた。
「おい!」
きっと自分が女々しい事を言って、なんて面倒な奴だと思われたに違いないと思った。
「こっち、来い。美月」
そっと夜を見ると、予想外の優しい、少し困ったような顔で笑む夜の顔が半分月明かりに照らされていた。
美月はよく分からず、夜の傍まで歩いて行くと、横に来た途端に手首を引っ張られて夜の足の間に引き込まれてしまった。
「え・・なにっ」
夜は美月を後ろからギュッと抱き締めてきた。
突然の事に何が言いたいかを考え兼ねていると耳元で低い声が響いた。
「悪かった、美月」
「・・・」
美月はどう返していいか分からず黙った。
「嫌な思いさせて、悪かった。雪之丞の為にお前が我慢する事になって、悪かった」
分かってくれた、その事が嬉しくて一気に涙腺が溶けて消えてしまった。
ポロポロと宝石の欠片を含む涙を流しながら、顔を夜へと向けた。
夜はその美月の泣き顔を見るといつもの色気のある笑みを浮かべて目を細めた。
「知ってたか?美月。お前最近どんどん綺麗になってきてるって」
夜が美月のコメカミにキスをする。
美月が小さく首を横に振った。
「しらない・・」
「ふふっ・・なら、もう一つ教えてやるよ」
夜が煙管をカタリと盆に置いて、美月の肩に両手を乗せた。
「お前は最近、どんどん色っぽくもなってきてるんだぜ?」
そう言って夜の両手が美月の浴衣を左右に剥いだ。
「あっ・・」
美月の滑らかな肩が剥き出しになる。
「や・・」
「お前が悪いんだぜ?そんな泣き顔を俺に見せるから」
夜が唇を美月の耳に付けて直接語りかけてくる。
その甘い声の震動に美月の全神経が条件反射で反応した。
「今の仕事は、もう止めるから。」
立ちあがった美月の乳首を夜の人差し指がクニクニと弄ぶ。
「わか・・った・・からっ・・ああっ」
「もう、怒ってない?」
夜の唇が美月の口端に付けられる。
「ああっ・・んっ・・怒って・・ない・・からっ」
「じゃあ、抱いてもい?」
夜が美月の足に掛る浴衣を剥いだ。すると中から下着も何も付けてない美月の下半身が露わになる。
「ここ最近ずっと何も付けてないんだな・・」
夜の大きな手が美月の太ももを撫で上げる。
「はっ・・ん・・だって、夜が言ったんじゃないか!もう何も付けるなって・・」
「ああ、直ぐに犯れるからな・・」
夜が美月の両足を自分の足に引っ掛けるようにしてやると、広く開脚する状態になった。
美月が驚いて足を閉じようともがいても、夜の高い膝でガッチリと抑えられて足は閉じられない。
<<前へ 次へ>>
次回、美月の新たな性癖が!?w
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喉から出かかったその言葉を空気混じりの唾液と共に飲み込んで胃の方まで送った。
何かいい方法は無いものか。こんな事を続けていてもお互いに嫌な思いをするだけだ。
美月はふと気づいて夜に話しかけた。
「夜さ、他に仕事すればいいじゃん」
夜はガサガサと暗い中で行燈を点けると、枕元に置いてあった煙管盆を縁側まで持って行き、以前美月が見兼ねて渡したライターを使い炭火を手際よく用意する。
ライターの無いこの時代の火の用意は面倒だ。それを見て現代からライターやチャッカマンを持って来てやると、夜は大変喜んだ。
こんな時でも美月は夜を相変わらず煙管の似合う男だと思った。
障子を開け、縁側に片足を上げてそこに腕を乗せ、長い指で煙管を持ち口へ運ぶ。
ゆっくりと口内でその香りを楽しんでから、紫煙を吐き出すその姿が月夜の明かりで照らされて美しかった。
「他に仕事?俺ぁ、何もできねぇよ。」
カンッ
夜が灰落としの淵に煙管を叩きつけて灰を落とした。
「出来るよ!やろうとしないだけじゃん!」
「報酬が低いんだよ」
フゥー、と再び煙を川辺に向かって吐き出す。
夏の虫たちの声と、川の流れの音が心地いい夜の筈なのに、そんなものは微塵も感じられず美月は悔しさで涙を堪えるのに必死だった。
「夜・・」
「あ?」
―そんなに大切なのかよ・・雪之丞が
「ゆ、雪之丞さんが・・」
「アイツが、なんだ」
「それだけ、大事って・・こと・・だよな」
美月は薄い涙の膜が瞳を覆っていくのが分かって、部屋の暗がりの方へ顔を向けた。
万華鏡の宝石たちが溺れていく。
カンッ
夜の灰を落とす音が部屋に響く。
「おい」
美月は夜が怒っているような気がして振り向けずにいた。
「おい!」
きっと自分が女々しい事を言って、なんて面倒な奴だと思われたに違いないと思った。
「こっち、来い。美月」
そっと夜を見ると、予想外の優しい、少し困ったような顔で笑む夜の顔が半分月明かりに照らされていた。
美月はよく分からず、夜の傍まで歩いて行くと、横に来た途端に手首を引っ張られて夜の足の間に引き込まれてしまった。
「え・・なにっ」
夜は美月を後ろからギュッと抱き締めてきた。
突然の事に何が言いたいかを考え兼ねていると耳元で低い声が響いた。
「悪かった、美月」
「・・・」
美月はどう返していいか分からず黙った。
「嫌な思いさせて、悪かった。雪之丞の為にお前が我慢する事になって、悪かった」
分かってくれた、その事が嬉しくて一気に涙腺が溶けて消えてしまった。
ポロポロと宝石の欠片を含む涙を流しながら、顔を夜へと向けた。
夜はその美月の泣き顔を見るといつもの色気のある笑みを浮かべて目を細めた。
「知ってたか?美月。お前最近どんどん綺麗になってきてるって」
夜が美月のコメカミにキスをする。
美月が小さく首を横に振った。
「しらない・・」
「ふふっ・・なら、もう一つ教えてやるよ」
夜が煙管をカタリと盆に置いて、美月の肩に両手を乗せた。
「お前は最近、どんどん色っぽくもなってきてるんだぜ?」
そう言って夜の両手が美月の浴衣を左右に剥いだ。
「あっ・・」
美月の滑らかな肩が剥き出しになる。
「や・・」
「お前が悪いんだぜ?そんな泣き顔を俺に見せるから」
夜が唇を美月の耳に付けて直接語りかけてくる。
その甘い声の震動に美月の全神経が条件反射で反応した。
「今の仕事は、もう止めるから。」
立ちあがった美月の乳首を夜の人差し指がクニクニと弄ぶ。
「わか・・った・・からっ・・ああっ」
「もう、怒ってない?」
夜の唇が美月の口端に付けられる。
「ああっ・・んっ・・怒って・・ない・・からっ」
「じゃあ、抱いてもい?」
夜が美月の足に掛る浴衣を剥いだ。すると中から下着も何も付けてない美月の下半身が露わになる。
「ここ最近ずっと何も付けてないんだな・・」
夜の大きな手が美月の太ももを撫で上げる。
「はっ・・ん・・だって、夜が言ったんじゃないか!もう何も付けるなって・・」
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コメント
> うわー!今回の話凄いイイ!!
> きゅぅきゅぅ→ぎゅぅぅぅ→きゅーんって感じ!(分かりづらっ!爆
> 美月ちゃんにシンクロしちゃって、切なくて(TωT)ウルウル 来てたら夜に後ろからギュッ(私もコレ好き❤)されて、=(*´□`*)⇒❤ズキュンってきたぁ。
マジカ!!?おぉおおぉお・・・
そしえ澪ちんも後ろからギュが好きなのね!?そうなのね!?(メモメモ・・)←Σ!
> それに、凄い風景描写や比喩が綺麗(´ー`*)。・:*:・ポワァァン
> >万華鏡の宝石たちが溺れていく。
> 特にココ!素敵(*´ェ`*)ポッ
すんごい嬉しいです!!
生きてて良かった(ノД`)・゜・←どんだけ嬉しいw
> ちょっと今回桔梗ちんのテクにやられています・・・・ゞ(_△_ )ゞ ヒクッヒクッ
やりました!澪ちんをひっくり返らせることに成功♪
(メンコか!!)←いや、古いから・・
> チャットお疲れでした♪楽しかった!
> ねむねむ声の桔梗ちんが可愛すぎた川* ̄д ̄*川ポッ
> また今度ゆっくりたっぷり話そうね♪
チャットお疲れ様でした!途中からろくに話せなくなってごめんね;
スカイプでも話せてなかったし(汗)
今度は普通の健康体の時にでも!
あの時のアタシは本当のアタシではありませんでしたー!←言い訳
コメントどうもありがとうございました
> 後ろからギュッ!
>
> 私の一番の萌え所・・後ろからギュッ!(あ?ひつこい?)
www
私も好きです、後ろからギュッ!ww
そして、抱きしめられる時に頭に手を添えられると、溶けて無くなりますw
*いらぬ情報失礼致しました
兄さまのツボをツツけて良かったですv
コメントどうもありがとうございました
タイトルだけ見ると笑えますww
> 色っぽい美月ちゃん!
> 美月の気持ちが夜に伝わったのか!
> 今の仕事はやめる!
> 代わりに何をするんだろ?
何とか美月の気持ちは伝わったようですね^^;
代わりの仕事は・・夜の興奮が冷めてから言うと思いますww
> 美月の身体がどんどんエッチになっていきますね~!新たな性癖?!
> 楽しみにしてます。
> 今朝は何時までやってたの?(笑)
はいw何やら癖になる快感を見出してしまうようですw
お戯れという名のチャットは何時だったのだろう・・12時とかですかね?
最後まではいられなかったです;;それにあまり記憶がないのです^^;
最後の方スカイプでも喋れて無かったですし(笑)
寸劇終了後に燃え尽きたようですw
リンクさんもお疲れ様でした^^
コメントどうもありがとうございました
> エッチな子代表!! 美月ちゃん!!
(。・ω・。)ノぁぃ♪←返事しとるw
> 先ほど、チャット会抜けたけど、更新が気になってちょい読みしに伺いました!
うおーッありがとうございます!!抜けだして読んで下さるなんてっ!!
(つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
> ちょい読みどころじゃないですね。
> ガッツリ読みこんでしまいました、時々挟み込まれるキセルの音がかっこいい!!
ガッツリ!?ありがとうございます!!嬉しぃ~~~
キセルの音カッコいいですか!?嬉しいです^^
頂くイラストにキセルを描いて頂いているので、またキセル描写書きたくなりまして^^
約3カ月振りの「カンッ」でございましたww
> そして美月ちゃんには新たな性癖!!
> !!!!!!(;゚д゚)ェ.まだ、あったか?(ゆうかさんと一緒)オドロキです~~!!
> 次も楽しみ~~ヾ(´∀`〃)ノ~♪
Ψ(`∀´)Ψヶヶヶ
何やら癖になる快感を覚えてしまう美月です♪
楽しみにして下さって嬉しいです~~(涙)
万華鏡、本当に終わるのか~!?www
色々大変な中、チャットお疲れ様でした!
コメントどうもありがとうございました
> >次回、美月の新たな性癖が!?w
>
> 何ですと~!!
> まだ他にあるですか!!
> この子ったら、何て引き出しが多いんでしょう(笑)
>
> 期待して待ってますww
Ψ(`∀´)Ψヶヶヶ
美月、やらちー子です。ここまで来る間にすこ~し片鱗を見せていますが・・ふふ。
しかしそんな激しくは書かないと思います(;^_^A アセアセ・・・
期待して頂けて嬉しいです!ありがとうございます^^
コメントどうもありがとうございました
きゅぅきゅぅ→ぎゅぅぅぅ→きゅーんって感じ!(分かりづらっ!爆
美月ちゃんにシンクロしちゃって、切なくて(TωT)ウルウル 来てたら夜に後ろからギュッ(私もコレ好き❤)されて、=(*´□`*)⇒❤ズキュンってきたぁ。
それに、凄い風景描写や比喩が綺麗(´ー`*)。・:*:・ポワァァン
>万華鏡の宝石たちが溺れていく。
特にココ!素敵(*´ェ`*)ポッ
ちょっと今回桔梗ちんのテクにやられています・・・・ゞ(_△_ )ゞ ヒクッヒクッ
チャットお疲れでした♪楽しかった!
ねむねむ声の桔梗ちんが可愛すぎた川* ̄д ̄*川ポッ
また今度ゆっくりたっぷり話そうね♪
私の一番の萌え所・・後ろからギュッ!(あ?ひつこい?)
美月の気持ちが夜に伝わったのか!
今の仕事はやめる!
代わりに何をするんだろ?
美月の身体がどんどんエッチになっていきますね~!新たな性癖?!
楽しみにしてます。
今朝は何時までやってたの?(笑)
今の仕事はやめる!
代わりに何をするんだろ?
美月の身体がどんどんエッチになっていきますね~!新たな性癖?!
楽しみにしてます。
今朝は何時までやってたの?(笑)
先ほど、チャット会抜けたけど、更新が気になってちょい読みしに伺いました!
ちょい読みどころじゃないですね。
ガッツリ読みこんでしまいました、時々挟み込まれるキセルの音がかっこいい!!
そして美月ちゃんには新たな性癖!!
!!!!!!(;゚д゚)ェ.まだ、あったか?(ゆうかさんと一緒)オドロキです~~!!
次も楽しみ~~ヾ(´∀`〃)ノ~♪
何ですと~!!
まだ他にあるですか!!
この子ったら、何て引き出しが多いんでしょう(笑)
期待して待ってますww
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