08/16/2010(Mon)
それから47話
「先輩、僕と付き合って下さい」
会社で後輩と激しくセックスをした渡と淳平は帰り仕度を整えていた。
突如言われた渡の言葉に淳平は動きを止めた。
「無理にでも付き合った方が、先輩の為にもいいと思うんです!忘れなきゃいけないなら、誰かと居た方が尚更いいと思います。先輩、僕と居るの、嫌ですか?」
渡は断われそうな淳平の言葉に先回りをして畳みかけるように話す。
「そんな事はない。嫌なら、抱かない。あいつ以外で可愛いと思って抱いたのは、お前が初めてだ」
その言葉だけで十分に自分が淳平の視界に入れた事を意味し、渡はこれ以上望まなくてもいいと思う程に嬉しかった。だが、ふと一刻も早く弘夢を忘れさせろという時枝の命令を思い出し、少し強引に出た。
「嬉しい・・です。僕、本当に先輩の事が好きなんです。形だけでもいいです、僕の恋人になって下さいッ」
忘れなければいけない人、弘夢はそういう存在になってしまった。淳平は何となくそれを認めざるを得ない事を、気持ちが理解していく様に感じた。そして、渡の献身的な想いが淳平の心を癒しているのも事実だった。
(渡と付き合ってみるのも、いいかもしれない・・弘夢、これで俺はお前を忘れられるのかな)
「分かった」
「え・・」
「付き合おう」
淳平の言葉を信じられないという様な困惑した素振りで、渡は瞳を大きく見開いた。
「うそ・・」
「本当だ」
淳平は頭一つ低い渡の顔に、ゆっくりと唇を下げてキスをした。
渡は嬉しさの余り涙が再び湧きあがって来る。そして淳平は優しく渡を抱きしめた。
「俺は、いつアイツを完全に忘れられるか分からない。それでもいいか?」
「・・っ・・」
コクッコクッと小さく淳平の胸の中で渡は頷いた。渡は形が手に入った事がこんなにも嬉しいとは思わなった。付き合っている人、好きな人を聞かれて淳平だと言える事がこんなに幸福感を与えるものだと、渡はこの時初めて知った。
それから淳平は意識的に渡を見るように努力をした。そして淳平はなるべく弘夢を思い出さない様にコントロールもした。
会社では何となく雰囲気の変わった二人に気付く人も居たが、誰も面と向かって色々と言ってくる事は無かった。ただ、飲み会の席でふざけ半分で二人は怪しいと絡んで来られる事は多々あったが、そこは適当に受け流していた。
そんな日は決まって家に帰ると渡が甘えてきた。
「先輩っ・・キスしてっ」
そう言ってソファに座る淳平の膝の上に乗っかって来るのもいつもの事だった。付き合っている事を隠している事も、同僚の質問を受け流した事も全て少しずつ渡を不安にさせているのだろう。だからこうして二人きりになると確かめるように甘えてくる。
外はそろそろ雪が降りそうな位に冷え込むようになった。クリスマスも近づいて渡に日頃世話になっている分のお返しをしなければと考えていた。
「渡、お前何か欲しいものあるか?」
膝上に跨ったまま淳平を抱きしめる渡は顔を上げると満足そうに笑った。
「ないですよ!もう、手に入りましたから」
嬉しそうな顔で淳平にキスをする。それは自分を意味している事に気付いた淳平は渡をソファに押し倒した。この本心からサラリと言う顔が淳平にはどうしようもなく可愛く思える。
「そんなものじゃなくて、ちゃんと買ってやれるものを言えよ」
淳平は渡のパジャマのズボンをずらし、既に硬くなった渡のペニスを取り出してやわやわと揉む。
「ん・・ふっ・・じゃ・・旅行がいい・・です・・あっん」
「旅行?」
「はい・・思い出が欲しいです」
淳平は渡の真剣な眼差しを受け止めると、優しい笑みを浮かべて答えた。
「分かった。お前の好きな所へ行こう」
淳平はそう言うと、渡のパジャマのボタンを外し始めた。
「あ、あのっ・・僕も先輩に買ってあげたいものがあって・・今度一緒にそのお店に行って貰えますか?」
「ああ、分かった」
そして淳平たちはソファの上で身体を繋げた。
<<前へ 次へ>>
付き合う事になってしまった・・
<お知らせ>
本日、日本時間昼過ぎ頃から20日(金)まで留守に致します。
お話は予約投稿でUPさせて頂きますので留守中にもしコメを頂けたら帰宅次第お返事させて頂きます!!
宜しくお願い致しますm(_ _)m
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会社で後輩と激しくセックスをした渡と淳平は帰り仕度を整えていた。
突如言われた渡の言葉に淳平は動きを止めた。
「無理にでも付き合った方が、先輩の為にもいいと思うんです!忘れなきゃいけないなら、誰かと居た方が尚更いいと思います。先輩、僕と居るの、嫌ですか?」
渡は断われそうな淳平の言葉に先回りをして畳みかけるように話す。
「そんな事はない。嫌なら、抱かない。あいつ以外で可愛いと思って抱いたのは、お前が初めてだ」
その言葉だけで十分に自分が淳平の視界に入れた事を意味し、渡はこれ以上望まなくてもいいと思う程に嬉しかった。だが、ふと一刻も早く弘夢を忘れさせろという時枝の命令を思い出し、少し強引に出た。
「嬉しい・・です。僕、本当に先輩の事が好きなんです。形だけでもいいです、僕の恋人になって下さいッ」
忘れなければいけない人、弘夢はそういう存在になってしまった。淳平は何となくそれを認めざるを得ない事を、気持ちが理解していく様に感じた。そして、渡の献身的な想いが淳平の心を癒しているのも事実だった。
(渡と付き合ってみるのも、いいかもしれない・・弘夢、これで俺はお前を忘れられるのかな)
「分かった」
「え・・」
「付き合おう」
淳平の言葉を信じられないという様な困惑した素振りで、渡は瞳を大きく見開いた。
「うそ・・」
「本当だ」
淳平は頭一つ低い渡の顔に、ゆっくりと唇を下げてキスをした。
渡は嬉しさの余り涙が再び湧きあがって来る。そして淳平は優しく渡を抱きしめた。
「俺は、いつアイツを完全に忘れられるか分からない。それでもいいか?」
「・・っ・・」
コクッコクッと小さく淳平の胸の中で渡は頷いた。渡は形が手に入った事がこんなにも嬉しいとは思わなった。付き合っている人、好きな人を聞かれて淳平だと言える事がこんなに幸福感を与えるものだと、渡はこの時初めて知った。
それから淳平は意識的に渡を見るように努力をした。そして淳平はなるべく弘夢を思い出さない様にコントロールもした。
会社では何となく雰囲気の変わった二人に気付く人も居たが、誰も面と向かって色々と言ってくる事は無かった。ただ、飲み会の席でふざけ半分で二人は怪しいと絡んで来られる事は多々あったが、そこは適当に受け流していた。
そんな日は決まって家に帰ると渡が甘えてきた。
「先輩っ・・キスしてっ」
そう言ってソファに座る淳平の膝の上に乗っかって来るのもいつもの事だった。付き合っている事を隠している事も、同僚の質問を受け流した事も全て少しずつ渡を不安にさせているのだろう。だからこうして二人きりになると確かめるように甘えてくる。
外はそろそろ雪が降りそうな位に冷え込むようになった。クリスマスも近づいて渡に日頃世話になっている分のお返しをしなければと考えていた。
「渡、お前何か欲しいものあるか?」
膝上に跨ったまま淳平を抱きしめる渡は顔を上げると満足そうに笑った。
「ないですよ!もう、手に入りましたから」
嬉しそうな顔で淳平にキスをする。それは自分を意味している事に気付いた淳平は渡をソファに押し倒した。この本心からサラリと言う顔が淳平にはどうしようもなく可愛く思える。
「そんなものじゃなくて、ちゃんと買ってやれるものを言えよ」
淳平は渡のパジャマのズボンをずらし、既に硬くなった渡のペニスを取り出してやわやわと揉む。
「ん・・ふっ・・じゃ・・旅行がいい・・です・・あっん」
「旅行?」
「はい・・思い出が欲しいです」
淳平は渡の真剣な眼差しを受け止めると、優しい笑みを浮かべて答えた。
「分かった。お前の好きな所へ行こう」
淳平はそう言うと、渡のパジャマのボタンを外し始めた。
「あ、あのっ・・僕も先輩に買ってあげたいものがあって・・今度一緒にそのお店に行って貰えますか?」
「ああ、分かった」
そして淳平たちはソファの上で身体を繋げた。
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付き合う事になってしまった・・
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本日、日本時間昼過ぎ頃から20日(金)まで留守に致します。
お話は予約投稿でUPさせて頂きますので留守中にもしコメを頂けたら帰宅次第お返事させて頂きます!!
宜しくお願い致しますm(_ _)m
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コメント
> 付き合っちゃったー!!えええ??
付き合ってしまいました・・
やっぱり献身的な渡の態度と弘夢を忘れないといけない気持ちが相まったようです。
> 渡くーん、そんなに好きになっちゃったのねえ~。後で(すでに現在進行中でも)悲しい事になってしまわない?ダイジョブ?表向きが順調なだけに、内心の心情が切ない・・・。不幸プラグ萌える・・・。
うぅ・・心配して下さって嬉しいです(ノД`)・゜・
そして、不幸プラグに萌えて頂けている・・( ̄ー ̄)ニヤ...
> 旅行に行くんですねー。旅先なら「恋人」やれますねー。
> 「思い出」が欲しいって、いつか終わるの前提の言葉みたいで、ズキズキ・・・(T-T)
そうですね^^旅行先では「恋人」を満喫して、二人の思い出が作れますものね♪
終わる前提に聞こえてしまうのはやはり不幸プラグのせいですかねぇ^^;
あ、ズキズキだなんて!私が介抱させて頂きます!!←
> 「買ってあげたい」って、エロタワーに行くんじゃ?!と思ってしまった私は、腐ってます(--;)
あはは!渡inエロタワーですね?
それも面白そうですねぇ(笑)私も腐ってます♪
コメントどうもありがとうございました
渡くーん、そんなに好きになっちゃったのねえ~。後で(すでに現在進行中でも)悲しい事になってしまわない?ダイジョブ?表向きが順調なだけに、内心の心情が切ない・・・。不幸プラグ萌える・・・。
旅行に行くんですねー。旅先なら「恋人」やれますねー。
「思い出」が欲しいって、いつか終わるの前提の言葉みたいで、ズキズキ・・・(T-T)
「買ってあげたい」って、エロタワーに行くんじゃ?!と思ってしまった私は、腐ってます(--;)
いらっしゃいませー!!
> 「それから」一気読みさせていただきました~v
え!!一気ですか!!
嬉しいです(ノД`)・゜・長かったですよね(>_<)
ありがとうございます!!
> うひゃああv鬼畜魔王木戸さんが素敵過ぎて///
おおおっ☆
鬼畜魔王木戸、素敵ですか!!
嬉しいです、木戸派!!(笑)
> 執事の時枝さんも目が離せません!!エロイ!!!
時枝にも!ありがとうございます!エロいですか!
嬉しいです!なかなか黒い仕事をこなす奴です^^;
> 渡くん!なんと健気な受け子なんですか
> 旅行で思い出が欲しいなんて可愛いコトをvv
> 切ない人間模様にキュンキュンですv
渡、健気受けです~v
私情と仕事の狭間で必死に淳平を愛してます(>_<)
あぁ・・彗さんにキュンキュンして頂けて幸せです・・。
真夜中のパーティの方もありがとうございました!
また旅行から帰りましたら遊びに行かせて頂きます♪
では行って参ります^^
コメントどうもありがとうございました
うひゃああv鬼畜魔王木戸さんが素敵過ぎて///
執事の時枝さんも目が離せません!!エロイ!!!
渡くん!なんと健気な受け子なんですか
旅行で思い出が欲しいなんて可愛いコトをvv
切ない人間模様にキュンキュンですv
健気な告白が好きなんですね!?なるほど。
確かにいつか自分に振り向いて貰えるまでは繕いでもいいからって切ない
ですもんね(>_<)
そこがイイ☆
そうですねー、すんなりとはいかなそうです^^;
はい!ダブル旅行です(笑)
リアルと小説キャラと(笑)
予約投稿楽しみにして貰えて嬉しいですー!(>_<)
さっき終わりましたー・・(+д+)
誤字脱字多いかもですがごめんなさい;;
では行って寝て起きたら行って参ります~♪
コメントどうもありがとうございました
> 気をつけてね!!!
はい!行ってきまーす!
一応何かあった時を考えて整理してあります♪
でもブログは・・ずっと更新途絶えたら死亡確定です(笑)
> もう付合ったら、パジャマのズボンすらして
> ヤワヤワするのもふつうだもんな・・・萌える・・・
はい。付き合ったらやわやわもしゃぶしゃぶも何でもありです!(笑)
萌えて頂けて嬉しいです!(萌えが書けてたのか!やったーv)
コメントどうもありがとうございました
さすがアドさん、ネーミングマスター
> 桔梗さんも、怪しいカップルも旅行ですねー!!
旅行が重なりました(笑)
> 怪しい…幸せそうなんだけど、どこか影が!
> あ!時枝さんの影だ~。
> 素敵…。(*´ο`*)=3 はふぅん
> じゃなくって、旅行に行く二人!プレゼントも買ってもらえる様子!!良かったね―ポポタン
時枝の影にはふんとしている!!(笑)
怪しい影が付きまといますね~!
さて、るんるんのぽぽたんに幸せなプレゼント交換は訪れるか!
> 予約投稿しているのね―!
> 毎日楽しみに読ませて頂きます。
> 行ってらっしゃーい!
はい、夜中12時半過ぎから始めて先程3時15分に4日分仕上げました(+д+)
毎日!?あ、ありがとうございます(ノД`)・゜・
はい!行ってきまーす!!^^
コメントどうもありがとうございました
気をつけてね!!!
もう付合ったら、パジャマのズボンすらして
ヤワヤワするのもふつうだもんな・・・萌える・・・
怪しい…幸せそうなんだけど、どこか影が!
あ!時枝さんの影だ~。
素敵…。(*´ο`*)=3 はふぅん
じゃなくって、旅行に行く二人!プレゼントも買ってもらえる様子!!良かったね―ポポタン
予約投稿しているのね―!
毎日楽しみに読ませて頂きます。
行ってらっしゃーい!
まさか付き合うとは・・。
(おかしい・・予定外の事態だ・・←)
> これで捨てたら、益々悪い奴・・・
本当です。捨てたら罰金です。
> ソファでヤっちゃうなんて・・・もうっ!!
ソファシーンも書きたかったんですが、
そうするととにかく物語が進まなくなるので妄想で激しく済ませました(汗)
> 旅行したって、ヤルこと一緒なんじゃないのぉ?w
何たって「お付き合い」していますからね!
渡、どう出る!?
あはは!夕華さんが(笑)
> 桔梗さんは旅行中、ナニするんだろ・・・ニヤニヤ
それは・・類人魚さんと鍾乳洞デートです(*ノノ)キャ
くら~い水の中を泳いでらっしゃる類人魚さんを目で追う!
この醍醐味!!
コメントどうもありがとうございました
祝・お付き合い
と、なるか・・。何の序章か・・。
幸せの予感がしそうでしない!きゃ~
> 仕事と本音の間で揺れる渡たんが切ない~。
> けど、嬉しくて泣いちゃう姿が可愛い~~((ノェ`*)っ))タシタシ
揺れる渡、切なくなって貰えてありがとうだよ(>_<)
結構な泣き虫の渡だったようだね^^
可愛いかね!?ありがと~~っ
うれし涙ならいいかな^^?
> 渡たん達も旅行に行くのね~…桔梗ちんと一緒に(違。
> 渡たん、淳平くんに何を買ってあげるんだろう( ̄ー ̄)ニヤリッ
私・・お邪魔虫ねぃ!?
いいもん。私には類人魚さんがいるもん。
ハッ・・でもあの人(人じゃない)水温の低い所でないと生息出来ないんだった!
渡たんのプレゼントはね・・( ̄  ̄)………( ̄ー ̄)ニヤ
コメントどうもありがとうございました
いや~ビックリだよね!!
奇跡が起きた!みたいな!!
あはは、笑えたけど笑いごとじゃなかったww
ありがとうでしたー!!
あ、あとニホンゴフジユウな所もありがとうでした!!(笑)
コメントどうもありがとうございました
ソファでヤっちゃうなんて・・・もうっ!!
旅行したって、ヤルこと一緒なんじゃないのぉ?w
桔梗さんは旅行中、ナニするんだろ・・・ニヤニヤ
仕事と本音の間で揺れる渡たんが切ない~。
けど、嬉しくて泣いちゃう姿が可愛い~~((ノェ`*)っ))タシタシ
渡たん達も旅行に行くのね~…桔梗ちんと一緒に(違。
渡たん、淳平くんに何を買ってあげるんだろう( ̄ー ̄)ニヤリッ
コメント