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3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」14話

「何だよ、それ……」
 美海は疑心暗鬼の表情を悠馬に向ける。
「お前、先輩と付き合う事にしたって俺に……」
「お前にはそう言ったけど、あの後俺は先輩に断りに行ったんだ。ああ言ったのは、万が一にでもお前にヤキモチでも妬いて貰えないかと思ったんだよ」
 悠馬は少し拗ねた子供のような表情を作った。

(なッ……コイツ、人の気も知らないでッ)

「はぁ? だってお前いつも先輩とヤってたじゃんかよ! 俺と部屋一緒になってからだって……さっき……だって……」
 そう言った美海の瞳に再びクリスタルのような涙が浮かび上がった。
「え……ヤってないぞ?」
「……んぁ?」
 つい美海の声が裏返る。
「いや、一緒にモノを扱いたりはしたが、先輩とはしてない」
「だって! 男とヤってそんなに良いかって聞いたらっ」
「良いとは言ったがアキとのセックスが良いとは言った覚えはない」
 美海はアキと聞いてカッとなる。
「でも俺は宮古先輩がお前の上に乗って動いてるの見たぞ!」
「だから! あれはあの人が自分と俺のものを一緒に扱いて動いてたんだよ! ケツに挿さってなかっただろうが!?」
「んなもん、見られるかよ!!」
 美海と悠馬は至近距離で声を張り上げる。美海は騙されていたようでだんだん腹が立ってきた。

「どちらにしたって、付き合ってもないのにそういう事が出来る奴なんだな、お前は」
 そう言うと、悠馬は少し顔を離して目線を少し逸らした。
「あの時、付き合ってくれって言われた時、断りに言ったアキにお前の事が気になるから付き合えないのかって聞かれて、頷いたんだ」
 美海は言葉が出なかった。
「俺はお前の事が好きっていうか、気になってたんだよ。でもどんなに強硬にヤキモチを妬かせようとしてもお前に嫌われるだけだった」
「それは、そうだろう。俺、ノーマルだし……だったし……」
 美海は自分で言った言葉に違和感を感じてつい直す。そんな可愛らしい美海の恥ずかしがる表情に悠馬もふと表情を緩める。
「ごめんな。俺、お前みたいなノンケに慣れてなくて、それに俺にこんなに抵抗する奴も初めてで、やり方間違っちまったみたいだ」
 悠馬の親指がそっと美海の涙の痕をなぞる。
「アキは、お試しでもいいから、お前が俺に落ちるまででもいいからそういう親密な関係になりたいって言って来たんだ」
「え……宮古先輩がそんな事を?」
「うん。でも、あの人が俺に本気なのかもって思ったのと、お前の事をどんどん好きになる自分を自覚して、もう一度友達のポジションからお前にアタックしようとしたんだ。それを言おうとアキを部屋に呼んだら、アキがこの関係を終わらせたいから、代わりに最後前みたいに自分モノと重ねてイカせて欲しいって……」
「そこに俺が入った訳か」
「ああ」
 宮古は悠馬の気持ちに気付いていたのだろう。最後まで悠馬を想って自分から関係を終わらせたいと言ったに違いないと、美海はそう感じた。
 美海は、不安と絶望の気持ちから、今度は急に激しい嫉妬のみが浮かんできた。

「でも、お前は先輩とそういう事をしてたんだろ。俺の事を好きなくせに」
「だからごめんて。男なんてそういう所あるじゃんか。大体、お前が俺の事そんなに好きだなんて思いもよらなかったし」
「好きじゃねぇ!」
 美海は図星を突かれて反射的に反抗してしまう。だが、悠馬は意地の悪い顔で微笑だ。
「へぇ。本当に? キス、あと二回残ってるんだけどそれもダメ?」
 悠馬が顔を近づけてくる。
「あの時のって、もう時効だろう!? どうしてまだ有効なんだよっ」
 悠馬の唇がそっと耳元に触れると、身体中に凍りついていた血液がザァ―ッと溶けて流れ出すのが分かった。
「ダメか?」
 悠馬の甘い声が囁く様に小声で耳に入って来る。反射的にゾクッと感じてしまう。

「んっ……遊び人がっ」
「もう、遊ばない」

「先輩とキスだって、してたっ」
「もう、お前にしかしない」

「エッチな事だって、してたっ」
「もう、お前としか、しないよ美海」

 悠馬の唇は耳から伝って頬に移動してくる。そして悠馬の唇は美海の唇の真横や顎にそっと食むように何度も柔らかく付けられる。
「ダメ? この約束の二回が終わったら友達から初める覚悟だって出来てる。好きなんだ、美海。お前が」
 美海は身体中が宙に浮いてしまったかのように嬉しさが溢れた。思わず自分から抱きついてしまいそうになってグッと堪える。
「二回は……約束だから……」
 美海がそう言うと、悠馬が優しい目を向けて唇をそっと乗せてきた。
「好きだよ、美海」
 悠馬は唇を重ねたままそう呟いた。
 甘い言葉は美海の鼓膜から脳までを痺れさせ、柔らかな唇は口内から全身を震わせた。

 美海は悠馬をずるいと思った。こんな幸せな気持ちになっては、今までのヤキモチの数々を許せてしまうのではないかと思ってしまう。
 互いに感触を確かめ合うように舌を絡ませていると、美海は疼く身体を持て余してつい悠馬の背中に手を回してしがみ付いた。すると、煽られるように悠馬も両手で美海の頭を支えて更に強く唇を重ねてくる。
「んっふ……ゆっ…まっ…息がっ…んんっ」
 ピチャピチャと音を立てながら互いの舌を貪っていると、美海のポケットで携帯が鳴った。
 思わず美海は驚いて唇を離して携帯を見ると、真からのメールだった。
「あ、最後の授業どうするかって……」
 悠馬はスッと離れると、美海は縋るように悠馬を不安気に見た。今ので雰囲気を壊してしまった事に悠馬を怒らせたかと考えるが、悠馬はそっと手を美海の頭に乗せてきた。
「授業、出るか」
 悠馬は優しい笑顔でそう言った。
 意外にも自分の欲を抑えた悠馬にほんの少し寂しさを感じたが、あと一回残されたキスを思って、美海は授業に出る事にした。



<<前へ      次へ>>



確かに「浮気じゃないのか?」って聞いた時、
悠馬は「さぁね」と言葉を濁していたけど…こういう事だったらしいです(-"-;A ...アセアセ
おねーたま方、怒りはおさまりましたでしょうか!?∑(; ̄□ ̄A アセアセ
それでもヽ(#`Д´)ノ ムキー!!という方はここにユーマを差し出します(笑)
Σ(ロ゚ ノ)ノビクッ! ←

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12:00 | 相部屋のメリットデメリット | comments (7) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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コメント

拍手秘コメGさま
おはようございます!
以心伝心゚+.*:・:(*´-ω)(ω-`*):・:*.+゚

大和撫子の純情美海が好きになる男だから悠馬だって
中途半端な男子じゃないって…Gさまがとっても
美海を想って下さっている事が分かります。
ありがとうございます(つД`)・゚・。・゚゚・*:.。

でも美海も本当にチャランポランな男だったらきっと呆れて終わりだったと思います。
チラチラ見え隠れする悠馬の優しい所とかを発見して気持ちが動いたのが大きいですよね!

うおーッ!!また読み返して下さったのですかー!?
粗が沢山あったと思います~(;´Д`A ```
ひぃ~恥ずかし~!!
でも同室のメリットを利用して無理強いしていないシーンなど
悠馬の優しい所を再確認して頂けて本当に嬉しいです!!
ありあとうございます!!

そうなんですよね~実は頭の良い子なんですよね~悠馬(笑)
確かに美海を単なる身体目的の対象として見ていたらイヤですよね(>ω<)
そうでなかったようで良かったです(≧∀≦)

うおー!セリフの三段活用にドキドキして下さいましたか!?
嬉しいですーヽ(*≧ω≦)ノ

あ、それ言いますよね!!男は最初の、女は最後のって!
でも確かに男性は初めての相手になりたがる方が多いなと個人的に感じます(笑)

コメントは色々と考えさせられる事やハッと気づかされる事、読者さまの想いなど沢山の事が分かってとっても貴重ですので、Gさまがご心配なさるような事はありませんよ!!
大丈夫です!わざわざお気遣い頂きありがとうございます!!
そんな事まで考えて下さるGさまのお優しさに、
ワタクシ視界が…・゚・(ノ∀`)アレ…ナミダガ…・゚・
いつもご丁寧に感想や想いを綴って下さって嬉しく思っております*:.。(´∀`)。.:*
ありがとうございます♪♪♪

拍手秘コメントどうもありがとうございましたe-415e-420
桔梗.Dさん | 2010/10/09 19:10 | URL [編集] | page top↑
拍手秘コメYさま
こんばんは!
確かにこれはあの有名な男の良い訳ってやつでしょうか(笑)
確かに作戦としてヤキモチ妬かせようとしてましたね(^▽^;)
そもそもやり方、間違ってますよね~。
全く、無神経なんだから…悠馬めヽ(`Д´)ノウガーッ

わ!Yさまも怒りが静まらず!?ヾ(:´Д`●)ノアワワワヾ(●´Д`;)ノ
あ、でも両想いになったから「ヨシ‼」頂けたようで
ちょっとホッとしました~(;´Д`A ```(笑)
これから美海はどうにか反撃でもするのでしょうか!?

拍手秘コメントどうもありがとうございましたe-415e-420
桔梗.Dさん | 2010/10/09 06:56 | URL [編集] | page top↑
かやさま
> 悠馬くーん、それ何て言うか知ってる?
> 浮気男の言い逃れ定番セリフだよー。
> 「まだ入れてないから浮気じゃない」とか言うの。
> マジモンさん方にゃあ、入れないカプもたくさんいるっつーの!
> 美海ちゃんも、もっと手酷く虐めてやればいいのに。優しいんだから~(^^;)

(*´∀`*)ゞ……って、照れるな悠馬!!
仰るトーリです(笑)
よく聞くそのセリフは果たして美海に通じるのか^^;
いや、通じてはないようですが、唇を塞いで揉み消したー!!
ズルイ男の手法ですなっ( ゚Д゚)y─┛~~
美海、苛めてやろうとしても腰砕けにされてしまってどうにもならなかった
ようです~^^;


> あと1回キス残して授業。
> って、それ、頭に入るのかね?

あん♪鋭いかやさん♪(*ノωノ)ポッ
それは次の場面で出て来ます(笑)

コメントどうもありがとうございましたe-415
桔梗.Dさん | 2010/10/08 19:27 | URL [編集] | page top↑
澪さま
> 悠馬ーー!ε=ε=ε=┌(;´゚ェ゚)┘ ←あ、逃げたw

ィヤァーン♪ ヾ(*´Д`*)ノ ~~~~~\o(▼皿▼〃) オラオラ!!!

あ、澪ちんに捕まってビシビシされてる(笑)


> いやいや(笑)何と言うか悠馬くんは来る者拒まずな感じだったもんね(^_^;)
> それが美海くんに本気になって、宮古先輩との微妙な関係も自分から解消しようと動いたんだから成長した☆
> というか、それほど美海くんが特別だったんだろうね。

元々遊び人気質だったしね~^^;
確かに本気になって少しは人として成長したような気がするよ!
うん。何か惹かれてしょうがないものがあったようだよ!
ふふ。それが恋ってやつさね…(。-ω-)y-・~~


> でも、挿れてはなかったとは言え絡んでたー(-_-;)
> 男って奴は(*´-д-)フゥ-3 ←

そうそう…。男の性というか、遊び人の性っていうか…(^▽^;)
悠馬の気持ち、分からないでもないんだけどね?(爆)


> それにしても宮古先輩が純粋なタイプで良かった(苦笑)
> 狡賢い?計算タイプだったなら今頃((( ;゚Д゚)))

本当だよー!!これで悠馬くんは渡さないわよ!!ヾ(  ̄▽)ゞ オホホホホ
的な人だったら(どんな奴;)もっとこじれてたに違いない…。


> おぉーっと!桔梗ちんここで焦らしプレイっすか!?Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
> 残り1キス…( ´艸`)ムププ
> あ!そうか!ここは二人の部屋じゃないもんね( ̄▽ ̄) ニヤ
> さて~、そろそろメリット部分のお披露目wかなワクo( ̄▽ ̄o)(o ̄▽ ̄)oワク

は~い♪ここからメリットのお時間です~♪
うはは!焦らしたかね?ごめんね?
一話一話が長くて二話分詰めるときっと読む方にとっても「まだ続いてる…」
状態になりそうですので~(笑)
そろそろラストスパートです♪♪

コメントどうもありがとうございましたe-415
桔梗.Dさん | 2010/10/08 19:20 | URL [編集] | page top↑
拍手秘コメGさま
ああっ!Gさま!!エーン!o(>д<。 o)ヽ(・ω・。)ヨチヨチ
何とぉおおッヽ(゚Д゚;)ノ!!悠馬が王子さままで昇格した!!
(ノД`)・゜・←ユーマ
しかも惚れて下さいましたかー!!羨ましいぞ悠馬めー!
でもモヤモヤが吹っ飛んで下さって良かったです!

悪い人が出て来ないストーリー、そんな風に言って頂いて光栄です!
しかもそんなストーリーを好きと言って頂けて嬉しいです(ノ△・。)
何だか、悪い人を書いてても人間には悪い面と良い面があるように、
どうしても良い面を書いてしまって結局良い人になってしまいます^^;
そうすると憎たらしかった分凄く愛おしく感じたり…。
妙なものです (-ω-)/

そうですね。宮古にも真にもきっと素敵な殿方が現れると思います!
おお!引き寄せ法則!!素敵ー!

((((((ノ゚⊿゚)ノヌオォォォ
実はGさまのコメントを読んでいて、きっとそういう気持ちになっているのではと感じたのです!
ですので、あのセリフはこういう男の考えの奴もいるのですーっという気持ちもこもっています!!
凄い!!以心伝心ですね!?(;゚∀゚)=3ハァハァ←興奮w

そうですね。ゲイの方にお話しを伺ったりすると、
やはり女性っぽい考えの方もいらっしゃれば
サッパリとした方もいらっしゃるし、多様だなと感じました。
ですが、男女共に多く見られるのはやはり不誠実な事は許せない
という考えなのではないでしょうか。

好きな相手が他の人とってやっぱりイヤですものね(>ω<)
ただ、男の浮気は仕方ないという考えは昔からありますが、
それは子孫を残すための本能と深く関わっているようです!
可愛い子がいれば目移りする、それが男っていいますが、
女性にとっては言い訳にしか聞こえませんけどね~^^;
反対もまたしかりですが(笑)

いえいえ!とても熱心に読んで頂けて本当に嬉しいです!!
あぅ(>ω<)!
今日も面白かっただなんてGさまどれだけ嬉しい事を仰って下さるんですかー!
[壁]*ノノ) キャ-ハズカシー

拍手秘コメントどうもありがとうございましたe-415e-420
桔梗.Dさん | 2010/10/08 19:04 | URL [編集] | page top↑
悠馬くーん、それ何て言うか知ってる?
浮気男の言い逃れ定番セリフだよー。
「まだ入れてないから浮気じゃない」とか言うの。
マジモンさん方にゃあ、入れないカプもたくさんいるっつーの!
美海ちゃんも、もっと手酷く虐めてやればいいのに。優しいんだから~(^^;)

あと1回キス残して授業。
って、それ、頭に入るのかね?
かやさん | 2010/10/08 14:49 | URL [編集] | page top↑
悠馬ーー!ε=ε=ε=┌(;´゚ェ゚)┘ ←あ、逃げたw

いやいや(笑)何と言うか悠馬くんは来る者拒まずな感じだったもんね(^_^;)
それが美海くんに本気になって、宮古先輩との微妙な関係も自分から解消しようと動いたんだから成長した☆
というか、それほど美海くんが特別だったんだろうね。
でも、挿れてはなかったとは言え絡んでたー(-_-;)
男って奴は(*´-д-)フゥ-3 ←

それにしても宮古先輩が純粋なタイプで良かった(苦笑)
狡賢い?計算タイプだったなら今頃((( ;゚Д゚)))

おぉーっと!桔梗ちんここで焦らしプレイっすか!?Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
残り1キス…( ´艸`)ムププ
あ!そうか!ここは二人の部屋じゃないもんね( ̄▽ ̄) ニヤ
さて~、そろそろメリット部分のお披露目wかなワクo( ̄▽ ̄o)(o ̄▽ ̄)oワク
さん | 2010/10/08 13:16 | URL [編集] | page top↑

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