06/27/2010(Sun)
それから28話
週末、以外と少ない荷物を抱えて俺は沢村の家に再び来ていた。
前にも来ていた事があったので、そんなに違和感は無かった。
「お邪魔・・します」
「先輩っ、そんなかしこまらないで自分の家だと思って下さいって言ってるでしょ?」
「あ、ああ。悪いな・・」
沢村は本当に気を使わせない奴だ。
何でここまで俺に良くしてくれるんだ?
俺は荷物をベッドルームに置いて、何やら忙しそうに動く沢村を見ながら、手持ちぶさたで突っ立っていた。
何か、手伝うか。
っつても俺には何も出来る事はないな。邪魔しない事が一番か・・。
再び沢村のベッドルームへ戻って、何となく部屋をウロつく。
こ綺麗に片づけられた部屋だ。前は酔っていてあまりじっくり部屋なんて見なかった。
寒色系で統一された部屋はセンスが良かった。
色々な文学書が本棚に並んでいる。本を読むのが好きなんだろうか。
花の図鑑もある。結構大きくて本格的だ。
ズッシリとしたそれを手に取ってペラペラとめくってみる。
花の図鑑なんて小学生の時以来見た。
その時ふとページをめくる手が止まった。
タンポポのページだった。綿毛の写真が目に止まった。
ふふ・・ふふふ・・
自然と笑みがこぼれた。
本当、あいつ、コレそっくりだな。
「先輩?何見てるんですか?」
ドアが開いていたのか、音も無く後ろから沢村が部屋に入って来た。
「え?あ、悪い勝手に・・何となく花の図鑑見てて・・え?」
一瞬、勝手に本なんて漁って悪かったかな、と本を戻そうとすると、突然沢村が先輩と後輩というには近すぎる距離まで来た。
頭一つ低い沢村は自然と上目遣いになるように、クリッとした目を見開いて俺をじっと見てきた。
何・・だ?
沢村はふっと手を俺の頬に寄せてきた。
どういう意味だかが全く理解できない俺は固まった。
「先輩、笑ってた」
「え・・あ、ああ。」
「笑えたんですね」
沢村が静かに嬉しそうな笑顔を向けてきた。
何だかその笑顔で心が暖まるようだった。
そうか、俺の事を心配してそれで・・
何だかグッと胸が詰まるようだ。
沢村の手が頬から離れていった。
「ところで一体何を見て笑っていたんです?」
「ん・・コレ」
俺は図鑑のタンポポのページを開いて見せた。
「たんぽぽ?・・何がおかしかったんですか?」
「これがな」
俺は綿毛の写真を指した。
「お前にソックリでつい笑ってたみたいだ」
すると沢村が「えぇー、何ですかソレー」と言って不服そうにほっぺたを膨らました。
その様子が妙に可愛い。
「僕はもっとジャニーズの誰々に似ているとかがいいですっ。というか人間じゃないですし、ソレ」
とか言ってプリプリと図鑑を本棚にしまう。
その時俺の目の下でふわふわ揺れた柔らかそうな髪が、やっぱりタンポポの綿毛みたいで笑顔になった。
俺はついその髪に指を入れてみた。
猫っ毛で柔らかい。癖があってピョンピョンと跳ねる感じが可愛らしい。
俺は無意識にクシャッと沢村の髪を指に絡ませると、沢村はビックリした顔で振り向く。
「な、なんですっ」
「あ、ごめん、やっぱ綿毛みたいで気持ちよさそうだからつい触ってた」
そう言うと急に顔を赤らめて顔を俯かせて黙ってしまった。
ああ、ちょっと慣れ慣れしかったかな。
「悪い」
謝った俺の方にふと急いで上げた沢村の少し困った顔が、妙に色っぽくてドキッとした。
「あ、違うんです。何だか、気持ちよくて・・恥ずかしくなっちゃって・・」
「気持ちいいって・・髪を触られるのがか?」
「はい・・何か、すごく安心するというか、幸せな気持ちになります」
イヤがってた訳じゃなさそうだ。良かった。
「先輩」
「ん?」
「もう少しだけ、触ってもらえますか」
これだけ良くしてくれる沢村にこんな事で喜んで貰えるならいくらでも髪を撫でてやれる。
俺はもう半歩沢村に近づいて肩に手を置く。
そしてもう片手でスッと後頭部から指を入れ込むと、沢村がビクッと反応して俺の胸元に顔を付けてきた。
もしかして、少し感じてるのかな・・。
俺は敢えて何も言わず、続けて髪を指に絡ませてやる。
ぴっとりとくっつく人肌の温もりが心地よかった。
俺はいつのまにか沢村を抱きしめていた。
<<前へ 次へ>>
★「それから」は「すれ違った後に(全10話)」の続編です。
ああ・・淳平(>_<)
沢村と何イイ感じになってるんだ!
ポチして頂くとアタシのエロ暴走が加速します
(只今時速300キロ)500系のぞみを抜けるか!?
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前にも来ていた事があったので、そんなに違和感は無かった。
「お邪魔・・します」
「先輩っ、そんなかしこまらないで自分の家だと思って下さいって言ってるでしょ?」
「あ、ああ。悪いな・・」
沢村は本当に気を使わせない奴だ。
何でここまで俺に良くしてくれるんだ?
俺は荷物をベッドルームに置いて、何やら忙しそうに動く沢村を見ながら、手持ちぶさたで突っ立っていた。
何か、手伝うか。
っつても俺には何も出来る事はないな。邪魔しない事が一番か・・。
再び沢村のベッドルームへ戻って、何となく部屋をウロつく。
こ綺麗に片づけられた部屋だ。前は酔っていてあまりじっくり部屋なんて見なかった。
寒色系で統一された部屋はセンスが良かった。
色々な文学書が本棚に並んでいる。本を読むのが好きなんだろうか。
花の図鑑もある。結構大きくて本格的だ。
ズッシリとしたそれを手に取ってペラペラとめくってみる。
花の図鑑なんて小学生の時以来見た。
その時ふとページをめくる手が止まった。
タンポポのページだった。綿毛の写真が目に止まった。
ふふ・・ふふふ・・
自然と笑みがこぼれた。
本当、あいつ、コレそっくりだな。
「先輩?何見てるんですか?」
ドアが開いていたのか、音も無く後ろから沢村が部屋に入って来た。
「え?あ、悪い勝手に・・何となく花の図鑑見てて・・え?」
一瞬、勝手に本なんて漁って悪かったかな、と本を戻そうとすると、突然沢村が先輩と後輩というには近すぎる距離まで来た。
頭一つ低い沢村は自然と上目遣いになるように、クリッとした目を見開いて俺をじっと見てきた。
何・・だ?
沢村はふっと手を俺の頬に寄せてきた。
どういう意味だかが全く理解できない俺は固まった。
「先輩、笑ってた」
「え・・あ、ああ。」
「笑えたんですね」
沢村が静かに嬉しそうな笑顔を向けてきた。
何だかその笑顔で心が暖まるようだった。
そうか、俺の事を心配してそれで・・
何だかグッと胸が詰まるようだ。
沢村の手が頬から離れていった。
「ところで一体何を見て笑っていたんです?」
「ん・・コレ」
俺は図鑑のタンポポのページを開いて見せた。
「たんぽぽ?・・何がおかしかったんですか?」
「これがな」
俺は綿毛の写真を指した。
「お前にソックリでつい笑ってたみたいだ」
すると沢村が「えぇー、何ですかソレー」と言って不服そうにほっぺたを膨らました。
その様子が妙に可愛い。
「僕はもっとジャニーズの誰々に似ているとかがいいですっ。というか人間じゃないですし、ソレ」
とか言ってプリプリと図鑑を本棚にしまう。
その時俺の目の下でふわふわ揺れた柔らかそうな髪が、やっぱりタンポポの綿毛みたいで笑顔になった。
俺はついその髪に指を入れてみた。
猫っ毛で柔らかい。癖があってピョンピョンと跳ねる感じが可愛らしい。
俺は無意識にクシャッと沢村の髪を指に絡ませると、沢村はビックリした顔で振り向く。
「な、なんですっ」
「あ、ごめん、やっぱ綿毛みたいで気持ちよさそうだからつい触ってた」
そう言うと急に顔を赤らめて顔を俯かせて黙ってしまった。
ああ、ちょっと慣れ慣れしかったかな。
「悪い」
謝った俺の方にふと急いで上げた沢村の少し困った顔が、妙に色っぽくてドキッとした。
「あ、違うんです。何だか、気持ちよくて・・恥ずかしくなっちゃって・・」
「気持ちいいって・・髪を触られるのがか?」
「はい・・何か、すごく安心するというか、幸せな気持ちになります」
イヤがってた訳じゃなさそうだ。良かった。
「先輩」
「ん?」
「もう少しだけ、触ってもらえますか」
これだけ良くしてくれる沢村にこんな事で喜んで貰えるならいくらでも髪を撫でてやれる。
俺はもう半歩沢村に近づいて肩に手を置く。
そしてもう片手でスッと後頭部から指を入れ込むと、沢村がビクッと反応して俺の胸元に顔を付けてきた。
もしかして、少し感じてるのかな・・。
俺は敢えて何も言わず、続けて髪を指に絡ませてやる。
ぴっとりとくっつく人肌の温もりが心地よかった。
俺はいつのまにか沢村を抱きしめていた。
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ああ・・淳平(>_<)
沢村と何イイ感じになってるんだ!
ポチして頂くとアタシのエロ暴走が加速します
(只今時速300キロ)500系のぞみを抜けるか!?
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コメント
> (´ー`*)。・:*:・ポワァァン 何だかほんわかするわぁぁん♪
> たんぽぽ…実は私の某別ジャンルで使ってたHNがたんぽぽでした(爆)
> ただ友達に「たんぽぽちゃん」と呼ばれて恥ずかしかった(爆)それもあり、今度のHNはちゃんと名前っぽいのにしようと思ったwww
そうなの!?イメージぴったりじゃん!!かわええな~本当
ぽぽたんダキ♪゚+.(´・ω・人・ω・`)゚+.ギュッ♪
> 髪の毛もまた性感帯の一つだからねぇ( ̄ー ̄)ニヤリッ
> 猫っ毛の柔らかく、先端がピョンピョン撥ねて、おひさまの匂いでもしてきそうな沢村くんの髪の毛(* ´Д`*)=3 アハァァン
> 淳平くんも思わず懐の中に!!
名言すなw髪の毛も性感帯☆てんてー♪
沢村の武器が何故か髪の毛にww
でも淳平が笑ったのだからなかなか効果がありみたいだがや!
そして懐に何気に沢村を入れた淳平にツッコミを入れたくなるアタシでしたw
弘夢は!?とか・・
> チャットお疲れ様でした♪桔梗ちんとの愛が更に深く確実なものとなった瞬間でした川* ̄д ̄*川ポッ
お疲れ様でしたO(≧▽≦)O
愛を確かめ合ったね・・(。-_-。)ポッ
> やっぱり桔梗ちんのテクには敵わない~~(メロメロvvv
私は澪ちんのてんてー萌えにメロメロぉ~♪w
> また半月後にデートしようねダーリンスリスリ(*^∇゚)(゚∇^*)エヘヘ
> 後ほど諸々連絡あるのでメルします~♪
[空室] コンヤハ・・・イヒヒ( ̄ー ̄(゚ー゚;)タクランデルワァ
もちろんさ、ハニー♪おめかしして逢いにゆくさ!(ビキニ履いて!w←最大のおめかしw)
メル返しました~☆ありがと!!
コメントどうもありがとうございました
たんぽぽ…実は私の某別ジャンルで使ってたHNがたんぽぽでした(爆)
ただ友達に「たんぽぽちゃん」と呼ばれて恥ずかしかった(爆)それもあり、今度のHNはちゃんと名前っぽいのにしようと思ったwww
髪の毛もまた性感帯の一つだからねぇ( ̄ー ̄)ニヤリッ
猫っ毛の柔らかく、先端がピョンピョン撥ねて、おひさまの匂いでもしてきそうな沢村くんの髪の毛(* ´Д`*)=3 アハァァン
淳平くんも思わず懐の中に!!
チャットお疲れ様でした♪桔梗ちんとの愛が更に深く確実なものとなった瞬間でした川* ̄д ̄*川ポッ
やっぱり桔梗ちんのテクには敵わない~~(メロメロvvv
また半月後にデートしようねダーリンスリスリ(*^∇゚)(゚∇^*)エヘヘ
後ほど諸々連絡あるのでメルします~♪
> もう、こっちはこっちでうまくいってもいいじゃん!みたいな・・・・
そうなんですよ~^^;なんだよ~みたいな、ですw
しかし何が起こるか分かりません!むふふ~
> 先ほどはお疲れ様でした。ねられたかな~?
> 私は結局寝てない・・・うつらうつらしたけどね。
> また再来週やるのか~・・・Wききょう!で! 楽しかったね。もう昼間なのにみんな乱れ過ぎてて~(笑)
> なんかみんなでお泊りして夜通し話してたみたいな感じですかね。今の世の中は便利だね~
こちらこそです!お疲れ様でした!!2時間たっぷり寝汗かきましたww全然寝た気がしませんw
Wキキョー・・激しかったです・・´д`)ハァハァ
僕に新たなお兄ちゃんが出来て嬉しかったですw
あんな即興小説合同創作初めてやりましたw楽しかったです!途中チョコチョコ抜けましたが
結局最後はリンクさんと共に堕ちました^^w
本当!オールしてたみたいで楽しかったです!世の中の便利さに感謝です☆
リンクさんはこれから家の事とかでまた動き回るのでしょうか。本当、お疲れ様です(>_<)
またゆっくりお話出来るのを楽しみにしてます!
コメントどうもありがとうございました
> イイ感じ~。
> たんぽぽちゃん。
> 髪を撫でられて感じてるo(>∀<)oカワイッ!
たんぽぽ沢村、略してぽぽたん!(略になってない;)
ぽぽたんはいかにも可愛らしいという感じで弘夢派の強敵に!w
ですが敵にすらなるのでしょうか・・このまま話も進んでしまうのかどうか。
むふふです!
そして頭を撫でられるだけで感じる敏感なぽぽたん。う~ん、弄り甲斐のある^^
> こういう純な子で、傷付いちゃった心が癒えそう!
> それもアリだわぁ~。
ありですか!ぽぽたんの綿毛で癒される淳平の心に今後も注目して
いきたいと思います^^
そして昨晩はチャットでお世話になりましてありがとうございました!!
とても楽しかったです!アドさんともっとゆっくりお話したかったのですが、
また次の機会に是非☆
ありがとうございました!!
コメントどうもありがとうございました
> たんぽぽに似てるって(笑)
> なんか、可愛くていいですね、沢村君。
> いい雰囲気になっちゃってるけど、こっちに転んじゃうんでしょうか?
むふふ(-ω-)・・・
そこはこの先のお楽しみでございますよ!
タンポポw可愛いですよね!だからこそ弘夢派の敵かも!?ww
いい雰囲気になって・・どうするのだーー!
と、ドキドキしながら第三者的視点で傍観中です^^;
昨日はチャットお疲れ様でした!少ししかお話出来なくて残念です(>_<)
またゆっくりとお話出来たらいいなと思います!
お世話になりありがとうございました♪
コメントどうもありがとうございました
先ほどはお疲れ様でした。ねられたかな~?
私は結局寝てない・・・うつらうつらしたけどね。
また再来週やるのか~・・・Wききょう!で! 楽しかったね。もう昼間なのにみんな乱れ過ぎてて~(笑)
なんかみんなでお泊りして夜通し話してたみたいな感じですかね。今の世の中は便利だね~
たんぽぽちゃん。
髪を撫でられて感じてるo(>∀<)oカワイッ!
こういう純な子で、傷付いちゃった心が癒えそう!
それもアリだわぁ~。
なんか、可愛くていいですね、沢村君。
いい雰囲気になっちゃってるけど、こっちに転んじゃうんでしょうか?
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