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3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」5話

☆18禁です

 悠馬はそのまま舌を下げて行き、美海のジーンズを少し下げると勃ち上がったペニスを咥えた。
 綺麗な王子様のような顔をしているわりには、皮も被っていない立派なモノだった。そして思った以上に大きい美海のモノに少し驚いた。
 初めて咥えた美海のペニスはとても熱くて亀頭を強く吸う度にビクン、ビクンと腰から大きく跳ねた。
 悠馬はその反応が嬉しくて夢中で吸っていると、突然頭をガッチリと美海に掴まれて驚く。
「んぐッ……みうっ…んッ」

「ハァハァ…きもちぃ…」
 掴まれた悠馬の頭はグッと強く引き寄せられ、美海の腰が上に上がると、悠馬の喉奥まで美海のペニスが入り込んだ。
「グッ……!」
「あああッ」
 美海は叫び声と共に相当気持ちがいいのか、悠馬の事はお構いなしに腰を動かして来る。
 悠馬は突然の美海の暴れっぷりに対応出来ず、必死に苦しさを逃す様に上手くディープスロートを行う。
 美海は悠馬の黒髪を掻き毟るようにグチャグチャにしながら腰を卑猥に、そしてなめらかに下から上へとうねらせる。
「あああッ……んッ」
 ドクンッと勢いよく質量を増した美海のペニスは二、三秒程悠馬の喉奥にペニスを突き入れて熱い精子を放った。
 ドロッとしたものが喉奥に放たれると、自然とそれを悠馬は嚥下した。

 ペニスに感じる初めての刺激と酔いの勢いも手伝って美海は我を忘れていた。
 口でされていると分かっていても抗えない気持ち良さに勝手に腰を動かし、事もあろうか悠馬の口の中で射精してしまった。
 ふと顔を上げて悠馬を見ると、苦しさからか、少し涙目になってそれでも一生懸命コクコクと精子を飲む悠馬がいた。

 その悠馬の顔は今までのような高飛車で偉そうなものではなく、とても健気な顔に見えてドキリとした。
 慌ててズルリとペニスを悠馬の口から抜き取ってやると、白っぽい糸が引いていやらしい。
 慌てて美海が袖口で悠馬の口元を拭いてやると、悠馬はちょっと嬉しそうに微笑んだ。
 美海はギュッと鳩尾辺りを掴まれたような感覚に陥り、悠馬がどこか愛おしく感じた。
 そして、次の瞬間、美海は悠馬を抱きしめていた。

「美海?」
「ごめん、こんな……。苦しかっただろ?」
「いいよ。美海のだし。気持ち良かったなら、いいよ」
 スッと悠馬が美海の背中に手を回して抱きしめ返した。
「うん。すごい気持ち良かった」
 美海は相当酔っぱらっているのだろう。こんなにも素直に思っていることを口に出したのは初めてだった。
 そして抱きしめ、抱き締められる感触がこんなにも安心できる、気持ちの良いものだという事もやけに実感する。
 そして射精までして力尽きた美海は悠馬に抱かれたまま、瞳が重くなっていった。

「美海?」
 動かなくなった美海をそっと引き離すと、グッタリと寝ている美海がいた。
「え……寝たの!? マジ……?」
 結局振り回されたような、少し距離が近づけたような複雑な気持ちで悠馬は美海をベッドに寝かせた。
 そして悠馬も美海の隣に横になり、寝ている美海の唇に自分の唇を重ねたまま、深い眠りへと落ちた。


 美海は異常な喉の渇きで目を覚ました。まだ朝方だろうか、部屋が薄暗い。
 だが視界に映るぼやけた何かで、頭が一体何を見ているのかが理解できないでいた。そして唇に何か温かいものが触れている事も理解出来なかった。
 だが次の瞬間、それが人だと気付いてガバッと上半身を起こした。

 下を見ると気持ち良さそうに眠る悠馬がいた。相当深い眠りについているのか、ビクともしない。
 美海はそっとベッドから起きて冷蔵庫にある水のペットボトルを取り出して一気に飲み干した。
 喉の渇きを癒して落ち着くと、ゆっくりと部屋を見渡した。

 床には酒の缶が沢山転がっていた。
 そして美海の脳が逆再生を始める。
 昨夜悠馬に唇を奪われた事、蕩けるようなエロい舌の感触、乳首の異常な快感、そして自分の精子を健気に飲む悠馬の可愛い顔。

「ひっ……!」
 美海は頭を抱えてしゃがんだ。

(お、お、俺は一体何ぉおおおッ)

 あの時嬉しそうに微笑んだ悠馬の笑顔が幾度も脳にふっと出てくる。頭を振っても忘れようとしてもどんどん記憶は蘇って来る。
 思い出す度にドキドキと胸が高鳴って仕方がなかった。きっと衝撃的な事だからだと、自分を納得させるが、そっと寝てる悠馬に近づいて顔を見てはまた昨夜の悠馬を思い出す。
 
(あり得ない……。ゲイの仲間入りなんて…あり得ない!)

 そして美海は嘘をつく事にした。



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12:00 | 相部屋のメリットデメリット | comments (9) | trackbacks (0) | edit | page top↑

3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」4話

「だから、一瞬しかキス、してないでしょ?」
 そう言ってまたチュッと唇を付ける。


「それとももう少し長めにしてみる? また違うよ?」
 そう言って美海が承諾する間も無い内に、今度は唇を強く押し付けてきた。
「んっ…んっふ」
美海の唇の感触を味わうように食む悠馬の唇の動きが気持ち良かった。
「美海も動かして……そう。そうやって」

 いつの間にかその感触に酔いしれ、夢中になってキスをしていると、宮古がそれに気付いて目を逸らした。
そして島根は声を上げた。
「あー! ずりィ! 何だよさっきは散々邪魔しといてー! くっそ、宮古先輩、俺たちもしましょうよ!」
 すると宮古はスッと立ち上がり、ドアの方へと足早に向かった。
「ごめん、明日早いから僕もう帰るね。ごちそうさま。おやすみなさい」
「え? え? じゃあ送って行きます! じゃあな、お前ら! ヤるなよ!?」
 慌ただしく消えた二人の姿に蕩けた瞳を少し向けるが、再び悠馬の唇がそれすらも遮っていた。

 唇を擦り合わせるのがこんなに気持ちのいいものだとは思わなかった。
 女の唇もこんなに柔らかいものなのだろうか、そんな事を考えているとスッと悠馬が離れた。
「美海、ディープキス、しようか。恋人のキス」
「恋人の?」
「そう。もっと気持ちいいから。いい?」
 美海は少し考えた。
「どうやるの?」
 その質問に悠馬が薄く笑って舌を出した。

「コレを使うんだよ。俺の舌と美海の舌を舐め合うんだよ」
「え! そんなの…何か…気持ち悪いよ……」
 美海は後ずさりした。
「した事ないのに分かるの?」
「う……」
「舌、出して」
 美海は言われるがままにほんの少しだけ出す。すると悠馬がそれをペロリと舐めてきた。
 その感触にゾクリと身体が粟立つ。
「どう?」
「何か、ヌルヌルしてる」
「ん。じゃあ美海も同じように俺のを舐めてごらん」

 美海は悠馬の動きを真似て舌の先を上下に動かして舌を絡めた。すると、何だか気持ちが妙に高ぶってくる。
 悠馬の舌がどんどん美海の口内へと侵入してきて、いつの間にか唇を塞がれ、口内を激しく蹂躙されていた。
 痺れるような快感の渦に美海の力は完全に抜けきっていた。何もかもどうでもよくなるような気持ちに素直に従って、美海は気持ちの良いように悠馬の舌を貪った。


 悠馬は下半身まで溶けそうな美海の舌の感触に酔いしれていた。

――何だコイツの舌……蕩けそう

 絡めれば絡める程にトロトロと蕩ける美海の舌は初めてとは思えない動きで積極的に悠馬の性感帯をも探ってくる。
「んっふ……んっ…んっ」
 ピチャピチャと厭らしい音に悠馬の本能は刺激された。
 悠馬は絨毯の床の上に美海の頭を打たないように抱えて押し倒し、そのまま激しく互いの舌を絡めあった。
 下になっている美海が薄めを開けて腕を悠馬の頭に絡みつかせた。もっと奥へと誘うように頭を引き寄せられて、悠馬の心臓は一際大きく跳ねあがった。
「ゆ…ま、もっと…んっ」

(ヤバい……マジでコイツ、可愛い)

 悠馬は方手で美海の両手を纏め上げると、美海のシャツのボタンを素早く外して胸元を曝け出した。
 立ち上がった美海のピンク色のいやらしい乳首に吸いついて舌先で突いてやる。
「あっ…あっ…そんな所っ」
 案の定感度の良い身体は素直に反応して、美海は想像以上にいやらしい声を出した。
 その声と反応に悠馬の興奮は最大値にまで跳ね上がる。
「感じてるんだろ? 開発もしてないのに、感じるんだね美海は。このエロい身体、最高だよ」
「やっ……乳首、やめっ…ああっ」
 キュッと両方の乳首を摘ままれて、美海の上半身がしなった。



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12:00 | 相部屋のメリットデメリット | comments (6) | trackbacks (0) | edit | page top↑

3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」3話

 美海は夕方溜息を一つついてから自分の部屋のドアを開いた。
「おかえりー美海―っ」
 中から早速軽い色男が出てきて抱きつこうとしてきた。美海は鞄でそれを阻止して机に鞄を置く。
 すると悠馬が嬉しそうに後ろから話し掛けて来た。
「美海さ、今日ちょっと一緒に飲まない? 後から二年の宮古先輩と隣の部屋の島根が来るから取り敢えず四人でさ! ね?」
「まぁ……四人なら…」
 複数ならまだいいだろうと気乗りしない返事をしたが、悠馬は表情を明るくすると嬉しそうに携帯でメールを打って島根という奴に酒を大量に買わせる様に命じていた。

「お前、自分で行かないの?」
 ついツッコミを入れると、悠馬は打ち終わった携帯をパタリと閉じて企むような笑みを浮かべた。
「んー…だって今日は二人っきりの時間もうないし……ね?」
「はぁ? 何言ってんだお前! ちょっ」
 悠馬が後ろから腕ごと抱きしめてくる。

(マズイ! このままだと俺も違う世界に引きずり込まれる!)

「離せ、この変態ッ」
「いいじゃん、キスぐらいしようぜ」
 甘く低い悠馬の艶っぽい声が耳元に響く。ゾクッと背中が粟立って絡まれた腕を振りほどこうともがく。
 だが顎を強く掴まれてグイと後ろに向けられて万事休すになる。
「やっ……!」
 その時だった。
 トントンとノック音が響いて二人の動きが止まった。
「チッ」
 舌打ちをしてガッカリした様子で悠馬がドアへ向かうと、既に宮古と島根が酒を持って来ていた。
「実はもう買いに行ってたんだー。お邪魔しまーす」
 調子の良い声でスタスタと入って来た島根が美海を見て表情を明るくした。
 続いて入って来たのは小柄な美少年といった風貌の宮古は、悠馬を見ると頬を赤く染めた。
「お邪魔します…悠馬くん。あ、こんにちは。美海くん」

(あ、宮古先輩って、この間悠馬とここでヤってた人だったのか…)

「こ、こんにちは」
 美海はあの時の宮古の声を思い出して気まずそうに目を逸らして挨拶をした。

 四人は地べたに座ってお菓子やつまみを大量に広げながらビールを少しずつ飲んでいった。
 美海は島根とは顔見知り程度だったが、宮古とは殆ど口をきいたことがなかった。
 向かい側で宮古と悠馬が仲睦まじく座り、島根は美海の隣を陣取って少なくなった美海のグラスに酒を注いだりお菓子の袋を開けてやったり、皆の興味のありそうな話題を振ったりと雰囲気を和ませていた。

 皆もだんだんと酒の量が増えるにつれ饒舌になり、美海もすっかり気持ち良くほろ酔い気分になった。
 相変わらず可愛い宮古は酔っぱらって顔を赤らめながら時折悠馬の肩に頭を乗せるなどして大胆な事をしていた。
 そして気の大きくなった美海はつい核心に触れる質問をしてしまった。
「あの……聞きたいんだけど、男同士で、一体何がいいんですか?」
 その質問に一同の顔に不敵な笑みが浮かんだ。
「別に相手が男だってだけで好きな気持ちは変わらないよ、美海ちゃん」
 島根が優しく耳元で説明すると、その吐息が耳に当たって何だかゾクッとした。

「ん……」
 思わず顔を背けると、その態度と声に反応した悠馬と島根が鼻息を荒くした。
「ねぇ、美海ちゃんは男とキスとかした事ないの?」
 島根がわざと美海の耳に息を吹きかける様に話しかけてくる。ゾクゾクと鳥肌が立って、美海は自分の両腕を掴んだ。
「ないよ。したいと思わないし」
「した事ないのに、どうしてそう言い切れる訳? ねぇ、この際してみない?」
 肩を抱かれた美海は潤んだ瞳を伏せながら、恥ずかしそうに告白した。
「や……だよ。だって、キス、まだした事ないもん……」

 その言葉で島根の目つきが変わった。
「美海ちゃん、男同士はファーストキスとかに入らないから! 初めて女の子とするのに初めてですって恥ずかしいだろ? じゃあ今練習しておこうよ! ね?」
 グイっと無理矢理親指で唇を開けられて島根の座った目が近づくのが見えた。
「やっ……やっ」
 美海は嫌がるがろれつも回らず抵抗する力も上手く入らない。島根の吐息が唇に当たった時、悠馬が島根の肩を掴んだ。
「おい、嫌がってるじゃねぇか。止めとけって。酔いが冷めた後こいつに殴られるぞ? 席代われ」
「んだよ、今良い所なのによぉ」
 美海には二人のやりとりが遠くに聞こえる。
 美海は二人のやりとりを無視して、トロンとした目でふと視線を前に向けると、寂しそうに悠馬を見る宮古の顔があった。

(宮古先輩、もしかして本当に悠馬の事好きなのかなぁ)

 ふとそんな事を思っていると宮古と目があった。すると、寂しげに笑みを向けられて何だか居心地が悪くなった。
 言葉数が少ないけど、宮古がとても良い人だと言う事が分かった。そしてきっと悠馬に好意を抱いている事も。

 そんな事を考えていると、美海は急に肩を抱かれ、その感触に覚えがある事に気付いて横を見ると悠馬がいた。 そして敗戦した島根は宮古の隣に行き、今度は宮古を口説きにかかった。
「やっと隣に座れた」
 内緒話をされるように囁かれて、美海は鳩尾がキュッと締まる感覚になる。
「…み…っ」
「ん? 何? 美海」
 小さな美海の声を優しい眼で聞き返す悠馬に、美海の鼓動は奇しくも速まる。
「耳は……やだっ」
 もう一度伝えた美海の言葉に、悪魔の微笑を返された。

「色っぽいね、美海…キス、したいんだけど。だめ?」
 スッと人差し指で唇を触られると、悠馬の体温が唇に伝わった。頭の中がジンとする。
 悠馬の誘う眼は本当に色っぽくて、見ていると男だとか女だとか以前に蕩けそうになる。
 どんなキスなんだろうか。キスはどんな感じなのだろうか。酔いも手伝って思考回路が本能の扉の鍵を開けて行く。
 宮古たちも口説きに必死で、まだそんなにこちらに注意を向けていない。

「一瞬だから。ちょっとここに触れるだけ。それならいいだろ?」
「一瞬?」
「そう、一瞬」
 一瞬だけなら、その言葉はとても薄い境界線のように感じた美海はコクンっと頷いてしまった。
 すると、悠馬が美海の唇を少し見つめて自分の唇を少し押しつけて、すぐに離した。
 初めて触れた人の唇は信じられない程柔らかかった。

「どう? ファーストキス」
「すごい……柔らかい…」
「じゃあもう一瞬」
「あっ」
 チュッ、チュッ、っと繰り返し唇を付けられる度に力が削ぎ取られていくようだった。
「一瞬だけだって言ったっ」
 顔を赤くして美海が反抗すると、悠馬は意地悪そうに口角を上げて言った。
「だから、一瞬しかキス、してないでしょ?」
 そう言って悠馬はまたチュッと唇を一瞬だけ付けた。



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ついにファーストキスを奪ったー!
一瞬って、詐欺ダー(笑)

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3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」2話

「全く冗談じゃねぇ! 真! 何であんなホモ野郎と部屋交換したんだよ!?」
 大学の食堂で悠馬に無理矢理部屋を代わられたという真と一緒に昼食を取りながら、美海は怒りをぶつけていた。
 か細くて、ちょっとつつけばポキリと折れてしまうのではないかと思う程の、小枝のような少年の真は、その可愛い子ヒツジのような目を潤ませた。
「ご、ごめんね、美海くん……ごめんね?」
 まるで弱いモノ苛めでもしている気分になった美海は怒りを収めて、紙パックのミルクティーを飲みほした。
「いいよ、もう。たださぁ、あいつの男癖、どうにかなんないのかなぁ。寝られないよ」
 子ヒツジの真が驚いて美海を見た。
「そ、そんなに凄いの!?」
「ん? あぁ。凄ぇよ。男同士でヤってんだぜ? マジでありえなくね? 一体どこに入れる場所があるんだよって聞いたらケツだって……。マジであり得ない。いくら穴場でも」
 美海の独り言にウケた真が楽しそうにケタケタと笑うが、少しすると何だか頬を染めて呟いた。
「でも、羨ましいな。僕もその……ゲイだから……」

――女子大と交換留学、考えようかな。


 美海はかける言葉も見つからずに、小学校で叩きこまれた紙パックを畳む儀式を無意識に行っていた。

 美海は地方から出て来て大学へ通っていた為、大学の寮に住んでいた。大体が二人一組の相部屋だ。
 どういう訳か、この大学、特に寮にはゲイが多い気がした。聞くところによると、今流行っている腐男子というものがゲイの目覚めと抵抗を薄くしているようだ。
 美海は健全なノーマル男子の田舎から出てきた男だった。勿論BLなどという言葉も知らなかった。
 だから最初は相部屋の相手の真が感じの良い子で良かったと思っていると、次の日には危険な香りのイケメンが相方になっていて、困惑しているうちに急に馴れ馴れしくされて驚いた。
 
「悪いね。今日から部屋の相手、俺になったから。よろしくね」
「あ、ああ。よろしく」
 挨拶までは普通だった。
「君さ、美海くんでしょ? 綺麗だよね? 出身どこ?」
 怒涛の質問の答えを探しているうちに悠馬が美海のベッドに座り、その距離が異常に近い事に気付いた美海は焦った。
「ちょっ、ちょっと近いですって、顔」
「うん。だってキスしようとしてるから……ダメ?」
「は? ダメですよね? 普通……」
 美海と悠馬は顔を五センチ程空けた距離で話した。この時、近くで見れば見る程整った顔のパーツがはっきりと見えて、寧ろ関心したのを美海は覚えている。
「ん―、いいじゃん!」
 一々口説くのが面倒になったのか、グッと抱き寄せて唇を奪おうとしてきた悠馬を美海は必死で拒絶した。
 男相手なら面倒な部分を省いても構わないと思っているらしい。

「わーッ! 何すんだよ、この変態! やめっ……やめろーッ」
 こうして戦いの日々の幕開けは始まった。一瞬掠ったような上唇の感覚は今でも思い出すのを封印している。
 そしてふわりと香ったタバコの香りがやけに大人っぽい香りでドキリとした事も、封印していた。
 美海には分かっていた。悠馬は見た目の良い奴を片っ端から喰っていくような奴だ。
 先ずは男同士の行為をわざと見せつけて慣れさせて抵抗力を弱めるつもりなのだろう。

(逆効果だっつーの)

 美海には男同士で何か楽しいのかが理解出来なかった。ましてや肛門を女性器に見立てて男性同士で性行為を行う虚しさと無理矢理感しかない。
 あんな所に入れられて気持ちがイイ筈がない、そう思っていた。

「悠馬!」
 呼ばれた方へ顔を向けた悠馬はそれが友人だと判断すると、顔を綻ばせた。
「よぉ。レポートやったか?」
「やったけど、超適当。お前、寝むそうだなぁ。昨日誰喰ったの? 今一緒の奴?」
「いんや、それはまだ。あの子、なかなかの暴れ馬ちゃんでね」
「へぇ。お前でも落せない奴いたんだ? あのめっちゃ綺麗な子だよな?」
「そうそう。一緒に寝てるだけで拷問だよ。お前、手出すなよ?」
「えー、ずりーよ。お前ばっか」
 理工学部の悠馬たちは殆ど男しかいないゲイ天国と化していた。悠馬たちのような会話が廊下でされるのも日常茶飯事だ。

 悠馬がこの学校に入学して寮に入り、好き放題していた頃に美海はやって来た。
 少し遅れて寮に入って来る奴があまりに綺麗だと聞いて顔だけ見に行く事にした。
 普段から散々モテている為、可愛い子は片っ端から喰って来た悠馬に、今更可愛いと思わせる程の相手はそういない。
 期待せずに取り敢えず顔だけ確かめに行った悠馬は一瞬息をするのを忘れた。
 例えば、アマチュアで優勝した作品を見て来て初めてプロの芸術的な作品を目にしたような、そんな衝撃だった。
 
 サラサラと煌めくようなストレートの髪は丁度いいアッシュブラウンで、滑らかな陶器のような白い肌と、すらりとした長い手足、肉付きのいいお尻につい目が行った。
 廊下を歩いて来る美海の顔はどこかの異世界の王子なんじゃないかと思う程だった。美海を見た瞬間、胸が震えた。
 絶対に抱きたい、そう決心したのだった。
 早速部屋を美海と一緒にし、ある程度雰囲気らしきものを作って迫ってみたが、こっぴどく拒否をされた。
 美海は正真正銘のノーマルな男だったようで、落すには少し時間と手間が掛るが、それだけの価値はあると、地道に行く事にした。
 だが、一切手を触れさせて貰えない悠馬の欲望は抑えきれず、相変わらず男遊びは絶えなかった。
 ただでさえ性欲が強い悠馬に我慢は出来なかった。
 わざと見せつけてヤキモチの一つでもしてはくれないかと淡い期待も掛けてみるがどうやら効果は今のところないらしい。
 先ずは男相手でも抵抗を感じさせなくさせるのが第一関門のようだ。



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女癖ならぬ男癖(笑)
散々な言われようです、悠馬。( -з) フン ←あ、いじけた…

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3万Hitキリリク「相部屋のメリットデメリット」1話

 坂下美海(さかしたみうみ)大学一年はイラついていた。
 布団を被り、耳を塞いでいても微かに聞こえる甘ったるい少年のような艶っぽい声が聞こえる度に神経を逆撫でされるような感覚になった。

(早く終われよッ……つか、何でここでヤんだよ!?)

 耳を塞いでから約30分は経過しているだろうか。いい加減もう寝かせて欲しいと思いながら気を遣って寝ている振りをしているのであまり寝ぞうも変えられない。
「あっ……あんっ」
「静かにしないと美海が起きるぞ?」
「ごめ……んっ……んふっ、ユウマくっんっ」
 ピチャピチャといかにも厭らしい舌の絡まる音が響く。
 男同士だと分かっていても変な気持ちになる美海の下半身は反応してしまう。
 健全な欲求不満男児だから仕方のない事だと美海は取り敢えず自分を許す。

 美海のベッドを挟んで向かい側にいるのは、同じルームメイトの相良悠馬(さがらゆうま)、同じ大学一年生だ。
 そして、悠馬のベッドで悠馬の下になっているのはどこぞの大学二年の人だ。

「あっあっ、悠馬くんっ! イっちゃうっ! イっちゃうぅぅっ」
「いいぜ、先輩。イけよ」
「あああんんんっ」
 ギシギシと不規則なベッドの軋む音がして暫くしてからガサガサと帰り支度をする二年だか三年だかの人の気配がしてドアが閉まる音を確認して、美海は布団から顔を出した。
「あ、起こした? 悪ィ」
 何の悪びれもない顔で謝る少し長めの黒髪が艶っぽい悠馬が上半身裸で下は黒のスウェットの出で立ちで美海に悪魔の微笑を向けた。
 それを見た美海はイラッと来て声を荒げる。

「あのなぁ! 聞こえるんだよ! 何もかも! 耳塞いでても布団被っても! ヤるなら他でしてくれよ! 明日早いし、冗談じゃねぇよ!」
 悠馬は怒る美海のベッドにゆっくりと腰を下ろした。上から見下ろされて思わず見惚れてしまいそうになる美海はサッと視線を逸らした。
 悠馬は男でさえも見つめられるとつい惹き込まれそうになる魅惑的な面持ちをしている。美しい悪魔の化身、と言った方がしっくりくるような、そんな妖艶さがあった。
「声、聞こえて興奮した? 美海……」
 悠馬が美海の身体を挟むように両手を付いて上から覗いて来る。
「ふざけんな! 男同士で何が楽しいんだよ! 気持ち悪りィ」
 美海は下から身動きの取れない体勢のまま悠馬の微笑みを睨みつけた。
「した事もないのにそう言うなよ。俺としてみない? 元々俺はお前としたくて部屋無理矢理に真と変えて貰ったんだけど……」
 美海のイラつきは頂点に達した。
「ウザい。キモい。あっちへ行け。」

 その言葉に悲しそうに溜息をついた悠馬は渋々自分のベッドへと戻って行った。
「そんな可愛い顔してキツイ事言うなよなぁ……傷つくよ……」
 ボソボソと文句を言いながらベッドへ入る悠馬の姿を見ながら、美海はとどめを刺す。
「黙れ変態。もう俺に近づくな」
「……おやすみ」
 悠馬は小さな声で挨拶をした。


 朝起きると何だか温かい布団が気持ち良くて、美海はぬくぬくとその幸せな温もりに縋り着いた。
 ガッシリとした抱き枕に抱かれて安心感と幸福感に満たされた朝だった。

――抱き枕に……抱かれて……?

 ハッと目を開けると、美しい悪魔の化身が自分をしっかりと抱きしめている事に気付いて、美海は雄叫びを上げた。
「どああああああッ」
 その声に寝ぼけ眼で起きた悠馬は更に力を加えてしっかりと抱きしめて身体を密着してきた。
「んん…おはよ、美海……朝のキス……」
 悠馬が耳元に唇を寄せてくる。
「やめろぉぉぉおおッ……あ、当たってる! 何か硬いモノが……当たってるーッ」
 朝勃ちした悠馬の巨大なモノから逃れようと必死にもがいてやっとベッドから降りた美海は、息切れをしながら枕を手にして思い切り悠馬の顔面に叩きつけてサッサと大学へ向かう準備をした。



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丁度3万を踏んで下さったMeさま(秘コメでしたので頭文字で失礼致します!
他のMさまもいらっしゃるので二つ目まで書かせて頂きました☆)より、
大学とかのルームシェアとかはどうでしょうか?というリクを頂き、そのアイディアで
好きなように書かせて頂いちゃいました!!
何気に長くなりそうですが…いいですか??^^;
なるべくお昼の12時をめあすに上げようと思います。毎日とはいかないかもしれませんが、すみません!

Meさま、毎日拙宅を覗きにいらして下さってありがとうございます!!
そして今回、素敵なアイディアを下さって更にありがとうございました!!

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