05/17/2010(Mon)
それから11話
木戸が弘夢を初めて見かけたのは弘夢が中学生の時だった。弘夢たちが修学旅行で行動していた時に、大学生だった木戸もその場所に偶然居合わせていた。
「何だあのうるさい団体は」
「はい。丁度修学旅行生と鉢合わせてしまったようで。」
「チッ、うっとうしい。」
既に大学にいながら幾つか経営にも手を出していた木戸は仕事でよく各地にも出向いていた。
「淳平、これ美味しいよ!」
「ん!本当だ、美味い!」
弘夢を見かけたのは本当に偶然だった。まだほんの子供で、それを恋だの一目惚れだのと言ってしまうには常識を逸脱してしまうくらい、人には言えない感情が木戸に流れ込んできたのだ。
「なぁ、弘夢!」
(ヒロム・・・)
木戸の目は弘夢から離せないでいた。
弘夢の淳平と呼ばれる子に向ける視線があまりにも熱く、官能的で魅力的に見えていたからだ。
(あれが、中学生のする目か?)
淳平の方も弘夢が見ていたい時に同じようなネットリとした視線を頭の先からつま先の細部に至るまで纏わり付かせていた。
(何なんだよ・・あいつら・・)
「おい、あの二人調べろ」
「は?」
「あの二人だよ!」
「は、はいッ」
その時から二人の動向。写真、すれ違い、全て把握していた。
最初は木戸自身、あんな表情をする二人をただの興味本位として調べていただけに過ぎなかったと思っていた。お互いにあんな目を密かに向けていながら気付かずにバカだとさえ笑って見ていた。
だが、隠し撮った弘夢の写真を見ているうちにその笑顔を眺める時間が増えていった。中でもやはり、中学時代の淳平と話して笑っている笑顔は一番長く見つめている事が多かった。
木戸は素直に可愛いと思った。だが、笑顔の写真を見つめているだけで胸が苦しくなっていくのに違和感と不安感を覚えた。
(まさか・・な)
そんな生活を続けていたが、淳平が結婚し、弘夢がどんどん自虐的に陥っていく様は木戸の心をイラつかせた。笹島に捕まってからの弘夢にはさすがに耐え難く、笹島自身にはそれ以上の殺意すら覚えた。
初めて会話をして、ずっと触れてみたかった“ヒロム”の唇に触れた途端、身体に電気が走ったように感じた。
自分のものにしたい。あの笑顔を自分だけのものにしたい。
歪んだ独占欲は笹島のものとは形は違えど同じ純粋な恋心から来ている事に、双方気付かないで脱線して行ったのだった。
<<前へ 次へ>>
★「それから」は「すれ違った後に(全10話)」の続編です。
*17~20日の間また出張なので帰ってきたらコメントの返信など
させて頂きますm(_)m すみません!
記事は予約投稿でUPさせていきます。
ちょっと短めインターバル。
木戸っち、実はあの運命の中学の修学旅行中に
二人を見ていたんですね~。
弘夢はそんな事はもちろん知りません。
いつもポチありがとうございます!!
とても励みになってますO(≧∀≦)O
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「何だあのうるさい団体は」
「はい。丁度修学旅行生と鉢合わせてしまったようで。」
「チッ、うっとうしい。」
既に大学にいながら幾つか経営にも手を出していた木戸は仕事でよく各地にも出向いていた。
「淳平、これ美味しいよ!」
「ん!本当だ、美味い!」
弘夢を見かけたのは本当に偶然だった。まだほんの子供で、それを恋だの一目惚れだのと言ってしまうには常識を逸脱してしまうくらい、人には言えない感情が木戸に流れ込んできたのだ。
「なぁ、弘夢!」
(ヒロム・・・)
木戸の目は弘夢から離せないでいた。
弘夢の淳平と呼ばれる子に向ける視線があまりにも熱く、官能的で魅力的に見えていたからだ。
(あれが、中学生のする目か?)
淳平の方も弘夢が見ていたい時に同じようなネットリとした視線を頭の先からつま先の細部に至るまで纏わり付かせていた。
(何なんだよ・・あいつら・・)
「おい、あの二人調べろ」
「は?」
「あの二人だよ!」
「は、はいッ」
その時から二人の動向。写真、すれ違い、全て把握していた。
最初は木戸自身、あんな表情をする二人をただの興味本位として調べていただけに過ぎなかったと思っていた。お互いにあんな目を密かに向けていながら気付かずにバカだとさえ笑って見ていた。
だが、隠し撮った弘夢の写真を見ているうちにその笑顔を眺める時間が増えていった。中でもやはり、中学時代の淳平と話して笑っている笑顔は一番長く見つめている事が多かった。
木戸は素直に可愛いと思った。だが、笑顔の写真を見つめているだけで胸が苦しくなっていくのに違和感と不安感を覚えた。
(まさか・・な)
そんな生活を続けていたが、淳平が結婚し、弘夢がどんどん自虐的に陥っていく様は木戸の心をイラつかせた。笹島に捕まってからの弘夢にはさすがに耐え難く、笹島自身にはそれ以上の殺意すら覚えた。
初めて会話をして、ずっと触れてみたかった“ヒロム”の唇に触れた途端、身体に電気が走ったように感じた。
自分のものにしたい。あの笑顔を自分だけのものにしたい。
歪んだ独占欲は笹島のものとは形は違えど同じ純粋な恋心から来ている事に、双方気付かないで脱線して行ったのだった。
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★「それから」は「すれ違った後に(全10話)」の続編です。
*17~20日の間また出張なので帰ってきたらコメントの返信など
させて頂きますm(_)m すみません!
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ちょっと短めインターバル。
木戸っち、実はあの運命の中学の修学旅行中に
二人を見ていたんですね~。
弘夢はそんな事はもちろん知りません。
いつもポチありがとうございます!!
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コメント
> ごめんなさい・涙
> 通わせていただきますッ
そんな!あの頃は色々と大変でお忙しかったじゃないですか(笑)
全然大したもんじゃないので(-"-;A ...アセアセ
通うだなんてご無理なさらないで下さいねー(>ω<)!
> いいよね~
> エロは濃いし多いし・・・・
あぅあぅ(//∀//)←褒められて言葉が壊れ中
> そして木戸くん、随分待ったねッ!
> てことは、今日の弘夢っちのお相手も、言わずもがななんだね・・・・
> ああ、嫉妬心最高・・・・・(人´∀`)♪
嫉妬心、最高ですよね(//∀//)
えへへ~今日のお相手は~♪
コメントどうもありがとうございました
ごめんなさい・涙
通わせていただきますッ
いいよね~
エロは濃いし多いし・・・・
そして木戸くん、随分待ったねッ!
てことは、今日の弘夢っちのお相手も、言わずもがななんだね・・・・
ああ、嫉妬心最高・・・・・(人´∀`)♪
お返事遅れましてすみません!
ただいま戻りました^^
> 見染めたのは中学生の修学旅行!!
> 執念を感じますね~。
はい!意外と因縁があったようです(-ω-)
まさか木戸がこんな時期から自分を見ていたなんて弘夢は夢にも思っていないでしょうねw
ちと怖い感じですかね^^;それとも結構ロマンチック・・でもないですね、今あんな事してますし・・www
> お出かけ行ってらっしゃーい!
> 結構長い不在なのですね。
> お帰りをお待ちしております!!
うぁ~い!アドさまに帰りを待って頂けるなんて、幸せです
無事戻りました((≧∀≦))+* そして帰ってすぐお茶漬け食べました!!
何かお茶漬けに飢えてたようですwww
コメントどうもありがとうございました
執念を感じますね~。
お出かけ行ってらっしゃーい!
結構長い不在なのですね。
お帰りをお待ちしております!!
コメント