07/12/2010(Mon)
それから35話
「先輩、僕、先輩が好きです」
優しくてふわふわしていて、暖かい日だまりのような青年は意志の強そうな瞳が真っ直ぐ淳平を見つめる。
「はっ・・お前何言っ・・」
ふわりと沢村が淳平の頭を抱えるように抱きしめた。
「大丈夫。僕と居れば、きっと楽になれますから」
淳平はその心地よい魔法の言葉のような、麻薬のような妖しい響きの言葉にグラリと上半身が傾いて、一回り小さな沢村の肩に身を委ねた。
帰りの車は沢村が淳平の代わりに運転をした。
沢村が淳平を好きだと言って来たが、その事について何かを考えたり、どうこうしたりという事は出来る状態ではなかった。
ただ、その事実を知る事しかできないと言うと、「沢村はそれでもいい」と少し寂しそうだが、満足そうに微笑んだ。
発作の起きた淳平の身体に、沢村の言葉が鎮静剤のような効果を発揮したようだった。
あのまま一人であの場所に居たらどうなっていただろうか。
その日から沢村は以前にも増して甲斐甲斐しく淳平の世話をするようになった。
淳平がいつものようにソファに寝転がり、タバコをふかしてボーっとしていると、風呂上がりの沢村が近づいてきた。
「先輩、いつもソファじゃ身体痛いでしょう」
「ん、いや別に。」
淳平はいつも寝る時はリビングにあるソファで寝ていた。寝室にあるセミダブルベッドは沢村が一人で寝ている。
「先輩、たまにはベッド使って下さい。俺、今日こっちで寝ますから」
沢村が手が隠れる位の少し大きめで薄いグレーの寝巻を揺らしながら淳平の腕を引っ張る。
「いや、俺は本当にいいから、お前あっちで寝ろ」
「そんな事言わずに!」
沢村が力を入れて淳平の腕を引っ張って立たせようとするが、体格のいい淳平は全く動かない。
沢村が意地になって力を込めると、下の絨毯が滑って沢村の体制が崩れた。
「あっ!!」
「あぶねッ」
ガッシリとした腕に支えられ、淳平の厚い胸板が白いTシャツ越しから感じられて、沢村の顔が赤くなる。
「あ・・すみません」
「ったく何やってんだよ、お前。もういいから寝ろよ」
ぶっきらぼうに呆れた目を向けられても、その淳平の男前の顔立ちがいっそう魅力的に映るだけだった。
「じゃあ・・せめて、今夜は一緒に寝て貰えませんか」
「あ?」
「だ・・めですか」
淳平は何となく抵抗感があったが、それが何に対してなのかも理解する力もなかった。
「イヤ・・ですか」
「嫌じゃねぇよ。」
沢村はタンポポが太陽の光を受けて花開いたような笑顔を向けた。
その笑顔を見ると、淳平はほんの少し、嬉しい気持ちになった。
初めて沢村と一緒に寝るセミダブルは意外と広く感じた。今までソファで寝ていたからそう感じたのだろうか。
人と隣り合わせで寝るのは久し振りな気がする。
淳平が沢村の方を向いてウトウトとしていると、胸元に沢村が寄り添ってきた。
「なんだ」
「好きだから、こうしたくて・・ダメ?」
そう言って暗がりで見える沢村の上目遣いが妙に色っぽく見えた。
「別に、いいけど」
沢村は嬉しそうにピトッとくっついてきた。
だんだんと沢村の手が淳平の背中に回り、首もとの唇を寄せてきた。
「・・・」
何も考えたくなく、淳平は黙ってその気持ちいい感触を味わっていた。
「はぁ・・先輩、すごい良い身体してます。」
そう言えば弘夢も淳平の身体が好きだと言っていた事を思い出す。
淳平は首筋や頬に感じる柔らかな唇の感触で、暗闇の中に弘夢の残像を浮かべていた。
淳平は沢村の薄い寝巻のズボンの中に両手を突っ込むと、下着の中まで手を入れ込んで沢村の尻を掴んだ。
「あっ・・ん!せんぱ・・い?・・」
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優しくてふわふわしていて、暖かい日だまりのような青年は意志の強そうな瞳が真っ直ぐ淳平を見つめる。
「はっ・・お前何言っ・・」
ふわりと沢村が淳平の頭を抱えるように抱きしめた。
「大丈夫。僕と居れば、きっと楽になれますから」
淳平はその心地よい魔法の言葉のような、麻薬のような妖しい響きの言葉にグラリと上半身が傾いて、一回り小さな沢村の肩に身を委ねた。
帰りの車は沢村が淳平の代わりに運転をした。
沢村が淳平を好きだと言って来たが、その事について何かを考えたり、どうこうしたりという事は出来る状態ではなかった。
ただ、その事実を知る事しかできないと言うと、「沢村はそれでもいい」と少し寂しそうだが、満足そうに微笑んだ。
発作の起きた淳平の身体に、沢村の言葉が鎮静剤のような効果を発揮したようだった。
あのまま一人であの場所に居たらどうなっていただろうか。
その日から沢村は以前にも増して甲斐甲斐しく淳平の世話をするようになった。
淳平がいつものようにソファに寝転がり、タバコをふかしてボーっとしていると、風呂上がりの沢村が近づいてきた。
「先輩、いつもソファじゃ身体痛いでしょう」
「ん、いや別に。」
淳平はいつも寝る時はリビングにあるソファで寝ていた。寝室にあるセミダブルベッドは沢村が一人で寝ている。
「先輩、たまにはベッド使って下さい。俺、今日こっちで寝ますから」
沢村が手が隠れる位の少し大きめで薄いグレーの寝巻を揺らしながら淳平の腕を引っ張る。
「いや、俺は本当にいいから、お前あっちで寝ろ」
「そんな事言わずに!」
沢村が力を入れて淳平の腕を引っ張って立たせようとするが、体格のいい淳平は全く動かない。
沢村が意地になって力を込めると、下の絨毯が滑って沢村の体制が崩れた。
「あっ!!」
「あぶねッ」
ガッシリとした腕に支えられ、淳平の厚い胸板が白いTシャツ越しから感じられて、沢村の顔が赤くなる。
「あ・・すみません」
「ったく何やってんだよ、お前。もういいから寝ろよ」
ぶっきらぼうに呆れた目を向けられても、その淳平の男前の顔立ちがいっそう魅力的に映るだけだった。
「じゃあ・・せめて、今夜は一緒に寝て貰えませんか」
「あ?」
「だ・・めですか」
淳平は何となく抵抗感があったが、それが何に対してなのかも理解する力もなかった。
「イヤ・・ですか」
「嫌じゃねぇよ。」
沢村はタンポポが太陽の光を受けて花開いたような笑顔を向けた。
その笑顔を見ると、淳平はほんの少し、嬉しい気持ちになった。
初めて沢村と一緒に寝るセミダブルは意外と広く感じた。今までソファで寝ていたからそう感じたのだろうか。
人と隣り合わせで寝るのは久し振りな気がする。
淳平が沢村の方を向いてウトウトとしていると、胸元に沢村が寄り添ってきた。
「なんだ」
「好きだから、こうしたくて・・ダメ?」
そう言って暗がりで見える沢村の上目遣いが妙に色っぽく見えた。
「別に、いいけど」
沢村は嬉しそうにピトッとくっついてきた。
だんだんと沢村の手が淳平の背中に回り、首もとの唇を寄せてきた。
「・・・」
何も考えたくなく、淳平は黙ってその気持ちいい感触を味わっていた。
「はぁ・・先輩、すごい良い身体してます。」
そう言えば弘夢も淳平の身体が好きだと言っていた事を思い出す。
淳平は首筋や頬に感じる柔らかな唇の感触で、暗闇の中に弘夢の残像を浮かべていた。
淳平は沢村の薄い寝巻のズボンの中に両手を突っ込むと、下着の中まで手を入れ込んで沢村の尻を掴んだ。
「あっ・・ん!せんぱ・・い?・・」
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コメント
どうもありがとうございましたー!!
無事に届いた模様で何よりでした!お手数お掛け致しました!
うふふ♪嬉しいです♪
再度のチャレンジ、本当にありがとうございました
早速ありがとうございます!!
ですが・・どちらに記載されておりますでしょうか??(-"-;A ...アセアセ
すみません、機械音痴でして、てっきりコメ欄に記載されているものだと思って
いたのですが、この電子メールというやつにあるやつでしょうか?
あぁ・・使えなくてすみません!
一応それにもメルしてみたんですが、届きましたでしょうか。
サイズ、ありがとうございましたwメモしましたので♪
コメントどうもありがとうございました
> とうとう、たんぽぽに堕ちたの?淳平!え?堕ちてないの?
うふふ。堕ちたと見せかけて堕ちてはないです^^
弘夢の残像に堕ちて、ぽぽたんの身体に堕ちた・・という感じでしょうか。
> ついついお手手が勝手に動きはじめて・・・
> 弘夢の代わりでも、担保ちゃんはいいと思ってます。さてどうするのかな?この先!
オテテが本能のまま動くのは、淳平くん得意ですしねww
おおっ!リンクさん、ぽぽたんお気に入りですよね^^嬉しいです!
この先、淳平~どうするんだ~!?
コメントどうもありがとうございました
ついついお手手が勝手に動きはじめて・・・
弘夢の代わりでも、担保ちゃんはいいと思ってます。さてどうするのかな?この先!
> こ、小悪魔ぽぽたんめ!(*・д・)σテイwww
∑ヾ(≧□≦*)ノ ウワッ!!←ツツかれた模様w
> ダボパジャマは計算かぁ!?((((((ノ゚⊿゚)ノヌオォォォ
ね!?どっちだと思うよ!?天然っぽいな~w
ダボパジャマ・・剥きたい♪ヽ(゚∀゚)ノパッ ヾ(-д-;)ぉぃ
> こんな可愛く迫られたら手を出してしまうじゃないかぁぁぁヽ(*`□´*)/ガヽ(*`○´*)/オー!!
そうだ、そうだーーッ
> …淳平くんだけじゃなくって私もヤバイぞ(爆)
あはは!澪ちんが誘われた!ww
> 諸々お疲れ様です(o*。_。)oペコッ
> 私もちとリアルが…一両日で落ち着くのでまた別件でwww
こちらこそ、諸々お疲れ様です!
リアル、大丈夫??別件待ってます^^
アタシも今日こそは高校、大学の卒論仕上げ並みの集中力を発揮しようとお茶だの
コーヒーだのがぶ飲みして、ひっきりなしにトイレに行ってるバカ者です。
d( ̄  ̄) ヾ(^o^;オイオイ・・・
コメントどうもありがとうございました
> >淳平くん?何掴んでいるんだい?
>
> そりゃ、もれなくナニですよね?
> あっちこっちで色々展開されてて、やっぱりどうなるんだか分からな~い。時枝さんはどうなったの??どうなっちゃうの~?
あははは!!チャットでも夕華さんカラー爆発してましたねww
もれなく、ナニですねwいや、ケツですw
おおっ!さすが時枝FC会員NO.1!!時枝の行く末を気にしている!!
暫くはぽぽたんの行く末が展開されるかもしれません。
夕華さんとももっとお話してみたかったです~!また次の機会に!!
チャットお疲れ様でした^^
コメントどうもありがとうございました
> パ・パンツに手を突っ込んだのは淳平の方だ!
> お・襲うか?
淳平の方だったーー!!ww
お、襲ってしまうのか!?
私なら迷わない!!ヤる!! ポカッ (._+ )☆\(-ω-;)ヤメンカ!
> 桔梗ちゃん、体調どうですか?
> 色々気をつけてネ。じゃッ 少々凹み気味のkikyou兄さんより
心配して下さってありがとうございます!
なんか・・顔が金魚みたいになってますねん。 ┐(゚⊇゚)┌...why?
はい、本気で気を付けます。
え!兄さま凹んでらっしゃるの!?どうしたのでしょうっ・・
僕が駆けつけますから、住所と電話番号、スリーサイズを・・ Σ(゚□´(┗┐ヽ(・◇・´)ノ ライダーキック!!
あまりご無理なさらないで下さいね!?
チャットお疲れ様でした!
コメントどうもありがとうございました
ダボパジャマは計算かぁ!?((((((ノ゚⊿゚)ノヌオォォォ
こんな可愛く迫られたら手を出してしまうじゃないかぁぁぁヽ(*`□´*)/ガヽ(*`○´*)/オー!!
…淳平くんだけじゃなくって私もヤバイぞ(爆)
諸々お疲れ様です(o*。_。)oペコッ
私もちとリアルが…一両日で落ち着くのでまた別件でwww
そりゃ、もれなくナニですよね?
あっちこっちで色々展開されてて、やっぱりどうなるんだか分からな~い。時枝さんはどうなったの??どうなっちゃうの~?
お・襲うか?
桔梗ちゃん、体調どうですか?
色々気をつけてネ。じゃッ 少々凹み気味のkikyou兄さんより
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