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それから13話

★20禁です。とっても痛い描写ありですので、苦手な方は閲覧にご注意下さい。
申し訳ないですT△T これが過ぎればストーリーが展開されていきますので、苦手な方は飛ばして読んで下さいね!


* * *

「う・・うあぁああああッ!!」
 異常な質量の塊が逆流して押し入ってくる感覚に、気が遠くなりそうだった。
「あ・・ぐッ・・アアア・・やめ・・て」
「キレイにしてやるから」
「やめ・・てーッ」
 木戸は途中まで入った拳の残り部分にローションをダラダラとかけると、グリグリと押し進めた。
 一番太い拳の部分が漸く入りきる頃には流石に入り口は切れて美しい朱色の鮮血が木戸の手にも伝って、ポタリポタリとベッドにドット模様を作っていった。
 弘夢は息も絶え絶えにそのゆっくりと押し進められる凶器に、先ずは内臓よりも入り口の切れる痛みで意識が朦朧としていた。

(は・・早く終わってくれ・・)

 恐怖と痛みでガタガタ震える弘夢の願いも空しく、木戸は拳が入っただけで終わらなかった。その塊は更に奥へズズッと入り込み、内臓を突き進んでいく。
「うギャあああアアアッ」
 尋常ではないこの行為は一体何の為かと悲しく小さな疑問が意識の端で生まれて、そして消えた。逃れられないこの巨大な影と支配は終わりが無いのかもしれない。いっそ死んでしまった方が楽ではと、何度思った事だろうか。だが、淳平と想いが通じたあの時から、生きて会いたいという想いが弘夢に生気を与えている。

「ほら、凄いよ弘夢。こんなに私の腕を飲み込んで・・ふふ。もうS字直結辺りまできた。その先は・・弘夢にはまだ無理かなぁ。」
 既に何を言われているか理解できない状態だった。焼き鏝で内臓を抉られるその感覚と、腕が突き進む度に入り口を剃刀で切られるような感覚は少しずつ麻痺してきた。
「あぁ・・こんなに血を出して。お前が悪いんだぞ?弘夢。私に内緒で淫らな事をするから。」
 最奥に入っていた木戸の拳はゆっくりと中で開かれ、指で内壁を擦るようにして下がってきた。
「ぎゃああああッ」
「今全部掻き出してやるからな。あの男のものを。」
 あの男、という口ぶりに弘夢は違和感を感じた。だが、痛みをやり過ごすので手一杯だ。背中からはタラタラと脂汗が流れ落ち、顔も汗でびっしょりだった。

 ゆっくりと内壁に残っている淳平の精子をすくうようにして腕を抜いた。
「あ゛ッ・・ぐッ・・ギッ」
 最後の拳部分が抜けると、腹部には鈍痛しか残らなかった。
 ダラダラと太ももに流れる暖かな液体の感覚は淳平の精液なのか、弘夢の血液なのか、弘夢にはそれすら分からず、ただその恐ろしい行為が終わって木戸が満足しているかだけが気に掛かった。

「うん。大分キレイになったみたいだね。じゃあ仕上げだよ。」
「え・・・」
 弘夢は耳を疑った。まだ何かするつもりなのだろうか。これ以上は本当に壊されてしまう。何とか止めてもらおうと涙を流して縋ってしまう。
「うっく・・木戸・・さん・・」
 その反応に木戸の表情が少し和らいだ。
「ん?どうした、弘夢?痛かったのか?」
「う・・ん・・ひっく・・も・・や・・だよ」
 木戸が優しくキスをして舌を絡めてきた。今まで巨大な恐怖を与えてきた相手なのに、その優しいキスで相手が聖者にも感じた。
 監禁されたり、DVを受けたりすると、その相手が少し優しくするだけで防衛本能が働き、相手を好きになるという作用が働く状態に似ているのかもしれない。
 弘夢は自分がこうして甘えれば、或いは木戸が機嫌を直すかもしれないと必死で木戸の唇を吸った。

「ん・・弘夢。随分積極的だな。そんなに良かったか?」
「やっ・・ちがっ」
「ふふ。冗談だ。だが痛みに耐える弘夢の表情は良かったぞ・・」
 そのまま木戸は弘夢を仰向けに押し倒すと、ねっとりと甘ったるいキスをした。

(たすか・・た・・)

 だが、その時に後孔に再び激痛が走った。
「ギャッ!!」
 見ると木戸が自分の赤黒く興奮に滾ったペニスを弘夢の後孔に押し付けているところだった。

「仕上げが残っていると言っただろう?」
 ニヤリと笑う整った顔は何よりも弘夢に絶望感を与えた。
 だが、また拳や道具を突っ込まれないだけマシだという考えに、自分を勇気付けた。
「今広げたから直ぐに楽に入る。中も傷付けないように上手くやったから大丈夫だよ。」
 言われた通りにズルリと木戸のペニスは飲み込まれていった。入り口の裂傷の痛みが最初、背骨から脳まで突き刺さったが、しばらく木戸が腰を振っているとそのうち痛みも麻痺してきた。



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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。 

Y(>_<、)Y ヒェェ! 描写痛かったですよね~!
ホント、ごめんなさい!ペコm(_ _;m)三(m;_ _)mペコ
だ、大丈夫でしたでしょうか・・
やっちまいました、フィスト・・
とても痛そうな描写でしたので一応20禁にしました。
木戸さ~ん、もう許してあげて~(T△T)

*17~20日の間また出張なので帰ってきたらコメントの返信など
させて頂きますm(_)m すみません!
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それから12話

☆18禁です。痛い描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。


「弘夢。ここから他の奴の精子が垂れてきてるんだが?」
 木戸は弘夢の緩みきった後孔に指を這わせ、出てきた淳平の精子をヌルヌルと遊ぶように弄くる。
「あ・・やめ・・て下さい」
 木戸は弘夢が念願叶って愛おしい男と自分の知らない間に早々に身体を繋げ、挙句大量に中で射精された液体を大事そうにかき出しもせず帰宅してくる弘夢に憎悪と嫉妬を感じていた。

 弘夢の携帯はいつもチェックしていた。
 あの日、夜中に弘夢の部屋を訪れると、泣きはらした顔でベッドにぐったりと開いたままの携帯を握り締めて寝ていた弘夢を見て、その手にあったメールを見た。
 気持ちが繋がってしまったと瞬時に分かった。冷や汗が背中を流れ、激情に駆られて寝ている弘夢に覆いかぶさった。

「な・・・木戸さん?!んんっ」
 唇を塞ぎ、舌で乱暴に口内を蹂躙すると弘夢の鼻から甘い声が抜ける。
「弘夢。お前は誰のものだ?」
 弘夢は伏せるように目を斜め下にずらし、小声で答える。
「木戸さん・・です」
「なら、これは意味のないものだ。」
 木戸が弘夢の携帯を目の前にかざした。

「あ!返して下さい!」
 木戸が弘夢の手を制し、冷たく突き刺さるような視線で弘夢の反抗の意思を削ぎ落とす。
「返して・・下さい・・お願いします・・」
 その時木戸は弘夢の携帯を横に広げて持つと、バキッとゆっくり折った。
「あ・・ああ・・・」
 弘夢の瞳に見る見る涙が溢れて頬に零れ落ちた。
 あの気持ちの繋がった文章、一生取っておきたかった大事な文章が無残にも真っ二つに割れて、何度も何度も読み返したい二つに割られた宝物は、木戸のその手でゆっくりと水道の水に浸されていった。
「な・・んで・・うっく」
 嗚咽が喉に詰まって上手く話せない。
「何で?だと・・?お前、今よっぽど状況が分かってないんだな。そんな口答えするなんて。」
 木戸がゆらりと動いた。
「もう一度一からこの身体に教え込んでやるよ。」
 低い声で笑いながら耳元で囁く木戸の顔は恐ろしく冷淡で、笑っているのに怒りと絶対的な支配をする側の空気に満ちていた。
 
「さぁ。もう一度調教をしてやろう。」
 木戸は、弘夢が便利に使える相手との交友は寛大に許していた。だが気持ちがあるようなもの、それは相手に気持ちがある場合でも絶対に許さなかった。だから尚更身体で何もなくても気持ちが通じた淳平に対しての怒りは物凄かった。
「もう二度とこいつと会うな。分かるな?」
 5回目に意識を無くす瞬間にその声が聞こえた。

* * *

 そんな約束を引きちぎるように破った挙句、身体は正直にどんなに激しく乱れてきたのかを木戸に今、まざまざと見せ付けていた。
 弘夢は恐怖と快楽で小刻みに震える。自分は殺されてしまうかもしれない。
 バレるのも時間の問題だと分かっていた。まさかこんなにも早くその日に、こんな形でバレるとは思ってもみなかったが、それでも淳平と繋がりたかった。機を逃したらもう二度と身体を繋ぐことなど叶わないと思ったからだ。

「あっ・・くっ」
 木戸の指が二本入ってきた。
「気持ち良いか?余裕で二本だなぁ、弘夢。自分でも腰を動かして来たんだろう?」
 木戸の指がもう2本捻じ込まれた。

「ああッ!・・うっ・・んッ」
 流石にいきなり4本突っ込まれた弘夢の身体は快楽を感じるよりもその、恐怖で痛みが勝って全身が引き攣る。
 ゆっくりと内部を掻き回すように手を回すと、じりじりと後方に痛みが襲って汗が吹き出てくる。
 なるべく痛みを和らげようと腰を動かし、位置をずらそうとすると更に木戸の手がググッと奥へ進んだ。

「ああアァッ!!い、痛いっ・・木戸さん!」
 訴えは空しく、木戸の手の進みは更に増す。親指までもが孔に入り込み、ゆっくりと5本の指で入り口を開けたり閉じたりと楽しむようにしている。
 その都度訪れる激痛に弘夢の背中には玉のような汗がびっしりとできる。
「チッ・・中にあんなに精子が溜まってやがる・・」
 そう言った木戸の手は更に強い力で手を押し進めると、弘夢が叫び声をあげた。



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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。 
 
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すみません、この後木戸が何をするか・・
大体想像つきますでしょうか(汗)
ごめんね、ごめんね~♪(再びU字工事さん調w)
 


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それから11話

 木戸が弘夢を初めて見かけたのは弘夢が中学生の時だった。弘夢たちが修学旅行で行動していた時に、大学生だった木戸もその場所に偶然居合わせていた。
「何だあのうるさい団体は」
「はい。丁度修学旅行生と鉢合わせてしまったようで。」
「チッ、うっとうしい。」
 既に大学にいながら幾つか経営にも手を出していた木戸は仕事でよく各地にも出向いていた。

「淳平、これ美味しいよ!」
「ん!本当だ、美味い!」
 弘夢を見かけたのは本当に偶然だった。まだほんの子供で、それを恋だの一目惚れだのと言ってしまうには常識を逸脱してしまうくらい、人には言えない感情が木戸に流れ込んできたのだ。
「なぁ、弘夢!」

(ヒロム・・・)

 木戸の目は弘夢から離せないでいた。
 弘夢の淳平と呼ばれる子に向ける視線があまりにも熱く、官能的で魅力的に見えていたからだ。
(あれが、中学生のする目か?)
 淳平の方も弘夢が見ていたい時に同じようなネットリとした視線を頭の先からつま先の細部に至るまで纏わり付かせていた。

(何なんだよ・・あいつら・・)
 
「おい、あの二人調べろ」
「は?」
「あの二人だよ!」
「は、はいッ」
 その時から二人の動向。写真、すれ違い、全て把握していた。
 最初は木戸自身、あんな表情をする二人をただの興味本位として調べていただけに過ぎなかったと思っていた。お互いにあんな目を密かに向けていながら気付かずにバカだとさえ笑って見ていた。
 だが、隠し撮った弘夢の写真を見ているうちにその笑顔を眺める時間が増えていった。中でもやはり、中学時代の淳平と話して笑っている笑顔は一番長く見つめている事が多かった。
 木戸は素直に可愛いと思った。だが、笑顔の写真を見つめているだけで胸が苦しくなっていくのに違和感と不安感を覚えた。

(まさか・・な)

 そんな生活を続けていたが、淳平が結婚し、弘夢がどんどん自虐的に陥っていく様は木戸の心をイラつかせた。笹島に捕まってからの弘夢にはさすがに耐え難く、笹島自身にはそれ以上の殺意すら覚えた。

 初めて会話をして、ずっと触れてみたかった“ヒロム”の唇に触れた途端、身体に電気が走ったように感じた。
 自分のものにしたい。あの笑顔を自分だけのものにしたい。
 歪んだ独占欲は笹島のものとは形は違えど同じ純粋な恋心から来ている事に、双方気付かないで脱線して行ったのだった。



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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。 

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ちょっと短めインターバル。
木戸っち、実はあの運命の中学の修学旅行中に
二人を見ていたんですね~。
弘夢はそんな事はもちろん知りません。


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それから10話

☆18禁です。SM描写がございます。苦手な方は閲覧にご注意下さい。

「あのっ助けて頂いてありがとうございます。でも何で・・」
「ああ、君を初めて見かけた時からずっと気になっていてね。少し部下に見張らせていたんだが、今日はもう限界だった。」
 ホテルのスィートルームという明るい場所で見る木戸は、本当に美しい貴公子のようだった。
 185cmはあるだろう長身に、細身かと思えばしっかりとついた筋肉は抱き上げられた際に触れてみて分かった。

「いつ、見かけたんですか?」
「半年くらい前の発展場でかな。」
「そんな前に!?」
 弘夢は驚いて男を見た。
「可愛いなって思ってね。」
 そう言って近づくと弘夢の腰に手を当てて引き寄せる。ゆっくりと近づく瞳は先程の冷徹で残忍な光が欠片も無く、寧ろ愛おしむように細んでいた。
 有無を言わせない絶対的な視線に絡め取られ、脳が麻痺してくる。
 そのまま弘夢の唇は木戸の唇に塞がれた。

「本当に可愛いね、弘夢くんは。」
「あ、の・・お名前は・・」
 ふっと木戸が不敵な笑みを浮かべる。
「私は木戸だ。木戸慶介。そして弘夢、君は今日から私のものだよ」
 その日から弘夢は木戸のものとなった。

* * *

 じゃらりとした細い鎖の両先端には挟み口が付いていた。木戸は嬉しそうにその両先端を持って弘夢に近づくと、弘夢はベッドの端へと逃げた。
「今日はっ勘弁して下さい!お願いします、木戸さん!」
 木戸の目つきが少し変わる。

「それは、愛しい男に抱かれた身体を私に触れさせたくない、そういう事か?」
 弘夢は冷や汗が背中に流れるのが分かった。
「ごめんなさい、でも今日は・・お願いします!どうか・・あ!」
 木戸は素早く抗う弘夢の両手を自分の膝下へ潜らせると、そのまま手首を縛ってしまった。自然と秘所を自分から持ち上げて見せ付ける体勢になった弘夢は上手く身動きすら取れない状態になる。

「いやぁ・・お願い!止めて・・!」
 そのままくるりとうつ伏せにされると後孔は自然と開くような形になった。
 木戸はベロリと既に解されて赤みのささった後孔を舐めた。
「い・・っん」
「他の男の味がする」
 木戸が後から覆いかぶさるようにして耳元で囁くと、同時に弘夢の乳首に激痛が走った。

「あああああッ」
 弘夢の乳首に挟まれたものは、先程木戸が手にしていたものだった。クリップで強く挟まれ、その鎖の重みで乳首をひっぱられ、更に動いて鎖が揺れると更に負荷が掛かる。
「木戸さんッ、もう・・少し弱め・・てッ・・うッ」
「何を言っているんだ、弘夢。これはお仕置きだよ?それに、お前の事だ。すぐにその痛みが気持ちよく感じてくるのは分かっている。」
「い・・たいです・・」
 そんな事は分かっていた。現にその痛みは快感に変わりつつあるのが、弘夢の下半身の反応を見れば木戸にも分かってしまう事だ。

ビシッ、ビシッ
 更に臀部に今度はバラ鞭が打たれると、その勢いと鋭い痛みで身体が揺れる。その度にじゃらりと動く鎖がクリップに挟まれた乳首に強い快感を与えた。
「あああん、やあ・・ああっ」
「嫌?なら何でそんなにいやらしい液体を垂れ流してる、弘夢」
 四つん這いで顔をベッドに付け臀部を突き出すような体勢から弘夢の鈴口からはたらりと透明なカウパー液が布団に糸を引いて流れ付いていた。

「そんなに気持ちいいか?さっき抱かれた男とどっちがいい?ん?」
 質問を投げかけながらも更に左右からビシリ、ビシリと勢いよくスピードを上げて打ち付けると、鋭い快楽が睾丸をキュッキュッと締め上げる。性器はビクンビクンと反応し、射精感が上がってくる。
「弘夢、イきそうなんだろう?お前はこうして叩かれると気持ちよくてイってしまう身体に俺がしてやったんだ。」
「あっ、あっ、やぁ・・あああんッ・・出ちゃうッ」
 尚も勢いよくビシビシと背中や臀部に鞭を打ちつけ、自分で乳首の鎖を揺らすように身体を上下に振って刺激を送る。

「ははは!淫乱な姿だなぁ、弘夢。その男にも見せてやりたいなぁ、お前の本当の姿!」
「いやッ・・も・・出るッ・・出・・るぅっ・・あああッんッ」
 ビシッと最後に打ち付けられた箇所から血が滲むと、弘夢の性器はビクンッと大きく腹にまで跳ね上がり、白濁の液体を腹やベッドに撒き散らした。
(こんなの・・嫌なのに・・何で俺の身体は・・淳平・・)
 弘夢の蕩けた目尻から涙が零れて布団に染みを作っていった。



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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。 
 
乳首クリップ出て参りましたw
そして打たれただけでイってしまった弘夢っち。
そうとう調教されてますw


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それから9話

☆軽い排泄シーンがございます。苦手な方は閲覧にご注意下さい。

(もうダメだ!!) 

 恐怖で既に腰の抜けている弘夢は思わず目を瞑ってしまった。
「ォグッ」というくぐもった声と鈍い音、そしてドサリと倒れる人の音に恐る恐る目を開くと、そこには腹を押さえて苦しそうにもがく笹島と、それを針のような鋭利な視線を突き刺す男が立っているのが見えた。

「これだから。バカは手が早くて困る。」
 男は懐からペンのようなものと高級そうなハンカチを出すと、それを笹島の首に当てた。その時だった。
 笹島の目が2倍以上に見開き、凄まじい声を出した瞬間、男は持っていたハンカチを笹島の口に当てて声を押し殺した。
「ぐがぁああああ」
「痛いでしょ。これは痴漢撃退用のスタンガン、何て可愛いものじゃないからね。」
 笹島の身体が突っ張るように跳ね、首やコメカミにも青筋が立っている。

「拷問用の特注品なんだ」
 ふふっと笑いながら艶かしい言葉で相手を蕩けさせるような甘い声で笹島の耳元に囁く。
 笹島は恐怖で脂汗が額に浮き出てくる。
「ふふふ。怖いの?じゃ、大人しく話しを聞いてくれる?」
 笹島はコクコクと壊れた人形のように頷く。
「じゃあ弘夢くんから一切手を引いてくれないかな?」

(え・・?)

 笹島は男の思わぬ言葉に反抗的な視線を向ける。
 その瞬間に再び全身の血管を針が駆け巡るような激痛が走った。
「んぐぅううううううッ!!」
「そんな目で私を見るなよ。・・・殺したくなる。」

(こい・・つ、本気だ・・!)

 笹島の本能が得体の知れない相手の本気の殺意を感じ取った。射すくめられた笹島に植え付けられる恐怖は身体を底から小刻みに震わせていた。
「らずげ・・で」
「あははっ。舌まで痺れちゃったんだ。じゃあ本題だ。今から私は君から弘夢くんを買う。弘夢くんは私の所有物となる。彼に手を出したら・・そうだな。臓器提供者にでもなってもらうよ。君の家族も全員ね。」

 笹島の顔が青ざめた。
「快くこの取引を受けて貰えるならそれなりの謝礼金も出すからね。分かって貰えたかい?」
 既に二択の答えは決まっている。伏し目がちに震えながら笹島が頷くのを確認すると、爽やかな笑顔を向けて一枚の 名刺を差し出した。

「では契約成立だ。ありがとう。これは私の名刺だ。明日君の口座に1億振り込まれる。」
 そう言い残すと男は弘夢を抱き上げて自分の車へと歩いて去った。
 ふと最後目に映った笹島は地面に額を付けたまま小刻みに震えていたままだった。
 笹島の下半身は恐怖と激痛による失禁でびっしょりと濡れていた。




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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。 

本当に軽めですが、大丈夫でしたでしょうか?
第二部・・痛めのシーンが多いですがキツかったら飛ばして
下さいね~><!


むしろ来いや~!
という勇敢な方は是非

    
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00:00 | それから | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

それから8話

 木戸と弘夢が出会ったのは丁度、淳平を忘れようとして色々な男と関係を持っていた時期だった。中でも取り分け弘夢に異常な執着を見せていた暴力男に酷く付きまとわれていた時期でもあった。
 兎に角心の空虚感を無くそうという気持ちと、自虐的な精神状態にあった弘夢はよく発展場へ足を運んでは相手を見つけていた。
 運悪く捕まった笹島という暴力男は、別に最初から暴力的だった訳ではなく、弘夢に独占欲を持ってからそう変わっていった。射精する際に叫ぶ見知らぬ男の名前や、行為中にいつも別の人物を想う気持ちが痛い程伝わってくる度に、自分を見て欲しい、自分を感じて欲しいという強い欲求から痛みを与えて気を引かせる方法と変わっていったのだ。

 だが弘夢は既にその男にかなり束縛されて辟易していた上に、異常に性行為を求められ、その都度与えられる暴力に耐え切れなくなっていた。
 笹島の執念は凄まじく、弘夢が自分から離れようものならば監禁する事くらい容易に予想できたその日は笹島といつもの発展場へくり出した。いつものようにイベントを楽しんだり野外での行為を楽しむ人たちも居た。
弘夢も一人でふらりと来ては知り合いや、その場で楽しむ事を目的とすることも多々あった。
だが、その日笹島は無理な命令をしてきたのだった。

「弘夢ぅ。ここで皆の前でシコれよ。」
「え・・・」
 そこは野外で沢山の人が集まっていた。
「んでイク時はオレの名前呼べ。」
「や・・やだよッ、こんな人前で・・」

 バシッ
 顔を殴られた。
「お、お願いだよ。出来ないって」
 否定すればする程腹を蹴られた。鳩尾を蹴られて息が出来ないでいると、後から来ていたシャツを無理やり脱がされていく。
「ゴホッ・・や・・やぁ・・」
 こんな事をしていたら皆の前で犯されてしまう。そんな事よりも家に帰ってからからの笹島の不満をぶつけられる恐怖の方がよっぱど怖かった。
 そんな事ならこのまま言う通りにするべきだろう。

 その時だった。
「君、見ていて胸クソ悪いから消えてくれない?」
 低く通る艶のある声が背後でした。
振り向いた弘夢の涙目でぼやける視界に入ってきた男は笹島の首根っこを掴むと軽々と放り投げてしまった。

「大丈夫?」
「は・・い。」
 男は非常に端整な顔立ちをしていて、雰囲気や身なりからも上流の匂いを漂わせていた。
 何故この様な似つかわしくない場所にいるのだろう、と不思議に思った。
「この野郎があッ!!」
「あッ危ない!」
 後から襲ってきた笹島を見て弘夢が叫んだのと同時に、木戸が言った。
「取引をしよう」
 その突拍子もない言葉と低くよく通る声が笹島を止めた。
「ああ?!何言ってんだこの野郎!殺すぞ、てめぇ!」
 怒りでキレた状態の笹島は悪態を付くが、そんなものには微塵も動じない男が鋭くも艶のある目線を笹島に流す。

「君は笹島武史だね?34歳独身で未だ実家暮らし、堺港店のある土地一帯の地主で土地を貸していて、店舗からの金が入るので本人は特に働く必要なし。やりたい放題の人生でここまで来たが、現在はそこの見目麗しい桜井弘夢くんにご執心。でも弘夢くんを振り向かせたいが為に常日頃から暴力を絶やさないどうしようもない男だ。」
 淡々と暴いていく自分の素性に笹島の血の気が引いていく。
「何で知ってんだよ、そんな事」
「調べてもらったからね。」
「何で調べてんだよッ!!お前誰だよ!!」
 分からない恐怖と怒りで笹島の怒鳴り声が割れる。

「君、うるさいからさぁ、もう少し静に喋ってくれないかな?だから教養のない人は困る。知性のかけらも無い。これじゃあ弘夢くんだって嫌がるよねぇ?」
 男は馬鹿にして笑いながら弘夢へ同意を求めるように話しかけてきた。
 急に話題を振られてドギマギするが、男の背後で殺意で黒煙が立ち昇るのように見える位神経を逆撫でされて、今にも飛び掛りそうな笹島を一層煽るような事をサラリと言う男に、身体の芯が底冷えしていた。

(こ、殺されちゃうよ!)

「オラァァァアアッ!!」
 笹島が白目を剥いて殴りかかってきた。手には拾った石が握られている。




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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。

木戸との出会いの場面です。

 
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それから7話

☆18禁です。SM描写がありますので、苦手な方の閲覧はご注意下さい。


「あッぐ・・ッ・・」
 ジンと来る強烈な鞭の痛みが胸元に走る。
「弘夢、服を脱ぎなさい。お仕置きだよ。」
 弘夢は言われるがままにスーツを脱いで、ビキニ一枚になる。
「いつ見てもいやらしいキレイな身体だな。四つん這いになりなさい。」
「はい・・」

 お尻を木戸に向けるようにして言われた通りに四つん這いにすると、ゾクゾクと理性とは反対に身体が粟立つ。
 ビシッ、ビシッと背中やお尻に走る容赦ない鞭の痛みで身体が仰け反り、息が止まる。
「アゥッ・・!」
「ん?痛いか、弘夢?じゃあ気持ちいい筈だろう、なぁ?俺がそういう身体にしてやっただろう?」
 ビキニを太ももの付け根まで下ろされ、後孔を木戸の目に晒すと、先程まで淳平のペニスでグチャグチャにされていた場所を見せ付けているようで焦りにも似た背徳感が襲ってくる。
「こんなにここを腫らして、随分と楽しんだみたいだな。弘夢。相手は例の奴か?」
 指をグッと入れられると柔らかくなっていた入り口は簡単に木戸の指を受け入れた。

「ああっ、ダメっ・・んっ」

(イヤだ!淳平のが・・!)

 クチャクチャと中を指で掻き混ぜていると中から白濁の液体がとろりと出てきた。
「おいおい。随分中で出して貰って来たんだなぁ。ん?」

(出さないで!淳平の・・)

 木戸は更に指を二本増やし、知り尽くした弘夢の性感帯を巧みに突いてきた。

「いや・・あぁん・・はぁ・・んんっ」
 ビシッ、ビシッと愛撫の最中にも鞭は振り下ろされた。ジンジン来る熱い痛みを感じる度に、弘夢のペニスは立ち上がってくる。
(ぐッ・・・嫌なのに・・どうしてこんな・・!)
 無数に付けられた蚯蚓腫れの跡を愛おしむように撫でるとゾクッと痛みで弘夢の背中がしなった。
「感じるだろう?」
 木戸の低く甘い声が脳に響く。
「は・・い。感じます・・」
 
 木戸はケースからじゃらりとした鎖のようなものを取り出してきた。
「あっ、それは!」
「好きだろう?弘夢。コレに弱いもんなぁ」
 そう言って木戸の顔が歪んだ。
 弘夢はこれから与えられる痛みと刺激を想像して、鈴口から液体を溢れさせた。




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お道具が出て参りましたw
因みに木戸さんが使ってる「バラ鞭」は「薔薇ムチ」
ではありません。
ムチの先がバラバラに分かれていて、叩くとめちゃんこ痛いやつです。


木戸っちにちょっと叩かれてみたいかもと言う方は・・
    
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それから6話

 休憩を終えた二人はホテルを出ると、車に乗り込んだ。
 本当は二人とも帰りたくはなかった。出来る事ならば、このまま遠く誰にも邪魔されない世界まで行って二人きりで過ごしたいくらいだった。
 名残惜しさを引きずりながら、運転中はずっと指を絡め合っていた。
 少しでも一緒に長く居たいと思う時程、ゆっくり運転している筈なのにあっという間に目的地へと付いてしまうものだ。
 見慣れた高架が見えてくると弘夢の心は一層切なさが沸いてくる。

(もう、着いちゃう・・)

マンション脇のスペースに車を停める。
「・・着いたぞ。ここでいいか?」
「うん。ありがと。」
 どちらともなく見詰め合うと、引き寄せられるようにして唇を吸い合った。

「また明日会おう、弘夢」
 淳平は唇を啄ばみながら明日への約束をねだる。
「はぁ・・あ、明日は・・まだ予定とか分からなくて・・」
 クチュッと舌が絡む。
「なら、分かったら連絡・・公衆電話とかからでもいいからくれよ。すぐ迎えに行くから」
 さっきまで散々愛し合って、もう性器の中には何も残ってはいないのに再び熱が帯びてくる。
「ん・・分かった。」

 車の中でしばらく、終わらないのではないかと思う程の時間キスをしてから弘夢は車を降り、淳平の車が見えなくなるまで見送ってからマンション玄関口に入って行った。
(ああ・・淳平。夢みたいだ。)
 エレベータの中で思い出す先程までの激しい情事で顔が紅潮する。
 3階で止まったエレベータから降り、家のドアに鍵を差し込んで回すとそれ以上回らない鍵の感触に冷や汗が出た。
(まさか・・)
 そっとドアを開けると、玄関に黒い大きな高級の革靴が見えた。
(あっ!)
 すると中からバスタオルを腰に巻き、髪から水滴を滴らせている男が缶ビールを片手に出てきた。
「やぁ。随分と遅くまで残業してたね。お邪魔してるよ」

「木戸さん・・」
 弘夢の表情は重く暗いものへと変わっていった。

「来てたんですね。」
 弘夢は口元に愛想笑いを浮かべて目を合わせず、洗面所へ行く。
 木戸慶介は大病院の院長の息子で病院の経営をしていた。木戸の手腕は言わずともしれた凄腕で有名だった。顔も広く、経済界やら政治の方にも強いコネを持っている。

「弘夢。今までどこにいた?」
 洗面所の鏡に映る木戸の端整な顔が反射して見える。
「残業・・してました。」
 視線を水道の水へ落とし、なるべく平静さを保つように水の冷たい温度で体温を心臓を鎮める。
 木戸がゆっくりと後に近づいてくる。
 心臓がバクバクと緊張で小刻みに震える。
「何の、残業?」
 木戸の手が後から顎に伸びる。
 心臓が痛い程速く鳴り、水道の水音がやけにうるさく聞こえる。
「え、ええ・・と、書類がうまく纏まらなくて・・それで・・」
「へぇ・・書類がねぇ・・」
 木戸のもう片方の手の指が衿を少し下げて項の一点に突き刺さった。
「ここにキスマーク付けながら書類整理してたんだね。弘夢は」
「・・ッ!」

 弘夢は顔から血の気が引いた。
 あまりにも夢中でキスマークを付けられていた事すら気付かなかった。
 恐る恐る鏡に顔を向けると、瞳に氷河のような冷たさを湛え、うすら笑う木戸がいた。木戸は鏡越しに目を逸らさず後から水道をキュッと閉めた。
 弘夢はゴクリと生唾を飲み、カラカラに渇いていく喉を潤そうとした。
「弘夢。嘘はいけないよ。おいで。もう一度よく教えてあげる。」
 優しく手を引かれ、ベッドへ組み敷かれる。

「お前の主人は誰だ?」
「・・・木戸さん・・です。」
 木戸はアタッシュケースから黒く太い紐のようなものを出してきた。
「弘夢。口だけの約束はいけないよ。」
 木戸はそう言って黒くしなるものを弘夢の胸元にビシッと振り下ろした。



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★「それから」はすれ違った後に(全10話)の続編です。
 
黒く太い紐・・ビシッって音で
何かって直ぐお分かりですよね~ww
ここからSMチックになっていきます。
ごめんね、ごめんね~♪(U字工事さん風w)


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00:00 | それから | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

それから5話

☆18禁です。


 直接伝わる内部の熱と刺激はこの上なく甘美で淳平の下半身は溶けてしまいそうだった。
 ズチャとペニスを引いてやると、丁度弘夢の敏感な位置に当たったようでビクンと大きく体が跳ねた。
「ここ?」
 淳平は確かめるように聞く。
「そ・・そこっ・・そこぉ」
 弘夢は余りの気持ちよさに自然と涙腺が緩み、目じりから涙が落ちる。
「弘夢、見てみろよ。やっと一つになれてる。」
 グイっと腰を持ち上げて上から見えるようにペニスを入れてやる。
「ああっ、ああっん、刺さってるよぉ、淳平の!」

 輪をかけるように上から腰をしならせて前立腺付近を集中的に突いてやると淳平の腕に爪を立てて顔を左右に振りながら善がる。
「ああああんんッ・・ダメッ・・イっちゃう!イっちゃうからぁあんっ」
 淳平にグイッと顎を掴まれ、顔を正面に向かされた。弘夢は淳平に視線を合わせる。
「弘夢っ!イク顔見せろっ」
 
 淳平は獣のように激しく、獲物にとどめをさしているような顔でペニスを挿し込む。
 弘夢は腰から太ももの内側にかけてガクガクと痙攣が始まった。
「い・・あああんっ!イクぅぅぅッんん、じゅんぺぇぇぇ!!」
 弘夢の射精直前の泣きそうな顔を見た瞬間に淳平は中に熱い体液を放った。
「んんンッ!ひろッ・・む!」
 弘夢は触りもしない性器から白濁の液体を飛ばして射精し、意識が落ちていく。
 淳平はその間にも、幾度も止まらない射精を弘夢の最奥へ打ち込んだ。
 弘夢の後孔内部からは快楽が次々と襲ってきているようで、前で射精しても尚、体中がピクピクっと痙攣を起こしていた。
 淳平は弘夢の痙攣の治まらない体の上に重なるように倒れこんだが、弘夢は既に意識を飛ばしていた。

「ん・・」
「起きたか?弘夢」
「あれ・・俺・・」
「お前、意識飛ばしただろ。飛ばしててもずっと痙攣しっぱなしだったぞ」
 確かに未だふわふわと気持ちのいい快感の余韻が残っている。
「だって、淳平があんまり凄いから。俺を食い殺しそうな顔を見たら、そうなっちゃった」
 蕩けた顔で淳平を見る。
 そんな弘夢の顔を見て、淳平は思わず弘夢の赤みの差した妖艶な唇に吸い付いた。
「んんっ・・」

 唇を離した淳平はタバコに火を付けて煙を弘夢とは反対方向に吐き出す。弘夢は淳平の胸元に顔を乗せ、ぴっとりと寄り添って寝ている。
「なぁ、メールは見たんだよな?」
 ピクっと弘夢の身体が反応したのを感じ取った。
「あ、ああ。見た。だが、携帯を壊しちゃって・・連絡も取れなくてさ。」
「そうか・・」
 再び煙を吐き出す。

「ねぇ、どうして結婚したの?」
 その質問からお互いの気持ちのすれ違いや思い込み、勘違いなどが徐々に露呈されるにつれ、その愚かさに後悔の気持ちが襲ってきた。
 だが、それも含めて今一緒にいる互いの存在がより一層愛おしくも感じられ、奇跡に近い感動で全てが受け止められる気がした。

「そう、だったのか」
 淳平は弘夢を強く抱きしめた。
「なぁ、淳平、もう一度抱いてくれよ」
 弘夢が懇願するように擦り寄ってくる。
「でもお前身体に負担だろ」
「平気だから、お願い・・」
 これからは会いたい時にいつでも会えるというのに、何て可愛いのだと再び淳平は10代に戻ったかのような下半身の滾りを見せた。

 それからは3度も弘夢の中で射精をした。
愛おしいこの男の中では幾らでも続けられると思うほどに、それは病的で狂気にも似た愛情だった。

 そして弘夢は悲しい思いで胸が潰れかけていた。



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二人の出会い、第一部からはこちらをご覧下さい(別窓)→「すれ違った後に」弘夢(1)


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00:01 | それから | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

それから4話

☆18禁です。


 淳平はローションを指に垂らすとゆっくりと時間を掛けながら入り口を解していった。初めて入れる男のそこは偶にギュギュッと物凄い力で締め付けられて驚いた。だが、弘夢に教えられながらふっと力が緩む時に合わせて指を入れていると自然と内側へ引き込まれた。
「ん・・上手・・だよ淳平・・はぁ・・そこ、指曲げて。そう・・あっソコ」
 少し固めの胡桃大のものが指に当たる。
「そこをギューって押してると・・おかしくなる位気持ちくなるの・・ああんっ」
 既に感じ出した弘夢は善がりだしている。
 しつこいくらい色々な性感帯を確かめるように、指に覚えこませるように弄っていると弘夢の方が我慢しきれず泣き縋るように求めてきた。

「お・・お願いっ・・もう、ちょうだいッ!淳平の・・大きいの!!」
 淳平は自分のものにゴムを付けると弘夢を後ろ向きにさせ、入り口に当ててやるだけで弘夢は感じているようで喘いでいる。
「ああん・・淳平っ」
「弘夢・・まだ入れてないよ?そんなにいいの?そんなに欲しい?」
 意地悪く少しずつ力を入れて焦らす。
「欲しいっ・・ずっと想像してたの!それでいっぱいされるところ!」
 淳平はゾクゾクしてきた。
「俺もね、弘夢。毎日毎日、頭ん中でお前を犯してたんだよ」
 ズズッと大きな肉棒を入れ込む。

「ああアアーッ」
「きつ・・いな、ちぎれちゃいそうだ」
「淳平ッ・・ああっ・・思い切り入れてっ!痛くしてぇッ!」
 更にギュッと締め付けられて淳平は息が止まりそうになる。
「ば・・かこれ以上煽るな・・って」
「早くっ・・犯してッ!!」

 その言葉を合図のように根本まで一気に押し入った。
「あああアァァッ!!」
弘夢の中は熱く、内部がぴっとりと纏わりついては締め付ける最高の快感だった。
「ああ・・あ・・気持ち良いよ、弘夢の中・・」
 少しずつストロークを加えて指で覚えた弘夢の快感ポイントを刺激していく。
「あッ・・はぁ・・んんッ・・おっき・・淳平のっ」

 パンパンと腰を打ち付ける音が部屋に響く。
 淳平は後からグイと弘夢の上半身を立ち上がらせると弘夢の手を後ろにいる自分の首に掛けさせる。二人で立ち膝状態のまま、後から弘夢の乳首を捏ねてやる。
「ああんっ・・もっと強くッ」
「本当、エロいなお前は・・」
 キュッと強く爪で乳首を摘んでやる。
「ひっ・・ゃああッ・・いいっ・・んんっ」

 学生時代に鍛えたその逞しい淳平の体は衰えを知らず、想像していた裸体よりもずっと凄かった。きっと男性好きには堪らない肉体美なのだと感じる。
「すごいっ・・淳平・・すごい・・よぉ・・ああんっ」
「ばか・・そんな事言ったら・・またイっちまう・・」
 弘夢をベッドに再び沈める。

「淳平・・ゴム、取って!中に・・出してッ」
 クルリと器用に弘夢を仰向けにさせて顔を見る。
「いいのか?」
「欲しい・・淳平の精子。ちょうだい、中に・・あッ」
 淳平はズルッと中から性器を取り出しゴムを外すと、手早くローションを足して再び中に埋め込む。ローションの冷たさに弘夢が「ひゃっ」と可愛い声を上げた。
「ごめん、冷たかったな。今やるからな、俺の精子・・」
 ズンッと深く突き刺す。
「んああアアッ」



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二人の出会い、第一部→「すれ違った後に」弘夢(1) 
   


誘いウケ、好きじゃー!

わいもじゃーー!!O(≧∀≦)O
という方(笑)
 
    
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01:25 | それから | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

それから3話

☆18禁です。

 
 車を走らせて途中寄った場所は大人の色々な玩具やローションなどを取り揃えた店だった。弘夢は慣れた手つきで目当てのものを素早く揃えると購入を済ませ、淳平の車へ戻った。
「何買ったんだ?」
「ん・・急だったからローションとか・・準備のものを色々とね」
「ふーん。」
 淳平はどちらかと言えばノンケに近い。弘夢だから好きになった訳で、女性とも結婚出来ているので男性経験は知識でしか知らない。
 ホテルに着くまでお互い、一切聞きたいことや過去の話はしなかった。とにかく一つにならないと何も進めないでるほど、お互いがお互いを欲してカラカラに渇ききっていた。

 ホテルの部屋に着くと扉を閉めるのももどかしく淳平が唇を塞いできた。その間にも淳平は弘夢のスーツを脱ぎ捨てる。
「あ、待って淳平。準備だけ・・させて。ちょっと時間かかると思うんだけど・・ごめん。」
 淳平はその意味を悟った。男性同士の行為の場合、汚さない為にも直腸を空にして置かないと色々と大変だとネットでも書いてあったのを思い出す。
「ああ。分かった。じゃあ俺はシャワー浴びてくるよ」

 少しゆっくりめに入った。バスタブに湯を張り、バブルも入れてみた。こういうのは久しぶりだった。温めの湯に漬かっているとカチャリと戸が開いて少し小さなタオルと持った弘夢が入ってきた。
 恥ずかしそうにタオルで前を隠しながらおずおずと入る。
「ね、少し暗くしていい?」
 バスルームに設置されている明かりをコントロールするスイッチを押すと、ほんのり暗くなり、バスタブの中に薄いピンクの明かりが灯った。
「は・・恥ずかしいからあっち向いてて・・」
 そう言われても初めてみる大人になってからの弘夢の裸体から目が離せないでいた。色白の艶々としたアラバスターのような肌が色っぽくしなやかな背中から肉付きの良い臀部にかけては、ノンケが女性の胸を見て興奮するそれに近い感覚だった。
 弘夢は淳平が目を逸らしていると思って、大胆にも後孔に指を突っ込みシャワーの湯を入れるようにして洗浄仕出した。ちらりと淳平を伺うようにして視線を向けると、それに釘付けになっている淳平がいた。

「あっ・・み、見ないでって言ったのにッ」
「それは・・無理だろう」
 慌てる弘夢を楽しそうに見る。
「いいから続けて。俺に全部見せて。」
 顔を真っ赤にしながらも少しずつ続ける。
「弘夢、勃ってるけど・・それって俺に見られてるから?」
「う・・わかんないよぉ・・」
「顔も真っ赤で・・可愛い。弘夢。もういいからこっち来いよ。」
 そっとバスタブに入って来た弘夢の体を抱き合わせるように座らせる。
 ピチャピチャと卑猥な音を響かせながら濃厚なキスをする。まだ一度も出していない淳平の性器は痛い程に硬く立っていた。
 我慢の限界がきた淳平は弘夢を抱き上げるとバスルームを出てサッと互いの体を拭くとベッドに組み敷いた。
「待って淳平・・少し俺にもさせて。」

(淳平の・・身体・・)

 丹念に親猫が子猫を労わるように淳平の身体中に舌を這わせる。筋肉の筋も一つずつなぞる様に嘗め回していると、意外と淳平も性感帯の多い事に気付いたりもして嬉しくなる。
 弘夢は淳平の下肢に顔を埋めた弘夢は大きくそそり立つ淳平の性器を頬張った。口内で纏わり付く舌の動きに蕩けてしまいそうな程気持ちがよく、口でされて声など出した事のない淳平から艶のある喘ぎが漏れる。
「ああっ・・ん・・ひろ・・む・・すご・・い」
 どんな舌の動きをしているのか分からない程的確にポイントを付いてくる。このままでは直ぐに出てしまいそうで一旦腰を引かせるが、弘夢の舌がそれを追ってくる。

「ん・・淳平の飲みたいの・・」
 潤んだような蕩けた目でそんな可愛い事を言われては淳平は本能に逆らえない。
「弘夢ッ・・!」
 淳平は弘夢の頭を掴むと口内に腰を振って抜き差しする。弘夢は喉を大きく開けて嗚咽する事もなく上手く根本まで吸引した。それは、大きな淳平の性器でも満足出来るだけのテクだったが、明らかに慣れていないと出来ないものだった。だが、今は互いに細かい事は気にしていられない。
「出すぞ弘夢ッ・・うッ」
「んんッ・・」
 弘夢の喉奥に熱い液体が飛ばされた。それを1滴も漏らさず飲み干す。
 淳平の性器は1度射精しただけではもの足りず、弘夢の口内で直ぐに硬さを増した。
「んっ・・すごい。淳平のまた大きくなって・・んん」

 淳平は弘夢を押し倒すと、味わうように全身に舌を這わせて嘗め回した。感度の良い弘夢はそれだけで高い声で反応した。



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00:56 | それから | comments (4) | trackbacks (0) | edit | page top↑

それから2話

☆15禁です。
 

 最初はそっと、確かに感じるように唇で撫でるように何度も相手の唇を往復させた。
 一度きりしか味わえなかったあのキス。今まで支えてきたあの時の唇が今もう一度触れることができている。
「気持ちいい・・」
 弘夢がそっと呟いた。
「俺も・・」
 そしてお互い、この長年の思いをぶつけ合うように互いに舌を絡めあった。
 二人で唇を重ねている間は、息をする間も惜しいとさえ感じるように激しく吸いあった。

 お互いの知らなかった口内を確かめるように舌で歯茎をなぞり、上顎の裏にまで舌を伸ばすと弘夢から吐息が漏れた。
「ん・・ふぅ・・」
 弘夢も丹念になぞる淳平の舌を追いかけては淳平の舌裏や頬裏まで這わせる。
 そのうちに二人の舌は絡み合い、弘夢は淳平の舌に吸い付いた。それに合わせて淳平も弘夢の舌や唇を噛んで刺激をする。
 混ざり合い溢れる唾液は顎まで流れ落ち、外の電光で卑猥に口元を光らせる。

 淳平はシートベルトを外すと身を乗り出し、弘夢の座るシートを下げた。ガタンとシートが下がり衝撃が弘夢の身体を襲ったが、同時に淳平が覆い被さってきたのでそちらに気を取られる。
 お互い無言で唇を貪り合った。限界まで息が上がると、一旦唇を離して互いを見つめる。
「淳平・・好きだ。ずっと・・好きだった」
「俺もだ。弘夢、ずっとずっと・・好きだった。会いたかった。こうしたかった!」

 淳平の手が弘夢の上着を肌蹴させた。シャツのボタンに手を掛けた時、弘夢が恥ずかしそうだが、申し訳なさそうに呟いた。
「あ・・ここでは・・」
「恥ずかしいか?見えないよ・・」
「でも・・」
「わかった。じゃあこっちにする」
 そう言って弘夢のベルトを緩めスラックスのチャックを下げる。そこにはツルツルとした肌触りの良い灰色のビキニに包まれた弘夢の性器が大きく形を見せていた。
 灰色のビキニは弘夢の先走りで濡れた染みがはっきりと色濃くあった。

「弘夢、お前いつもこんなのを履いていのか?」
「ん・・・」
 恥ずかしさに俯く。
「いやらしいな。凄くそそるよ。」
 耳元で囁かれるとそれだけで感じてしまう。
 薄い布地の上から爪でスーッと性器の裏筋を掻かれて吐息が漏れる。
「あ・・ふっ・・」
 初めて聞く弘夢の鼻から抜ける甘ったるい声に身体が粟立つ。ビキニの上から舌を這わせ、亀頭部分に歯を当てて甘噛みする。

「はっ・・うんっ」
「弘夢ってエロい声出すんだな。知らなかったよ・・」
 見上げるように意地の悪い目つきで言われる。
「だって・・淳平がそんな事・・するから・・んっ」
 ビキニをずらすと中から熱を持った弘夢の肉棒が露になった。ビキニの通気性が良いのか、汗で蒸れたような匂いがしない。淳平はそれにしゃぶりついた。
「あッ・・淳平っ・・ああっ」
 どれだけこうしたいと、こうされたいとお互い思っていただろう。

(ああっ・・淳平が俺のを口に咥えているなんて・・夢みたいだ・・夢よりずっといい・・)

「気持ちいいよぉ・・じゅんぺぇ・・ああんっ」
 弘夢は片足を座席に上げる。淳平の口内で絡みつく舌の動きに合わせて腰を動かすと既に射精感が襲ってきた。
「ダメっ・・もう出そう!」
「いいよ・・出して」
「でも口の中に・・」
「いいから・・お前のが欲しいんだ」

 弘夢は淳平の髪を軽く掴むと仰け反るようにして快楽を自由に感じさせた。
「はっ・・ああんっ・・イクっ・・淳平ぇーッ」
 ビュルビュルと淳平の口内に弘夢のほろ苦く青い香りの甘美な体液が放たれる。淳平はそれを搾り取るように吸い尽くし、嚥下した。
 顔を赤らめて軽く肩で息をする弘夢が淳平を蕩けた瞳で見る。
「飲んだの?」
「ああ。ずっと欲しかったんだ」
 舌をぺロリと艶かしく動かして唇を舐める。
「俺も淳平のが欲しい。飲ませて・・」
 
 ビキニから半分でた臀部は弘夢の肉付きの良い形を更に浮き立たせて淳平の欲を煽る。淳平を反対に倒したシートに寝かせると、淳平よりも一回り小柄な弘夢が上に被さる。
「淳平、凄く格好良くなってて俺ドキドキしちゃった」
「俺だってお前が凄く色っぽくなってて変な目でずっと見てた」
 お互いクスリと笑う。

 弘夢は淳平の首筋に舌を這わせた。ネクタイを緩め、シャツのボタンを半分まで外すと、中から引き締まった健康的な色の胸板が出てきてドキリとする。
スーッと指を胸板から鳩尾に、そして腹筋へと移動させるとでこぼことした腹筋の感触にゾクゾクした。
「ああっ・・淳平の身体すごい・・」
「弘夢・・そんなに煽るなよ、押し倒したくなるだろうが」
 自分の身体に欲情して頬を染める弘夢に下半身が痛い程反応する。

「うん・・ずっと淳平に犯されたかった」
 ゾクリとする程艶かしい蕩けた表情を向けられて、淳平は理性が飛びそうになった。
「なぁ、弘夢、ホテル行かないか」
 弘夢は少し考える素振りを見せた。
「やっぱり・・お前を今すぐ抱きたいんだ。我慢、出来そうにない。」

(そんな顔で俺にヤられたかったなんて言われてもう、無理だ。)

 切ない声で訴える。
「分かった・・けど、少し寄って欲しい所があるんだけど・・」



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(。・ω・。)ノぁぃ♪ ・・・

タタタタッッ≡≡≡ナニガ「アイ♪」ジャ、ゴラァ!( *゚∇)/☆(ノ゚⊿゚)ノハウッ!

って事でここからR祭り騒ぎです。どんちゃん騒ぎです。



鬼畜SM*:・゚☆d(≧∀≦)b゚+.゚イイ  
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03:02 | それから | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

それから

「外回り行って来ます」
「おう。今日は直行直帰でいいからな。」
「わかりました。」
 俺は書類の沢山入った重い鞄を持って駐車場へ向かった。仕事をする気になれない。
 運転席に座ると深い溜息をついた。

―弘夢・・お前、今どうしてるんだ。 あの時送ったメールは見たんだろうか。返事が来ないからそのまま消去でもしてしまったのか。

 あのメールを送ってから既に1週間過ぎていた。あれから一度も弘夢から返信はない。不安と後悔に押しつぶされそうになっていたこの一週間、妻の明美とも殆ど仕事が忙しいだの疲れているだのと顔もろくに合わせていない。
 あの時、お前を向かえに来ていた男は一体誰なんだ?付き合っているのだろうか?
 そんな事を想像しただけでゾワゾワと怒りと嫉妬で狂いそうな程身の毛がよだった。それと同時に、最後にゆっくりと振り返り悲しそうな笑顔で左右に首をふる弘夢が脳裏に浮かぶ。
もう会わない、というサイン。あの迎えに来ていた男を選んだという事か?でもメールを見たらきっと弘夢は俺の所に戻ってきてくれるはずだ。

―とにかく弘夢がメールを見たか確認をしない事には始まらない。

 エンジンをかけると、勢いよく車を発進させて取引先の新規獲得をしに向かった。
 


 予定よりも早くに外回りが終わった淳平は都内にある弘夢の銀行付近まで来てみた。
(確かこの辺って言ってたよな・・)
 高層ビルの立ち並ぶこの場所にも綺麗に緑が立ち並びビルとの相性も良く綺麗に見える。
近くに車を駐車すると、歩いてビルの近くまで行ってみる。コツコツと革靴のいい音が渇いたコンクリに響く。
(これだ。この銀行本社だ。)
大きく聳え立つそのビルは、自分から弘夢を囲っている檻にも見えた。誘うように開く自動ドアに身体を滑り込ませ、受付で聞いてみようとしていると横から2,3人のサラリーマンが出てきた。

「淳平!!」
 その愛おしい声に振り向くと、手に届きそうで届かなかったその人が居た。急いで弘夢に駆け寄り、直ぐに抱きしめたかったが同僚らしき人が居たのでさすがにそれは出来なかった。
軽く会釈をして分かれた弘夢が信じられないという顔で小走りに向かってくる。
「淳平っ何でここに!?」

 どうしよう。言いたい事があり過ぎて言葉が上手くまとまらない。だが、一点だけ気に掛かった事があった。
「弘夢、お前ここどうした?」
 弘夢の唇の横にバンドエードからはみ出て少し痣が見えた。そっと触れるとビクッと反応して少し怯える様子が妙に気に掛かる。
「何でも無いんだ。ドジして転んだだけだ。」
「そう・・か。とにかくお前、今仕事終わりか?なら送って行くよ。どこかで何か食べていかないか?」
「え・・あ・・うん。わかった。」
 淳平は心が落ち着かなかった。何から話そうか。何から聞こうか。触れたい。
 沢山の欲求と順序が入り混じる。

車のドアを閉めて走らせると、途中で二人を遮るもののない空間である事が気分を高揚させ、僅かに緊張させた。
淳平は太ももに乗っている弘夢の手の上に自分の手を重ねた。少し冷たい弘夢の手が淳平の掌の中で身動ぎ出来ないでいる。

 淳平が運転する車に乗るのは初めてだった。突如思いもしないタイミングで現れた愛おしい人の姿に無意識に呼びかけてしまっていた。もう、会えないかもと思って潰されそうになっていた矢先だった。思わず誘いに乗ってしまい今は二人きり。信じられない気持ちだった。
 片手を自分の手に重ね、もう片手で器用に運転をこなすその姿にドキドキする。ハンドルはクルリと器用に右折する時の手つきに目が釘付けになっていた。
 淳平の横顔。学生の頃とは違い、随分と凛々しくなっている。元々体躯のしっかりしている淳平は濃いグレーのスーツがとても映えていた。シルバーのストライプが入ったシルバーブルーのネクタイがセンス良く人に好感を持たせるように見える。

 思わず手をクルリと返し、指を絡ませてしまった。それに淳平が驚くように視線を一瞬向けると、広い駐車場のある食事処へ入った。
「ここでいいか?」
「うん・・どこでもいい」
 少し他の車と離れた木々の茂みで暗くなっている端に駐車した。エンジンをそのままにギアを引いてサイドブレーキをかける。二人とも知らずうちに心を馳せていた。焦るように一連の流れを矢継ぎ早に終わらせると、自然とお互いを見詰め合った。

 淳平の手が弘夢の頬に触れる。そのまま顔を近づけると、お互いに一瞬数ミリの距離で唇を止め、間を置いた刹那、確かめるように唇を重ねた。
 お互いの唇を重ねたのはこれが人生で2度目だ。絡められた指はどちらともなく解かれ、弘夢は淳平の首に手を掛けては引き寄せるように、淳平は弘夢の後頭部を押さえてはもっと深く、もっと強く唇を重ね、幾度も角度を変えては食むような啄ばみを繰り返した。




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新連載「それから」は、「すれ違った後で」の続編です。

「すれ違った後で」を1話からご覧になる方は、
こちらをどうぞ♪→
すれ違った後で1話-弘夢(1) (別窓で開きます)
*「すれ違った後で」は全10話の短編です。

また、第二部「それから」の注意書きを目次からご覧下さい→目次へ (別窓で開きます)
(大分雰囲気が変わっているので・・)

続きが見たいと言って下さった方々、本当にありがとうございました!
本日から続きをUPしていきます。
が、ハードな内容になっていくので苦手な方、男性の方、ごめんなさいm(_;)m
シリアスなのでかなり手探りでのUPになっていくと思いますが、
頑張っていきます!ヨロシクお願いします♪



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03:24 | それから | comments (4) | trackbacks (0) | edit | page top↑