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小悪魔な弟 39話

☆18禁です

「ダメ……だよ」
 潤はベッドに座る久耶の上に素早く靴を脱ぐと、跨って座った。
「足りない。言葉が言えないなら、その分キスして」
 誘うような目つきで少し上の位置から久耶を潤んだ目で挑戦的に見ると、久耶がグッと方手で潤の腰を引き寄せた。
「はっ……んっ」
 腰を引き寄せられただけで既に立ち上がっている潤の股間が破裂しそうになった。
 だが息をつく暇もない程に、少し下の位置から久耶が唇を塞いできた。今度は潤も久耶の唇を吸って応える。潤は掻き毟るように久耶の短い髪を柔らかくメチャクチャにした。
 潤の乳首は薄い黄色のTシャツの上からでもよく分かる程に尖ってきた。
 いつの間にか互いに舌をネットリと絡みつかせて口内を熱い息が行き来していた。
 潤にとってこんな久耶は初めてで、興奮するのに同時にときめきで心臓が痛い程に高鳴る。
 今までのように潤が教え促すままにするキスとは違う、久耶自身が攻め立てるキスに潤の身体は熱く溶けてしまいそうになる。
 
「んんっ……兄ちゃんっ……あんっ」
 興奮してきた潤がキスをしながら甘えた声で喘ぐと、久耶が急に潤を引き剥がした。銀色に光る唾液の糸に繋がれて唇がいやらしく装飾される。
「これ以上はッ……マズイ」
 久耶が潤から目を逸らして急に何か精神統一をしようとし出す。
「ハァハァ……どうしてっ」
  潤はふと気付いて布団の中に細い手を潜り込ませた。

「あっ! 止めろ潤ッ……コラッ……あッ」
 潤の手の中に、熱く収まりきらない大きさのものが当たった。
「あー。お兄ちゃん、こんなになってる」
「いいから……少し経てば落ち付くから離しなさいッ」
 潤はその熱い肉棒をギュッと掴んで上下前後に擦った。
「あっ……ダメだ……ってッ……潤ッ…やめッ」
「嬉しい。だって僕とキスしてお兄ちゃん、こんな風になってくれたんだもん」
 潤は布団の中に顔を潜り込ませた。
「コラ、潤! 何してるんだ!」

 潤は抵抗する久耶を無視して布団の薄暗い洞窟の中で寝巻のような柔らかなズボンを引き下ろした。
 すると中から勢いよく大きな赤っぽい色の久耶の肉棒が飛び出て来た。
「潤ッ」
 バッと布団を引き剥がされると、冷たい空気と明るい部屋の中に兄のモノを両手で掴む潤が可愛い顔で上目遣いに久耶を見ていた。
「お兄ちゃんの先っぽから透明の液体が出てきてるよ。舐めてあげるね」
 そう言って赤い舌先を久耶の鈴口に伸ばすと、久耶は身を捩って逃げようとする。
 潤はゆっくりと舌の腹でペロリと亀頭を一周舐め付ける。
「な、何をするんだ潤ッ! 汚いから止めろって! そんな事ッ…うっ」
 潤は上目遣いに久耶の顔を見ながら、もう二、三周舌を亀頭に回した。
「あッ」
 途端に久耶の身体は電撃が走ったようにビクビクと反応して上半身がベッドに倒れた。

「気持ちいいでしょう? いっぱいしてあげるからね」
「や……め……ハァハァ」
「見てて。僕がお兄ちゃんのしゃぶるところ。ちゃんと見ててね?」
 潤はそう言って切なげな表情で強く久耶の肉棒を吸引しながら口内一杯に入れ込んだ。
「あ……あぁぁあぁ」
 眉をひそめて久耶が切ない声を出すと、グッと久耶の腰に力が入ったのが分かった。
「んっ、んっ、んっ……んっふ…んんっ」
 久耶のペニスはどんどん硬く大きくなっていく。大きくなり過ぎて一旦ペニスを口からは引き抜くと、唾液の糸がツーっと潤のふっくらとした唇に付いて繋がった。
 仕方がないのでペロペロと舌を出してペニスを舐めながら文句を言う。

「お兄ちゃんっ、これ以上おっきくしたら僕の口に入らないよぅ」
 久耶のペニスが潤の両手の中でドクン、ドクンと大きく波打って暴れる。
「もうっ……もうイっちゃうから止めろって」
 久耶のペニスはどんどん充血して赤みが濃くなってきた。
「ダメ! お兄ちゃんの飲みたいっ」
 潤は再び膨らんだ久耶の亀頭にしゃぶりついた。両手で同時に竿部分を上下に扱くと久耶の腰が自然とそれに合わせて動き出した。
 潤の物凄い舌の動きに今まで感じた事のない未知の快感で、久耶は亀頭の先から蕩けてしまいそうになる。
「バカっ……何言ってっ……うっ……ハァハァ……も、イクっ」
「んっ……出してっ……僕の口の中に一杯出してっ……飲ませてっ」
 それでも久耶がグッと潤の柔らかな頬を掴んで離そうとした時、潤はヌルッと小さな舌先を久耶の尿道口に入れ込んでやった。

「あああッ」
 途端に抵抗する暇もない程久耶の腰がビクンッと跳ねて、同時にドクン、ドクン、と大量の精液が潤の口内に放たれた。
「んっふ……んんっ」
 余程溜まっていたのか、なかなか途切れずに何度も射精している。ドロドロと濃い味の精液で口内が溢れていく。
 溢れて口端から零れ出ると、潤は慌てて少しずつコクンコクンと飲み込んだ。

「じゅ……ん……ハァハァ」
 その様子を力尽きた久耶が肩で息をしながら心配そうに見ていた。
「はぁぁぁ。お兄ちゃんの、飲んじゃったっ」
 こういう前戯がある事を知らない久耶は余りの信じられない潤の行動に呆然となったが、一方でこの行動に異常なエロスを感じて頭が麻痺していた。
 自分の精液を飲まれて不思議と沸々と潤に対して愛おしさが湧き上がって来くる。

「バカ。そんなもの飲んで、腹壊したらどうするんだ」
「そしたら兄ちゃんと一緒に病院にいるもん」
 潤はベッドの上に寝る久耶の上に乗って抱き付くと、久耶はそっと使える手で潤の頭を抱いた。



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00:00 | 小悪魔な弟 | comments (14) | trackbacks (0) | edit | page top↑

小悪魔な弟 38話

 二度目の告白だった。
 今度こそ、この真剣な想いが伝わるといい、そう思って潤はぎゅっと強く久耶の首を抱きしめた。
「うん」
 久耶が落ち着いた声で答えた。
 潤はゆっくり自分の顔を久耶の首から離して、視線を合わせた。真っ直ぐに自分を見つめ返されている、それだけで嬉しさと緊張で指先が震えた。
「うん、ってお兄ちゃん、意味分かってるの? 僕はお兄ちゃんに恋愛感情を持って告白してるんだよ?」
「うん」

 余りに簡単な久耶の答えに、潤はそれがどういう意味で頷いているのかがいまいち理解出来なかった。
「うんって、どういう意味だよっ。お兄ちゃん、いいの?! 僕の気持ち、受け止めてくれるの?!」
「うん」
 久耶はゆっくりと使える右手で潤の涙を拭った。潤は顔が火照るように赤く熱を持ってくるのが自分でも分かった。
 信じられない思いと疑問で頭が一杯になる。

「どうして……? 無理矢理だったら、僕いやだからね?」
 つい、また涙声になる。
「無理矢理じゃない」
「本当に?」
「ああ。お前のそんな泣き顔初めて見た……胸が張り裂けそうに痛くなった」
 そう言って久耶が潤の後頭部から柔らかな髪の中に指を入れ込んで自分の肩に引き寄せた。
 潤はドキッとしながら今までと違う久耶の男としての感触を感じて緊張する。

「お兄ちゃん、あの人の事好きなんじゃないの?」
 ドキドキと落ち着かない心臓に鳩尾までせり上がるような緊張で胸が苦しくなる。
「透のことか?」
「うん」
「確かに何か引かれてた部分はあった。でも最初はお前に似てるから取っ付きやすいってだけだったのかもしれない」
ゆっくりと髪を撫でる久耶の動きに脳が蕩けそうになる。潤は思い切り甘えたくてしょうがなくなってきた。

「じゃあ、付き合わない?」
「付き合わないよ」
 潤の瞳に涙がジワリとまた浮かんでくる。

「お兄ちゃん、僕のこと好き?」
「うん」
 潤は久耶のシャツを掴んで顔を上げた。

「ちゃんと言って!」
「……恥ずかしい」
「ダメっ! 言って!」
「……」
 久耶の顔が困ったような素振りで少し不機嫌そうな顔になった。相当恥ずかしい証拠だ。

「ねぇ、お兄ちゃ……」
 しつこくシャツを掴んでせがんでいると、急にグッと後頭部を抑えられて力強く唇を塞がれた。
「あっ……んっ」
 潤は心臓が一瞬大きく高鳴った後に、ゾワリと総毛立った。塞いできた久耶の少し乾いた唇が優しく潤の柔らかな唇を食む度に、身体の奥からジンジンと熱いものが溶けだしてくるようだった。
 ふっと唇が離れると、久耶の男の顔があった。

「これで、ダメか?」
「え……」
 久耶は、恥ずかしいから行動で示したと言いたいようだった。



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00:00 | 小悪魔な弟 | comments (22) | trackbacks (0) | edit | page top↑

小悪魔な弟 37話

 暫く入院が必要となった久耶に、医師から診断が言い渡された。
 久耶の顔は、自分でも覚悟がしてあったかのように動じないものだった。医者のする話しをと至って落ち着いた表情で静かに聞いていた。
 潤は、久耶が相当ショック受けたに違いない事が分かっていた。顔色を変えなくても、兄弟だからこそ分かる空気のようなものが伝わって来る。
 それにも関わらず家族に心配をかけないよう、いつも通り接してくる久耶に、潤は何をしてあげればいいのか分からない自分の未熟さを感じた。

 二、三日経つと透を含めた部活の同級生や先生も見舞いに来るようになった。
 もう少し自分が大人だったら、これから先の久耶の進路についても相談出来たかもしれないと思うと、歯痒くて仕方がない。
 病室で毎日見舞いをするようになっても、潤の出来る事と言えば明るい話しをして楽しませるだけだった。
 潤は自分の出来る事を精一杯しようと、家から持ってきた果物などを一生懸命に剥いては久耶に食べさそうと必死になった。
 普段果物は自分から手をつけない久耶も、潤が手渡すものに対しては絶対にいらないとは言わなかった。
 潤はそんな些細な事でも物凄く嬉しく感じる。

 その日もまたいつものように潤がお菓子や雑誌の差し入れを持って久耶のいる部屋に入ろうとドアに手を掛けると、中から聞いた事のある声が聞こえた。

「本当にそれでいいの? リハビリとかして頑張ったらもしかしたら……」

「いや、自分で分かるんだ。それに、進路を変えるなら決断も行動も早い方がいい」

 中には透と久耶の二人でこの先についての事を話しているようだった。
 潤は、自分には話さない久耶自身の人生を透には話すこの現実の距離に胸が苦しくなる。

「俺、何でもするから。何でも言って? ね?」

 そっと優しい透の囁きかけるような声に、潤は背中にゾワリとしたものを感じた。

「ああ。ありがとう」

「俺と一緒の大学に行かない? 久耶。俺、お前の事マジで好きになっちゃったみたいなんだ」

 潤はその透の声にズキッと胸が痛んでから、自分の好きな相手に別の人が告白をしている事実に息も上手く出来ない程鼓動が速まっていった。

「お前もその、ゲイ……というやつなのか?」

 落ち付いた久耶の声が間を開けて聞こえてくる。

「俺はバイだよ、久耶。女も男も好き。でも、今は久耶が好きなんだ。お前だって俺に触られてイヤじゃなかっただろ? だからイケたんだし」

 潤は震える手でスーッと重たいドアを引いて中を覗いた。
 四人部屋はまだ久耶以外のベッドは空いていた。一番奥の窓際で動けない久耶の上に上半身を覆いかぶせるようにして迫る透が見えた。
「俺は潤くんにも似てるよ。でも兄弟じゃないから付き合っても問題ないし、友達でもあるからきっと楽しいよ。ね?」
 そう言って唇を近づける透に、何かを考えているのか固まったように動かない久耶に、潤の動悸は激しく全身を波打たせた。

(嫌だ……止めて……)

 自分の中の危険信号が脳内のあちらこちらに点滅していて眩しい。

 震える手で残りのドアをバンッと開くと、その音に驚いた二人が潤を見た。
 その驚いた久耶の顔に何故か更に胸の奥に痛みを感じた。
「こんにちは、潤くん」
 そう言った透はゆっくりとベッドから離れて自分のカーキ色の鞄を肩に掛けた。
「そういう事だから。俺の気持ち、本気だから……また来るね」
 透は挨拶をすると、スッと素早く久耶の頬に軽くチュッとキスをして部屋を出て行った。


「これ、雑誌ね。お兄ちゃん……。あと、これ果物ね。それと……」
 潤は話している間に視界がボーっとぼやけていくのが分かった。涙は正直に潤の大きな瞳に浮かんでくる。話を続けなくてはと思うのに、既に袋の中身は全て出してしまい、言葉が詰まる。
 止めなくてはと思うのに湧き出る熱い涙を誤魔化す術は、ただただ下を向いている事だけだった。
「潤?」
 久耶の心配そうな声が聞こえる。今はそんな声を聞くだけで涙声が出てしまいそうだった。
「あー……ジュース買って来るの忘れた」
 上半身を起こして潤の顔を覗きこもうとする久耶を避けようとフイと顔をドアの方へ逸らす。
 このままでは泣きじゃくって久耶をまた困らせてしまうと思った潤は、久耶の顔を見ずに部屋を出ようとした。
「ジュース……っ……買ってくるっ」

 潤がくるっと身を翻した途端、パシッと後ろから急に手首を掴まれた。
 ふと力強く掴む手から伸びる腕に視線を這わせると、辛そうな顔をした久耶が潤を見ていた。
 途端にボタボタと大粒の涙が音もなく床に落ちて行った。
 すると、掴まれた手首がグイッと物凄い力で身体ごと久耶のベッドの方へ引き寄せられてバランスを崩してしまった。
「っ……あっ」
 潤の細い上半身は久耶の白いベッドの上にドサリと倒れ込んだ。潤は布団の上から感じる久耶の身体に触れると、益々遠い距離を感じて泣きじゃくり始めた。
「うっ……兄ちゃんっ……ごめん……ごめん……ねっ」
「何でお前が謝る」
「僕……何も出来なくて……でもあの人は出来て……兄ちゃん、あの人の事好きで……うっ」
 自分に出来ない多くの事が透に出来る事が悔しかった。
 さっき聞こえた話の内容で、合宿の間に二人が何か親密な仲になった事も分かった。潤は、きっと久耶も透に惹かれているのだと思った。 
 久耶が透に取られてしまう事の悲しさが潤を覆っていく度に嗚咽が激しくなっていく。

 久耶の温かい片腕がそっと潤の身体を抱きしめた。
「兄……ちゃん?」

「安心する」

 久耶の突然の優しい抱擁に、こんな時でも胸がさっきまで感じた凍てつく鼓動とは違う、温かな光の点滅のような鼓動に変わって行く。
「俺の方こそ、ごめん。お前の事を想ったつもりが泣かせる事になった」
 潤の久耶を想う気持ちが湧水のように押さえられない程に溢れ出てきた。

(もう抑えきれない……!)

「兄ちゃん、好き……好きですっ」
 潤は心の底から伝わるように久耶の首を抱きしめながら耳元で告白をした。



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小悪魔な弟 36話

 今か今かと夕方過ぎに久耶の高校前で合宿用のバスが到着するのを心待ちにしていた潤は、バスが着いて中から健康的に日焼けした逞しい高校生たちが出てくると心が躍った。
 中から出てきた久し振りに見る久耶は更に男らしく格好良く見えた。
「お兄ちゃっ……」
 早速駆け寄ろうとすると後から出てきた綺麗な男の子が久耶にやたらひっつくようにしているのが目に入った。

(何……?)

 潤の頭の中にはまだまだ久耶がゲイの世界につま先すら入っていない状態だと位置づけられていた。
 だが目の前で見るその男の子との雰囲気はまさに恋人同士の様な密なものだった。
 潤は焦って久耶の元へ駆け寄った。

「お兄ちゃん! お帰りなさいッ、僕、迎えに来たよ!!」
 大きな声で遠くからまるで威嚇でもするよに声を掛けると、久耶はゆっくりといつもと変わらない表情で振り向いた。
「おお。潤、わざわざありがとうな」
 言葉を掛けて貰っただけなのに有頂天になりそうな気分になる。だが、次の瞬間、紅蓮の炎のような嫉妬の炎が潤の全身を纏った。
「潤くん……だっけ? お久しぶりっ。お兄ちゃんのお迎え? 偉いねっ。僕も途中まで一緒に帰るからねっ」
 そう言って久耶の腕を取ったその男は自分に少し似たような笑顔を向けてきた。
 久耶の顔を見ると、やはりいつもと変わらない様子で我関せずと言った感じだ。

(何で?……お兄ちゃん、この人、何? 何かあったの?)

 同じ部活にこんな人が居ただろうか。前に皆でファミレスに行った時の記憶を辿るが、その時はあの女性マネージャーに気を取られていた為にあまり男に関しては見ていなかった。

(どこにいた!? こんな人……どこに!)

 潤はまさかこんなに綺麗な同級生がいたなどと思いもよらずに言葉が出て来なかった。
 そして言葉では到底言えない疑問が沸々と湧き上がっては泡のように虚しく消えて行った。

 二人きりの家路の予定が思わぬ敵との道のりとなり、潤は怒りで無口になるのだけは避けて、なるべく平静さを保って歩いた。
 透と名乗ったその可愛らしい自分に似た久耶の同級生は、潤の感が危険信号を伝えていた。
 それはあの女のマネージャーのアキとは比べ物にならない信号の強さだった。
 アキだったら堂々と張り合えるのに、この透という男に対しては明らかに劣等感を抱いていた。
 潤は東城に言われた言葉を思い出して血の気が失せた。まさか本当に自分に似た相手が現れるとは思っていなかった。
 そして何より予想外だったのが、久耶の態度だった。いつもなら嫌がりそうな程に腕を絡まれても、文句を言う素振りすら見せない。

 透と道を別れてからは、何を話しかけていいのか分からない潤は黙って久耶の後をついていった。
 本当は手も繋ぎたいし腕だって組みたかった。
 そうして黙ったまま帰宅した。

 それからも、久耶に冷たくされていた日々に戻ったように毎日は過ぎて行った。
 潤はただ大会が終わるのをひたすら願ってカレンダーに印を付けて行った。大会が終われば否が応でも約束は守ってくれると信じて日々が終わるのを数えていた。

(大会が終わったら一緒に遊びに行くんだ)


 そして大会が始まり、来なくていいと言われていたが隠れるようにして応援に行くと、見たくもないあの青年と久耶の仲の良さそうな姿を目にした。
 久耶は相変わらず安定したピッチングでボールを物凄いスピードで投げていた。
 相手チームも必死に巻き返そうとする。なかなかいい勝負だった。
 いつしか潤も試合自体を応援するように見入っていた。

 久耶が綺麗なフォームで玉を投げる。事は万事何もなく優勢に進むかのように見えた。
 だが次の瞬間、玉を投げた久耶が苦痛の表情で崩れた。
 潤は「あッ!」と声を上げて立ち上がったのと同時にバッターが勢いよくその玉をストレートに打ち返した。
 その音がやけにハッキリと潤の鼓膜に響きわたる。

「危ない! 避けて!」
 それはマウンドにいた透の声だった。
 次に見えた久耶は物凄いスピードで跳ねかえってきた玉に足を直撃されて、完全に土の上に倒れる久耶の姿だった。
 
 監督や審判も駆け寄り、打撲した足や久耶の抑える肩の調子を触って様子を見ているようだった。
 心配になった潤も少しでも近くで見ようと移動する。
 ちょっとやそっとの痛みでは表情を変える事のない久耶の額からは脂汗が噴き出ているのが遠くからでも分かった。
 急いで病院へ運ぶ事になってしまったその試合は案の定負けてしまった。
 潤は家に連絡をしながら病院へ付き添った。

 最後に思い切り投げたボールで、久耶は肩を痛めてしまったようだ。そこでバランスを崩した時に、同時に足も打球でやられて骨にヒビが入ってしまったということらしかった。
 医者によると足よりも肩の方が重傷らしく、この先スポーツでやっていくには難しい状態だと潤を含めた家族に告げられた。



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小悪魔な弟 35話

☆18禁です

 突然聞こえた「兄ちゃん」という言葉にグンと久耶の股間が膨らんだ。
 久耶は少し乱暴に力を加えて目の前の透を押し退けた。
「いい加減にしろッ……ハァハァ」
 薄暗い個室の中で透の眼光は妖しく光って見えた。
「何だよ。久耶だって興奮してるんだろ? オナニーの手伝いしてくれたっていいじゃんかよ。一人でやるより相手がいた方がいいって事もあんだろ?」
 透はスッと懐に入るとグッと久耶の股間に手を伸ばして掴んだ。

「うッ……!」
「ほら……こんなに大きくて硬い」
 透の手は慣れた手つきでスウェットの上から久耶の股間を上下に弄る。
 久耶はどうにか逃げようとクルリと身を翻してドアの取っ手を探すと、その手を掴んだ透がグイと後ろへ回した。
「痛ッ」
「大人しくしてよね。気持ち良くしてあげるからさぁ」
 
 透は出来る事なら自分が久耶を犯したかった。満たされない心の奥底に見える小さな空白を埋めたかった。
 久耶を貪りたいという想いは強くなっていったが、ここに来て恋心にも似た気持ちが湧き起こり、透は自分でも驚いていた。
 もしかしたら昔からある虚しさが埋められるかもしれない、そんな根拠のない想いが暴発した。
 腕を取られ、後ろから強引に下着の中に手を突っ込まれた久耶は、逃げようにも快感を追いかける身体が言う事を聞かなかった。

「止め……ろっ……うッ」
「あぁ……凄く大きいね、久耶の。熱くって凄く硬い」
 鈴口から湧き出る液体を指に絡めながら亀頭を攻め立てると、久耶の吐息が甘くなってきた。
 理性では拒否しているのに対して身体はそれを欲しているようだった。
 透も我慢出来ず、自分のモノを出すとスェットを半分引き下ろし、久耶の引き締まった臀部に擦りつけ出した。

「久耶っ……久耶っ……んんっ」
「止めろッ……東城っ」
「ダメっ……もう止まらないっ……あああんっ」
「止めっ……うッ……あッ」
 透の絶妙な手の扱きによって久耶の鈴口からは白い液体が思い切り壁に掛った。液体は濃い為になかなか流れ落ちようとはしなかった。
 同時に透もイク瞬間に横の壁に向かって射精した。
 トイレの中は暫く二人の荒い息遣いしか聞こえなかった。

「素質、あるよ。久耶」
「……」
 何を言っているんだという顔で睨むように久耶は透を見た。
「男、平気だよきっと」
 ニコッと笑った憎たらしい透の顔は天使のように可愛らしかった。だが久耶の中に言い知れぬ罪悪感が性器に残る甘い快感と混じって身体を駆け抜けた。
「弟くんさ、女が相手だったら効果なさそうだけど、男が相手なら多分効くと思うよ」
 透はカラカラとトイレットペーパーを手に巻きつけながら言った。

「何の事だ?」
 久耶はずらされた自分のスェットをきちんと履き直しながら不機嫌な声で聞いた。
「だからさ、弟くん。ゲイなんでしょ? だったら俺と付き合ってる事にすればいいじゃん? そしたらきっと諦めるよ」
 ドロリとした壁についた白い液体を丁寧に、そして愛おしそうに透は拭きとっていく。
「諦めるも何も、別に潤が俺をそういう目で見ていると決まった訳じゃない」

 久耶は既に薄々気付いていた。透や雅人から言われてから確信に変わっていったと言っても過言ではない。
 幼い時はいくら好きだと言われてもそれは兄弟として言われていたのだと思っていた。
 だが、最近はどう考えても度が過ぎていたようだ。久耶なりに色々と調べた結果、普通の兄弟はそういう事はしないのだと思い知ったのだ。
 潤にとって何が一番いいのか、それを考えた時に苦渋の選択をしなければいけない時も来るかもしれないと腹を括った。



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*22~26日まで留守にしている為コメント欄を閉じさせて頂いてます(>ω<)
拍手コメ、拍手秘コメは帰宅してからお返事させて頂きます!
いない間何かと不安です(;´Д`A ```
留守の間言えない分、ここで書いておきます!
「読んで下さってありがとうございます!m(_ _)m」


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小悪魔な弟 34話

 その日の夜は皆疲れ切って泥のように眠ってしまった。
 透も、布団を久耶の隣に付けて顔を見ていた筈がいつの間にか眠ってしまった。
 そんな合宿生活も四日も経ってくると、思春期の男たちの目が風呂へ入る頃から夜にかけて血走ってくるようになった。
 さすがにそこまで来ると、透は悪ふざけをして煽るような事はしなくなった。だが、代わりに久耶に守って貰うように常にひっつくように行動するようになった。
 ついに男たちの間で二人はデキていると噂まで流れ出した。

「お熱いですね~お二人さん」
「ラブラブっすね~」
 などとヤジを飛ばす同級生たちに久耶は何も動じず、いつもと変わらずに皆と接していた。
 だが透はどこか嬉しさが込み上げてくるのに、怒りもしない久耶に寂しさと腹立たしさが同時に湧いてきた。

 夜になると我慢が出来ずにトイレに駆け込んで自慰をする輩が多数出てきた。
 久耶も既に少しでも刺激を感じれば、大きく反応してしまう状態だったが、殆ど精神力でそれを抑え込んでいた。
 消灯前の一時に、皆部屋の男たちはエロ話に花を咲かせた。皆それぞれ、どんな知恵を駆使して自慰を行っているだの、初体験は済ませたか否かという話で大盛り上がりした。
 久耶はその中で一人文庫本を横になりながら読んでいた。
 透はその久耶の布団の中に潜り込んでいくと、驚いた久耶が透を引き離そうとした。

「おいっ……何してんだ、東城!」
「いいじゃんか! 寒いから!」
 夏の暑いこの時期に透は苦しい言い訳をする。
「俺は暑い!」
 透の頭と肩を引き剥がそうと久耶は押した。

「人肌が恋しいの!」
 それでもひっつこうと透は必死にしがみ付いて来る。
 その様子を周りの男子はニヤニヤとしながら見ていた。
「なぁ、もう付き合えば? お前ら」
「いや、でも男同士って……ヤれんのか?」
「入れる所ないから扱きあうだけじゃねーの?」
 そんな普通の男子たちの憶測が狭い和室に飛び交った。

「エッチできるよ! そんな事も知らないの?」
 透は急に得意気に布団から飛び出すと、ツラツラと男同士のあれこれを皆に説明しだした。
 すると、皆興味津津のようで色々な質問が飛び交った。
 久耶はその説明が始まってから読んでいる筈の文章が一行も進まなくなった。
 話の上手な透はそれは魅力的にどれだけ気持ちがいいものかを説明するので、それに影響されて再び自慰をしに行く者さえ出た。
 今度は久耶も何やら限界に来たようで、ムクリと起き上ると黙って皆の来なさそうな離れたトイレへと向かった。
 部屋を出る時に案の定疑われたが、そこはいつもと変わらぬ表情で「違う、小便だ」と言い放った。久耶がそう言うと、誰もが何となく納得してしまう。
 だが久耶が出て行った後、透も後を追いかけるように部屋を出て透の後を追って来た事はまだ気付いていなかった。

 誰もいないトイレに入り、洗面台の小さな明かりだけつけて薄暗いまま個室に入ろうとすると、サッと透が入って来た。

「東城!?」
「シッ……」
 そう言って透は久耶と個室に入った。

 久耶が問いただす暇もない程に、透は既に息を荒くして潤んだ目をしたまま久耶を壁に押し付けるようにして抱き付いてきた。
「ハァハァ……もっ……ダメっ」
 透の熱い息が首に掛るとゾワリと鳥肌が立った。
「おいっ……何してんだ、止めろって、透ッ」
 透は見た目とは違う力強さで久耶の顔を引き寄せると、その慌てる唇に吸いついた。
「んーっ……ん! んん!」
 驚いた久耶の隙をつくように透がヌルリと舌を捻じ込む。

(こ、これは恋人のキス!)

 久耶は以前潤から教わった恋人のキスを思い出した。
 友人だと思っていた男から強引にされる恋人のキスに、久耶は訳が分からなくなって目が回って来る。
 だが薄暗い中で潤に似た男とのキスは決して気持ち悪いという感情を起こさせなかった。ただ、これはいけない事をしているという罪悪感だけが膨らんでいった。

 久耶は逃げようと頭を動かすが、後ろの壁と押さえつけられる透の手でなかなか振りほどけない。
 口内で舌を追いかけ回される。
「んっ……逃げないで」
「ハッ……やッ……めっ」
 久耶が息継ぎをする度に抵抗の言葉を一つずつ伝える。だが次に聞こえてきた透の言葉に、久耶の心臓は予想以上に跳ねた。

「んっ……兄ちゃんっ」



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小悪魔な弟 33話

 合宿当日、早朝から家を出た久耶は練習の為の気合いしか入っていなかった。その顔はまるで修行場に赴く険しい侍の顔だった。
 そんな男らしい姿に胸をときめかせている男がすぐ近くにいた。
 バスでちゃっかり久耶の隣に座っていた透はうっとりと蕩けるような眼差しを久耶に投げかけていた。
 暫くバスに乗って合宿場に着くと皆テンションが上がり歓喜の声を上げ、それぞれの部屋割ごとに自分の荷物を部屋に置きに行った。
 勿論、部屋割表を作る際にコーチを手伝うと称して、透はしっかり久耶と同じ部屋にセッティングした。
「久耶、一緒の部屋だねっ。夜は一緒に寝ようねー」
 部屋割表を見た透はおちゃらけた感じでひっつくと、久耶は「はいはい」と言うような顔で何も言わず黙々と部屋に向かった。
 部屋は六人一部屋で割り振られていた。メンバー九人と控え選手九人にコーチ、合わせて十九人だが、コーチは一人で部屋を取っていた。

 着いて早速練習が始まった。
 ハードな練習内容に皆選手たちは息切れをしながら集中的に体力作りに励んだ。
 久耶はその中でもペースを落とさずに淡々とメニューを一人こなしていた。
 透はそんな久耶でもたまに見せるきつそうな顔を見るのが好きで必死にメニューに喰いついていた。
 
 合宿場は山の中にある為、辺りが暗くなってくると電灯が殆どないからか真っ暗になってしまう。
 薄暗いところでその日の練習は終り、皆ふらふらしながら風呂へと向かった。風呂場は温泉となっていて九人ずつ入る事になった。
「この練習メニューきつくねぇ?」
「俺、ふくらはぎヤべぇ」
 選手たちは口ぐちに辛さを吐きながら脱衣所で泥だらけのユニフォームを脱いでいった。
 少し後から入って来た透が服を脱ぎ出すと、皆チラチラと盗み見だした。

 透にとっては日常茶飯事の事だった上に、自分の裸体がやけに艶めかしい事も理解していた。
 だが、それに慣れていない久耶はその異様な雰囲気にふと気付いて透の方を向いた。
 背中をしならせるようにして上半身の服を脱ぐと、汗ばんだ白い肌の裸体が眩しく目に飛び込んできた。
 スルスルと下のズボンも下着ごと脱ぎ去ると、丁度いい筋肉のついた綺麗な下半身と引き締まった白い臀部に皆釘づけになった。
 透はふと顔だけ後ろを向くと、自分をじっと見ている連中に向かって挑発するような笑みを浮かべた。
「何ジロジロ見てんの? やらしいっ」
 前を向かなければ男性器は見えず、振り向いた顔は女性よりも美しい為に皆おかしな気分になる。
「おい、さっさと入るぞ」
 低く落ち付いた声で久耶は皆を風呂場へと押しやった。

 一通り洗い終えると、皆わいわいと子供の様にはしゃぎながら湯船に浸かった。
「しかしこうしてお湯に浸かって顔だけ出してると、何か混浴してるみたいだぜ」
「俺たちの間に来いよ、透」
 すっかり湯船の中のアイドルと化した透は調子に乗って男たちの真ん中へ移動した。
 久耶は一人端の方で瞑想をしているかのようにじっと目を閉じて動かずにいる。

「お前の肌すべすべだなぁ。気持ちいいー」

「やだ、ちょっと触らないでよ」

「やべー、俺ムラムラしてきた」

 男しかいない空間に勘違いを引き起こしそうになる容姿の透はわざと煽るように大袈裟に嫌がってみせて楽しんだ。

「いやっ……いやあっ」

「おい、そっち抑えろよ」

「乳首、感じる?」

 とうとう悪乗りしてきた男たちによって押さえられ、身体中を触られだした透は久耶に助けを求めた。
「やあっ……久耶っ……助けてぇ」
「あいつ、なんか地蔵みたいになっちまってるから無理だってー」
「あっ……ちょっ……お前らやり過ぎっ……あんっ」
 お湯の中できつく乳首を抓られて、敏感な性感帯を刺激された透はつい高い声を上げてしまった。
「うひょっ……イイ声だなぁ、もっと出せよー」
「やべぇって! 俺勃っちまったよ!」
 エスカレートしてきた男たちの力を振りほどけずに少し暴れていると、ばしゃばしゃとお湯をかき分けて久耶が割って入った。
「その辺にしとけ。出るぞ東城」
「う、うんっ」
 久耶は透の手首を掴むと、引っ張るようにして湯船を出た。
「んだよー久耶は堅いんだよー!」
 後の方から飛び交うブーイングを聞きながら、透の顔は湯あたりでもしたような赤い頬に染まっていった。



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小悪魔な弟 32話

☆18禁です

 明日から夏休みだという時に、潤は久耶に急に夏休みの始めに合宿があると聞かされた。
「え? どの位行くの?!」
「一週間だ」
「そんなに……」
 あからさまに寂しそうな顔をする潤をちらりと盗み見た久耶の胸はキュンと痛んだ。
「でも帰って来たら、試合終わったら僕とどこか遊びに行ってくれるでしょう?」
 縋る潤が子犬のようで久耶の胸は激しく締め付けられる。最近では潤もすっかり大人しくなり、少し気の毒にさえ感じる程だ。
「まぁ、時間があったらな」
 その言葉に潤は涙を浮かべて久し振りに無邪気な天使の笑顔を作った。
「ありがとうっ……お兄ちゃんっ」
 久耶はその笑顔を脳裏に焼き付けて、合宿へと赴いた。

 いつの間にかあちらこちらからセミの鳴き声が聞こえてくるようになっていた。
 冷房の効いたリビングから廊下に出ると、むっとするような空気の塊の中に入るように感じた。
 冷房は久耶の部屋にしか付いておらず、潤はひたすら扇風機を回して凌いでいた。
 いつもなら久耶の部屋で寝るか、襖を開けて冷房を回すかしていたのだが、何か修行のような気分でそれらを自分で禁止した。
 久耶が合宿に出てしまうと、異常な寂しさが襲って来る。
 最近では冷たくされてから益々焦がれる気持ちに拍車がかかったように思えた。
 
 しっとりと汗がシャツに貼り付いて気持ち悪い。首元のシャツをパタパタと動かしながら風を胸元へ送り込むが、意味はなかった。
 その日はたまたま両親の帰りが遅く深夜過ぎまで一人の予定だった。
 熱帯夜は容赦なく潤の身体を外側から熱くさせていく。そして、頭のボーっとしてきた潤は押し入れの奥から最近使っていなかったバイブをガタガタと出してきた。
 机の中からローションを取り出し、全裸になる。
 家に誰もいないこの時が思い切り自慰に耽るチャンスだと踏んで、潤は大胆な行動に出た。
 
 久耶に冷に冷たくされてから気分が滅入って自分で処理をする気にもなれず放っておいた。
 少しの希望と楽しみが、その分の性欲を増幅させたのだ。
 汗で濡れた色白の肌は艶めかしく光っていた。
 潤はガタガタと幅広の姿見をベッドサイドに設置すると、早速ローションをペニスに塗りたくり、足を広げて気持ち良さそうに扱く自分の姿を鏡で見てみた。
 自分で思っていたよりいやらしい姿に少し興奮する。

 ヌチュヌチュと卑猥な水音を立てながら亀頭にローターを当ててスイッチを押す。
「きゃあんっ」
 ヴィ―ンと激しい音が鳴ってその久し振りの強い刺激に、潤は思わず身体がベッドの上に倒れてしまった。
 ローターをゆっくりと亀頭から裏筋、そして玉袋からアナルの方へ当てながら移動させると、激しく悶えるような快感に足をバタつかせた。
 胸にある小さな桃色の乳首はぷっくりと先が尖って反応している。
 そして細いディルドで後ろの蕾を和らげるようにゆっくりと解す作業に入った。
「ああん……ああんっ」
 だんだんとそれも快感に変わってくると、身体は既に火照って桃色に艶めいてきた。

 新しく東城から貰ったシリコン製の大きな肌色の張型と、同じく肌色だが亀頭部分だけがやけに赤い卑猥なバイブを両手に持った。
 そしてバイブの方をアナルに押し当て、張型を口に咥えた。
「んっ…んっ…んあっ」
 丁度少し遅めの変声期の為に、掠れるような声が部屋に響いた。
 ズプズプと入っていく、なかなか太いバイブの様子が鏡でよく見える。
 潤は奥まで入ったのを確認すると、四つん這いになってスイッチを押す。
 ヴ―ン、ヴ―ン、と震動と低い音がうねりと共に潤の腹の中で鳴り響いた。

「いやあぁんっ」
 その刺激に叫ぶと、咥えていた偽のペニスが布団の上に落ちてしまった。
「あっ、落ちちゃっ……た……んっ」
 ベッドの上に偽のペニスを手で立てると、ペロペロとそれを舐めながら鏡の方を向いた。
 そこには尻に生き物が侵入しようとしているように動く肌色の棒が刺さった丸い尻が映し出されていた。
 一日も欠かさずヒップアップの運動と、入浴時に行う全身の肌の手入れのお陰でぷるぷると美味しそうに艶めいて見事な桃尻になっていた。
 口元を見ると、自分が恍惚とした表情でペニスの形をしたものを舐めている姿が見える。
 見れば見る程興奮してきた潤は腰を動かし、勃った自分のモノを布団に擦りつけてみたりと色々試してみた。

「んんむっ……兄ちゃああんっ……いいよぉ」
 堪らず自分のペニスに手を伸ばし、夢中でグチャグチャ扱いていると、その激しい動きでバイブが抜け出そうになるが手が止まらない。
 ヴぅぅウンッと大きな音がして、後孔の入り口に引っ掛かってからズルリと布団の上にバイブが落ちてしまった。
「あああんっ! いや……ああっ…抜けちゃっ……たあ」
 布団の上でヴンヴンうねる卑猥なペニスの音を聞きながら夢中で枕元にある張型を掴むとそれを口に突っ込んだ。
「んんっ……イクっ、イクっ……兄ちゃんっ」
 潤は張型のカリ首部分を甘噛みしながら叫ぶ。
「イ……クぅううっ……兄ちゃああっ」
 射精しそうになる瞬間、側に用意してあったティッシュを鷲掴みにして鈴口に押し当てた。
 ビュル、ビュル、と何度もトロリとした液体を吐き出すと、パッタリと布団の上に倒れた。
 そして急激な眠気が襲って来たので、急いで片付けるとそのまま眠りについた。



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自分がいないのに18禁UPってある意味羞恥プレイですね(*ノωノ)ポッ

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小悪魔な弟 31話

「あの位の年の子はさ、勘違いしやすいし影響もされやすいんだよ、久耶。俺、まさか久耶がそこまでやるとは思ってなくて正直びっくりした」
「だが、協力するって……お前だってイヤがってもそれは」
「うーん……これはその気にさせないようにした方がいいね」
 透は久耶の言葉を遮るように好きな事を好きなタイミングで話す。こういう所が潤に似ていて、久耶はどうにもペースを透に無意識に合わせてしまう。

 透は久耶を面白半分で煽ったはいいが、本気で実行する性格だとは思っていなかったようだ。
「取り敢えずこれからは兄弟だから無理なんだよって事を示していかないといけないね。久耶だって困るだろう? 下手に傷つけるよりもこうして少しずつ距離を離していった方が向こうもそのうち気付くと思うんだ」
 言われればそうだと久耶は納得する。潤を付き合う対象だと考える事自体、何か信じられない。
 潤の事は可愛いし色っぽい所もあり、つい変な事をして興奮してしまったりもしたが、それも久耶の中で弟という範疇(はんちゅう)を超えていない。
 考えてみると良かれと思ってした協力はもしや潤にとって逆効果になっているような気がしてきた。
 何が一番潤にとっていいのか分からない久耶は、今度は少し距離を置いてみる事にした。


 少し遅めに帰って来た久耶の気配を感じ取った潤は飛ぶようにして玄関まで迎えに行った。
「お帰りっお兄ちゃん!」
「あぁ。ただいま」
 久耶は潤と目を合わせようとしない。潤は久耶を下から覗き込むようにして視界に入ろうとするが、スッと目を瞑ってポンといつものように潤の頭に軽く手を乗せると洗面所へ入って行った。
 
(疲れてる……のかな?)

 夕飯時になっていくら潤が久耶に向かって話しかけても久耶の視線が潤の視線とぶつかる事はなかった。
 この間は潤がそんな感じだった。今回は久耶が急に態度が違う。そんな兄弟の微妙な空気に敏感な母は気付きながらも普通に接してくれていた。父はいつもと変わらず寡黙に丁寧にご飯を平らげていた。

 部屋に入って行った久耶を追い掛けて潤が部屋に入るが、振り向きもしない久耶にさすがの潤も不安が一気に胸の中で膨張した。
 もしかしたら自分とあんな行為をした事で気持ち悪くなって嫌われてしまったのではないかと涙が出そうになった。
「お兄ちゃん……」
「何だ」
 
(やっぱり振り向いてくれない)

「あのっ」
「悪いが今から勉強だから……」
 潤はそっと勉強机の前で座る久耶に背後に近付くと、ギュッと抱き付いた。

(兄ちゃんっ!)

「潤、今から、勉強するから」
「っ……。ごめん、なさい」

 静かに拒否されたように感じた潤はこれ以上久耶の機嫌を損ねたくなくて素直に部屋に戻った。

(ごめんな、潤。でもお前の為だから)

 部屋に戻った潤はおもむろに勉強道具を机の上に広げて椅子に座った。
 もしかしたら本当に疲れているだけで、勉強が忙しいだけかもしれない。きっと明日になればいつもの久耶に戻る筈だと自分の都合のいい解釈を信じるしか出来なかった。
 潤は次々と湧いて来る涙を邪魔くさそうに指先で救ってはTシャツで拭いた。

 だが次の日も、その次の日も久耶の作った見えない壁はいつまで経っても無くなる事はなかった。
 潤は思い切って何故急に冷たくなったかと聞いても「別にいつもと一緒」としか答えてはくれなかった。
 協力をして欲しいと頼み込んでも「今は忙しい」の一点張りで協力は一切してくれなくなった。

「兄ちゃん、僕の事、嫌いになったの?」
 潤が苦しそうにそう言うと、久耶は決まってその時だけは潤の目を見て優しく答えてくれた。
「俺が弟のお前を嫌いになんてなる訳ないだろう?」
 潤は久耶をズルイと思った。好きとは言わない代わりに嫌いにはならないと、こういう時だけ優しく目を見て言ってくる。
 これでは怒るに怒れなかった。ただただ苦しい切なさが潤の肩を落としていった。



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小悪魔な弟 30話

「好きですっ、久耶くん! 私と付き合って欲しいの!」
 部活のマネージャーであるアキの大きな胸がぷるんと揺れて頭が下がった。
 久耶は放課後、呼びだされた体育館の裏でアキから告白をされていた。
 近頃色々とあったせいか、久耶はアキに家でキスをされた事をすっかり忘れていた。

 グランドの向こうで、次々と帰宅をする生徒たちの明るい声が聞こえる。
「ごめん。付き合えない」
 久耶は下がったアキの後頭部を見下ろしながら、正直に自分の想いを返した。
「他に……好きな人でもいるの?」
 目に涙を浮かべたアキが顔を上げる。
「いや……今はそういうの、考えられないんだ。ごめん」
 そう断ると、アキは小さな声で「分かった」と言って歪んだ顔を隠すようにその場から走り去った。
 肉付きのいい背中の上で走る度にピョンピョンと跳ねる長く黒いアキの髪を見送った。
 軽く溜息をついて、久耶は日陰になっている体育館の裏から出ようとすると、角から人が入って来た。
 一瞬、潤が来たのかと思いドキリとするが、その人影は東城透だった。
「……」

「聞いてたのか? って顔が言ってるよ? うん。聞いちゃった、ごめんね」
 久耶は無表情のまま顔を逸らす。
「あーん、怒らないでよ。帰りにアイス奢るからさぁ」
 透は甘えた声ですり寄るように近づくと、久耶の腕に絡みついた。
「甘いものは……苦手だ」
「そ? じゃあコーヒー奢るからさっ。お茶して帰ろうよ!」

 何となく断りきれない雰囲気のまま、久耶は透に連れられて学校帰りに喫茶店へ寄った。
 こじんまりとした落ち着いた雰囲気の喫茶店は透の気に入った場所らしかった。
 所々に置いてある観葉植物が木造りの店内に合った落ち着いた雰囲気を出している。
「もうすぐ大会前の夏合宿だね。ところで久耶は大学受験はするの?」
 透がイチゴミルクセーキをストローで美味しそうに飲みながら上目遣いで聞いて来る。

「和光大学のスポーツ科に行こうと思ってる」
「え! やっぱりそうなんだ!? じゃあ推薦貰う為にも今度の試合、頑張らないとだね!」
「ああ」
 和光大学はプロで活躍しているスポーツ選手も数多く在学している。
「和光大かぁ……僕もそこにしようかなぁ。別の科もあるしっ」
「他に行きたい大学はないのか?」
 透の腹の中が見えない久耶は涼しい顔をしてコーヒーカップを持ち上げて飲む。

「久耶のいる大学に行きたい」
 透がクリーム色のテーブルの上に頬杖をついて甘ったるい表情で見つめる。
「何だ、それは」
 久耶は思わず訳の分からないくすぐったいような胸のざわつきを感じて、一気にコーヒーを飲みほした。

「久耶の手、大きいね」
 スラリとした透の手が素早く肉厚の男らしい久耶の手を掴み、スルリと指を絡ませた。
「おい、何をッ」
 人前で男同士で指を絡ませている事に慌てた久耶は手を離そうともがくが、絡まった透の指は一向に離れない。
「何? 恥ずかしいの? これ位いいじゃない。家で潤くんともっと恥ずかしい事、してるんでしょう?」
 透は意地悪な目つきでそう言いながら、綺麗な形の親指の腹で久耶の手の甲を撫でた。
 久耶は透に言われた事とされている事で心臓がドクドクと加速していく。

「し、していないッ……いや、協力はした……が、やましい事は……いや、恥ずかしいと言えば恥ずかしい事だったが、とにかく離せっ」
「何をしたの? 言ってくれたら話してあげるよ?」
 通りすがりの客やウェイトレスが興味深げにチラチラ見てくる。常識人の久耶にとっては恥ずかしさの限界点を突破しそうな気分だった。
 透は「ねぇ……」と言って絡んだ浅黒い久耶の手を引き寄せ、それに頬ずりしてくる。
「モ、モノを! 二人のモノを一緒に擦ってやったんだよ!」
 咄嗟に小声で久耶は行った行為の内容を伝えると、透の瞳が鋭く挑戦的に光った。
「へぇ……て事はさ、久耶も男、大丈夫なんだね」
「何?」
 久耶の抵抗が止まる。

「弟を思ってるつもりなんだろうけど、普通、そこまで出来ないから。でも所詮兄弟。それ以上進めばゲイの世界でも異色になるよ? 近親相姦って難しいから」
「俺はッ……別にそういうのではない!」

 何かカチンと来た久耶は厳しい顔で睨むように透にきつく言葉をぶつける。だが透はまるでゴムのように何のダメージも受けずに飄々と余裕で答える。
「怖いなぁ、もう。じゃあもし潤くんが恋愛感情で久耶を好きだったらどうするのさ?」
「兄弟だぞ? そんな事ありえな……」
「でも普通の兄弟はそんな頼みごとはしないよ」
 透がビシリと久耶の言葉の終わりを待たずに割って入った。久耶は苦しげな顔をして目を逸らす。

(潤が……そんな筈はない)



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★もうすぐ5万Hitでございます!!
ついこの間3万Hitキリリクが終わったところで、この猛スピードに驚いてます!!
いつもご来訪本当にありがとうございます。゚+.ヽ(´∀`*)ノ ゚+.゚
さて、左側中央に設置してあります、クマのぬいぐるみが「50000」となった時点で
ご覧になっている方がいらっしゃいましたら是非、キリ番リクエストを受け付けますので、
秘コメでもメールフォームからでも拍手秘コメでも構いません。
こんなの見たい、などリクエストがございましたら仰って下さいませv
お待ちしております♪
また、この後お知らせ記事を出しますm(_ _)m

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小悪魔な弟 29話

 久耶と潤は二人で気持ちいい事を行った日から潤の反抗期が嘘のように去り、潤は再び可愛く甘えるようになった。
 潤はあの行為の後、ゲイの事について誰に聞いたのか問いただすと、ただそういうのに詳しい友人だとだけ言われた。
 潤は久耶にそんな友人がいたという事に少し胸がざわついたが、取り敢えず肌を重ねられてご機嫌だったので、余り深くは考えない事にした。

* * *

 潤は学校の昼休みになると保健室に向かった。
「せんせーっいるー?」
 ガラガラと戸を開けると、自分でシャツを捲り上げ、東城にしつこく聴診器で乳首を弄られている生徒が目に飛び込んできた。
「わっ」
 生徒は驚いてシャツを下に下ろすと、顔を真っ赤にして慌てて東城にお礼を言って走り去って行った。
「今イイ所だったのに、潤くん邪魔したな? 責任取ってくれる?」
 東城はしっとりとした久耶のような表情で、自分の膨らんだ股間を指さした。だが潤は自分の話したい事で頭が一杯なのか、東城の話を無視する。
「ねぇ、先生っ。お兄ちゃんがね、昨夜凄く積極的だったの! もう、本当格好よくって僕ドキドキしちゃったぁ」
 潤は東城の股間に目もくれず、先程悪戯されていた生徒の座っていた椅子に座る。潤は背もたれの無い、病院の患者用のようなキャスター付きの椅子に座ってクルクルと回る。
「へぇ? あの硬物のお兄さんがねぇ。何をしてくれたの?」
 東城は回る潤を止めてガラガラと椅子ごと潤を自分足の間に引き寄せた。そして潤の細い手をそっと掴むと、徐に自分の膨らんだ股間を触らせた。

「んふふ。あのねぇ、お兄ちゃんのと僕の一緒に扱いて貰ったんだっ」
 潤は話をしながら興奮して暴れる犬の頭を撫でるように東城の股間を撫でてやる。
「しかもお兄ちゃんてば、僕の……手を押さえつけるんだよっ」
 潤は思い出して胸をきゅんとさせた。自然と東城の股間を撫でる手にも力が入る。
「んん……そう。良かったねぇ。で、気持ちは伝えたのかな?」
 東城はグッと潤の腰に手を回して更に自分に引き寄せた。優しくも誘うような色気のある東城の眼差しが近づく。

「それはまだ。僕、落ち着いて考えたんだけど、もうすぐ兄ちゃん夏の大会だし、それが落ち着いてから真剣に話そうと思って。僕が高校生になったらその、え、エッチだって出来そうだしっ」
「舐めて……潤くん。我慢出来なくなっちゃった……」
 東城はそっと耳元で囁く。
「んー、僕今そういう気分じゃないから。ごめんねっ」
 潤はそっと東城を振り払い、立ち上がってチュッと東城の頬にキスをした。

「酷いなぁ、潤くん。まぁ、そんな我儘な君が僕は気に入ってるんだけどね」
「うふふ。僕は先生の顔が気に入ってるよ。だってお兄ちゃんに似てるんだもんっ」
 そう言って潤は昨日の事を思い出しながらウットリしながら両手を広げて保健室でクルクル回る。
 東城はふっと口角を上げて妖しい笑みを作った。
「例えばさ、潤くん。君がお兄さんに似ている僕を気に入っているように、もし仮にお兄さんにも君に似た人を気に入ったらどうする?」

「え……?」
 それまでご機嫌に保健室の中を蝶のように舞っていた潤はピタリと動きを止めた。
 考えただけでも不安に押しつぶされそうになる。
「いやだよっ……でも、僕に似てる人なんてそうそういないよ。僕、可愛いし」
 最後の言葉に東城はクスクスと笑う。思春期に多く見られる自信過剰や思い込みの激しい者のセリフのようだが、第三者的に見ても自他ともに認める可愛さは否めない。
 そして潤の愛らしい性格はそういう言葉も許せるものがあった。
「そうだね。確かに君は可愛い。でも世の中何が起こるか分からないからね。お大事に」

 ガラガラと力なく保健室を出る潤は項垂れるようにして廊下に出た。
 廊下の窓が開いている為、グランドで運動している生徒の声が聞こえて来た。

(何だよッ……先生の意地悪っ……そんな事、ないもん!)

 ふと潤の脳裏に久耶が相談したという相手が過った。
 その事を思うと不安と焦りで鳩尾辺りがギュッと痛くなった。
「でも、別に兄ちゃんは恋愛感情で僕を好きな訳じゃないから、似ててもどうもならないじゃん」
 それは兄弟という最後の壁があるからだという事は、分かっていても認めたくなかった潤は目を瞑るようにして意識的にその問題を排除した。

 もうすぐ夏休みに入ろうとしていた。久耶は大会に全力を注ぐ事になる。潤自身も受験に向けて少しずつ動かなくてはならなかった。

 ふと生暖かい風が頬撫でた。窓から風が遊びに来たかのように潤の身体に纏わりついて去って行った。
 窓の外を見ると青い空と白い雲と茶色い鳥が見えた。
 夏の気配がもう、すぐそこまで目に見えて近づいて来るのが分かる。
 潤は半袖をどこにしまってあっただろうかと考えながら、パタパタと廊下を走って教室に向かった。



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小悪魔な弟 28話

☆18禁です

「気持ちいい? お兄ちゃん……」
「……ハァ……ハァ」
 潤の白い手先が充血していく久耶の肉棒にいやらしく纏わりつくのが見える。
「声出してよ……お兄ちゃん……聞かせて。 お兄ちゃんのえっちな声をもっと聞きたい……」
 そう言いながら潤の手が久耶の裏筋を擦り上げる。久耶は我慢していた声がつい漏れる。

「あッ……うッ……んん…ハァ…ハァ」
「ここ? ここがいいの? 兄ちゃん……」
 つい変な声を出してしまう自分の口が恨めしくて久耶は自分の唇を噛んだまま潤を見て頷く。
「うふふ。可愛いっ兄ちゃん」
 潤はその我慢をする久耶の顔を見てるだけで射精感が募る。
 そして潤は方手で久耶の袋を優しく揉み、もう方手で太いペニスをゆっくり上下に扱きあげる。
「うッ…あッ……ハァッ……潤ッ…や……めっ…うぅッ」
 初めて自分以外の人に触られる信じられない快感を久耶はどう逃がしていいか分からずに悶えた。

「あぁ……ダメっ……お兄ちゃんっ…僕もうっ……」
 潤は自分の寝巻のズボンをスルリと脱ぐと、白くて滑らかな太股を露わにした。
 四つん這いになった潤は丸くて弾力のありそうな尻を久耶に向けながらボフボフと布団を踏んで壁際まで這っていった。ピンクの小さな蕾が丸見えになり思わず久耶は目を逸らす。
 少し大き目のダボっとした寝巻が潤を余計に幼く見せて可愛らしかった。
 潤はくるり向き直り、ベッド際の壁に背を凭れ掛けて座った。
 そして既に立ち上がったモノの鈴口から湧水のように出る透明な液体を流しながら足を広げた。
 久耶にとってそれはもの凄くいやらしい格好に感じた。

「お兄ちゃんっ……僕のも! 僕のも一緒に触ってっ……はやくっ」
 潤は潤んだ瞳のまま両手を広げて久耶を誘う。それに答えるように久耶は潤の大きく開いた足の間に入ると、潤は慌てるように自分のペニスを久耶の太いペニスに重ねた。
 ゴツゴツとした感触が互いの性感帯を刺激し合って大小二つのペニスはどんどん膨らんだ。
 潤に促されるようにして久耶は互いのペニスを重ねたまま纏めて扱いた。
「あっ、あっ……あぅっ」
 久耶と潤の鈴口からは尋常でない量のカウパー液が流れ出て、滑りが良くなってくるとまた一段と気持ち良くなってくる。
 久耶の大きなペニスがまだ成長段階にある細めの潤のペニスを押しつぶすように擦りつけられる。
 潤は久耶のペニスの方を、久耶は潤のペニスの方を持って互いの裏筋に擦りつける。
「あぁあっ……お兄ちゃんの手……気持ちいぃよぅ……んんっ…あうっ」
 そんなすごい気持ち良さそうにうっとりする潤の姿を見た久耶は、急に右手で潤の両手首を纏め頭上の壁に押し上げて自由を奪った。
「えっ……ちょっ…やあっ」
 潤は壁から上半身がずれ落ち、久耶は更に深く潤の足の間に身体を入れ込みながら左手で二人のペニスを扱き出した。
 これは久耶の友人の東城透からの助言だった。
 透が久耶の話を分析した結果、潤の「イヤ」という言葉は裏の意味が込められているのだと言っていた。
 つまり、協力するに当たって何か要求されたとしたら、少々嫌がってもそれは嬉しがっているという事だから強引にするべきだと言う事だ。
 案の定、少々強引にすると潤は戸惑いながらも一層恍惚とした表情になっていった。
「あっ……お…兄ちゃんっ……ぼく…恥ずかしいっ」
 何故か久耶も恥ずかしがる潤の様子を見ていて自分が興奮してくるのを感じた。

(ど、どういう事だ……。いや、これは俺もお年頃だからこんな事をしていれば仕方がない)

 正常位のような形で壁に潤を押し付け、潤の両手の自由を奪ったまま利き手である左手で二人分のペニスを激しく扱いた。
「ひゃあっ……あっんんっ……あっ…ああっ」

(何て声を出すんだ、潤ッ)

 余りにいやらしい声に免疫のない久耶の興奮度が増してくる。
 潤は下から腰を振って自分の気持ちいい部分を擦り付けてきた。
「ああんっ……兄ちゃあんっ」
 久耶もその動きに合わせて腰を動かし、その大きなペニスで潤のモノを押しつぶしながら裏筋を擦りつけた。
 初めて久耶の腰の動きを目の前で見た潤は我慢が出来ない程興奮し切って叫んだ。
「も、もうダメっ! イっちゃうっ……手、離してっ……いやあっ」
「ダメだ」
「いやっ……いやあっ……出ちゃうぅぅっ……兄ちゃ、一緒にっ!」
 この久耶に与えられた不自由さが潤に多大な官能的興奮を与えていた。
「でっ……出るぅぅううっんっ」
「うッ」
 クチャクチャと凄い勢いで扱く速さの中で、二つの鈴口から同時に白濁の液体が宙に放たれた。
 ボタボタッと小悪魔のプリントされたピンクの寝巻に二人の精子はばら撒かれた。



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二本扱きv
エロが多々あってスミマセン;

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00:00 | 小悪魔な弟 | comments (23) | trackbacks (0) | edit | page top↑

小悪魔な弟 27話

☆一部18禁です

 潤は自分がゲイである事を告白した日からずっと心のドロドロと重い何かが巻き付いたような感覚のまま過ごしていた。
 久耶と顔を会わせるのも気まずく、あれからずっとまともに見ていない。
 そう思うだけでじわりと湧き出る涙をグッと我慢して風呂から出た。
 タオルを肩に掛け、上下にお気に入りの薄いピンクに黒い月や星、そして小さい小悪魔のデザインが施された寝巻を着て二階に上がった。
 隣の久耶の部屋のドアを見ながら、中にいるであろう兄の姿を透視出来ない自分を恨みながら自分の部屋に入った。
 まだ少し濡れた髪をタオルで軽く拭きながら部屋のドアを閉めてベッドに向かおうとした。
 
 すると突然後ろから大きなものに羽交い絞めされて驚きと恐怖で身体が固まった。
「うわッ」
 ハッと後ろを見た潤は大きな目を更に大きく見開いた。羽交い絞めした犯人は、一番有り得ない人物、久耶だった。
「お兄……ちゃん?」
 切ない表情で見下ろす久耶の瞳を見て、潤は途端に顔がボッと熱くなった。一気にアドレナリンが脳内に放出され、心臓がドクドクと急速に動き出した。
 潤には意味が分からなかった。あの兄がこんな事をするなんて、突然自分を好きになった事はどう考えても有り得なかった。
 だがこの現実の行動を考えると否が応でもそっちの意味に期待を寄せてしまいそうになる。
「やだっ……離してっ」
 しっかりと後ろから抱き締められて力の入らない腕で無意味な抵抗をしてみる。潤の滑々の肌がほんのり赤く染まって行く。
「潤……」
 久耶の低く語尾に無意識な色気が宿る声が直接耳奥に入って一気に膝が砕けた。
「あっ…」
 その崩れかける潤を抱えるようにして、久耶は力の抜けた潤の身体をベッドに押し倒した。
 潤は、訳も分からぬまま初めて味わうその強引な兄に酔いそうになる。

「潤、ごめんな。俺、全然分かってなくて……」
「え? 何が?」
 この状況自体に訳が分かっていない潤は止まる。だが下半身は既に半分興奮して勃ち上がっている状態だ。
「ゲイ……の事、色々と聞いた。俺なりに理解もした。俺に出来る事があれば協力するから。だからもう、一人で悩まなくていい」
 そう言った久耶の顔は今までよりももっとキリリとして男らしく格好良かった。
 いつもどこかズレている兄。その天然ぶりが歯痒くて最近ちょっと苛つく事もあった。だが、久耶なりに自分の為にもがいてくれているという事が分かって嬉しさが込み上げてきた。
 同時に、こんな行動がどれほど潤に喜びを与え、そして久耶の言葉でどれだけ潤が呆れているか久耶はきっと分かっていない。
 今はまた、少しだけ意地悪をしてもいいだろうか、そんないつになく楽しくも嬉しい気持ちが今までの寂しさを埋めて行った。
「兄ちゃん、協力してくれるの? 僕がゲイでも気持ち悪くないの?」
「バカ。可愛い弟が何であろうと気持ち悪い訳がないだろう!」
 涙が浮かんで蛍光灯の光を瞳に浮かべる。

(言ったね? お兄ちゃん……)

20101016081613986.jpg
★版権は匿名希望さまにありますので、無断コピー及び無断転載はご遠慮下さいますようお願い致します。


 そして潤んだ瞳のまま挑発するように微笑んだ。
「僕、溜まってるんだよねっ。勿論、男の人じゃないと性欲だって満たされないんだ。兄ちゃん、協力してよね……」
 潤はそう言ってそっと舌を出した。
「ん……」
 久耶はその赤い舌を見てゴクリと喉を上下に動かし唾液を呑み込むと、一気に自分の肉厚の舌を絡めた。
「んんっ……兄ちゃんっ…あっ……むっんんっ」
 
『弟くんは今まだ幼い。欲求が爆発して変な事件に巻き込まれないように、頼りにしてるお兄さんの君が、出来るだけ協力してあげるといいよ』

 久耶は雅人の言葉をもう一度脳裏に響かせる。
 そして雅人の助言通りに潤の欲求を満たすべく出来る限りの事をするつもりだった。

「兄ちゃんっ…ハァハァ…オチンチン出してっ」
 戸惑いながらも言われた通りに久耶はまだ柔らかいペニスをスウェットから取り出した。
 潤の小さな手がそっと俺の濡れた先端に触れる。
「あ……」
 久耶はいつも自分で触るよりも敏感に感じる事に驚く。だが、驚いている内に、しなる小さな手はあっという間にヌルヌルになった久耶の敏感な亀頭を撫で回した。



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小悪魔な弟 26話

 ピンポン、と久耶の友人の東城が、兄の住むデザイナーズマンションのインターフォンを押した。
 東城の兄は自立して今は一人暮らしをしているらしかった。大分儲かっているのか、随分とお洒落な作りのマンションだった。

(ハイカラだな……)

 久耶はそっと心で呟く。

「はい」
インターフォンから落ち着いた艶のある声が聞こえてくる。
「兄ちゃん、僕だよ」
 久耶の友人がそう言うと、中からゆったりとした足取りの音が聞こえてきた。
 カチャリと白くお洒落なドアが開き、出迎えに来た男の顔を見て、久耶はハッとした。

「あ、初めまして。神谷と申します。お邪魔致します」
「神谷……くん? 初めまして。透(とおる)の兄の東城雅人(まさと)と申します。さ、上がって」
 久耶は自分と顔の似ているその人物に妙な違和感を感じながら靴を脱いで玄関を上がり、きちんと靴の向きを直して揃える。
 ついでに隣の透の靴も直してやると、それを見ていた雅人がふっと色っぽい笑みを浮かべた。

「偉いんだね、久耶くんは。いつもしているの?」
 久耶は無表情で振り向く。
「ええ……あの、何故僕の名前を……」
「あぁ。透から事前に情報は貰ってるから。今日の悩み相談の事もね」
 久耶は途端に緊張で身体が硬くなる。
「そう……ですか。あの、宜しくお願いします」
 仰々しく頭を下げてお辞儀をする久耶に苦笑いした雅人は、適当に飲み物を用意してリラックスするようにリビングに久耶を座らせた。

「透から聞いたんだけど、君の弟くんがゲイだって告白したんだって?」
 飲み物を並べながら話を始める雅人に緊張しながら久耶は答えた。
「はい……僕は、一体どうしたらいいのでしょうか。弟は、どうしたら普通になるのでしょうか。あの、お兄さんは医者と言う事ですが、その、どこか良い病院を紹介して頂けないでしょうか」
 透がチューッとストローを吸って冷たく冷やされたマンゴージュースを飲む音が茶々を入れるように部屋に響く。

「ふふっ……あのね、久耶くん。ゲイは病気じゃなから、どうしようもないんだよ。例えば君は女の子は好きかい?」
 自分にもし兄がいたらきっとこんな顔をしていただろうか、そんな妄想をしてしまいそうになる。
「は……はい」
「その感覚と一緒。弟くんも、そういう気持ちで男性が好きだってだけだよ」
「え?」
 久耶は何かがスッキリと見渡せたような気分になるが、それが余りにも簡単な野原のような景色を見たようで驚く。

「例えばね、僕はバイなんだ」
 雅人は足を組み、掌に顎を乗せてふと笑みを浮かべる。その笑顔は卑屈も変な自信も混じっておらず、とても綺麗で魅力的だった。
「ばい?」
「バイセクシュアルの事だよ。男も女も好きって事。どちらともセックス出来るって事だよ」
 不足分の説明を天使の顔をした透が言ってのける。久耶は少し間を開けて理解出来ると、焦ったように俯いた。

「久耶くん、僕は今中学で保健医もさせて貰ってるんだけど、学校でもやっぱりそういう悩みの子がいてね。色々と手助けもしてるんだ」
 雅人は脳裏に保健室で悪戯に疑似セックスをする潤との情事を思い浮かべて乾いた形の良い唇を赤い舌でヌルリと舐めて濡らした。
「そうなんですか……でも、男同士などどうやって……」
 その久耶の言葉に雅人と透は同じ笑みを浮かべた。そしてそれから優しく、そしてとても分かりやすく詳しくアナルセックスの事について説明が延々とされた。
 久耶の常識は全て覆され、最初受けた大きなショックはそのメリットやそういう愛もあるという説明を受けると、何だか抵抗力が薄れたように感じた。
 そして説明を受けている間、以前潤の尻の穴に指を入れて二人で自慰をした事が浮かび、罪悪感と気恥ずかしさが込み上げてしっとりと汗が背中に滲みでた。

 一通りゲイについての説明が終わると、時刻は既に夕方を過ぎて夕飯の時刻に差し掛かっていた。
「久耶くんの弟くん、名前は何て言うの?」
 雅人が空になったジュースを下げながら聞く。
「潤です。今中学二年生です」
「……そう。可愛い、名前だね」
 くるりと後ろ向きになった雅人の顔には、にやりと企むような笑みが浮かんでいた。
 そしてふらふらと帰る久耶の後ろ姿を見送った透は、甘えるようにソファに座る雅人の膝の上に向かい合わせに乗った。

「ねぇ、兄ちゃん。久耶、可愛いでしょ? 僕好きになりそうっ」
 雅人は透のTシャツの中に手を滑り込ませた。
「あんっ」
「俺と似てるからか? ん?」
「そうだって言ったら?……やっ……あんっ」
 雅人はキュッと透の乳首を摘まんで、にやりと意地悪な大人の笑みを向けた。



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小悪魔な弟 25話

 次の日、久耶は思いつめた表情で廊下に出ると丁度潤が出て来てバッタリ出くわした。
 いつもなら屈託のない天使のような笑顔で挨拶をする潤が、この日はスッと寂しげな表情で俯いて通り過ぎて行った。

 久耶は心に凍てつくような痛みが走った。今まで潤が自分に対してこんな態度を取った事はなかった。
 いつもお兄ちゃん、お兄ちゃんと甘えて来て喧嘩さえまともにして来なかった。

 久耶は、潤も悩んでいるのだとグッと拳を握りしめて朝食を取りに一階へと降りた。
 わざと時間をずらすように早々と出て行く潤を目で追いながら、久耶は自分も高校へと向かった。


 学校へ着き、久耶はいつものように過ごして授業が終わると少し早めに部活へ顔を出した。
 そしていつも早めに来る友人の姿を探す。
 まだグランドに姿が見えないのを確認すると、ロッカー室へと向かった。
 久耶がロッカー室へ入ると、そこにはスラリとしたスレンダーな上半身を露わにした青年が着替えていた。
 白い肌と野球部員にしては少し長めの髪がどこか色っぽい。
 その青年は人が入って来た気配を感じて振り向くと、天使のように可愛らしい笑顔を久耶に向けた。

「久耶っ」
「おう……」
 その青年の作る笑顔が潤の顔と少しダブって安堵する。今朝は見られなかったものがここで見られたような錯覚がした。
「どうしたの? 今日は早いね?」
 着替える青年のピンクの乳首がチラリと視界に入って、久耶はふと目を逸らした。相手は男なのに失礼な気がしてしまった。
「あ、あぁ。ちょっと相談があって」
「何? 珍しいね」
 着替え終わった青年はロッカールームに置いてある長椅子に座ると、久耶もその隣に座って並んだ。

「言いにくいんだが、その、ホモとは……治るものか?」
 神妙な面持ちで突拍子もない事を言った久耶に対して、その青年は目を大きく見開いた。
 そして少し可笑しそうにクスクス笑いながら頬を赤く染めた。
「久耶、可笑しいっ」
 肩を揺らして笑う度にサラサラと揺れる青年の髪から少しシャンプーの香りがした。

「笑いごとじゃない。真剣に悩んでいるんだ」
 その言葉にピタリと青年の笑いが止まり、クリっとした魅力的な目を流してきた。
「久耶、ゲイなの?」
「いや、俺じゃなくて、弟がそうらしいんだ。どこの病院に行けばいい?」
 久耶は完全に病気だと勘違いしている。
「弟? あのこの間部活の練習試合見に来た可愛い子が?」
「ああ」
「そうなんだ!? あんな可愛いんだから男の人だって放っておかないだろうね」
 青年はどこか嬉しそうに反応する。

「え? え? 男が? 何でだ!?」
 久耶は完全に未知との遭遇をしているようで、無表情が珍しく焦った顔になっていた。
「あのさ、ゲイは別に病気じゃないから。病院に行ったところで治せないし、治すものでもないんだよ」
 青年は呆れたように腕組をして溜息をついた。
「なら俺はどうしたらいいんだ。弟は、きっと悩んでいるんだ。だから俺にその事を告白したに違いない」
 額に手を当てて悩む久耶を呆れた目で見ながら青年は口を開いた。

「久耶ってさ、見た目が俺の兄貴に似てるんだけど、中身が正反対なんだよな」
 久耶はふと顔を上げた。
 自分を呆れながらも優しく見て笑いかけるその青年の雰囲気や外見がどこか潤に似ている。
 だからこそ、初めて会った時から話しやすかったというのもあった。
「俺の兄ちゃんさ、医者だしそういうの詳しいから一度話聞きに来るか?」
 久耶はその言葉に心が少し軽くなるのを感じた。
 そんなに重く考えなくて大丈夫だよ、と久耶の肩をポンと叩いて青年は部屋を出て行こうとドアを開けた。

「東城!」
 その後ろ姿に久耶は声を掛けて呼びとめた。
「ん?」
「ありがとうな」
 久耶はそっと口元に笑みを作った。初めて久耶の笑みを見た青年はハッとして久耶の顔に魅入られ、そして嬉しそうに頬を染めて返事をした。
「うんっ」
 出て行った青年の華奢な背中を見送りながら、久耶は内心少しほっとした。未知のものは理解することで導き出される答えもあると、前向きに考える事が出来た。



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