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続・ネクタイの距離 17話

「悪い……学。今回ちょっと用事が出来て、泊まりは無理だが日曜に会う事なら出来ると思う……泊まりはまた今度でいいか?」
 学はとても残念そうな顔をしたが、文句を言う訳でも駄々をこねる訳でもなく、柳の細い指先に指を絡めてきた。
「用事って、何?」
 柳はドキッとしたが、ここで本当の事を言っても心配させるだけだと思った。

(これは自分でケリをつけないといけない事だ。学に余計な心配をかけさせてはいけない)

「ちょっと、仕事の付き合いが入っちゃってね……どうしても外せないんだ」

 学は「そうか」と低い声で呟きながら柳の指先を自分の指に絡めながら遊んでいた。その感触と動きが妙にいやらしく思えて神経をそこに集中してしまう。
 意外とすんなりと事情を受け入れて貰えた柳は少しホッとした半面、罪悪感で胃の中をザラリり撫でられるような気持ちの悪い感触を感じた。
 
 土曜、無意識に久々に会う優を意識して悩んだ服装を鏡で見て溜息が出た。
「何やってんだ、俺は……諦める為に行くってのに」
 それでも忘れられないあの日々の気持ちはその高揚感を隠せずにいた。
 スッキリとした淡い色のシャツとスラックスだけでも柳のプロポーションの良さが良く分かる。
 
 久々に来た優の家の玄関前で、持参してきたワインをぶら下げて立っていた。

(家の中には先輩がいる)

 妙な緊張が心臓をバクバクと激しく鼓動させた。震える指先が無表情なインターホンのボタンをそっと押すと、小さな音でリングの音が聞こえた。
 インターホンから「どなたですか?」という問いかけを予想して緊張していた柳だったが、突如開いた玄関に驚いて顔を上げた。

「先生っ。いらっしゃい! もうご飯用意出来てるよっ」
「あ、……あぁ」
 中から元気よく飛び出してきたのは亮太だった。少しホッとして階段を上がり、広い玄関口に入った時だった。

「辰美? おぉぉっ久し振りだなぁ、辰美!!」

 その低く響く懐かしい声に柳の心臓は一際高鳴った。
 顔を上げると昔よりも引き締まって優しく微笑む、あの大好きだった優が立っていた。
 
(あぁ……先輩だ……)

 はしゃぐ亮太に連れられて、綺麗で広いリビングへと招き入れられた。

「ご両親は?」
「あぁ、とうとうアメリカのロングアイランドの方で家を買ってね。殆どそっちに行ったっきりなんだよ。この間少し戻って来たと思ったらまた直ぐにトンボ帰りだ」
「そ、そうなんですか」
 緊張で上手く優の顔を見られない柳は手土産を亮太に渡し、取り敢えずは乾杯をしてアルコールを口に含んだ。
 改めてテーブルの上の料理を見渡すと、あまり日本では馴染みのないものばかりが並べられていた。
 不思議そうに眺める柳に向かって、優が口を開いた。
「あ、これメキシコ料理。俺が作ったんだけど、食べてみてくれよ」
「あっ、はいっ」
 肉料理においてのフルーツによる味付けは斬新でとても美味しかった。気に入った柳は緊張を忘れて夢中で食べていた。
「良かった、辰美に喜んで貰えて」
 そう言って優ににっこりと笑顔を向けられた柳は気恥ずかしくなって食事のペースを落とした。

「ほら、先生、明日休みなんだしどんどんやって!」
 亮太がワインをどんどん注いでくる。
「いっ、いや、もう結構だよっ。明日は用事があるし、終電までにはお暇しないとっ」
「何だ。せっかくだし泊まっていけばいいじゃないか」
 柳が優の言葉に「え?」と驚いている間に亮太がワインを沢山注いでしまっていた。
 取り敢えず注がれた分は飲んでいた柳だったが、緊張で思ったよりも飲んでいた事に自分自身も気付いていなかった。
 トイレに立ち上がった時に、クラリとバランスを崩した。

「あ……れ…。目がまわ……」
「おい、大丈夫か。ちょっとそこで休め」
 優が柳の身体を軽々と持ち上げソファに寝かせると、亮太が急に明日早いからと言って部屋に
引っ込んだ。
 柳は、頭はハッキリとしているのに身体がふらついて言う事を聞かない状態だった。
 正直、亮太が妙な気を使った事も分かっていた。
 言いたい事を言うなら今しかない。

「先輩……俺……」
 
「辰美……昔より、綺麗になってて正直、結構ドキドキしてた」
「え?」
 優の引き締まった顔がソファに寝る柳の目線と同じ高さになった。
 そして触れたくて触れたくて夢にまで見た優の大きな手は、柳のサラリとした髪の中に入って来た。

(なに……?)

「せんぱ……」

 そして柳の唇は力強く塞がれた。



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続・ネクタイの距離 16話

 柳はカタカタと粉っぽいチョークを黒板に走らせていた。
 教室を見渡せば同じような顔をした生徒たちが同じ制服を着て黒い髪で下を向いている。その中でも違って見える顔が一つ目を惹く。
 学だけまるで森の中にある一本の桜だ。柳の視線に気付いたようにふと顔を上げた学に年甲斐も無くドキッとしたりした。

(それにしても……)

 たまに無意識に見る学が昔恋焦がれた先輩、亮太の兄である優とダブって見えるのは顔が似ているからだろう。
 学自身が好きな筈なのにそんな風に見える罪悪感から嫌な汗がじわりと出る。
 柳が何も無かったように授業を続けると、突き刺さるような視線に強引に顔を向けさせられた。
 亮太だった。森の中にもう一つ異色な色をした紫の銀杏を見付ける。
 亮太を見る度に思い出すのは優への想いだ。抱かれる度に優を想った。まるで懐かしい曲を聞いた時に思い出す青春のように、亮太を見る度にあの時の気持ちが蘇る。

 授業が終わって職員室にいると、すぐさま亮太が何食わぬ顔でやって来た。
 何となく嫌な予感がする。
 もう二人きりになりたくなかった柳は話なら職員室のここで聞くと強く言った。亮太は軽く溜息をついて、隣の空いている椅子をガラガラと柳の前まで持ってくるとドカリと座った。そして回りに聞こえない程度の小声で話しだした。

「今週の土曜、うちに来て欲しいんだけど」

「……は? 何故俺が家庭訪問でもないのにお前の家に行くんだ」

 柳は冷たく目を逸らした。

「……兄貴がさ、戻って来て先生に会いたいって言ってんだよね。一回くらい会ってよ」

「……!」
 

(先輩が……俺に会いたい? いや、でも今は学の事を……)


「もう何とも思ってないんだったら会えるでしょう……それともやっぱり学って奴を代わりにしてる訳? いいよ、俺には正直に話して。チクらないし」
 馬鹿にするような意地の悪い笑みの亮太に、柳は喰ってかかった。

「そんな訳ないだろうッ」
 その声に回りの教師が振り向く。柳は我に返って「すみません、大丈夫です」と急いで周りの気を逸らした。

「ムキになっちゃって……俺、今までの先生見て来てるからよぉく分かってるつもりだよ。先生、やっぱまだ兄貴の事忘れられてねェよ」
 口元を嬉しそうに歪めてそう言う亮太に、今度は反論出来なかった。まだ自分自身を信じ切れていなかったからだ。
 学を見て優を思い出すという事は、もしかしたらまだ優に対する気持ちが残っている証拠なのかもしれないと思ってしまう。

「だからさ、前に進む為にもうちに来いよ。そしてケリ、つけなよ。告白とかしてないからまだ引きずってるんだよ」

「亮太……」

「俺だって実は先生の事好きだったんだぜ? でも先生、兄貴の事ばっかりだったから」

「そんなっ……嘘だろ」


(なら俺が今まで亮太にしてきた事は……酷過ぎるじゃないかッ)


 柳は無意識に震えた冷たい手で額を覆った。

「ごめッ……」

「あぁ……もういいって。俺は先生に幸せになって欲しいからさ。だから言ってるんだ……土曜、来
てくれるよね?」

 亮太は優しく穏やかな声でそう言いながら柳の冷たくなった白い手をそっと握った。

「……分かった」



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物凄い久し振りのネクタイ更新です(-"-;A ...アセアセ
先生視点です。土日前にこんな事が…。
学ぅ~(>ω<)

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続・ネクタイの距離 15話

 学は週に二回程通っている塾へ顔を出した。
 授業のサポートに位にはなっている塾だが、そのうち嫌でも受験前には毎日行く事になる。
 元々授業と教科書だけで十二分に理解出来る頭を持っている学は、昔からの要領の良さを随分と羨ましがられてきた。

 もう夜だというのに昼間のように煌々と明るい教室へ入っていく。学はその明るさはいつも人工的で青白い光だと不快に感じる。
 教室を進むと、中に見慣れた顔が振り向いてこちらに向かって手を上げた。

「こっちー」

「おー」

 学もいつもの調子で軽く手を上げるとそいつの横に座った。
 良く言えば可愛いネズミのような顔をしているが、一般的に言えば、嫌味のないごく普通の顔立ちの男だ。
 だが学にとっては幼い頃から見慣れ親しんだ顔だった。その変哲もこれと言った特徴のない顔も、学にはとても安心出来るものだった。
 高校から別々の学校へ通う二人だったが、こうしてまた塾で顔を合わせていた。

「よォ、哲平。席サンキューな。金はやらねェよ」

「んだよ、ケチくせぇ。席取り代、五百円よこせ」

 この冗談交じりの会話も昔からだ。学は学校でも勿論友達はいるが、やはり哲平が一番話しやすいと感じる。
 
「んで? どうなった? 例の先生とは」

 哲平はニヤニヤと助平な顔つきで聞いてきた。
 学は哲平には以前、先生に告白する前からその気持ちを打ち明けていた。


『哲平よォ……俺、好きな人できた』

『ほぉ……。学校の子か?』

『うん。……てか、担任』

『マジ!? 先生かよ!? お前、やるなぁ!』

『男の……先生』

『……マジ?』

『マジ』

『……や、……やるなぁ……』


 哲平によると、その時学が卑屈な表情など微塵も見せずに、イタズラが見つかった小さな男の子のようにニカっと見せた笑顔がとても爽やかだったので、友情は変わらなかったのだそうだ。
 確かに学も哲平に打ち明けた時は話せた事と、哲平がちゃんと聞いてくれた事に嬉しかった事しか覚えていない。
 それからは塾で会うと進行状況を話すようになった。

「週末に先生の家に泊まる事になったよ」
「え!……じゃあお前! ついに!!」
「あぁ……ふふふ……ふふふふっ」
 余りの嬉しさに変な笑みが止まらない。
「学よ、エロい顔して不気味な笑い方すんなよ、気持ち悪りィ」
「いやぁ、嬉しくてなぁ…ついッ! お前も早く次の彼女でも探せって!」
 哲平はつい先月に振られてしまった。いい奴なので、モテない事もなかったが今回は少しキツかったようで暫く恋愛は控えたいのだと言う。

「しかし……男同士の初めてかよぉ! 想像したくねーははっ」
「そら俺だって普通は気持ち悪りィよ!! でもお前もきっと先生を見たら分かると思うぜ? 俺の気持ち」
 学は先生の浴衣姿を思い出して口元をだらしなく歪めた。
「ふーん……そんなに綺麗なんだ? 男なのになぁ……まぁ、そこまで言われたら見てみたいけど……でもないわー」
 哲平は一応想像でもしてみたのか、苦笑いをした。

(週末、早く来ねぇかな)

 何かを待ち望む時に限って、時間が経つのが遅く感じる。
 最近はまた仕事が忙しくなってきたとかで、柳の放課後に会う事も出来ていない。
 心配している亮太の態度も相変わらず学に対して悪いが別段おかしな行動に出る様子もなかった。
 ただ、教師と生徒という関係上で亮太と柳が話しているのを見るだけで不安とヤキモチで胸が埋め尽くされる。学はそんな小さな器の自分を嫌悪した。
 少しでも早く、柳の深い中になって柳の全てを知り、全てが自分のものだと胸を張って言いたい。
 そんな焦りも手伝って、週末までの毎晩を落ち着かない様子で過ごした。



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遅くなりました(´Д`A;)
スミマセン;
そしてきっとリコメがとても遅くなってしまいそうですので泣く泣くコメント欄を今回閉じさせて頂きます。
せっかくコメント頂いてもお返事遅くなってしまうのは申し訳ないですのでっ(>ω<)

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続・ネクタイの距離 14話

 少し遅れて教室へ入って来た柳の姿を見て亮太は眉間をひそめた。
 これまで柳の身体を隈なく愛し、何度も情事を重ねてきた亮太が柳の変化を分からない筈がなかった。
 いつもの冷静で落ち着いた表情に隠しきれない色香の乗った瞳。まるでアルコールでも入ったかのようにほんのりと薄紅色に色づいた頬は、柳を一層綺麗に見せていた。
 昼の時間に姿を見せなかった学と何かして来た事は一目瞭然だった。

 亮太は机の上で握りこぶしをギュッと爪痕がつく程に強く握り締めた。


 亮太は学校帰り、薄暗い道路を歩いて朝来た道を戻っていた。自宅の玄関を開けると、中のリビングから「おかえりなさい」という母親の声が聞こえてきた。

「ただいま」

 軽く挨拶をし、夕食を済ませて自室で宿題をしていると一階から兄の優(すぐる)が帰宅する声が聞こえた。
 優が会社から帰宅してシャワーも浴び終え自室へ入るのを確認すると、亮太はすかさず優の部屋へと向かった。
 トントン、とノックをして入ると、まだ少し濡れた髪をタオルで拭きながらパソコンを弄る優がいた。

「何だ亮太か。どうした?」

 いつも穏やかで優しい優は、昔と変わらない笑顔を向けてきた。

 ここ何年か仕事で中南米に行っていた優だがついこの間帰国してきたのだ。ほんのりと健康的に焼けた肌は引き締まった筋肉を一層逞しく見せている。
 弟の目から見ても、あの学という男にどことなく顔が似ていると思えるのが許せなかった。それでも優に比べると学などまだまだ青臭いガキにしか見えない。

「ねぇ、柳さんって覚えてる? 昔俺の家庭教師してくれてた兄ちゃんの後輩」

 亮太は優のデスク前にあった椅子に跨って話かけた。

「あぁ! 覚えているよ! 辰美かぁ……懐かしいな。あいつがどうしたんだ?」

「今俺のクラスの担任になってるよ」

「え! そうなのか!? へぇ。凄いな! 久し振りに会ってみたいなぁ」

 自分の力でどうにもならないと思った亮太は、言いたくなかった言葉を出した。

「今度うちに呼んで一緒にご飯でも食べようよ!」

 自分の提案に優が承諾をすれば二人はまた逢う事になる。想像するだけで亮太の心臓はドクドクと波打った。


――柳を誘えば絶対に来る。


「そうだなぁ」

 懐かしそうに笑みを浮かべる優は、亮太の心が折れそうな程素敵に見えた。

***
 
「なぁ、先生。今度の休みにデートしようよ……泊まりでさ。あ、ていうか、先生の家に泊まりに行ってもいい? 先生一人暮らしなんだろ?」

 柳の滑らかな手の甲を親指で感じながら誘うのは学だった。
 帰りに近くの少し大きめなスーパーの駐車場で待ち合わせをした二人は車の中で二人きりになっていた。

「下心が見え見えだぞ、お前」
「ダメ? 先生は……したくないの?」
 誘うように身を乗り出して、学は運転席の方へと身体を寄せた。

「こ、こんな場所でよさないかっ……見られたらどうす…んっ」
 うるさく注意を始める柳の髪をグッと掴むと、そのまま強く塞いだ。抵抗するような素振りを見せていても、学が軽く唇を噛んでやると素直に舌先を出してくるのが可愛いくて堪らない。
 こんな可愛い柳の姿をあの亮太も知っているというのが許せない。
 早く柳の全てが知りたい。

「あっ…ん…ダメだってっ……やっ」
 柳の胸の辺りにあるワイシャツのボタンを二つ程開けると、するりと手を入れて平らだがしっとりと吸いつくような肌を触る。

「先生、下に何も着ないで来てくれたんだね……嬉しいよ。今回は俺の言う事を聞いてくれたんだろう?」
 以前亮太の言う事を聞いて眼鏡を掛けてきた事を学は根に持っていた。その事で柳を苛める事が出来る。
「ちがっ……あっ」
「何? 感じてるわけ? 俺まだ乳首触ってないよ……こうしてただ先生のぺったんこの胸を揉んでるだけだけど」
 ギュッと力任せに掴むと、ほんの少しだけ小さな胸の膨らみが出来る。その無理矢理感がとても可愛く、そして淫靡に見えてくる。
 学がワイシャツから手を抜くと、乳首の尖った形が透けてはっきりと見える。

「どうしてくれるんだよっ……もうッ」
 本当はその尖ったものを苛めて欲しいのが分かるのだが、それを口に出せずに我慢している柳がとても色っぽくてただ見ていた。

「ねぇ、週末。行っていいよね?」
「し……仕方ないな……着替え、ちゃんと持ってくるんだぞ」
 学の表情はパァッと明るくなった。
「ありがとう先生ッ! 愛してるッ」


(大丈夫。先生は、今俺の事をちゃんと好きでいてくれている)


 学は幸せな気持ちで涙すら浮かびそうになって、慌てて誤魔化す為に柳の唇を塞いだ。



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本当は結構不安だったみたいですね、学(*´д`*)
久々に続き書きました!励まして下さった皆さまありがとうございました!
頑張る!と決めたら週末という事もあり、時間もあったので一気にイけました(笑)
今日は停電も中止でしたし!
誕生日のお祝いのお言葉もありがとうございました(ノД`)・゜・

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続・ネクタイの距離 13話

☆18禁です


「えっ」

 下げたズボンから柔らかく丸い柳の尻がはみ出ると、学はそれを両手で掴んでグニャグニャと揉んだ。

――柔らけぇ……。

「あんっ…やぁ」

「感じてるの? 先生……先生のケツ、すげぇ気持ちいい。こんだけ触り心地いいんだから中はもっとイイんだろうな」

 学は自分の赤く染まり始めている肉棒の先を柳の尻の割れ目に入れ込んでみる。

「あっ…あッ! 待って! 無理だッ」

 腰を左右に振って逃げようとする柳をしっかりと捕まえる。

「大丈夫。挿れないよ……真似だけだから……ね?」

 グリグリと入れ込むと亀頭が狭い道に圧迫されて既に気持ちが良い。更に進むと直ぐに突きあたりに当たった。

「あんっ」

 そこが神殿の門のようだった。しっかりと鍵が閉められている様に硬く閉ざされている。
 中のパラダイスへ入るにはやはり色々と下準備が必要のようだ。

「くっそ……挿れてぇよ……」

「あっあっ、そんなに強くしたらっ……入っちゃ…うぅ」

 濡れてもいないその場所は女のソコのようにはいかない。だが無理をすれば勿論入れられる。
 知識も無く準備もしてない、必要なものも揃っていない状態でするこの会話が、柳にとっての大人の遊びだという事くらい学にも分かった。

「挿れてい? せんせぇ…ハァハァ」

 座った目でそう迫られると、途端に焦ったように柳は腰を浮かした。

「あはは、本気にした? 嘘だよ。痛い事したくない……けど、こうして入り口に先っぽ擦りつけてるだけでマジ気持ちいい―……」

「お、俺だって欲し…いよっ……でもゴムもないし、準備してないから汚れちゃうし……」

「分かってる。痛い思いもさせたくないしな。……だから今は……」

 学は柳の身体をソファの上で四つん這いにさせると、足をギュッと閉じさせて腰を抱え込んだ。
 ソファの皮がギュッ、ギュッ、と動きに合わせて鳴る。

「あっ……ちょっと何をっ」

「素股ってやつだな……うっかり挿れちまったら……そん時はゴメンね、センセ」

 そう言って学は唾液をたっぷりと自分の肉棒に塗りたくって柳の閉じられた足の間に突っ込んだ。

「ふっ…あっ……あっ!」

 柳のしなやかな足にギュッと絞められ、出し入れする度に当たる熱くゴツゴツとした柳のペニスとふにゃふにゃした玉袋の感触が気持ちいい。
 思い切り擦り付けるように強めに前後にペニスを動かすとあっという間に頭がボーっとしてきた。
 学はもっと強い刺激が欲しくて、柳の太股をギュッと閉じるように両手で挟み上げた。
 こうしてバックから突いていると、本当にセックスをしているような疑似体験にかられる。
 学は制服のズボンを膝まで下ろし、パンッ、と強く腰を打ちつけてみた。

「はんっ」

 急に打ちつけられた臀部への刺激に柳から一際いやらしい声が漏れた。
 一気に興奮した学は夢中で腰を打ちつけ、柳はソファにしがみついた。

「ふ…あぁっ」

 後ろからは柳のほんのり赤くなったアナルが丸見えだ。時折ヒクヒクと動くのが堪らない。
 学は柳の手を後ろへ引っ張り、その長い指を舐めた。少ししょっぱい指にたっぷりと唾液を付けてやる。そしてその指をそのまま柳自身の秘所へと誘った。

「自分でしてみせて……それを見ながらイきたい」

「そんな……っ…恥ずかし……ぃんっ」

「自分でいつもしてるんだろう? 先生……俺に教えてよ。今度から俺が出来るようにさ」

「やぁ……ァ……」

 頭では拒否しているようだが快楽に勝てない柳の指はツプリと中へ入っていった。

「ああんっ……入っちゃ……入っちゃうっん」

「あぁっ……入ってるよっ……すげぇ」

 いつもはチョークを握るその指が、今は自分のアナルを弄って善がっている。そんな柳の姿を見た学は、その指の動きを見ながら一気に射精をする為に腰を強く打ち始めた。
 同時に柳も射精しそうなのか、自分と学のペニスの先を掌で捏ね出した。

「やっば……先生の指の動きっ……やらし過ぎだっ……てっ……イきそっ…ぅ」

 既に時間が大幅に経っていたのか予鈴が鳴り、昼休みを終わらせる合図が響き渡った。

「あっ、あっ、もう時間がっ…ああんっ」

 早くしないと、という焦りが何故かまた二人を興奮させる。
 気持ち良さと興奮がもうすぐ絶頂へ達しそうだった。
 身体中が熱くて汗が噴き出る。もう少し楽しみたいのに腰が止まらない。それは柳も同じようで指が段々大胆に出し入れするように動いてきた。

「学っ……先生もうっ……もうぅっ……やあぁっ」

「せんせぇッ……くッ……ぅ」

 物凄い勢いで二人の精液がほぼ同時に柳の掌に掛った。二人のペニスは何度もビクついてはその度に白く濁った液体を飛ばした。



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はっ!∑(°ロ°*)
ストックが切れた…orz
そして今日は素敵なイラストをWISHLESSさまから頂いちゃいましたー!
この記事の前にUPしましたが、またご覧になりたい方はこちらからどうぞ!→柳&学イラストv

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続・ネクタイの距離 12話

☆18禁です


 学は気だるく教科書を広げながら柳の表向きの顔を見ていた。柳の教科書を説明する声が耳に心地いい。
 ジッと見ているとふと柳と目が合った。期待していた反応は、よく聞く“頬を少し赤らめて目を逸らす”などという可愛いものではなく、サラリと無表情で視線を交わしただけだった。

「チッ」

 小さく舌打ちをした学はそのまま視線を窓の外へ向けると、非現実的なまでに真っ青な青空で目が痛くなった。
 体育の時間の生徒たちが一生懸命に義務をこなそうと走ったり飛んだりしているのを見ていると、学自身も疲れそうになる。
 遠くの方の空に異常に大きな入道雲が浮かんでいるのを見て、好きなマンガに『そういう雲の上には島があるっけ』なんて思い出していた。

 昼時に待ち合わせた場所へ行くと柳が先に来ていた。
 生活指導室――普段は誰も用が無く使わない為に専(もっぱ)ら補習や面談など自由に使われていた。

「お前ね、授業中にああいう目で見るのはよせって」

 皮で出来た焦げ茶色のソファなんかがこの部屋にあるのはたまに生徒の親とも面談で話すからだろうか、なかなか豪華な部屋に見える。
 
「“ああいう目”って?」

 学は“そういう目”をしてわざと柳の座るソファに座ると顔を柳の首筋に近づけた。

「先生、あんな素っ気ない態度しといて本当は気にしてたんだ? ポーカーフェイス上手いんだね……ムカツク」

 学は舌先でそっと柳の細い顎のラインを舐めた。

「ハァ」

 柳の形の良い唇から色っぽい息が漏れるのを聞くと、学の股間は段々硬くなってきた。
 学は柳の背中に腕を回して後ろからグレーのスーツのボタンを外した。白いワイシャツの上から乳首をクルクルとなぞるとあっという間に立ち上がるのが分かった。
 硬くシコった柳の乳首は白いワイシャツの上からでも尖っているのがハッキリと見てとれる。

 それまで男の乳首なんてテレビでよく見かける家畜の乳を見るのと同じ感覚だった。
 まさか自分がこんなに膨らみも無い乳首に欲情するなど考えられなかった。今では寧ろ膨らみもない男の胸だからこそのエロスを感じる。

「ねぇ、今度からは肌着なんて着ないでワイシャツ着てきてよ。先生……その方がもっとやらしくて……いい」

「ばかっ……学校でそんなっ…あっ…んっ……誰かに見られたら恥ずかしいじゃないかっ」

 カリカリとシャツの上から乳首を引っ掻かれると柳はどうしようもない焦らしを感じてねだるように学の唇に吸いついた。

「ああっ! もうッ! 可愛いんだからッ先生!!」

 我慢の出来ない若い学は急いで柳と自分のベルトを外すと、柳の身体を向かい合わせで自分の太股の上に座らせた。

「ちょっ…と、こんな格好っ」

「いいじゃんっ…俺もう我慢出来ないし…ハァ」

 柳のペニスを取り出して自分のペニスと重ねると、二人の熱い熱が伝わり合う。互いの先端からネバついた液がトロトロと湧き出ていてローションのように滑りが良くなってきた。
 学が同時に扱き始めると、軽く抵抗していた柳の腰が自然とその動きに合わせて揺れてきた。その度にギシギシと軋むソファの音が学を煽る。

「やらしぃ……先生」

 学はそう言って柳の白いワイシャツの上から尖った乳首に吸いついた。

「あんっ……学っ……ダメだってっ」

 ワイシャツは学の唾液で透明になり、うっすらと柳の乳首が見えてきた。
 学は柳の腰に手を回してグッと引き寄せると、乳首を前歯でコリコリ噛みながら二本の赤く腫れ上がったペニスを掌で回すように扱いた。

「あっ、あんっ……それっ…んっ」

 柳も気に入ったようで恥ずかしい気持ちを通りこしてソファにしがみ付き腰を振る。

「これがいいの? いいって言いなよ先生……」

「いっ…いぃんっ」

 学がギュッと二人のペニスを握ったまま押さえていてやると、柳が自分で腰を振って擦り合わせる。その柳の気持ち良さそうな表情と腰の動きを見ているだけで射精してしまいそうだ。

「ああッ…ヤりてぇッ」

 学は自分のペニスを手の中から抜くと、グッと柳のズボンを下げた。



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続・ネクタイの距離 11話

「学……正直に話す。それでもしお前が俺に愛想つかしても仕方ないと覚悟はするつもりだ。俺は……本当、どうしようもない奴なんだよ」

 柳が自嘲するような笑みを浮かべると、触り心地のよさそうな髪がサラリと横に動いた。

「確かにお前を最初見かけた時、亮太のお兄さんに少し似てると思って……それで自然と目で追っていた。すまない……。でもっ、今は学を見ても学としか見られないし、お前を好きな気持ちもちゃんとあるッ。こうして、触れる度に好きって気持ちが育っていくように感じるんだ……」

 柳はそっと学の黒い学ランに触れた。

「でも……自分でも本当に情けなくて女々しくて、本当に嫌なんだが……ほんの少しだけ、やっぱり亮太のお兄さん……優(すぐる)先輩の事が心に引っ掛かっているんだ」

 学は柳が自分の胸の辺りを触れていた手を振り払った。柳の顔がハッと強張る。

「ごめんッ……でも今の自分を曝け出して、お前に伝えないとまた余計な誤解を生みそうだと思った……し……」

「いや、ごめん。俺も余裕……あったと思ってたけど、結構心は狭いみたいで……ごめん」
 
 学は必死に自分の中の嫉妬心と戦うように唇を噛む。
 柳は再び顔を歪めながら話しを続けた。

「多分……亮太とのおかしな事をしてしまった関係もあって、心に引っ掛かりがあるんだと思うんだ……ただの片想いだけならそんな事には……」

「いや……それだけ好きだったって事だったんじゃねぇか?」

 聞きたくない事をわざわざ聞いて自分を苦しめようとするのは何故だろうか。学の言葉は止まらなかった。

「え?」

「今でも、そいつに知られるの、怖いんだろ? そりゃあ、普通の友達みてぇな関係だったとしても嫌だけだろうけどさ。何となくね……。その先輩っての、相当好きだったんだ?」

 瞳を薄くさせ、意地の悪い表情を作る。

「え……まぁ、その当時は……。先輩はいつも落ち着いていて頼りになって優しくて……大人っぽくて憧れていたんだ。でもノンケだったからまるきり望みは無かったしね」

 寂しそうに当時を思い出すような切ない表情の柳を見て、学の腹の中に業火が灯った。


(俺と……正反対じゃねぇかよ)


「でも今はお前の事が好きなんだからな?! って言っても、お前が許してくれなければどうしようもないんだけどな……」

「許すも何も……別れるつもりないし……そいつよりイイ男になれば先生だって満足だろ」
 
 学は精一杯の強がりをしたつもりだった。だがその言葉は正直な自分の気持ちだ。
 少しでも柳を自分に溺れる程惚れさせたくて背伸びをする。

 そんな学を柳の目には予想外にも大きく逞しく映った。それまでただの学生にしか見えなかった学の姿は一回りも自分より大きくさえ感じる。

 学を驚いたように見る柳の瞳が薄く涙で潤ん余計綺麗に見えた。

「ただ、亮太は完全に拒否してくれ。俺の事好きなら……」
 
 照れ隠しで少し怒るようにそう言った不機嫌な学は、また元通りの生徒に戻ったようだった。それがとても愛らしくて嬉しさが込み上げてきた。
 柳は震える声で「あぁ」と俯いたまま返事をすると、ダイアモンドのようなキラキラしたものが幾つか床へと落ちるのが見えた。



<<前へ      次へ>>



さて……本当にこのまま上手く丸く収まるのか…。

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続・ネクタイの距離 10話

「何怒ってんだ、アイツ」

 学は不機嫌さを前面に出すように眉をひそめて舌打ちをすると、背後からか細く「ごめん……」という声が聞こえてきた。
 ゆっくりと振り返ると、申し訳なさで苦しそうに下を向いたままの柳がいた。
 学はいっぺんに聞かされた嘘のような内容の数々で頭がいまいち働かない。ただ、胸で感じられる感情は、ヤキモチと不安と、柳を好きだという感情だけだった。
 この後一人になって冷静に考えたら、きっと柳に対しての怒りや不満も込み上げるかもしれない。だが今は、目の前であまりに苦しそうな顔をしている柳を責める気にはなれなかった。

 学は柳にゆっくりと近づくと、そのスーツに纏われたしなやかな身体を抱き締めた。ふわっと柳の良い香りがする。
 柳は思いもしなかった学の行動に驚いて顔を上げ、目を見開いた。

「学!?」

 学は何も言わずにギュッと力強く抱き締め、柳が今自分の腕の中にいる感触を実感していた。

(先生は……今俺の腕の中にいる)

 学は柳の身体を抱いたまま少しだけ顔を離すと、柳の顔がぼやけない程度の距離で語りかけた。

「先生……俺の事、好き?」

 柳は今の今まで自分の醜態を聞かされていた学が、一体どういうつもりでそんな事を聞いているのかが理解出来ずに学の顔を見た。
 その顔は今までで見たどんな学の顔よりも大人っぽく、キリリと引き締まっていた。力強い視線は不謹慎にも柳の内部を火照らせる程魅力的に見える。
 まだ少しだけ幼さの残る切れ長の瞳は、今は一人の男の目に見えてドキリとする。しっかりと抱きとめられた上半身からは学の熱い熱が伝わり、その力は柳の身体も心も崩れ落ちさせない安心感を与えているようだった。
 
「すき……」

 柳の口からふと自然と言葉が出た。
 少しの間、学は柳を見つめ、だんだんと学の視線が柳の唇へと移動した。
学の顔が近づき、唇に熱い息がかかるのを感じると、ドクン、と柳の身体中が心臓になったように震えた。
 そして腰が一段と強く引き寄せられると同時に唇は塞がれた。

 学が今まで何人の女と付き合って来たかはまだ知らない。だが、実は相当経験があるんじゃないかと思う程良いキスをしてくる。
 柳も経験はそれなりにある方だが、こんなにも夢中になるキスは初めてだ。
 強く攻めるように唇を犯していたかと思うと、急に素っ気なく離れて行く。縋るように追いかけると、悪戯でもするように食んでくる。かと思うと息も出来ない位に舌で犯して来る。まるでキスだけでセックスでもしているような感覚にさえなる。

「んっ…はぁっ……あ…んっ」

 脳内がジンと痺れ、スーツの中で淫らにペニスを硬くさせていると学の唇が離れて行った。

「あっ……」

 小さな声を上げ、つい駄々をこねる小さな子のような表情で学を見てしまった。

「先生、俺、先生が好きだよ。こうして触れれば触れる程好きになっていく。先生の事もっと知りたいし、俺の事ももっと知って欲しい……そんで……もっと深い関係になりたい……」

 その意味を理解した柳は途端に顔を少し赤くして視線を横にズラした。

「アイツとはした事あるのに……俺がまだなんて許せねぇし……」

 そう呟いた学のヤキモチが嬉しくて、柳は胸がギュッと絞られるような感覚になった。

「でもさ、一つ気になるんだけど……その、最初俺の事気に入ったのって、やっぱアイツの兄貴ってのに似てたからなのか?」

 柳はドキリとした。だがここまで自分を突き離さないで真っ直ぐ向かってくれる学に心を裸にする決意をした。



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本当、遅筆でスミマセン;
また忙しくなって参りました…(´Д`A;)
いつもそうなんですけど、忙しくなると現実逃避からか、やけに文章書きたくなります(笑)
明日の更新分も出来てしまいました(笑)また0時UP予約致します。

またワンピの事なんですが…シャンクス、格好いいのですがアニメだと何だか
更に格好良く見えたのはどうして!?
私はゾロ一筋の筈なのにっっ
あぁ、でもレイリーさんも格好いいvvv ←全然一筋じゃない
剣士とか、侍とかモロ好みです!あ!忍者も好きです!だからナルトも好き。
何たって小さい頃の夢は忍者になる事でしたもの!父に修行つけてもらっていました。
(因みに父はごく普通の人です。)
でも家には木刀が常備されていました…銀魂?(違)
大きくなったヒマワリを飛び越えられない事を悟った私は父のどでかいBB弾の銃(熊とか狩る用の銃に似ている大きさ)で缶を至る所に設置して常に射撃の訓練をしていました。
一体何を目指していたのかは分かりませんが、常に脳内では危機感があったのは覚えています。
そしたら本当に父の仕事の関係で危険地帯で暮らす羽目になったんですが…orz
訓練はクソの役にも立ちませんでした。

…って!!何の日記でしょうか!!長い独り言を本文後に申し訳ありません(汗)
小説の内容忘れちゃう~あはは(≧∀≦)

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続・ネクタイの距離 9話

「家庭教師をしていて、先生とアイツは……付き合ったの?」
 
 学は視線を柳に縫いとめたまま目の前にある白い机の上に座った。

「いや……付き合っては……いなかった」

 柳は眼鏡の奥の視線を不安気に揺らしたのを、学は見逃さなかった。

「……したのか?」

 学は率直に聞いた。

「したぜ! それも沢山だよなぁ? 先生」

 教室の後方から聞こえてきた答えに、学よりも柳の方が強張った表情で驚いた。
 勝ち誇ったような、意地の悪い表情が普段の時よりも艶っぽく見えるのは元々そういう魅力があるからなのかもしれない。
 亮太はゆっくりと二人に近づいて来た。

「二人がここに入って行くのを見かけて来てみたんだけど……驚いたな。まさかお前が先生とそいういう関係だったとはな……まぁ、何となく理由は分かる気がするけど」

「亮太ッ……だまれッ」

 柳のそんなムキなった声を聞くのは初めてだった。顔を紅潮させ、肌が少し汗ばんでいるのさえ見て分かる。

「先生さぁ、肝心な事言わないとぉ」

「もう、……今は何でもないから言う必要もないだろッ」

 アラインメントに並ぶ机をかき分けるようにして亮太の元へ行こうとする柳の腕を、学は強く掴んで引き留めた。

「あっちに行くな」

「学……」


「今は何でもないのに俺にあまり強く抵抗も出来なかったよな? ちょこちょこ言う事聞いてくれるし……本当はまだ好きなんじゃねぇの?」

 続けて挑発してくる亮太に、学は怒りを露わにした表情で身体を亮太の方へ向き直した。

「黙れ、お前。今先生は俺と付き合ってんだよ。お前なんか好きな訳あるかよ」

 もしも柳がまだそこまで学を好きでなくても、もう構わなかった。今この場で強く出なければ負ける気がした。
 学はギュッと力を入れて柳の手首を掴み直した。

「いたっ……」


「あっはっはっは……何言ってんの? お前! 何も知らないんだ?! 俺じゃねーよ、先生の好きな相手!」

 亮太はバカにしたような笑い声をわざとらしく大きく響かせた。

「亮太ッ、やめろッ」

「先生の片想いの相手、俺の兄貴だよ」

――亮太の……兄ちゃん?

 ギュッと掴んだ手の先から震えが伝わって来た。柳の顔を見ると、泣きそうな顔をして俯いていた。


(もう、終わった事なんだろ?……何でそんな泣きそうな顔してんだよ……)


 学は机から降りると柳の身体を引き寄せ、抱きとめた。耳元で柳が小さく息を飲むのが聞こえた。

「先生はずっと兄貴に惚れてたんだ。同じ男子校の先輩の兄貴を一筋に思って来た。でも兄貴はノンケだったから望みは無かったのも知ってた。だけど兄貴が弟の家庭教師を探してるって聞いて、少しでも近くに居たい先生は俺の家庭教師になったって訳だ。俺はその時からゲイの自覚もあったし、先生の兄貴に対する視線には直ぐに気付いた」

 柳は下を向いたまま学に「もう……終わった事……だから」と呟いた。
 亮太はそんな柳を無視して挑戦的に話を続けた。

「望みがないならせめて兄貴と血の繋がってる俺に抱かれなよ、って誘ったんだよ。そしたら、先生、泣きながらも可愛く俺に抱かれてくれてさぁ。帰宅した兄貴が隣の部屋にいる時なんて何度イった事か」

 亮太は思い出したようにギラギラと瞳を獣のように光らせた。

「亮太……もう、いいだろ……やめてくれ」

 柳は力なく懇願してみるが諦めたようにずっと俯いていた。学は痛みの伴った黒くて大きな塊のような存在を心臓の辺りに感じていた。
 とても苦しく、重い。その時の二人を想像しただけで血液が逆流しそうだった。

「お前、大城だっけ? 先生の身体すげぇだろ? 俺が開発したんだよ。悪いんだけど先生、俺に返してくんね?」

「……っ!」

 柳は赤い目をした顔をハッと上げた。

「てめぇッ……!」

 学はカッとなって亮太の元へ飛び付いて行った。

「あれ? もしかしてまだな訳? マジで! あははは」

 学は亮太の胸ぐらをねじる様にして掴むと、「ぐえっ」と苦しげな声を上げて顔を歪めた。ただ胸ぐらを掴まれただけなのに強く首が締まって想像以上に苦しかったのか、少し慌てたように亮太は学の手首を掴んで抵抗した。
 学は中学の時ケンカの場数はこなしていた。最小限の力で相手を苦しめるやり方は身体に染み込んでいる。
 学をごく普通の男だと思い込んでいた亮太は少しヒヤリとしたが、すかさず口を開いた。

「お前っ……ハァ…俺の兄貴にちょっと……似てるぜ?」

「はぁ?」

 学の手が止まる。

「ハァハァ……分かんねぇのかよ、お前、見た目がちょっと兄貴に似てるから……ハァ…先生に相手にされてるって言ってんだよッ……ハァ…代わりにされてんだよッ」


――そういえば、先生は俺の事をどんぴしゃで好みだって言ってた……。


 学はゆっくりと掴んでいた亮太の胸ぐらを離すと、亮太は息を大きく吸いこんで二、三歩後ろへ下がった。

「先生は俺が兄貴に本当の事を話すのを一番怖がってんだ。今もそれを怖がって俺の言う事を聞く……それって今でも好きだからだろう?」

 それだけ言い残した亮太は何故か少し怒ったような表情をして教室を出て行った。



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続・ネクタイの距離 8話

 トイレでの柳と亮太の会話を聞いてから三日が経とうとしていた。
 柳は相変わらず教室では綺麗な大人でいたし、亮太も相変わらずイイ男を演じていた。亮太はそれも素だったかもしれないが、学には演じているようにしか見えなかった。
 そして、学はこの三日間柳を避けていた。

「大城っ」

 振り返ると、そこには眼鏡を掛けた愛おしい顔が自分を見ていた。昼休みに近くのコンビニにでも行こうとしていた学を柳が小走りに近づいて来ていた。

「何ですか」

 自然と学の声のトーンが落ちる。
 
 本当は逢いたくて、触りたくて仕方のなかった柳が目の前にいる。学はなるべく直視しないように視線を斜め下へと移動させた。

「ちょっと、いいか」

 断れる筈もなく柳に誘われるまま人気のない視聴覚室へと付いて行った。
 普段なら、誰もいない教室はどこか心浮き立つところだが、今は柳と二人でいる事が重苦しい。

「大城……どうした? 何だか、最近様子がおかしいというか、元気がないように見えるんだけど……」

 学は柳の言葉に怒りが沸々と湧き上がって来る。

「俺ってさ、先生にとってどういう存在な訳?」

 冷静に、大人の対応を、などという理性に感情が追いつかない。心のまま直球に柳にぶつかっていく。

「どういうって……それは、付き合っているだろう」

「ハッ」

 学が皮肉な笑いを飛ばすと、柳は不思議そうな顔色を一瞬だけ浮かべて直ぐにいつもの表情に戻った。

「どうした? 学……」

 心配そうな表情の裏では一体どういう心境なのだろう、と学は不思議に思った。大人は表面の顔を幾つも自由に作り替える事が出来るとよく聞く。
 座った目のまま柳に近づくと、その雰囲気に押されてか、柳は壁際に後ずさった。

「ま、学……?」

 近くに寄ると、その白く滑らかな首筋から何とも言えない甘い芳香が学の鼻腔を突いて吸い寄せられた。
 美味しそうな喉仏に舌を這わせ、柔らかな首の肉を甘噛みしてやる。
「んっ……まな……ぶっ……ハッ……」

――こんな色気、間近で当てられたら誰だってこうしたくなるだろう。

「俺意外に、そうやって名前で呼ぶ奴がいるだろう?」

 柳の喉が微かに上下に動いたのが分かった。

「……何、言ってるんだ」

「もうそうやって大人ぶって誤魔化したって無駄なんだよ……俺、見たからさ」

「……」

 アーモンド形の美しくカットされた宝石のような柳の瞳が大きく見開かれた。

「ごめん、俺、黙って暫く様子を窺う事も出来ないガキだし、その場に乗り込んで掴みかかる勇気もねぇ。……何より、そんな事する権利すらあるのかすら分からない程、まだ先生との関係が薄くて、不安で、悲しいんだ」

 学は柳の襟を強く掴んで俯いた。学の視界には、柳の履く綺麗な形の黒い革靴と、薄汚れた自分の上履きしか見えていなかった。

「学……もしかしてこの間トイレの前に……いたのか?」

「トイレ……あぁ、そうだな。そこにもいたし、京都でも見たよ。アイツと仲良さそうにしてるアンタを」

 すると柳の手が学の両腕が掴んだ。学が顔を上げると、同じ目線上に少し真剣な顔した柳がいた。

「仲良くなんてしてない」

「……。……知ってる」

 学はほんの少し柳から視線を横にズラした。

「不安にさせて悪かった……亮太……あいつは昔俺が家庭教師していた時の生徒だったんだ」

 柳は少し溜息をついた後、落ち着いて過去の事を話し出した。

「家庭教師?」

「ああ」



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やっぱ素直に伝えるのが一番ですね。
お礼画像一つ増えましたv

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続・ネクタイの距離 7話

 体育の時間、学は横目で亮太を盗み見ながら屈伸運動をしていた。
 学が想像していた通りに亮太は運動神経が良いようで、随分と活躍をしていた。
 女子の黄色い歓声も徐々に大きくなっていっている。
 学も運動神経は良い方なので、直ぐにトップツーなどと妙な呼ばれ方をしてむしずが走った。

「なぁ、名前、何て言うの?」
 
 水道の蛇口から直接水を飲んでいた学の背後で低い声が聞こえた。
 振り返ると見たくない亮太の顔があった。変に心臓が斜めに跳ねる。

「大城」

 意図的にぶっきらぼうに答える。

「お前、足早いなぁ。五十メーターどんくらい?」
「忘れた」
 間髪入れずに答える学に、さすがに亮太も異変に気づく。
「感じ悪い奴だなぁ……。何? 俺何かした訳?」

 学は面倒な事になった舌打ちをした。だが気持ちはムカムカして今にも怒鳴ってしまいそうだった。
 学が黙って考えているうちに、亮太は「何だコイツ」と文句を吐き捨てて去っていった。

「ムカつく……」
 学は大人気なく、自分で思っていた以上に妬きもちやきな自分自身に対して苛立った。

 部活も終わり夕日が傾いて来た頃に、学は柳がまだ職員室にいるか確かめようと学校の階段を上った。
 とにかく今すぐ柳に逢いたかった。あって少しでも触れ合えれば安心するような気がした。
 階段を上りきり、右へ曲がると職員室が見える。
 あと階段を三つ上れば右へ曲がれるという時だった。

「いいから。来いって、先生」

「ちょっ……待てって亮太!」
 
――亮太?

 それは聞き間違える事のない柳の声だった。ジワッと熱い冷や汗が学の背中を一瞬で湿らせ身体を冷たくした。

(亮太って、“アイツ”だよな? 何でアイツの名前、呼び捨てなんだよ)

 柳と亮太のその会話の直後“バタン”とドアの閉まる音がして、学は階段を三段飛び越えて右へ曲がった。
 廊下には誰も見当たらず、職員室よりも手前にある男子トイレに目が行った。
 心臓が不穏な音を立てて学に余計な不安を与える。
 そっと近づいて見ると、トイレの中から会話が聞こえてきた。タイル張りのトイレは意外と反響してハッキリと言葉が聞こえる。
 
「今朝は言うことを聞いてくれてありがとう、先生。ちゃんと眼鏡掛けてくれてさ。やっぱ俺そっちの方が好きだったし……昔からね」
 昼間学に話しかけてきた声と少し違う艶っぽい亮太の声にドキリとした。明らかに誘うような色気を含んだ男の声だ。
 学の脳内に赤い光が発光し、点滅していた。
 だが体が動かない。二人きりになどさせたくないのに、柳の反応と本心が知りたかった。

「お前がうちの学校に来るって言われて……驚いた。もう……こっちへ戻ってきたのか……?」 
「やっぱりそっちが気になるんだ? 先生も案外女々しいんだね」
「違うッ……ただ……聞いてみただけだ」
「ふぅん」

 学は何の事だか勿論分からなかった。分からない分、「そっち」だの「戻ってきた」だの「女々しい」だのという単語が胸の奥に突き刺さってくる。
 学は柳の声を聞いているだけで学の手が不安で震えそうになる。ギュッと自分の左手を右手で握り締めると、少し冷たい感じがした。

「俺、まだ言ってないよ……偉い?」
「……」

 柳は何か脅されているのだろうか。そんな事を思いながら、急に止まった会話にふとドアを見つめた。

「亮太っ……やめっ……止めてくれッ」
「どうして? 今更止めろだなんて。無駄だって分かってるクセに」

 学はハッとして思わずドアの隙間を覗いた。
 中には、壁に押しつけられた柳の股間をまさぐる亮太の姿があった。
 柳の顔は困っていて、抵抗しているようには、見えた。
 だが同時に首筋を舐められ、手首を押さえられる顔は感じていた。
 激しく抵抗しようと思えば出来ただろう。会話の流れからして何か因縁がある事も事実だ。
 学はそれでも抵抗して欲しかった。そして一言、「恋人がいる」と言って欲しかった。

――俺って一体先生の何だ……。

 このまま放っておいたら柳は最後までさせてしまうのだろうか。
 学はこれ以上考えたくなくて、トイレのドアを少しだけ開けて、そして音を立てるようにして閉めた。

バンッ

 その音にビクリとした二人が同時にドアの方へ顔を向けた。
「誰かに……見られたか?」
「……っ!」

 廊下の壁に背を凭れ掛けさせ、隣のトイレのドアから二人の声を聞く。学は二人の会話が何だかとても胸に痛かった。

「ハハッ……」

――……何だ、コレ。

 学は引きつった笑みを浮かべて、泣きそうな顔を俯かせたまま廊下を後にした。




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久々の予約投稿……お昼に設定しましたが上手くいったでしょうか(´Д`A;)
しかし何やら因縁がある様子。
学ちん…(ノД`)・゜・

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続・ネクタイの距離 6話

 帰りはあっけなかった。
 普通に何事もなかったように柳も学校まで帰り、生徒たちを見送って仕事をしに学校へと吸い込まれていった。
 そして学は柳を待たずにそのまま帰宅した。

 翌日、学校へ行くと相変わらず綺麗な顔立ちで教室へ入ってきた。その顔にはコンタクトではなく眼鏡が掛けられていた。

(俺が似合うって言ったからかな?)

 そんな優越感と嬉しさがこみ上げる。

 その時だった。

「今日は突然だが転入生が来る。皆仲良くするようにな」

 急な出来事に生徒たち一同はビックリした顔から直ぐに期待でワクワクするような顔へと変化していった。
「なぁ、女子?! 女子?!」
 美少女転校生という設定に期待で胸を膨らます男子生徒に、柳は冷ややかな視線を流して「残念だが、男子生徒だ」と一言言って転入生を呼びに行った。

「きゃーっ男子だって! 格好いいといいねー!」
「でも柳先生より格好良い人いるのかなー!?」
「それにうちの教室結構レベル高いしね?」
 チラリと女子たちの視線が学に流れるが、学の視界には柳しか映っていない。

 一気に落ち込む男子生徒と反比例して急に沸き立つ女子の甲高い声が教室で雀のさえずりのように響きだした。

 少しの間の後、ガラガラと教室に入って来た男子生徒の顔を見た学はハッと息を飲んだ。

(あい……つだ……何で……)

 修学旅行先で柳に絡んでいた男子生徒が、今柳の後ろについて教室の中央に立った。

「うそ……格好いいじゃんっ」
「ねー!」
 女子生徒たちは案の定瞳をキラキラさせながら興奮していている。
 
(何だ? 誰だこいつ……先生と知り合いだったのか?)

 学はいつのまにか机の上でギュッと握りしめていた拳の中がジットリと濡れているのに気付いた。

「急なんだが今日からこのクラスに入る事になった篠原亮太くんだ」
 柳が淡々と黒板に亮太の名前を書きながら紹介をすると、亮太は勝気な顔で「篠原亮太です。宜しく」と一言だけ言った。
 スポーツでもやっているのか、体格がいい。背丈は学の方が少し上くらいだ。
「じゃあ席は廊下側に座ってくれるか」
「……はい」

 窓辺に座る学は内心ホッとした。もしも自分の近くに座られでもしたら気になって授業どころではない。
 それにしても迫力のある奴だと学は思った。目の前に立つだけで威圧されるような、そんな存在感が亮太にはあった。
 柳を見ると、顔色一つ変えずにホームルームの続きを始めていた。

 休憩時間ともなると、案の定亮太の周りには人だかりが出来ていた。これからどこの部活に入るのだとか、前はどこの学校にいたのだとかそんな質問が学の耳にも飛び込んでくる。
 学は興味のない振りをして次の授業の準備をしながらも全神経を亮太の声に集中させた。

「あぁ、俺は京都から来たんだ」

「え! うちらもこの間京都にいたんだよー!」

「そうなんかぁ」

(そうなんかぁ~、じゃねーよ!! しらばっくれやがって……)

「じゃあ京都の出身なの?」

「いや、俺N区出身」

「え? ここら辺?」

 学は思わず振り返った。

(は? 元々ここら辺にいたって事か? ……なら先生と知り合いだったって言ってもおかしくない)

 学の心臓が無意識に早く駆けだした。

「だからあまり方言出ないんだねーっ」

 女子たちの言葉が遠くに聞こえ、ついには何を言っているのか聞こえなくなった時、学の脳内では悪い妄想ばかりが巡っていた。



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|゚+.|艸`)キタヨ|。+゚|´艸`)キタヨ|+。ο・;+|( *´艸`)キチャッタヨゥ♪

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続・ネクタイの距離 5話

 だが学の胸中には昼間の不信感と柳に触れたい気持ちで渦を巻いていた。
「先生、仕事、してていいよ」
「え?」
「その代り、その間だけ後ろから抱き締めてていい?」

 学は柳が畳の上に置かれた机に向かって資料作成をしている間、後ろから抱え込むようにして座っていた。
「大変だね、夜まで仕事……」
「あ、あぁ……ちょっ…と耳元で話さないで…貰えるか……」
 耳が感じやすい柳は、後ろから首元で話かけられるのもゾクゾクきていた。
「……。ゴメン」
「あっ」
 つい悪戯心に火が点いて、学は内緒話をするようにヒソヒソ声で耳に口を付けて謝ってみると、柳は案の定いやらしい反応を見せた。
「何? 誘ってるの? そんな声出して」
「違っ……あっ」
 学は自分の足の間にすっぽりと収まって動けない柳を後ろから太股を撫でまわす。
「俺、せっかく我慢してんだからさ、ちゃんと仕事してくれないと」
「そんな事したらっ……出来ないだろっ……っ」
 学は柳の浴衣の袷をそっと左右に引っ張ると薄い肌色の乳首が露わになった。それを徐(おもむろ)にギュッと摘まんでやる。
「あんっ」
「ほら、こうしててあげるから仕事して。先生」
「んんっ」
 学は、柳の眼鏡の奥でとろけた瞳にクラクラする。
 頬を桜色に染めて、それでも言う事をきいて仕事をしようとする柳が意地らしくて可愛くて、もっと苛めてやりたくなる。
 目の前で剥かれた艶やかな肩と、女でもそうそういない綺麗な項に思わず舌を這わせる。

「やっ……ん」
「ほら、ちゃんと仕事しないと。先生」
 学は指先で摘まんでいた柳のシコリをクリクリと捏ねる。
「あんっ…あんっ……学っ…やめっ……あんっ」
 力が抜けた柳の上半身の体重が学の胸元に掛る。それが可愛くて横を向いて喘ぐ柳の唇を吸った。
「んっ…んっ」
 
(やべ……理性……飛びそ)

 柳を好きな気持ちが溢れる。

「先生さ、今日何か変わった事……あったりした?」
 ハッキリとは聞けない学はカマを掛けてみた。素直に話してくれたら何も心配は無い気がした。

「いや、別に何も」

 学の胸がズンと重くなった。何か、内緒にしておきたい事だったのだろうか。
 それまでの燃えるような想いは青ざめて、腕の中にいる柳が手に届いていないように感じた。
 
 学は真相を聞きたくて今にも靄ついている心の内を柳にぶつけてしまいたかった。だが今好き放題に問いつめたところでガキだと呆れられてしまいそうで怖かった。
 せっかく両思いになったばかりでこの関係を壊したくない、そんな気持ちが自分にブレーキを掛けていた。
 
 不安な気持ちから柳の身体に触れる事で、少しでも自分を意識して欲しいと思った。だが柳は昨日とは打って変わって少し困ったような表情のまま自分にセーブを掛けているようだった。
 このまま押し倒したら怒るだろうか。そしたら別れてしまうのだろうか。
 それもあり得ると思える程に自分と柳の関係は浅かった。
 もしかしたらあの男は昔関係を持った相手なのかもしれない。一体どれほどの仲で、どれだけの年月一緒に居たのかも分からない。
 
「大城……悪い、やっぱり今夜はもう疲れているから眠らせてくれないか」
 その言葉にある裏の理由は何だろうか。あの男を思い出して学に触れられたくないとでも考えているのだろうか。
 考えれば考えるほどに悪い方へと思考はねじ曲がっていく。

「分かった。じゃあ、また教室で。先生」

「すまない、大城」

(大城……ね)

 パタンとドアを閉めてまだウロウロする見張りの生徒を横切って、学は自室へと帰った。



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続・ネクタイの距離 4話

 何やら話をしているようだが、その雰囲気が初対面ではない事を直ぐに伝えた。
 柳は左手で自分の右腕を掴み、そのどこぞの生徒らしき男の視線を逸らしながら向かい合っていた。
 対してその男子生徒の方はニヤつきながら話しかけている。見ているだけで学の胸はムカムカしてきた。

(んだよ、あいつッ……慣れ慣れしいッ……ナンパか?)

 そっと人の家の塀を影に、近づいてみる。

 明らかに困るような、それでいて恥ずかしがっているような表情の柳に違和感を覚えた。
 そして相手の生徒を見ると、少し悪そうな雰囲気が妙に魅力的な面立ちをしていた。背丈も柳より高くスラリとバランスの取れた男らしい体つきだ。
 無造作な髪形がその整った顔に色気を足している様に見える。

「かーわいい、センセ。ま、そういう事だから……」

「……っ」

 男子生徒がスッと手を伸ばし、柳の腰に手を当てるのが見えた。
 ドクンッ
 重い心臓の音が脳に響いた。そして血の気がだんだんと引いて来るのが分かる。

(何……してんだよ、先生……嫌がれよ……)

 柳の表情は以前困惑したままだが、何を言う訳でもなく固まったように動かない。その間にもその男子生徒は柳との距離を縮めていた。
 男子生徒が柳に近づく度にジャリッと小石の踏まれる音が小さく聞こえる。
 その時だった。
 二人の身体が急にビクついて止まった。慌てて柳がポケットを探ると、携帯に出た。

(携帯のバイブが鳴ったのか……)

 柳は他の先生からの連絡で集合するように促されたようだった。

「俺、もう行くからっ」

 目を合わせないように身を翻した柳の手首を、その男子生徒はパシッと掴んだ。

「なっ……!」

 男子生徒は鋭く艶めかしい目つきで柳を真剣に見つめ、そして取った柳の手を自分の唇へ持って行き、キスをした。
 その時男が小さな声でボソボソと何かを言っていたが、学には聞こえなかった。
 ただ、その後顔を赤くして逃げるように走り去る柳の表情に、学の足はコンクリに埋められたかのように動けなかった。
 
***

 集合した後の柳はまるでさっきの事が嘘のように普段と変わらぬ表情で行動していた。

 さっきのは一体何だったのだろうか。あんな他校の生徒と知り合いだなんて、もしかしたら親戚か何かかもしれない。
 色々な可能性を探ってみるがいまいちしっくり来ない。
 他県からの修学旅行生などそこら中にいるし、もしかしたら地元の生徒かもしれない。
 今更ながら、柳の過去を含めて何も知らないという焦りが出てきた。そして同時に自分たちの関係の浅さを思い知った。

 学は結局悶々とした気持ちを抱えながら夜まで待った。
 消灯になり、皆がそれぞれ最後の夜を楽しむべく行動をすると同時に、学も生徒が近寄らない場所へと向かった。
 柳の部屋の前に立つと昨夜とはまた違った緊張が過った。
 トントン。
 ノックをすると、暫くして「はい」と声がしたので、トントントン、と三回更にノックをした。
 ガチャリとドアが開いていつもと変わらぬ綺麗な柳が顔を出した。相変わらずの浴衣姿も色っぽい。
 昨夜、自分が来た時の合図を互いに決めていたのだ。

「大城、悪いんだが俺まだ仕事が残ってて……その、ゆっくりは出来ないんだ」
 部屋へ入り机を見ると資料が散らばっていた。
 自分の我儘をグッと堪えて極力大人びた優しい表情を作ってみる。

「分かりました。忙しいですもんね、すみません。直ぐ、帰りますから」
「あ、ああ。悪いな」

 てっきり無理矢理駄々をこねてスキンシップへ縺れ込むのだと予想をしていたのか、意外な反応に柳も少し驚いていた。



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はっ!∑(°ロ°*)

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22:50 | ネクタイの距離 | comments (16) | trackbacks (0) | edit | page top↑

続・ネクタイの距離 3話

☆18禁です

 学は自分の気持ちの良い所と同じ場所を攻めてみると案の定、柳の方もピクピクと腰を動かして反応した。
「ねぇ、男同士でする時ってもしかして……ここに?」
 そっと後方に隠れている蕾に人差し指を添えた。
「やっ……ぅ……ん」
 恥ずかしそうに、そして申し訳なさそうな不安げな表情を向ける柳を見て確信する。
「入る……のか? こんな小さな所に?」
「入る……よ」
 柳は教えるように答えた。

――何で知ってる?

 もしかしたら今までで男の恋人がいたかもしれない。そう思っただけでカッとなった。
「あっ……やっ……だっ」
 グイと柳の両足首を掴むと、仰向けになっている柳の頭上まで持ち上げた。
 柳の腰は高く浮き、学が膝立ちで上から見下ろすと、丁度真下に赤みの差したアナルが位置した。
 ためらいもなくギュッと閉じられた恥ずかしい場所に舌先を付ける。

「ひぁっ……だっ、ダメだよぅ、大城っ……ああんっ」
 いやらしい所を舐めながら柳と目を合わせる。
「もう……学って呼んで下さい、先生」
 ピチャピチャと解すように舐めていると、蕾は解けていくように広がっていくのが分かった。シワの多かったその部分は平らに広がり、トロトロになっていく度に学の舌先も気持ちが良かった。

「まな……ぶ……っ…ああんっ」
 学はすかさず柳のペニスに手を伸ばした。上から下へと垂直に扱いてやると、アナルが反応してどんどん開いていくのが舌先に伝わって来た。
「ああんっ……もっ…もう出ちゃうぅっ」
 学は無言のまま更に力を入れて扱いてやる。柳には真上で自分のペニスが扱かれる様がよく見えている筈だ。

「イクっ……出っ…出るっ……ああんっ…ああんっ」
 柳はアナルと同時に攻められたのが良かったようで直ぐに射精しそうになった。
 学はグッと柳の腰を持ち上げて柳の顔目掛けて思い切り扱くと、ビュルッと白濁の液体は柳自身の顔に掛った。
 液体が眼鏡に、頬に、そして唇から胸にまで飛び散っていくのが見える。
 学は自分がこういう事をする趣味があったなんて知らなかった。柳を見ていると歯止めが効きそうもない。もっと啼かせてやりたくなる。

「先生、自分のが掛ったね。やらしいよ……」
 ゆっくりと柳の身体を元へ戻し、自分自身の精液に塗れたその美しい姿に魅入った。

「お前、先生に……何て事をするんだ…ハァハァ」
 射精の後の脱力で動けない柳は、気持ち良さでボーっとした表情のまま抗議をする。

「すげぇ綺麗、先生。それに……先生の味、癖になりそ」
 学は柳の乳首に飛んだ精液を舐め取った。

「んっ」
 独特の青臭さは少なく、寧ろ舌に甘い痺れすら感じる。
「ねぇ、今日はここで寝てっちゃだめ?」
 時間は既に夜中1時を過ぎていた。心と身体で触れ合った後は尚更一ミリも離れたくない。
「ダメだ。今日は我慢しろ、明日朝早いんだ。な?」
 柳はタオルで綺麗に拭きながら乱れた浴衣を直す。
 まだ明日の夜もある、そう自分に言い聞かせてその夜は何度も別れがたいキスをして部屋へと戻った。
 部屋に戻ってからも、学は脳内に先程の強烈な体験が脳裏を駆け巡って一向に眠る事が出来ずに何度もトイレへ行っては自分を慰めた。

***

 結局一睡もしないまま、あちらこちらへ集団行動する羽目になった学は昼過ぎにはすっかり目がトロンとしていた。
 それでもチラチラと視界に入る柳を追いかける。

「先生、眼鏡だー!」
「本当! そっちの方も格好いい!」

 纏わりつく女子の群れも相変わらずだが、眼鏡姿の柳はどうしても昨夜の乱れた姿を思い起こさせる。
 やっとの自由時間に、柳を探してウロついてみるがその姿はどこにも見当たらない。

 古都、京の町並みはメインの場所は観光客用に土産物屋がずらりとならび、ごった返した人ごみで溢れていた。
 ちらほら見える背の高い、茶髪の人たちは外国人だと直ぐ分る。
 やたらに多い八つ橋の店を抜け、小道へと摺り抜けた。メインストリートを抜けるとこんなにも静かで雰囲気のある歴史の町だったのかと感じる。

 地図を広げ、ルートを確認しながら散歩をした。左右をよく確認するのは勿論、柳の姿を探しているからだ。
 清流の流れる小道に差し掛かった時、ふと前方を見るとスラリとした柳の姿があった。

(あ! 先生! ……と、誰だ?)

 自分と違う制服姿の男が柳と向かい合っているのを見付けて足を止めた。



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無理矢理セルフ顔射(-ω-;)
そして知らない生徒と向き合う先生…誰さ?

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23:57 | ネクタイの距離 | comments (10) | trackbacks (0) | edit | page top↑